高校生で取れる資格を一覧で紹介。資格取得のメリットや選び方も

仕事や進学に役立つ資格の中には、高校生でも取得できるものがあります。就職・アルバイトに役立つ資格やIT関連資格などに、早めにチャレンジしたい人におすすめの資格を紹介します。高校生が資格を取るメリットや、選ぶポイントも見ていきましょう。

高校生がチャレンジしやすい検定試験

筆記試験

(出典) pixta.jp

高校生では、中学・高校で学ぶ知識を生かした検定試験へのチャレンジがおすすめです。就職を見据えて、ビジネス系の検定を狙うのもよいでしょう。進学・就職に役立つ検定試験を紹介します。

TOEIC

TOEICは、英語力を測定する語学能力試験です。合格・不合格ではなく、スコアによって能力値が判定されるため、高校生でもチャレンジしやすいでしょう。

英語が得意で、進学先・就職先で英語力を生かしたいと考える人に向いています。大手企業では、TOEICを英語力の指標として使用しているケースが目立つため、就職活動や入社後の昇進にも役立つでしょう。

大手企業への就職に当たり、取得しておきたいスコアの目安は600点以上です。大学入試での加点や優遇も、期待できます。

受験料はテストの種類や時期によって異なりますが、Listening & Reading Testの場合、7,810円(税込)です。繰り返し受験する場合には、割引制度もあります。

出典:【公式】TOEIC Program|IIBC

日本漢字能力検定

日本漢字能力検定は、主に漢字の読み書きに関する能力検定です。国語や読書が好きな高校生であれば、検定料は2級4,500円(税込)ですので、比較的チャレンジしやすいでしょう。

2級のレベルは「高校卒業・大学・一般程度のレベルで、常用漢字が全て読み書き活用できる」とされていますので、勉強によってクリアできる可能性は低くないといえます。

さらに、一部の大学・短期大学では、漢字検定に合格している人を対象に、一部入試免除や点数加算の優遇を設けています。受験予定の大学を調べておき、優遇が受けられる場合は積極的に活用しましょう。

就職活動でも、目標に向かって学ぶ意欲や、一般常識の面で評価が期待できます。特に近年は、スマホ・PCの影響で漢字を書く機会が減っているため、手書きで正しい漢字を書く能力は一定の評価につながるでしょう。

出典:日本漢字能力検定

ビジネス実務マナー検定

ビジネス実務マナー検定は、電話応対やビジネスでの人間関係を含むマナーを、身に付けられる検定試験です。1~3級まであります。

就職後に新人教育で学ぶビジネスマナーの一部を、先に身に付けておけるところがメリットです。理論と実技の両方が審査され、それぞれの得点が60%以上であれば合格できるため、就活前にチャレンジしてみるのもよいでしょう。

2023年11月開催の第66回試験の受験者数は、2級1,325人(合格者813人、合格率61.4%)、3級2,566人(同1,877人、73.1%)でした。

合格率が高めであることに加え、ビジネス実務やマナーの検定であることは名称からも判断でき、「実務やマナーをある程度身に付けている人」と評価してもらえる可能性もあります。

出典:ビジネス実務マナー検定|公益財団法人 実務技能検定協会

高卒就活やアルバイトにも役立つ資格

簿記

(出典) pixta.jp

就職・アルバイトで役立つ資格を取得したい場合は、実務で使えるかどうかを重視しましょう。高校生にとっては難易度の高い資格もありますが、将来の就職先と関連のある資格を取得すると大きなメリットにつながります。

日商簿記

日商簿記(日商簿記検定試験)は、日本商工会議所と各地商工会議所が主催しており、企業での帳簿付けを担当する経理事務に適した資格です。

就職・アルバイトで、事務職を目指したい高校生に向いています。通信講座では、4~6カ月程度での2級合格を目指すコースが組まれているところも多く、計画的に勉強を進めることが可能です。

