精神保健福祉士に向いている人の特徴は?必要なスキルややりがいも

精神保健福祉士の仕事には、どんな人が向いているのでしょうか?適性を見極めるポイントとして、向いている人の特徴と向いていないとされる人の特徴を紹介します。身に付けておきたいスキルや仕事で大変だと感じる点、やりがいも確認しましょう。

精神保健福祉士に向いている人は?

男女の福祉士

(出典) pixta.jp

精神に障害を抱える人のサポートをする精神保健福祉士ですが、近年では精神保健(メンタルヘルス)の課題を抱える人へも支援範囲が広がっています。

サポート対象が拡大するにつれ、これまでは医療・福祉・保健分野が中心でしたが、教育・司法・産業・労働分野でも必要とされるようになりました。

そんな精神保健福祉士には、いったいどのような特性が必要なのでしょうか?向いている人の特徴や、性格的な特性について解説します。

参考:精神保健福祉士について |厚生労働省

人と接するのが好き

精神保健福祉士は、精神に疾患・障害を抱える人たちの相談に乗り、サポートするのが仕事です。人と接するのが好きで、社交的な人は相談業務に向いています。

医師・看護師など他の専門職と連携するケースも多く、人間関係を上手に築いていける人は、さまざまな場面で活躍できるでしょう。

悩みを抱えている人の話を聞き出し、どのようなサポートが必要なのか正確に見極めるには、コミュニケーション能力が欠かせません。相談業務に就きたいと考えるなら、対人能力が重要なポイントといえます。

相手の心に寄り添える

悩んでいる人の相談に乗るには、相手の心に寄り添う気持ちが必要です。相談に訪れる人たちの悩みはさまざまで、年齢や性別も違います。

対象となる人の属性を問わず、親身に話を聞く姿勢が求められるでしょう。思いやりを持ち、相手の立場で考える配慮が必要です。

社会復帰や日常生活を送るためのサポートでも、精神保健福祉士が活躍します。悩む気持ちに寄り添える人は、相手が苦しい時期にも上手に付き合っていけるでしょう。

会話のスムーズさや積極性だけでなく、相手の話に耳を傾け、一緒になって最善の道を探れる人は、精神福祉士に向いているといえます。

根気強く精神的にタフ

精神保健福祉士のサポートを必要とする人は、社会復帰を目標としています。精神的な問題を解消し、日常生活を取り戻すには長い時間が必要です。

サポートを続ける精神保健福祉士にも、根気強さが求められます。思ったように進まない日々が続いても、諦めず励まし続けなければなりません。

ときには、つらさを感じた患者が、感情的になってしまうケースもあります。強い言葉を投げつけられても冷静に対処できる精神的な強さがあれば、障害・病気に悩む人たちを適切にサポートできるでしょう。

物事を俯瞰できる

相談を受け、その人にとって適切なサポートを提案するには、客観性が求められます。最善と思える提案をしても、サポートを受けるか決断するのは悩んでいる本人です。

善意の押し付けや独りよがりな提案にならないよう、自分の考え・行動を俯瞰的に見られる人が精神保健福祉士に向いています。

提案が受け入れられなかった場合でも、気持ちを切り替えてさまざまな可能性を考えなければなりません。柔軟な判断力と一歩引いて状況を見極める客観性は、悩む人たちをサポートする上で役立つでしょう。

精神保健福祉士に向いていない人は?

ヒアリングするケアマネージャー

(出典) pixta.jp

精神保健福祉士として活躍するには、一定の資質が求められます。向いていないとされる人の特徴は、どのようなものなのでしょうか?

自分の意見を押し付ける

精神保健福祉士は患者の話を聞き、希望を重視してサポートを進めます。立ち直るための行動は、悩んでいる本人の意思に基づかなければスムーズに定着しません。

自分が正しいと信じる意見を押し通す人は、患者の希望や本当にやりたいことを見落としてしまう可能性があります。

つい「あれをしなさい」「これをしなさい」と命令口調になると、相談をしているのに話を聞いてもらえないと不満を感じさせてしまうでしょう。
 
特に、精神的な問題を抱えて悩んでいる人は、自分の思いをしっかり伝えられず余計に落ち込むケースもあります。自分の意見を押し付けるのではなく、相手の意思を尊重する気持ちが大切です。

協調性がない

精神保健福祉士は、医師・看護師・福祉関連の職員など、さまざまな専門家と連携してサポートに従事します。悩む人の話を聞くだけでなく、幅広い場面で協調性が求められるでしょう。

自分の意見だけでなく、医師の治療方針や福祉施設の考えを意識して話を進める柔軟性も必要です。専門分野には独自のルール・価値観が存在するケースも多く、協調性がなければ仕事がしづらくなってしまいます。

自分のことだけでなく、周囲の状況を把握して協力しながらサポートを続ける姿勢が大切です。

精神保健福祉士に必要なスキル

ヒアリングするケアマネージャー

(出典) pixta.jp

人の話を聞き、サポートするには、いくつかのスキルが求められます。身に付けておきたい技術・スキルについて確認しましょう。資格取得に向けて勉強を続けながら、スキルを身に付けることも可能です。

傾聴力

精神の障害・病気を持ち、サポートを必要とする患者は、深い悩みを抱えています。具体的な悩みや思い、今後の希望を知るには、患者の話にじっくり耳を傾けなければいけません。

