ホテルフロントは、ホテルにおける花形職種の1つとして知られています。未経験からホテルフロントを目指すことは、可能なのでしょうか?ホテルフロントになるにはどうすればよいのか、必要なスキル・資格にはどのようなものがあるのかなどを解説します。
未経験からホテルフロントになるには?
業界・職種未経験から、ホテルフロントを目指すルートを紹介します。以下で紹介するのは一例ですが、どのようなルートがあるのか分からず悩んでいる人は、参考にしてみましょう。
専門学校に通って必要なスキルを習得する
ホテルフロントは、エンジニアなどとは異なり、専門的かつ高度なテクニカルスキルが求められる職種ではありません。しかし、接客や管理などに関する、一定のスキルは必要です。
世の中には、ホテルスタッフを目指す人を対象にした専門学校があります。転職活動を有利に進めるには、専門学校に通った方がよいでしょう。専門学校の中には、夜間部を開設しているところもあるため、働きながら学ぶことも可能です。
基本的にホテルフロントに学歴は求められないものの、大手のホテルを目指す場合や、管理職にキャリアアップしたい場合は、大卒の方が有利になる傾向があります。
未経験者歓迎の求人に応募する
ホテルの求人を探していると、未経験者歓迎と記された案件が見つかります。異業種からの転職を目指しているなら、未経験者歓迎の求人に応募するとよいでしょう。
ただし、他の業界と同様に、未経験者と経験者が選考で競い合った場合、未経験者の方が不利になります。そのため、よい条件で転職するためにいったん非正規でホテルの経験を積み、その後正規雇用での転職を目指すのも1つの方法です。
まずは、自分が居住しているエリアで、どのような求人があるのか調べてみましょう。
ホテルフロントに向いている人の特徴
転職を決断する前に、自分にとってホテルフロントの仕事が本当に向いているのか、よく考えることが大切です。ホテルフロントに適性がある人の、3つの特徴を解説します。
他者とのコミュニケーションが好き
ホテルフロントとして働いていると、多くの宿泊客とコミュニケーションを取る機会があります。定型的なやりとりだけではなく、相談・質問に対応するケースもあるでしょう。
そのような際には、相手が何を聞きたいのか、何を求めているのかをヒアリングして、適切な対応をすることが欠かせません。人の役に立ちたいと思っている人は、ホテルフロントに向いているといえるでしょう。
ハイエンドなホテルになるほど、高い接客レベルが求められるため、常にスキルアップを意識することが大切です。
状況に応じて適切に対応できる
日々の業務で対応する範囲は、マニュアル化されているケースが多いものの、イレギュラーが発生したときには臨機応変な対応が求められます。
例えば、設備のトラブルが発生したときや二重予約が発覚したとき、災害が発生したときなどが該当するでしょう。どのように対処するかが、宿泊客の満足度に大きく影響します。
イレギュラーな状況にうまく対処できれば、宿泊客の満足度を高め、リピーターの創出にもつながるでしょう。
不規則な勤務が苦にならない
ホテルは、年中無休で営業している宿泊施設のため、勤務は不規則になります。一定期間ごとにシフトを組んで、交替勤務にあたるのが一般的と考えましょう。そのため、不規則な勤務が苦にならない人に向いています。
また、シーズンによって忙しい時期とそうでない時期があるのも、ホテルの特徴です。業務の性質上、固定シフトで稼働している職場は少ないため、勤務日を固定したい人には向いていないといえるでしょう。
ホテルフロントとして働くのに必要なスキル
接客などを担当する上で、さまざまなスキルを求められるのがホテルフロントです。将来的に、マネージャーなどの上位職種にキャリアアップしたいと考えているのであれば、以下で紹介する3つのスキルを向上させるとよいでしょう。
高いホスピタリティマインド
宿泊客に快適さを提供し、満足度を高めるように配慮しながらさまざまなサービスを提供することが、ホテルフロントに求められるホスピタリティマインドです。
適切な言葉遣い・立ち振る舞いはもちろん、宿泊客の質問・相談に対応するときは、親身な姿勢が求められます。自分のささいな行動が、宿泊客の満足度を左右する点を覚えておきましょう。
ホスピタリティマインドは、一朝一夕で培えるものではありません。転職前から意識を高め、徐々に向上させることが大切です。
