女性に人気の資格11選!転職やキャリアアップに役立つ資格とは?

女性が転職・キャリアアップを目指す場合、どのような資格が役立つのでしょうか?男性と比べ、女性は出産・育児でブランク期間が生じやすい傾向にあります。再就職で有利になる資格や、多様な働き方ができる資格もチェックしましょう。

【女性におすすめ】ビジネス全般で役立つ定番資格

勉強する女性

(出典) pixta.jp

資格には、「特定の業務に特化した資格」と「ビジネス全般で役立つ資格」があります。

後者は、あらゆる業界・業種で役立つため、社会人であれば取得しておいて損はありません。実務経験と併せてアピールすれば、転職・キャリアアップの際に有利になるでしょう。

日商簿記検定

日商簿記検定は、日本商工会議所および各地商工会議所が主催しています。数ある簿記検定の中では知名度が高く、2級以上を取得すれば、転職に有利になるといわれています。

等級は、原価計算初級・簿記初級・3級・2級・1級です。経理部門以外の一般職であれば、まずは3級を目指しましょう。基本的な商業簿記を習得していることを、対外的に証明できます。

1級は、経営管理や経営分析が行えるレベルです。公認会計士・税理士への登竜門でもあり、合格者は税理士試験の受験資格が得られます。以下は、2023年6月に実施された試験の合格率です。

  • 3級:34.0%
  • 2級:21.1%
  • 1級:12.5%

参考:簿記 | 商工会議所の検定試験

参考:簿記 受験者データ | 商工会議所の検定試験

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

Excel・Word・PowerPointなどのMicrosoft Office製品は、世界中のオフィスで導入されているといっても過言ではありません。MOSは、Microsoft Office製品の利用スキルを判定する民間資格で、製品のバージョンごとに試験が用意されています。

客観的なスキルの証明ができるのはもちろん、対応学習で多くのテクニックが学べるため、業務の効率化・生産性の向上にも役立つでしょう。合格認定証は世界共通なので、海外の企業でも通用します。

WordとExcelには、一般レベルと上級レベルの2つの等級があります。受験資格に制限はなく、基本的に誰でも受験可能です(小学生以下は保護者の同意が必要)。

参考:MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト

秘書検定

秘書検定は、「公益財団法人実務技能検定協会」が実施する民間資格です。

社会人に欠かせない一般常識のほか、対人関係を円滑に進めるための言葉遣いやコミュニケーションの基本なども身に付くので、ビジネスマナーを学びたい全ての人におすすめです。

等級は、3級・2級・準1級・1級に分かれています。2級は、就職を意識した大学生の受験が多い傾向にありますが、準1級になると大学生と社会人の受験者がほぼ同数を占めています。

2023年6月に実施された試験の合格率は、以下の通りです。

  • 3級:73.3%
  • 2級:57.6%
  • 準1級:45.9%
  • 1級:26.4%

参考:ビジネス系検定

参考:受験者状況

【女性におすすめ】スキルアップに役立つ資格

勉強する女性

(出典) pixta.jp

「仕事の幅を広げたい」「ワンランク上のポジションを狙いたい」という人は、スキルアップに役立つ資格を取得しましょう。

キャリアプランは人それぞれなので、実際に役立つ資格は人によって異なります。数ある資格の中から、実用性が高いものをピックアップして紹介します。

ファイナンシャル・プランニング技能検定

ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)は、相談者のライフプランや夢に応じた資金計画をアドバイスする専門家です。人生100年時代といわれる昨今、老後資金をはじめとするお金の悩みを抱える人が増えていると考えられます。

FPの資格を取得すると、金融業界・保険業界・不動産業界でのスキルアップに有利になる上、習得した知識を自分の生活設計・資産運用に生かせるのがメリットです。FPの資格は、以下の2パターンに大別されます。

  • ファイナンシャル・プランニング技能検定(国家検定)
  • AFP資格・CFP資格(日本FP協会の民間検定)

ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP検定)には3級・2級・1級があり、日本FP協会によると合格率は以下の通りです(※)。実務経験のない初心者は3級からスタートしましょう。