自分の気持ちをはっきりと表明できる人ばかりではないため、会話を進めながら、少しずつ重要なポイントを明確にしていくスキルが求められます。相手が何を伝えたいのか、気持ちを想像しながら理解を深める必要があるでしょう。

相手の話をさえぎるのは避け、話しやすい雰囲気をつくるのも、傾聴力を高める上で押さえておきたいポイントです。

洞察力

患者の感情が不安定になっているときは、ちょっとしたトラブルでも大きな問題・精神状態の悪化につながります。精神保健福祉士には、対面での相談を通して相手の些細な変化に気付く洞察力が必要です。

普段と異なる様子や、不安定になっている行動が見受けられれば、医療につなげる判断も求められるでしょう。患者の中には、自己表現が苦手な人もいます。話してくれるのを待つだけでなく、察する力があれば上手にコミュニケーションが取れるはずです。

普段から注意深く物事を観察するように心掛けると、洞察力が身に付いていきます。いつもと違う点がないか、念入りに確認してみましょう。

精神保健福祉士は大変な仕事?

ヒアリングする女性

(出典) pixta.jp

精神保健福祉士の仕事は、大変だといわれることも少なくありません。現役で働く人たちは、どのような点に苦労しているのでしょうか?仕事を始める前に、注意点を理解しておくのも大切です。

精神的な負担が大きい

精神的な悩みを抱える人の相談に乗り、サポートを続けるのは簡単ではありません。話を聞いているだけでも感情移入してしまい、つらさを感じるケースもあります。

障害・病気によって、ネガティブな言動・行動が続く場合も多く、サポートする側にも大きな負担がかかるでしょう。自分の心を強く持たなければ精神的に疲弊し、暗い感情に同調してしまうリスクもあります。

治療・サポートが順調に進まず社会復帰までの時間がかかれば、悩んでいる本人だけでなく、精神保健福祉士のストレスにもつながるでしょう。オンオフの切り替えや、リフレッシュも上手に取り入れていかなければなりません。

人間関係がうまくいかないケースも

精神保健福祉士は人間関係が複雑です。サポートする患者だけでなく、さまざまな人と交流します。医療関係者や患者の家族との関係も、良好に保たなければなりません。

障害・病気で悩む人は、医師や家族と意見が対立するケースもあります。治療は必ずしもスムーズに進むとは限りません。サポート役である精神保健福祉士は、周囲との板挟みになり、悩んでしまうこともあるでしょう。

特に患者が治療を拒んでいる場合や、家族との関係がこじれている場合は、説得や調整で疲弊してしまいます。立場の違う相手に対して上手に説明・説得ができなければ、人間関係に悩む場面も増えるでしょう。

精神保健福祉士のやりがい

ハートを包む二人の手

(出典) pixta.jp

やりがいのある仕事は、充実感や頑張る気持ちを与えてくれます。精神保健福祉士の魅力や、やりがいとなり得るポイントを確認しましょう。

患者の社会復帰を支援できる

精神保健福祉士のサポート対象となるのは、主に精神的な疾患・障害によって、入院・通院を必要とする人です。退院後は社会復帰を助けるため、さまざまな支援を提供します。

悩みを抱える患者を支え、社会復帰できるよう手助けできるのが、やりがいの1つです。1人の患者に長く関わるケースが多いため、少しずつ成長していく姿を間近で見られます。

目標に向かって努力した末に自立が可能になったときには、支援の大切さを実感できるでしょう。

患者や家族の支えになれる

患者を近くでサポートする精神保健福祉士は、感謝される機会も多い仕事です。悩んでいる患者や家族の支えとして役立っている実感は、やりがいにつながります。

患者や家族の周りにいるのは、理解者だけとは限りません。悩み・状況を打ち明けられる存在として信頼を築ければ、適切な支援が可能です。

社会復帰に向けての訓練・指導に携わる場合も多く、深い部分で助けになれるのも精神保健福祉士ならではの魅力でしょう。自立・改善が見られたときには、これまでの苦労を知っているからこそ喜びを実感できるはずです。

患者との関わりが大きなやりがいに

精神保健福祉士は、多くの人と交流しながら仕事を進めます。日常生活であまり出会うことのない人たちとの交流は、広い見識と柔軟な考え方を身に付ける機会になるはずです。

話を聞き、さまざまな人の人生や悩みを知ることは、自分の成長にもつながります。大きな問題を抱えながら、社会復帰に向けて頑張っている患者の姿に勇気づけられることもあるでしょう。

普段の業務内容の中にも、やりがいはあふれています。患者に対する相談業務・指導を通し、自分も仕事・プライベートを充実させて頑張ろうという気持ちが生まれてくるはずです。

適性があるなら精神保健福祉士を目指そう

女性福祉士

(出典) pixta.jp

精神保健福祉士は、専門の大学で学ぶだけでなく、相談援助の実務経験がある人も取得を目指しやすい国家資格です。精神的なケアを求める人たちのサポートをしたいと考えているなら、就職・転職を考えてみましょう。

人の話を聞き、支えることが苦にならない人は、適性があります。仕事内容や働ける場所を確認するには、求人サイトを活用するのがおすすめです。

「スタンバイ」でも、精神保健福祉士の求人情報をチェックできます。これから資格取得を目指すのであれば、実務経験を得られる仕事を探してみるのもよいでしょう。

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