十分なヒューマンスキル
ホテルを訪れるさまざまな人と、スムーズにコミュニケーションを図るには、高いレベルのヒューマンスキルが欠かせません。ヒューマンスキルとは、円滑な対人関係を構築するスキルの総称で、以下のようなものが含まれます。
- コミュニケーションスキル
- ヒアリングスキル
- ネゴシエーションスキル
いずれかのスキルを習得すればよいというものではなく、複数のスキルを総合的に培うことが大切です。
ヒューマンスキルも短期間で習得できるものではないため、普段から意識しましょう。職種・業界を問わず必要とされるスキルです。
外国語で会話するスキル
ホテルは、外国人観光客も多く利用するため、外国語で会話するスキルも重要です。新たに言語を学ぶのであれば、話者人口が多い以下のような言語を習得するとよいでしょう。
- 英語
- スペイン語
- 中国語
- アラビア語
- フランス語
自分が話せる言語と近い種類の言語を学ぶことで、より効率的に習得できます。多くの人に最適なサービスを提供するためにも、外国語を積極的に学びましょう。活躍するフィールドを広げることにもつながります。
ホテルフロントへの転職に役立つ資格
ホテルフロントとして働く上で、必須とされる資格はありません。しかし、スキルを証明できる資格を取得すると、転職活動をより有利に進められるようになります。転職で役立つ3つの資格を確認しましょう。
ホテルビジネス実務検定試験
ホテルスタッフに求められるスキルセットを有している証明になる資格が、「ホテルビジネス実務検定」です。資格は4つの等級に分かれていて、それぞれの等級を取得することで、以下のスキルを証明できます。
- マネジメントレベル1級:部門管理者として実務にあたるスキル
- マネジメントレベル2級:部門マネージャーとして実務にあたるスキル
- ベーシックレベル1級:ホテルのオペレーションやマネジメント、基礎的な管理業務を行うスキル
- ベーシックレベル2級:宿泊・料飲・宴会などの接客オペレーションを深く理解し、即戦力として業務にあたるスキル
ベーシックレベルは新入社員を含めた接客に携わるスタッフを、マネジメントレベルは管理職として働く人を対象としています。まずは、下位のベーシックレベルから順番に取得を目指すとよいでしょう。
ホテル実務技能認定試験
「ホテル実務技能認定試験」は初級・上級の2段階に分かれており、それぞれの等級に応じて、ホテルスタッフに求められる業務スキルを証明する資格です。等級ごとの認定基準は、以下の通りです。
- 初級:ホテル業界・旅行業界の動向を理解し、各サービスを提供する上で必要なスキルを有している
- 上級:ホテルスタッフとしての基本的なマナーやサービス提供、英会話に関する基礎的な知識・スキルを有しており、業務内容をきちんと理解している
フロントに限らず、ホテルで働くスタッフ全般を対象にしています。専門スキルと語学力を測定する資格であるため、まずは初級からチャレンジしてみましょう。
TOEIC Listening & Reading Test
英語力を客観的に証明したいのであれば、「TOEIC」を受験しましょう。TOEICは、ビジネス・日常生活に必要な英語力を測定する試験で、合否ではなくスコアでレベルを客観的に示します。
ホテルフロントとして働く場合、600点以上のスコアを目指すとよいでしょう。600点以上であれば、相手の言葉を聞き取って内容を理解し、自分の意見を英語である程度表現できます。
英語力は、ホテルフロントにとって重要なスキルのため、転職後も学習に励みましょう。いずれは、十分にコミュニケーションを取れる800点以上を目指すことをおすすめします。
TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
ホテルフロントは未経験からでも目指せる!
宿泊客への対応を担当する、ホテルスタッフの花形的存在がホテルフロントです。未経験でホテルフロントに転職することも可能ですが、活躍を続けるには、ホスピタリティマインドや高度な接客スキルが求められます。
自分に向いている仕事であればやりがいも得られるため、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「スタンバイ」でも、ホテルの求人を数多く扱っています。シティホテルやリゾートホテルなどさまざまな案件があるため、1度チェックしてみましょう。