放送作家になるにはどうすればいい?具体的な方法や必要なスキルとは

テレビ・ラジオの番組の台本を作る放送作家になるには、どうすればよいのでしょうか?技術を学べる場所や、デビューするための具体的な方法を解説します。台本作りに必要なスキルや向いている人の特徴も、併せて確認しましょう。

放送作家になる方法は?

パソコンに向かう男性

(出典) pixta.jp

放送作家を目指す上で、学歴・資格は重要視されません。しかし、発想力や文章力、正しい日本語力などを学ぶために、学校・スクールなどに通うのも選択肢の1つです。放送作家に必要なスキルを学ぶ方法を、2つ紹介します。

放送系の専門学校に通う

放送系の専門学校では、テレビ・ラジオの仕事に関する専門知識を身に付けられます。放送作家・カメラマン・編集スタッフなどのコースに分かれているケースが多く、基礎から実践的な技術までを学べます。

就職サポートが充実しており、多くの卒業生をテレビ業界に輩出している学校も少なくありません。テレビ業界でのインターンシップ制度が整っている学校を選べば、プロの放送作家の近くで働ける可能性もあるでしょう。

学校によってコース内容・カリキュラムが異なるので、オープンキャンパスなどに参加して、自分の目的に合ったところを選ぶことが大切です。

放送作家を養成するスクールや講座で学ぶ

放送作家養成スクールや講座などで、学ぶ方法もあります。養成スクールや講座では、放送作家に特化して学べるため、番組企画・台本の作り方などより実践的な技術を習得しやすいのが特徴です。

短期間で学べるところが多く、夜間コースなどもあるので、仕事をしながらでも通いやすいというメリットもあります。

できるだけ業界に近いところで学びたい人は、芸能プロダクションが運営している養成所や、現役の放送作家が講師をしているスクールに入るのもおすすめです。即戦力となる技術を身に付けながら、人脈・コネクションを築ける可能性もあります。

放送作家の仕事内容

デスクワークをする手元

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放送作家の仕事内容についても確認しておきましょう。また、似ている職種である構成作家との違いも解説します。

テレビ・ラジオ番組の台本作り

放送作家は、テレビ・ラジオのバラエティ番組・情報番組などの台本を制作する仕事です。台本には出演者のセリフ・動作に関する指示だけでなく、ナレーションの内容・入るタイミングなど、番組の進行に必要な項目がすべて記載されています。

台本を書くためには、ディレクター・プロデューサーを含めた関係者との企画会議で、番組の方向性・内容を細かく詰めておかなければなりません。

放送作家が番組を企画する場合は、取り上げるテーマの内容や出演させるタレントなどをまとめた企画書も作成します。

構成作家との違い

放送作家と近い職業として、「構成作家」が挙げられます。基本的に、番組全体の流れ・構成・コンセプトのほか、コーナー企画などを考えるのが仕事です。

構成作家が考えた番組構成に沿って台本を作るのが、放送作家といってもよいでしょう。そのため、構成作家の方が、よりディレクター・プロデューサーなど制作側に近い立場ともいえます。

しかし、近年では両者をあまり区別しないケースも多いようです。放送作家が番組を企画するケースもあれば、構成作家が台本の執筆まで担当する場合も珍しくありません。

放送作家として働く方法

テレビ局のイメージ

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放送作家として働く方法は、主に3つあります。それぞれの方法について、具体的に見ていきましょう。

テレビ局や制作会社に就職する

専門学校・養成スクールなどに通わず、テレビ局や制作会社に就職する人もいます。ただし、テレビ局などに就職したからといって、すぐに放送作家になれるわけではありません。

アシスタントディレクター・アシスタントプロデューサーとして働きながら、番組制作の現場経験を積んでいくのが一般的です。制作会社の場合は、直接テレビ番組の制作に関われるチャンスも期待できます。

放送業界で働く中でコネクションを築ければ、ディレクター・プロデューサーに自分の企画を見てもらえる可能性も高まるでしょう。

放送作家事務所に所属する

放送作家の事務所に所属する場合は、直接雇用されるか、マネジメント契約を結ぶかの2種類のケースがあります。

直接雇用される場合は、一般企業の会社員と同様の待遇を期待できるのがメリットです。新人の頃は、所属している放送作家の情報収集などを手伝いながら、仕事のノウハウを学んでいきます。