  • 3級:(学科)約74.8%・(実技)約77.7%
  • 2級:(学科)約53.5%・(実技)約52.0%
  • 1級:(実技)96.2%

※合格率は小数点第2位を四捨五入

参考:日本FP協会

参考:FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ | 日本FP協会

基本情報技術者試験

ITエンジニアを目指す人や、デジタル技術の基本を身に付けたい人におすすめなのが、基本情報技術者試験です。

経済産業省のIT政策実施機関であるPA(情報処理推進機構)が行う国家試験で、IT人材に必要な基本的知識および技能を備えていることを証明できます。ITエンジニアの登竜門ともいわれ、上位資格には「応用情報技術者試験」があります。

2023年4~10月の合格率(合計)は、50.0%です。難易度はそれほど高くはないものの、出題範囲が広いため試験対策を怠らないようにしましょう。受験方法はコンピューターを使ったCBT方式で、問題形式は多肢選択式です。

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

参考:基本情報技術者試験|試験情報|IPA独立行政法人 情報処理推進機構

【女性におすすめ】多様な働き方が期待できる資格

勉強する白衣の女性

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手に職を付ければ、フルタイムやパートとして年齢に関係なく採用される可能性が高まります。資格によっては、フリーランスの道も開けるでしょう。多様な働き方が期待できる資格を紹介します。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

医療事務技能審査試験は、「一般財団法人日本医療教育財団」が主催する医療事務の民間資格です。受験資格は設けられておらず、医療事務の未経験者でも受験可能です。

医療事務に資格は必須ではありませんが、知識と技能を証明できる資格があると、転職活動がスムーズに進むでしょう。実務で役立つ知識が身に付き、自信を持って業務に携われます。

試験は実技I・学科・実技IIの3科目で構成されており、全ての得点率が70%に達した時点で合格と判定される決まりです。歯科の試験は年6回、医科は年12回(毎月)実施されています。

参考:日本医療教育財団

登録販売者

登録販売者は、ドラッグストア・薬局で一般用医薬品(第2類・第3類)の販売ができる資格です。有資格者は、薬剤師に次ぐ薬のスペシャリストとして、誇りを持って仕事ができるでしょう。

登録販売者の求人には、正社員・派遣社員・パートといったさまざまな雇用形態があるため、自分のライフスタイルに合わせて働けます。

登録販売者試験には受験資格がなく、基本的に誰でも受験可能です。ただし、正規の登録販売者として売り場に立つには、管理者要件(実務経験)を満たさなければならない点に留意しましょう。東京都で2023年9月に行われた試験の合格率は44.0%です。

参考:令和5年度登録販売者試験について 東京都保健医療局

ウェブデザイン技能検定

Webサイト制作やシステム構築に必要な知識・技能を問う国家検定で、「特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会」が実施しています。

3級・2級・1級があり、3級はWeb作成・運営業務に従事している人・従事しようとしている人であれば、誰でも受験可能です。

1級の合格者には厚生労働大臣、2級・3級の合格者には当協会理事長より、合格証書が発行されます。名刺に「〇級ウェブデザイン技能士」の称号を使用できるため、フリーランスの人は能力をアピールしやすくなるでしょう。

同協会によると、各級の合格率はおおむね以下の通りです。

  • 3級 60~70%
  • 2級 30~40%
  • 1級 10~20%

参考:ウェブデザイン技能検定 - ウェブにかかわる全ての人のための、国家検定

参考:よくある質問 - ウェブデザイン技能検定

【女性におすすめ】社会に役立つ資格

保育士の女性

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福祉・介護・法律に関係する資格は、社会に役立つ資格の代表格といえます。私たちの暮らしと切っても切り離せないため、需要がなくなることはないでしょう。女性のキャリアにプラスになる資格を厳選して紹介します。

保育士資格

保育士資格には有効期限がなく、一度手にすれば一生涯使えます。共働き世帯の増加で保育士の需要も増えており、就職先・転職先は比較的探しやすいでしょう。

資格取得にあたり、厚生労働大臣が指定する保育士養成施設を卒業していない者は、保育士試験に合格する必要があります。

受験資格があるのは短期大学卒業程度ですが、児童福祉施設で一定の実務経験があれば、最終学歴が中卒・高卒でも受験資格を得られます。

保育士試験は年2回で、2022年度の保育士試験の合格率(1回目と2回目の合計)は、約29.9%(※)です。ハードルが高い傾向にあるので、独学が難しい人は通信講座を活用しましょう。

