声優に向いている人の特徴は?求められるスキルや仕事の厳しさも紹介

声優は、アニメや映画などのキャラクターに声を吹き込む職業です。声優に憧れる人も増えていますが、どのような人に向いている仕事なのでしょうか?声優に向いている人の特徴のほか、必要なスキルや仕事の苦労などについて解説します。

声優に向いている人の特徴

台本を読む声優

(出典) pixta.jp

アニメのキャラクターや映画の吹き替えで活躍する、声優に憧れている人は多いでしょう。声優にはどのような人が向いているのか、特徴を4つ挙げて紹介します。

感受性が豊かな人

声優は、声だけで作品に登場するキャラクターを演じる仕事ですが、表情で表現できない分、あらゆる感情を声で伝えなければなりません。台本からキャラクターの感情を読み取り表現するためには、感受性の豊かさが必要です。

感受性が豊かな人は、日常的にさまざまな感情を抱くことが多いため、自分の中に喜怒哀楽のバリエーションがストックされています。ストーリーの中でキャラクターが抱く感情も想像しやすくなり、適切な表現ができるでしょう。

感受性を豊かにするには、映画・ドラマ・ドキュメンタリーなどを見て、さまざまな人の感情に触れるのがおすすめです。

コミュニケーション能力の高い人

声優にはコミュニケーション能力も求められます。声優の現場では多くの人が関わり、1つの作品を作り上げるために、監督をはじめ演者・スタッフなどさまざまな人が自分の役割を果たしています。

例えば、アニメや映画の吹き替えのアフレコは、キャラクターの声を担当する声優たちが集まって収録するのが一般的です。仮に1人でマイクに向かって声を吹き込んでいたとしても、録音しているスタッフが必ずいます。

良質な作品を作るためには、監督やほかの声優が何を求めているか理解できるスキルも必要です。制作に関わる人と、しっかり意思疎通できるコミュニケーション能力がなければ、仕事を続けるのは難しいでしょう。

コンプレックスがある人

意外に感じられるかもしれませんが、コンプレックスがある人は声優に向いています。コンプレックスの内容は人それぞれですが、克服したいという強い気持ちが声優を目指す原動力になることもあるからです。

例えば、声にコンプレックスを持っている人の場合、客観的に見ると独自の個性になることもあります。自分ではコンプレックスだと思っていたマイナス要素が、声優の仕事をする上では強力な武器になる可能性もあるということです。

現在、第一線で活躍しているプロでも、声優を目指して努力していた頃や駆け出しの頃に、自分の声が嫌だったという人は少なくありません。コンプレックスを自分の強みに変えていけるガッツのある人は、厳しい声優の世界でも頑張っていけるでしょう。

ポジティブで行動力がある人

声優を目指すには、行動力も必要です。声優になるには、学校などに通うだけでなく、デビューのチャンスをつかむために自らオーディションを受けなければなりません。

ただし、オーディションを受けても、簡単には合格できないことの方が多いでしょう。デビューできるまでに、何年もかかったというケースも珍しくありません。

たとえオーディションに落ちても、気持ちを切り替えてポジティブにチャレンジし続けられる人は、声優に向いているでしょう。

また、声優としてデビューした後でも、仕事を得るためには都度オーディションを受けるのが基本です。待っていても仕事はもらえないので、声優として活躍し続けるためには常に行動している必要があります。

声優に求められるスキルとは?

声優の後姿

(出典) pixta.jp

声優になるには、どのようなスキル・技術が必要なのでしょうか?必要なスキルを知っておくと、声優を目指すにあたって伸ばすべきポイントが見えてくるかもしれません。声優に求められるスキルを3つ紹介します。

表現力や演技力

声優は声だけで芝居する役者なので、表現力や演技力は必須です。感受性が豊かな人でも、それを表現できる力がなければ、見ている人を感動させることはできません。

自分のイメージをそのまま表現するのは、現役の声優でも簡単なことではないでしょう。台本を読み、キャラクターの感情を人に伝えるためには、高度なテクニック・技術が必要です。

表現力や演技力は、スクールのレッスンでも学べます。しかし、スキルとして身に付けていくには、学んだ内容を繰り返し練習しながら磨いていくことが重要です。

読解力

声優の仕事は、台本を読むことから始まります。台本を読み、内容を正しく把握するためには読解力が必要です。

書かれている内容から、ストーリー展開はもちろん、作品の意図・キャラクターの感情などを理解しなければなりません。内容を正しく理解できなければ、適切な感情表現・演技などもできないからです。

台本を読んで自分なりの演技プランを立てるためにも、読解力は欠かせません。読解力を養うには、日頃からなるべくたくさんの本を読むのがおすすめです。

想像力

声優の仕事には、想像力も必要です。声優は、台本に書かれているセリフを、上手に読むことを期待されているわけではありません。キャラクターの心情が伝わるように、表現しながらセリフを読むことが重要です。

しかし、台本を読んだだけでは、キャラクターの心情を理解できないこともあるでしょう。そのような場合は、想像力を駆使してキャラクターがどういう気持ちで言っているのか考えながら、表現することが必要です。

自分なりにキャラクターを解釈し、イメージを作り上げていくためにも、想像力は不可欠なスキルといえるでしょう。

基礎力を身に付けるための対策は?

