物流業界に就職・転職を希望する場合、応募書類には説得力のある志望動機を書かなければいけません。採用担当者を納得させる動機を書くポイントについて、例文とともに解説します。物流業界への理解を深めるのと併せて、自己分析も進めておきましょう。
物流業界の志望動機に書く内容は?
物流業界を志望する場合、応募書類の志望動機にはどんなことを書けばよいのでしょうか?志望動機は人によって異なりますが、以下のように共通して必要な内容があります。
物流業界を選んだ理由
志望動機で重要なのは、数ある業界の中で物流業界に興味を持った理由について、分かりやすく説明することです。
事前にしっかりと業界研究をして、人事担当者を説得できる理由を記載しましょう。曖昧な理由だったり、他の業界でも達成できる内容だったりする場合、魅力的な志望動機にはなりません。
例えば、「多くの人の生活を支える仕事をしたい」といった漠然とした内容ではなく、物流業界について把握した上で、物流の重要性とともに、現状の問題点を解決したいといった理由にするとよいでしょう。
物流業界に興味を持つようになった具体的なエピソードを入れると、説得力が増します。
応募先を選んだ理由
物流業界の中でも、なぜ応募先企業を選んだかという理由を、明確に伝える必要があります。応募先企業の特徴や事業方針、市場に提供している価値などを取り入れながら、応募先を選んだ理由を記載しましょう。
応募先で自分の強み・特性を生かせる点や、入社後のビジョンを盛り込むのも有効です。その企業でなければならない理由について、説得力を持って伝えられれば、人事担当者の印象もよくなります。
物流業界を選んだ理由と同様に、具体的なエピソードを交えつつ、入社の意気込みを伝えましょう。
経験・スキルを入れる
物流業界に生かせるような経験・スキルを、アピールすることも大事です。例えば、コミュニケーション能力や運送業務に必要な体力、荷物管理に役立つパソコンスキルなどがあります。
貿易関連の仕事では、英語力が求められる場合もあるので、応募先によってはアピールポイントになるでしょう。
ただし、応募先で生かせる経験・スキルに関しては、自己PRの欄でアピールできます。志望動機の欄には、業界や応募先を選んだ理由をメインに記載しましょう。
物流業界の志望動機を書くポイント
物流業界の志望動機を書く際には、以下のポイントを意識して、しっかり準備をしておきましょう。業界への理解を深めるとともに、自己分析を通じて、自分の強みを明確にすることも大切です。
物流業界や企業への理解を深める
まずは、物流業界や応募先企業についての情報を収集し、現状・特徴を把握しましょう。
物流業界では多くの企業が、物流を一括で請け負う企業に荷物の輸送を委託して、コストの削減を図っている状況です。さらに、ロボットが自動仕訳をする管理のオートメーション化も進んでいますが、一方で実際に荷物を運ぶドライバーが不足しています。
こういった業界の状況・トレンドを把握するとともに、応募先企業が業界のどの位置にあるのか、どういった事業方針・戦略を持っているのかを調べておくと、志望動機につなげやすくなります。
物流業界の業種
物流業界には、次のように保管・流通加工・梱包・荷役・輸送・情報管理の仕事があります。
- 保管:荷物を送り先に発送するまで、一時的に保管しておく業務。荷物を破損させないのはもちろん、品質を一定に保つ必要がある
- 流通加工:荷物の品質を保ちつつ、送り先に確実に届けるために検品をしたり、ラベル貼りをしたりする作業
- 梱包:商品を緩衝材やクッション材、段ボールなどで包装し、安全に配送できるようにする作業
- 荷役:トラックなどに荷物の積み込み・積み下ろしをする作業。保管場所への入庫・出庫も行う
- 輸送:荷物を目的の場所まで運ぶ業務。特定の拠点に運ぶのは「輸送」、最終的な届け先に運ぶ業務は「配送」と呼ばれる
- 情報管理:荷物の送り主・送り先や保管場所、配送ルートなどの情報を管理する業務
基本的に保管や輸送など、実際に荷物を取り扱う仕事は「サービス職」と呼ばれ、情報管理をはじめ、現場のサポートをする仕事は「事務職」に分類されます。それぞれの役割と特徴を理解した上で、志望動機に結び付けましょう。
自己分析をする
魅力的な志望動機を作成するには、物流業界・応募先について理解するとともに、自己分析を通じて自分の強み・特性などを明らかにすることも大切です。
自分のこれまでの経験や実績、培ってきたスキルなどを整理して、応募先にどういった貢献ができるか明確にしましょう。
