求人案件や企業の採用情報の中には、「エリア総合職」と呼ばれるものがあります。エリア総合職とはどのような働き方なのか、特徴や総合職との違いを確認しましょう。エリア総合職での働き方に向いている人や、メリット・デメリットも解説します。
エリア総合職の特徴と総合職との違い
エリア総合職とは、どのような働き方を指すのでしょうか？基本的な定義や、総合職との違いを紹介します。
地域を限定して働く総合職を指す
「エリア総合職」は、就業する地域を限定して働く総合職です。総合職とは、幅広く部署・拠点を異動しながらキャリアを積み、企業の中核を担う職種を指します。
エリア総合職と通常の総合職のいずれも、幅広いキャリアを積み、企業にとって重要な業務を担う点は同じです。厚生労働省が定める「勤務地限定正社員」には、エリア総合職も含まれます。
なお、エリア総合職という呼称は企業ごとに異なるため、詳細は各企業による定義を確認する必要があるでしょう。1つの地域に限定して働く以外に、一定の範囲内での異動を伴うケースもあります。
出典：勤務地限定正社員｜職務・勤務地・時間を限定した多様な正社員
働く場所の範囲
エリア総合職と通常の総合職は、就業する場所の範囲が異なります。通常の総合職は、国内・海外を問わず、転勤の可能性があると考えておきましょう。企業が持つ拠点によっては、遠方への赴任もあり得ます。
一方、エリア総合職は、「一定のエリア内」で勤務するというのが条件です。海外転勤・遠方への赴任は、原則的にありません。
企業によって、エリアの範囲は異なります。社員の希望を正確に把握するため、複数のコースを設けている企業も多いでしょう。
なお、地域が限定されているかどうかにかかわらず、仕事内容や負うべき責任はほぼ同等です。
収入や待遇
エリア総合職と通常の総合職には、収入・待遇に差が設けられているケースがほとんどです。通常の総合職は、国内・海外を問わず転勤を命じられる可能性があり、エリア総合職に比べて負担が大きくなります。
負担や異動の範囲を考慮し、報酬体系に差を設けている企業は多いでしょう。住宅手当や引越し代の負担など、転勤が多い通常の総合職に対してはサポートも豊富です。
必ずしも大きな差があるとは限りませんが、収入・待遇面を重視する場合は、通常の総合職の方が有利になる可能性があります。
エリア総合職に就くメリットとデメリット
エリア総合職は、転居を伴う異動がほとんどなく、地域を限定して働きたい場合にメリットの大きい働き方です。そのほかのメリット・デメリットを、それぞれ紹介します。
一般職よりも出世・昇進しやすい
総合職と一般職の両方がある企業では、総合職の方が出世しやすい傾向があります。
総合職は、さまざまな経験を積み、将来の管理職や企業の中核を担う人材に育成されるケースが多く、出世しやすい環境です。対して一般職は、総合職を支える業務を担います。
エリア総合職は、就業する地域が限定されてはいるものの、仕事内容は総合職とほぼ同じです。一般職よりも出世・昇進につながりやすく、昇給も期待できるでしょう。
通常の総合職よりも待遇が低くなりやすい
エリア総合職は、通常の総合職と比べると収入・待遇が低くなりやすい点がデメリットです。希望する地域で働ける代わりに、同じ仕事をしていても制限が生じます。
通常の総合職であれば、本社への異動や海外拠点の責任者といったポジションに就くケースもあるでしょう。一方のエリア総合職は、あらかじめ希望したエリア内でしか転勤しない条件のため、出世の範囲も限られてしまいます。
収入・待遇を重視する場合には、通常の総合職を選択する方が有利といえるでしょう。
エリア総合職に就きやすい業界
エリア総合職を設けている企業には、どのような傾向があるのでしょうか？求人を探す場合、業界で絞ると探しやすくなります。主な業界と特徴を確認しましょう。
証券会社・銀行などの金融業界
金融業界では、エリア総合職の採用が多くなっています。証券会社・銀行・保険会社など、転勤を伴う通常の総合職と併せて、エリア総合職も募集されている傾向です。
広い範囲に店舗・支店を構える企業が多く、エリア総合職・通常の総合職のどちらも募集しやすいという背景があるためです。