一方、マネジメント契約を結ぶと、報酬は出来高制となるのが一般的です。仕事量によって収入が変動するため、案件がなければ無収入になる可能性もあります。

所属するには、実績・キャリアが必要になるケースも多いですが、事務所が運営するセミナー・スクールに通ったり、求人情報をチェックしたりするのもおすすめです。

実績を積めばフリーランスでも活躍可能

現役の放送作家には、フリーランスとして活躍している人も数多くいます。しかし、スクールなどを卒業してすぐにフリーランスとして働くのは、現実的には困難です。

実績がなければ、仕事をもらえる可能性はほとんどないといってよいでしょう。まず放送作家事務所などで働きながら、経験・実績を積んでおくことが必要です。

または、テレビ局でアシスタントディレクターなどを経験し、仕事をもらえるような人脈を築いた上で、放送作家に転向する人もいます。なお、フリーランスの場合、安定した収入を得られる保証はないという点も知っておきましょう。

放送作家に必要なスキルとは?

ノートに書き込む

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放送作家になるには、どのような能力が必要なのでしょうか?主なスキルを2つ紹介します。

発想力

視聴者を楽しませる企画・番組を制作するには、豊かな発想力が求められます。

バラエティ・ドキュメンタリー・音楽番組など、放送作家が手掛けるジャンルは多種多様です。単発だけでなく、毎週放送される番組の台本を担当する場合もあり、常に新しいアイデアを考え出さなければなりません。

深夜帯の番組であれば、斬新な内容が受け入れられる可能性もありますが、ゴールデンタイムには幅広い年代が楽しめる一方で、ありきたりにならない番組作りが求められます。

常にアンテナを張って、アイデアの着想に結び付くような情報を収集しておく必要があるでしょう。

文章力

番組の台本を制作する放送作家にとっては、文章力も重要なスキルの1つです。番組内で出演者が何気なく話しているセリフも、実は放送作家が作成した台本に基づいています。

台本には、セリフ以外に番組の進行に必要な演出内容も記載するため、誰が読んでも分かりやすい文章を書くことが肝心です。

また、テレビ・ラジオで話される内容が、世間に大きな影響を与えるケースも少なくありません。セリフの受け取り方は見る人によって千差万別なので、表現方法・言葉の選び方を意識して書くことも大切です。

放送作家に向いている人

ラジオ

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「そもそも、自分が放送作家に向いているのか知りたい」という人もいるかもしれません。どのようなタイプの人に適しているのか、向いている人の特徴を2つ挙げて解説します。

テレビやラジオが好き

まず、テレビ・ラジオが好きな人でないと、長く続けるのは難しいかもしれません。放送作家は、一般的な会社員と比べると、収入面・待遇面などの安定が保証されにくい仕事です。

自分のアイデアがプロデューサー・ディレクターから認められず、なかなか企画が通らない可能性もあります。番組を制作しても、視聴者からの反応が悪ければ、打ち切りになってしまうケースも珍しくありません。

そのような局面でも、「好きなことを仕事にしている」という気持ちがあれば、それがモチベーションとなって粘り強く続けられるでしょう。

他者を楽しませるのが得意

他者を楽しませるのが好きな人や、場を盛り上げるのが得意な人にも向いています。そもそも放送作家は、視聴者が楽しめる番組を作るのが仕事です。視聴者の反応の目安となる視聴率が、番組の存続を左右するといってもよいでしょう。

ただし、視聴者を楽しませるというのは、単に笑わせるということではありません。「最後まで興味を持って見てもらえるような工夫」が必要です。

他者を楽しませるのが好きな人・ユーモアのセンスがある人は、相手の気持ちを想像しながらアウトプットできる人でもあるので、視聴者が楽しめる番組を作れるでしょう。

発想力や文章力を磨いて放送作家を目指そう

タイピング

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放送作家になるには、専門学校・養成所などで、台本作りや番組制作に役立つ知識・技術を学ぶのがおすすめです。アイデア出しに必要な発想力や、台本を書くための文章力などのスキルも求められます。

事務所に所属して実績を積むほか、テレビ局でアシスタントディレクターなどをしながらチャンスをつかむ方法もあるので、自分に合ったやり方で目指してみましょう。

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