普通科の学生であれば、会計の知識を学ぶ機会がほとんどないため、3級からの受験がおすすめです。商業科の学生は「公益財団法人 全国商業高等学校協会」が実施する「全商簿記」が、教科書に基づいた試験内容となっています。

高校生で合格を目指したい2~3級の場合、どちらの試験も5,000円以下で受験できます。難易度は高めですが、就活での評価を意識する場合、2級の取得が目標となるでしょう。

出典:簿記 | 商工会議所の検定試験

医療事務認定実務者

医療事務の資格を取得すると、病院・クリニックでの受付事務に関する実務を身に付けられます。必須の資格ではありませんが、取得できれば医療関係の仕事にチャレンジできるでしょう。

難易度はそれほど高くないものの、高校生が初めて学ぶ医療関係の会計業務の知識が中心となり、勉強に時間がかかる可能性があります。

通信講座では4カ月程度での合格を目指す例もあり、スケジュールに従って学習を進められればスムーズな取得も可能です。

医療事務には民間資格が複数あり、毎月試験が行われている点も、高校生にとっては魅力的でしょう。自分の計画に合わせてチャレンジすればよく、学業を過度に妨げる心配もありません。

出典:医療事務認定実務者試験|診療報酬資格認定全国医療福祉教育協会

危険物取扱者

危険物取扱者の資格は、何らかの危険物を扱う仕事で役立つ資格です。取得する資格によって、取り扱いができる危険物の種類が変わります。

高校生に向いているのは、比較的難易度が低く、誰でも受験できる乙種・丙種です。特に乙種第4類は難易度が上がるものの、ガソリン・アルコール類などの危険物を扱えるため、ガソリンスタンド・化学薬品工場などでの勤務を考えている人に向いています。

危険物に関する法令や、物理学・化学の知識が必要になりますが、理数系が得意な人であれば勉強も苦にならないでしょう。

出典:危険物取扱者試験 |一般財団法人消防試験研究センター

ファイナンシャル・プランニング技能検定

ファイナンシャル・プランニング技能検定は、ファイナンシャル・プランナー(FP)として金融業界・不動産業界・保険業界・法律事務所などで勤務する際に生かせる資格です。

技能検定では、指定試験機関が「日本FP協会」と「一般社団法人 金融財政事情研究会」の2団体があります。

高校生では、一般的な知識を身に付ける3級の取得がおすすめです。将来仕事に役立つ資格を取得したいと考えるのであれば、2級の取得を目指すのもよいですが、難易度は高くなります。

高校生の間に3級を取得し、進学・就職後に2級の取得を目指すのも1つの方法です。

出典:FP技能検定 | 日本FP協会

出典:ファイナンシャル・プランニング技能検定|一般社団法人 金融財政事情研究会

高校生が目指しやすいIT関連資格

タイピング

(出典) pixta.jp

IT関連資格は、進学先・就職先を問わず活用しやすい点が特徴です。PCの扱い方や、ITの基礎知識を身に付けられる資格を紹介します。

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)

マイクロソフトが実施するMOSは、Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlookの使い方や知識を、身に付けることができる試験です。合格すると「MOS」の称号が手に入ります。

それぞれ、ソフト・バージョンごとに試験が分かれているところが特徴です。文書作成ソフトのWordと、表計算ソフトのExcelは実務でもよく使用され、使い方を覚えておくと仕事がスムーズに進みます。

PCを扱う仕事であれば、業界を問わず役立つでしょう。PCやオフィスソフトの扱いに慣れていない場合は、一般レベルからの受験がおすすめです。

出典:MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、IT技術や経営、プロジェクトマネジメントなど幅広いIT知識を身に付けるための試験です。

業務でのPC利用や新しい技術の活用には、正しいIT知識が欠かせません。これからITの知識を学ぼうとする高校生にとって、入門となる試験といえるでしょう。

進学を考えている場合、入試の優遇や単位認定として認められる大学もあります。就職時には、エントリーシートでITパスポートの合格やスコアを確認する企業もあり、取得しておくとアピールにつながるでしょう。

