スタントマンになるには?仕事内容や求められる能力・スキルを紹介

スタントマンは、ドラマや映画の危険なシーンで活躍する仕事です。高いビルから飛び降りたり、爆発に巻き込まれたりするシーンを演じるには、どのような能力・スキルが必要なのでしょうか?技術を学ぶ方法や仕事内容について解説します。

スタントマンになる方法

剣を構える

(出典) pixta.jp

スタントマンになりたい場合、どうすればよいのでしょうか?代表的な方法を2つ紹介します。

スタントマンの養成所で技術を学ぶ

スタントマンになるには、専門の学校・養成所に通って技術を学ぶことが必要です。学校・養成所では、殺陣・カースタント・ワイヤーアクション・爆破アクションなど、危険なシーンを演じるために必要な知識や、安全管理方法などを学べます。

演技指導をしてくれる養成所もあるので、アクションだけでなく、役者としてのスキルを身に付けたい人にもおすすめです。

学校・養成所によっては、入所するためのオーディションを実施しているケースもあります。常に募集しているわけではないので、小まめにチェックしておきましょう。

プロダクションに所属する

スタントマンとして働くためには、専門の事務所・芸能プロダクションに所属するのが一般的です。

事務所・プロダクションに入るためにもオーディションを受けるのが基本ですが、養成所が運営している場合も多く、卒業後そのまま所属できるケースもあります。

スタントマンの求人は、一般に公開されることはほとんどありません。通常は、事務所などを通じて仕事を請け負います。

そのため、どの事務所に所属するかしっかり考えて選ぶことが大切です。なお、スタント専門ではない、一般の事務所に所属する人もいるようです。

スタントマンの仕事とは?

撮影

(出典) pixta.jp

スタントマンは、危険なシーンを演じることを専門にした仕事ですが、その種類は大きく分けて2つあります。具体的な仕事内容と併せて確認しましょう。

俳優の代わりに危険な演技をする仕事

武術・剣術を得意とし、日頃から体を鍛えている俳優が自ら危険なシーンを演じるケースもありますが、多くの場合はスタントマンが代役を果たします。

スタントマンは、階段や高いところから落ちたり、車・バイクにひかれたり、乱闘シーンで殴られたり、爆発で火だるまになったりなど、命を落としかねないほどの危険と常に隣り合わせです。

ケガ・事故を防ぐために体を鍛えておくことは必要ですが、代役を果たす俳優との体格差がある場合は、違和感が出ないようにダイエットしなければならない可能性もあります。

ボディスタントとカースタントがある

スタントの種類は、「ボディスタント」と「カースタント」の2つに分かれます。

高いところから飛び降りたり、炎に包まれたりなど、体を使って危険な演技をするのがボディスタントです。子どもに人気のヒーロー戦隊ものの作品で、変身後の姿になって演じるスーツアクターも、ボディスタントと呼ばれています。

一方、乗り物に乗って演技するのがカースタントです。車・バイクによるカーチェイスや、事故のシーンなどを演じます。

どちらの場合も、迫力のあるシーンを生み出すためには、強靱な体力や高度な技術が必要です。

スタントマンに必要な能力・スキル

銃を構える

(出典) pixta.jp

命の危険が伴うケースが多い仕事なので、スタントマンにはさまざまな能力・技術が求められます。代表的なスキルを4つ紹介します。

優れた身体能力

激しいアクションをする機会が多いので、身体能力の高さは必須といってよいでしょう。迫力のあるシーンで、ドラマ・映画などを盛り上げるためなのはもちろん、自分の体をケガから守ることにもつながるからです。

カーチェイスや爆破シーンなどの場合、優れた反射神経がないと、大きな事故につながってしまう可能性もあります。生まれつき身体能力の高い人は、スタントマンに向いているといえるでしょう。

演技力

スタントマンは、ただ危険なことをする人ではなく、俳優の代わりにそのシーンを演じる役者です。顔が映ることはないものの、自然な動作に見えるように演技する必要があります。

例えば、階段から落ちるシーンでは、ただ飛び降りるのではなく、状況に応じた演技をしながら落下しなければなりません。

また、1人で複数の登場人物のスタントを担当し、キャラクターを演じ分ける場合もあります。安全には十分に配慮しながらも、リアリティのある演技をすることが大切です。

勇気・体力

激しいアクションをするには、体力が必要です。例えば、カーチェイスなどのシーンでは、車が激しくぶつかり合ったり、横転したりすることも珍しくありません。ギリギリのタイミングで、危険を回避しなければならないケースも多々あります。

打撲・捻挫などのケガをしても、そのまま撮影を続けなければならない場合もあるでしょう。大きな事故を防ぐためにも、日頃からトレーニングなどで体力をつけておくことが大切です。

また、足もすくむような高い場所から落下するなど、恐怖心を抑えて演技しなければならない場面も数多くあります。恐怖心がケガにつながることもあるため、強い精神力・勇気も必要です。

運転免許

スタントマンは、運転免許がなければなれないわけではありませんが、カースタントをする際に必要となるため、取得しておくのがおすすめです。

普通自動車免許のほか、大型免許なども取得してさまざまな種類の車を乗りこなせるようにしておくと、仕事の幅が広がります。

カースタントを中心に担当したい人は、大型自動二輪などのバイク免許も取得しておくとよいでしょう。安全運転に関する知識を身に付けていることはもちろん、迫力のあるカーチェイスシーンを演じるためには、優れた運転テクニックも必要です。

スタントマンになる前に知っておくべきこと

骨折した手

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スタントマンは、事故・ケガをする可能性が高いことのほかにも、いくつか注意点があります。スタントマンを目指す人が、知っておくべきポイントを2つ紹介します。

年齢が上がると第一線で活躍しにくい

スタントマンは、体が資本の仕事なので、年齢が高くなるにつれて活躍の場が少なくなりがちです。一般的には、30代後半頃までが限界だとされています。

40代を過ぎると、徐々に反射神経・運動神経は衰えるため、事故・ケガなどにつながる危険性が増す可能性もあるでしょう。

現役で働ける期間が短いので、引退後はどのようにして収入を得るか、早いうちから考えておく必要があります。現役スタントマンとして活躍した後は、若手の育成にキャリアチェンジするのも1つの方法です。

収入が安定しにくい

スタントマンは、収入が安定しにくいというデメリットもあります。スタントマンの報酬は、1シーンごとに支払われるのが一般的です。

報酬額は、スタントの危険度や難易度、制作会社などによって異なりますが、以下のような金額が相場とされています。

  • 車にはねられる:1~7万円
  • 階段から転落する:3~5万円
  • 火だるまになる:100万円前後

新人の頃は、1つの撮影が終わったら、次の仕事がなかなか決まらないケースも珍しくありません。そのため、アルバイトを掛け持ちしながら続けている人もいます。

ある程度のキャリアを積んで、難しいスタントなどを安定してこなせるようになれば、収入も高くなる可能性はあるでしょう。とはいえ、収入に幅があり、安定しにくいケースがほとんどです。

スタントマンになるには体力や演技力が必要

スーツを着る

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スタントマンは、高いところから落下したり炎に包まれたりと、命に危険がおよぶ可能性のあるシーンを演じる専門職です。俳優の代役として危険なシーンを担当するため、体力とともに演技力も求められます。

事故・ケガを引き起こさないように注意しつつ、迫力のあるシーンを演出するには、スタントのスキルを身に付けておくことが必須です。スタントマンに興味がある人は、専門学校・養成所などに通い、技術を学ぶところから始めましょう。
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