企業によっては、エリア内での転勤を伴う働き方と、固定の店舗・地域で勤務する働き方の2パターンで募集されているケースもあるでしょう。
特に地域限定型の募集では、転居を伴う異動がないとあらかじめ分かっているため、ライフステージの変化にも対応しやすい働き方といえます。
エネルギー・交通に関わるインフラ業界
電力・石油などエネルギー系の企業は、広い範囲に支店・拠点を構えています。鉄道・バスを中心とする交通系の企業も、同様です。
企業によって、エリア総合職に期待される役割は異なります。対応するエリアが広い場合、エリアを統括するマネージャーのような役割を求められる可能性が高いでしょう。
特定の支店・拠点でキャリアを積み、限られたエリア内で出世を目指す働き方もあります。
エリア総合職の求人の探し方
エリア総合職として働きたい場合、どのように求人を探せばよいのでしょうか？おすすめの探し方と、注意点を解説します。
求人サイトを活用する
エリア総合職の求人は、募集している企業数が限られています。募集される時期や地域も異なるため、多くの求人を1度にチェックする方が効率的に探せるでしょう。
求人サイトを使えば、24時間いつでも、自分の都合に合わせて仕事探しが可能です。「スタンバイ」でも、働く地域が限定されている仕事を探せます。
「エリア総合職」「地域限定総合職」など該当するキーワードを入力し、希望する地域を指定して検索するとスムーズです。総合職として勤務したいものの、転勤ができない人は、エリア総合職を視野に入れるとよいでしょう。
企業の採用サイトをチェックする
企業の採用サイトでも、エリア総合職の募集の有無を確認できます。どの企業に勤めたいかある程度決まっている場合は、企業の採用サイトをチェックするのも1つの方法です。特に新卒・第二新卒の場合、毎年の定期採用を確認すると見つけやすいでしょう。
しかし、エリア総合職を募集しているかを確認するには、企業の採用サイトを細かく確認しなければなりません。ターゲットを絞り込めている場合は問題ないものの、希望する企業が決まっていない場合には求人サイトの活用がおすすめです。
エリア総合職に向いている人の特徴
エリア総合職以外に、通常の総合職や一般職で働く選択肢もある中、エリア総合職にはどのような人が向いているのか気になる人もいるでしょう。
エリア総合職に向いている人の特徴を理解し、自分に合致しているか確認した上で検討するのがおすすめです。
働きたいエリアが決まっている
エリア総合職は、総合職に就きたいという意思はあるものの、働きたい地域が限定されている人に向いています。「地元で就職したい」「都市部から離れたくない」など、何らかの理由で希望エリアが決まっている場合は、エリア総合職を検討しましょう。
しかし、転勤がない働き方は、エリア総合職だけではありません。総合職にこだわらない場合は、転勤のない地元企業や一般職も視野に入れましょう。
転勤の不安を抱えず、将来の管理職候補やエリアマネージャーとして出世したいと考える人に、エリア総合職は適しています。
将来のライフプランが決まっている
エリア総合職は、入社の時点で「転居を伴う異動がない」「エリア内での転勤に限る」など、条件が決まっています。本人の同意なく変更はできないため、将来のライフプランがある程度決まっている人におすすめです。
例えば、「地元で住居を購入したい」「実家から通勤したい」「出産・育児の予定がある」など、何らかの事情で転勤が難しい場合でも問題なく働けます。
転勤や単身赴任によって、自分のライフプランに支障が出る場合は、通常の総合職よりもエリア総合職が向いているでしょう。
エリア総合職という働き方を視野に入れてみよう
総合職で働く上で転勤が気になる人は、エリア総合職という働き方を検討しましょう。企業のルールによっては、転居・転勤について心配せずに働けます。
求人サイトでも、エリア総合職の求人を探せます。「スタンバイ」を利用して、地元や希望する地域の求人がないかチェックしてみましょう。
将来のライフプランが決まっており、働きたいエリアが限定されているのであれば、働きやすい環境と待遇を手に入れられるはずです。