出典:【ITパスポート試験】情報処理推進機構

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、ITエンジニアなどの技術者を目指す人向けの入門試験です。IT全般の知識に加えて、システムの設計・開発の基礎知識を身に付けたい高校生に向いています。

ITの知識が全くない人にとっては難しい試験ですが、興味と基礎知識があり、将来プログラミング・システム開発の方面で活躍したい高校生であれば、チャレンジのしがいがある試験といえるでしょう。

ITに関する幅広い知識を必要とする試験のため、高校生のうちに取得しておくと、進学・就職後にIT関連資格を取得する際にも、身に付けた知識が役立ちます。

出典:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

高校生が資格を取得するメリット

勉強する高校生

(出典) pixta.jp

資格は、自分の能力を客観的に示すツールで、仕事にも役立ちます。高校生のうちに資格を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?主なメリットを紹介します。

進学・就職時のアピールにつながる

資格を取得すると、大学進学・就職の際に役立ちます。特に語学・数学といった学問に関する能力試験では、進学の際に優遇を受けられる可能性が高いでしょう。

就職の際は、エントリーシートや履歴書に資格を記載することで、アピールにつながります。就職先に関係する資格を持っていれば、有資格者として採用に近づくはずです。

業務に関係のない資格であったとしても、資格を取得しようとした熱意・意欲を評価する企業もあります。早いうちに資格取得を視野に入れておけば、進学・就職の方向性も定まりやすいでしょう。

将来の選択肢が多くなる

高校生のうちに実務に役立つ資格を取得しておくと、将来の選択肢が広がります。資格を持っていることで優遇され、実際の業務に就いたときも知識を生かして仕事が進められるでしょう。

大学の出願条件や企業のエントリー条件の1つとして、語学能力試験や検定の取得を推奨するケースもあります。早いうちに取得しておくことで、進学後・入社後に難易度の高い資格を目指しやすい点もメリットといえるでしょう。

特に、社会人になると仕事が中心となり、資格取得にかけられる時間は少なくなります。高校生のうちにある程度の知識を身に付けておき、進学・就職後に難易度の高い資格にチャレンジする下地をつくることも可能です。

高校生が資格取得を目指す際の選び方

勉強をする机

(出典) pixta.jp

高校生が資格取得を考えたとき、何を基準に選べばよいのでしょうか?自分の目的に合う資格を見つけるためのポイントを紹介します。

受験資格を確認する

多くの資格には、「受験資格」が設けられています。年齢や学歴、実務経験を問うものが多いでしょう。数年かけて学ぶ専門知識・技術が必須となっている資格は、高校生が受験するには難易度が高いか、資格を満たせません。

原則、高校生は特別な受験資格を設けていない資格を受験することになります。「誰でも受験可能」「応募資格はありません」と書かれているものを探すことが基本です。

なお、特別な条件が設定されていない資格であっても、難易度が高いものもあります。レベルを確認した上で、自分の能力に合った資格を探すよう心掛けましょう。

難易度や勉強時間の目安を確認しておく

資格の難易度を確認し、どの程度の勉強時間で取得できるのか把握しておくと、高校生のうちに取得できるかある程度判断できます。

一般的な難易度と、高校生での資格取得の難易度は異なるため注意しましょう。大学で学ぶ知識が必要な資格のほか、高偏差値の大学生や社会人を対象としたものもあります。

資格の概要を確認し、例題をチェックした上で、自分の持つ知識で対応できるか確認するのがポイントです。どの資格であってもある程度の勉強は必要になりますが、難易度が高すぎる資格を選んでしまうと、取得できないリスクもあるでしょう。

高校生で資格を取得して進学・就職に備えよう

勉強する女性高校生

(出典) pixta.jp

高校生のうちに取りやすい資格を取得しておくと、進学・就職にも役立ちます。興味・関心があり、将来の進路に見合うものを選択しましょう。

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