発声練習の様子

(出典) pixta.jp

声優にはさまざまなスキルが求められますが、まずは正しい発声・発音ができていることが基本です。基礎的な発声練習などはスクールでも学べますが、ここでは自分でもできる対策を紹介します。

正しい発声方法を身に付ける

自分の声に自信がないと思ったら、まず正しい発声方法を身に付けることから始めましょう。発声で重要なのは、呼吸です。声優のように声を使った仕事をする場合は、より多くの空気をため込める「腹式呼吸」をマスターする必要があります。

腹式呼吸のポイントは、ヘソの下にある丹田に空気を入れるイメージをしながら、鼻から息を吸うことです。息を吸ってお腹を膨らませ、お腹をへこませながらゆっくりと口から息を吐きます。

また、唇をプルプルと振動させながら声を出す「リップロール」や、口を閉じて「んー」という声を出す「ハミング」なども、正しい発声方法を習得するのにおすすめな練習法です。

早口言葉などで滑舌の練習をする

セリフを聞き取りやすいように読むには、滑舌も大切です。滑舌の悪さに悩んでいる人には、早口言葉を読んで練習するという方法があります。早口言葉を読むときは、1語ずつ意識しながらはっきり発音するのがポイントです。

また、「ルルルル…」と巻き舌で音を出す「タングトリル」を練習するのもよいでしょう。タングトリルはやや難しいトレーニングですが、舌をリラックスさせる効果が期待できるので、毎日少しずつ練習するのがおすすめです。

母音を歯切れよく発音するためには、文章・セリフを母音だけで読む「母音法」というトレーニングを試してみるとよいでしょう。

表情筋を鍛えて表現の幅を広げる

表現力が足りない人は、表情筋が硬いことが原因かもしれません。表情筋が柔らかくなるよう鍛えることで、表現の幅が広がる可能性があります。日常生活では一部の表情筋しか使わないため、鍛えるにはトレーニングが必要です。

例えば、目・口をぎゅっとすぼめたり、口を横に引っ張るように伸ばしたりするのを繰り返すだけでも、表情筋を鍛えられます。

また、割り箸を2本用意し、太い方を口に入れて左右の奥歯でかみながら「らたなかさ」「らりるれろ」などと、しっかり発音できるようにするトレーニングもおすすめです。

かみ応えのある食べ物を食べるだけでもアゴの筋肉は鍛えられるので、普段の生活で意識してみるとよいでしょう。

声優の仕事の苦労も知っておこう

台本を読む声優

(出典) pixta.jp

ほかの職業と同様に、華やかに見える声優の仕事にもさまざまな苦労があります。目指すにあたって、声優の仕事の大変さについても知っておきましょう。

仕事にはオーディションがつきもの

声優としてデビューするために、さまざまなオーディションを受けている人も多いでしょう。しかし声優になってからも、仕事を得るためにはオーディションを受けて合格しなければなりません。

たとえ1度仕事をもらえたとしても、次の役をもらえるとは限らないのが声優の世界です。特に知名度・実力が足りない新人の頃は、「仕事をするにはまずオーディションを受けるもの」と思っておいた方がよいでしょう。

ただし、オーディションを受けても必ず合格するとは限らないため、収入が安定しにくいという苦労もあります。そのため、アルバイトをしながら声優をしている人も少なくありません。新人も次々に入ってくるので、常にスキルアップする努力も必要です。

日々の体調管理が必要

声優は、体調管理にも細心の配慮が必要です。声優にとっては、声が資本です。体調を崩してノドを痛めてしまうと、仕事に影響してしまいます。

自分の体調不良でスケジュール通りに収録が進まなくなれば、周りに多大な迷惑をかけてしまうでしょう。大事な収録に穴を開けてしまえば、信用を失うことにもつながります。最悪の場合、代役を立てられて仕事を失う可能性もあるでしょう。

風邪を引かないといった一般的な体調管理に加えて、普段の生活で不用意に大声を出さないなど、ノドに負担がかかるような行動を避けることも必要です。

勤務時間が不規則

声優に限らず、エンターテインメントの仕事は、会社員のように勤務時間が決まっているわけではありません。そのため、どうしても生活が不規則になりがちです。早朝や深夜に仕事をするケースも珍しくないでしょう。

作品のクオリティに納得できなければ、何度も吹き込みをし直さなければならず、長時間の収録になることもあります。

新人のうちは、仕事のほかにレッスン・オーディションなどもあるため、アルバイトと掛け持ちをしている人はスケジュールの調整に苦労するかもしれません。

不規則な生活になるのは避けられませんが、体調を崩して仕事に影響を及ぼすという悪循環に陥らないためにも、日頃の体調管理がさらに重要になります。

声優に向いていると思ったら挑戦してみよう

声優の女性

(出典) pixta.jp

声優は、声だけで表現・演技をする役者です。小さい頃からアニメを楽しんできた人の中には、声優の仕事に憧れて目指している人も多いでしょう。声優の仕事には、感受性が豊かな人や、コミュニケーション能力の高い人などが向いています。

常にオーディションを受けなければならないなど苦労も多い仕事ですが、前向きに頑張れるポジティブな人なら乗り越えていけるでしょう。コンプレックスを抱えている人も、強みに変えていける可能性もあります。

声優に向いていると思った人は、思い切ってチャレンジしてみましょう。「スタンバイ」には、声優・ナレーターなど声の仕事も多数掲載されています。スマホからでも検索できるので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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