応募先の採用ニーズと自分の強みが合致していれば、採用される可能性が高まります。自分の強みが応募先でどのように発揮できるのか、どういった価値を提供できるのか説明しましょう。
物流業界の志望動機の例文
物流業界の志望動機の例を紹介します。あくまでも一例なので、解説したポイントを意識しながら、自分なりに志望動機を書いてみることが大事です。
未経験の場合
物流業界が未経験の場合は、これまでの経験・スキルを中心とした内容で、新たな業界でもしっかり貢献できることをアピールしましょう。
【例文】
多くの部門・部署の社員との連携によって、顧客に素早く荷物を届ける物流業界に魅力を感じ、応募いたしました。
その中でも貴社は緻密な物流システムにより、顧客の指定した日に届けられる体制を構築しており、業界トップレベルの顧客満足度を実現しています。
私は前職の家電量販店でバックヤードを担当する機会が多く、荷物の発注・整理を担当しており、効率的に物を管理することの重要性や大変さを学んで参りました。
同時に、スタッフとうまく連携して、必要な物を必要なタイミングで出せるようにするため、管理システムの導入・運用に関わってきた経験があります。
貴社に入社させていただければ、これまでの業務経験を生かしながら、顧客が指定した日時にできる限り荷物を届けられるように、さらなる業務効率化に貢献したいと思います。
経験者の場合
物流業界の経験者の場合は、実際にどういった業務を担ってきたか、業務を通じてどのようなスキルを身に付けたかを、アピールすると効果的です。
【例文】
倉庫管理業務において、革新的な業務オペレーションを確立されている貴社で、これまでの経験を生かしたいと思い応募いたしました。
前職ではドライバーとして、5年ほど千葉県での配送業務を担当し、その後は倉庫管理の主任として勤務しています。ドライバーとしての経験を生かしつつ、どういった体制を構築すれば、全体の業務が効率的に進むかを考えながら仕事をして参りました。
実際に業務プロセスの改善をマネジメント層に訴え、新しい管理システムの導入とともに、保管場所と配置オペレーションを改善し、長時間労働の是正に成功しています。
貴社の業務でも、これまでの経験と培ってきたスキルを生かし、多くのスタッフが働きやすい環境の整備に努めたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
物流業界の志望動機のNG例
志望動機を書く際には、以下の点にも配慮しましょう。人事担当者が興味を持つ内容にすることが重要なので、どの業界にも当てはまる内容だったり、オリジナリティのないものになったりしないように、注意する必要があります。
物流業界で働きたいという決め手がない
物流業界ではなくても実現できる目標や、そもそも物流業界を選んだ理由がない志望動機は、人事担当者にとって魅力がありません。
例えば、「社会に貢献したい」「人々の生活を支えたい」といった思いは、物流業界でなくてもかなえられます。
志望動機には、物流業界で働きたい理由に加えて、応募先でなければ実現できない点をアピールする必要があります。業界研究や自己分析が足りないと、説得力のない内容になってしまうので注意しましょう。
エピソードの中身が薄い
志望動機に結び付くエピソードに具体性がなく、オリジナリティがなければ、応募先で働きたいという気持ちが伝わりません。単に自分の強み・特性を記載するだけではなく、その根拠を具体的なエピソードの形で提示する必要があります。
たとえ他の人と同じようなエピソードだったとしても、ありきたりな内容ではなく、少し違った角度から自分の強み・特性をアピールすると効果的です。
自分にとってよい内容でも、人事担当者にとっては内容が薄いと感じられる可能性もあるので、志望動機を作成したら、他の人にチェックしてもらうのもよいでしょう。
志望動機で物流業界への熱意をアピールしよう
志望動機には物流業界を選んだ理由と、応募先を選んだ理由を記載する必要があります。事前にしっかりと業界・企業研究をしておき、自己分析を通じて、自分の強み・特性を整理しておくことが大切です。
収集・整理した情報を基に、なぜその企業を選んだのか、入社後にどういった活躍ができるのかなどを、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。
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