※一部の県が独自に実施する「地域限定保育士試験」の結果を含む

参考:保育士を目指す方のためのポータルサイト「ハローミライの保育士」-厚生労働省

参考:保育士試験の実施状況(令和4年度)

介護職員初任者研修

介護職はニーズが高く、ブランク期間がある女性でも仕事を見つけやすいのがメリットです。業界内でのキャリアパスも明確で、長く働けば働くほど着実にキャリアを積んでいけます。

介護職員初任者研修は、介護職の入門資格です。資格があると、利用者の体に直接触れて行う「身体介護」を、有資格者の監督なしで行えます。

資格を取得するには、民間のスクールで約130時間の研修を受講し、修了試験に合格する必要があります。厚生労働省によってカリキュラムが定められているため、どのスクールを選んでも構いません。

介護職員初任者研修は、教育訓練給付制度の対象講座です。雇用保険の被保険者および、離職して1年以内の人は、条件を満たせば費用の一部を負担してもらえます。

参考:介護員養成研修の取扱細則について

参考:教育訓練給付制度|厚生労働省

行政書士

行政書士は、行政書士法に基づく国家資格で、法律系資格の登竜門といわれています。身近な街の法律家として、官公署へ提出する書類の作成や、許認可申請の代理・相談業務などを行います。

有資格者は、行政書士事務所や法律事務所に所属するか、独立・開業をするのが一般的です。独立・開業すれば、定年に関係なく生涯現役で働けるでしょう。

行政書士試験に受験資格は設けられておらず、基本的に誰でも受験できます。2022年度に実施された行政書士試験の合格率は、約12.1%(小数点第2位を四捨五入)です。

法律に関する資格だけあって難易度は高い傾向にありますが、合格すれば大きな自信につながります。

参考:日本行政書士会連合会

参考:一般財団法人 行政書士試験研究センター

参考:■最近10年間における行政書士試験結果の推移

女性が資格取得を目指すメリットは?

はたらく女性

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資格を取得する理由はさまざまにありますが、多くの人は転職・キャリアアップ・収入アップなどを目的としています。仕事やビジネスにおいて、資格はどのようなメリットをもたらすのでしょうか?

知識・スキルの証明ができる

「資格よりも実務経験が重要」という声もありますが、就職・転職では資格の有無がプラスの評価につながるケースは少なくありません。

採用面接でいくら「〇〇ができます」と自己主張しても、スキルを客観的に証明できるものがなければ、なかなか信頼は得られないのが現実です。資格があると自分の主張を裏付けられるため、相手が納得しやすくなります。

ほかにも、以下のようなメリットを享受できるでしょう。

  • 資格がなければできない仕事にも従事できる
  • 資格手当によって収入がアップする
  • キャリアアップにつながる
  • 努力家で向上心があると判断される

ライフスタイルの変化に対応しやすくなる

男性に比べ、女性は出産・育児・介護といった家庭の事情で、キャリアが中断されやすい傾向にあります。ブランクが長くなればなるほど社会復帰は難しくなり、再就職できても収入が大きくダウンする人は珍しくありません。

資格があると、ライフスタイルが変化しても、自分が希望する仕事に就きやすくなるのがメリットです。再就職後は、キャリアアップのステップを踏みやすく、さまざまな仕事やポジションを任せてもらえる可能性が高まります。

女性におすすめの資格でライフスタイルに合った働き方を

女性ビジネスパーソン

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女性にとって、資格はキャリア形成・社会復帰を手助けしてくれるものでもあります。「資格があっても意味がない」「実務経験を重視した方がよい」という意見もありますが、資格を生かせるかどうかは本人次第です。

まずは、自己分析やキャリアの棚卸しをした上で、自分にとってどのような資格が役立つのかを考えることが重要です。

また、転職を目的とする資格取得であれば、企業が求める必須資格・優遇資格をリサーチする必要があります。情報収集をする際は、求人検索エンジン「スタンバイ」を活用しましょう。

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