「交替制勤務」とは?通常の働き方と異なる点やメリット・デメリット

営業時間やスタッフの稼働時間が1日8時間を超える職場では、交替制勤務が敷かれます。アルバイトの勤務形態として有名で、いわゆるシフト制の下で働いた経験がある人もいるでしょう。交替制勤務について、メリット・デメリットと併せて解説します。

交替制勤務とは?定義を確認

出勤のイメージ

(出典) pixta.jp

交替制勤務とはその名の通り、スタッフが交替しながら働く勤務形態です。まずはどのような働き方か、基本的なポイントを押さえていきましょう。

名称通り「交替」しながら働く

それぞれのスタッフが、決められた時間帯に交替で働く勤務形態であり、多くの業界・業種で導入されているのが交替制勤務です。スタッフが交替で働き続ける体制を構築することで、24時間365日稼働できる状態となります。

例えば、朝の9〜24時まで開店している店舗の場合、午前中担当のスタッフと、午後から夕方まで仕事をするスタッフ、夜勤のスタッフといったようにシフトを組むケースが一般的です。

この例では、店舗の営業時間が15時間であり、1人のスタッフが勤務し続けるとなると、1日8時間を優に超えてしまいます。

しかし、複数のスタッフに交替で勤務してもらうようにすれば、各スタッフの1日の労働時間を8時間以下に収められるのに加えて、3~4時間といった短時間の勤務も可能です。

交替制勤務の種類

交替制勤務には、日勤と夜勤といった「2交替制勤務」や、営業時間を3分割してスタッフにそれぞれの時間帯に働いてもらう「3交替制勤務」などがあります。

24時間営業の店舗や一部の工場など、休みなく稼働し続ける組織の場合、3交替制勤務を採用するのが一般的です。

2交替制や3交替制は、営業時間の長い店舗に加えて、病院・介護施設・警備会社など、人々の健康や生活の安全に関わる業種で導入される傾向にあります。

交替制(シフト制)と聞くと、店舗でのアルバイトをイメージする人は多くいるかもしれませんが、医師・看護師・警察官・消防士なども3交替制勤務の職種です。

交替制勤務の休日例

労働基準法において、「使用者は週に1日、あるいは4週間のうち4日以上の休日を、労働者に与えなければならない」と規定されています。休日とは労働の義務がない日のことで、原則として0〜24時までの間、勤務しない日を指します。

ただし、3交替制勤務のように、24時間を複数の時間帯に分けて勤務させるシフトの場合、0時をまたいで勤務するスタッフも出てくるでしょう。前日の労働から延長する形で0時を超えると、本来ならばその日を休日とすることはできません。

例えば、13日の夜から14日の朝方まで勤務する人の場合、たとえ14日の勤務後24時間の休みが与えられていたとしても、法的に14日は休日とは認められないわけです。

しかし、それでは交替制勤務による営業が難しくなってしまいます。そこで、就業規則として交替制勤務を定めており、固定シフトとして規則的に運用しているならば、例外的に継続24時間の休日を設ければ問題なしとされています。

出典:労働基準法 第35条|e-Gov法令検索

交替制勤務で働くメリット

腕時計を見る女性

(出典) pixta.jp

交替制勤務で働くメリットとして、平日にプライベートで動きやすくなる点や、フルタイム勤務に比べて残業が少なめな点などが挙げられます。それぞれ、具体的に見ていきましょう。

平日に動きやすくなる

土日に交替制勤務で働く人にとって、平日に動きやすくなるのがメリットです。シフトの関係で休日の時間帯に仕事に入るケースも多く、平日が休日になる人も珍しくありません。

平日に休みを取れると公的機関の手続きもしやすく、どこかに遊びに行く場合も混んでいないので快適に過ごせるのも魅力でしょう。

また、2交替制勤務の場合、4日連続で勤務した後、2日間の休みをもらえる人が多くいます。夜勤明けが休日の場合も多いため、休日明けにもう1日休みを取ることで、通常より多くの時間を休むことも可能です。

基本的に残業は少なめ

交替制で勤務するため、次のシフトに入るスタッフが遅れてしまったり、仕事が中途半端な状況にあってうまく引き継ぎができなかったりなどの事情がなければ、基本的に残業をしなくても問題ありません。

「あらかじめ決まった時間のみ働き、残業はしたくない」という人にとっては、交替制勤務は魅力的な働き方といえるでしょう。

繁忙期や別のスタッフが病欠した場合などには、残業が発生する可能性はありますが、それでも一般的な勤務形態と比べれば残業の頻度は少なく済むといえます。

手当が付くことで給料アップ

勤務時間によっては夜勤・深夜手当が付く場合もあるので、昼に勤務するよりも給料がアップする可能性があります。22〜5時までは、通常の25%以上の割増賃金が支払われるので、働き方によっては大きく収入を上げられるでしょう。

また、企業によっては、交替勤務をすること自体に手当が付くケースもあります。シフトの融通が利く職場ならば、休日と収入のバランスを取りながら、自分に合ったライフスタイルを送れる人も多いでしょう。

出典:労働基準法 第37条|e-Gov法令検索

交替制勤務で働くデメリット

腕時計を見る男性

(出典) pixta.jp

交替制勤務には、多くのメリットがある一方で、デメリットもあるので注意が必要です。家族・友人と休日を合わせたい人や、一定の生活リズムをキープしたい人にとっては、一般的な固定時間制による勤務形態の方が適している場合もあります。

理想とするライフスタイルを基準に、どのような勤務形態が自分に合っているか考えてみましょう。

家族・友人と休みが合いにくい

交替制勤務では、シフトによっては夜間や休日に仕事をする場合もあり、平日が休みになることも多いため、家族・友人と休日を合わせるのが難しいケースが少なくありません。

これから交替制勤務を始める人で、家族・友人などと出かける機会を多く持ちたいならば、早めに予定を組む習慣を付けることが重要です。長期休暇・有給休暇も組み合わせながら、うまくスケジュールを調整しましょう。

生活リズムが崩れやすい

夜勤・深夜勤務が続くことで生活リズムが崩れてしまい、体調不良につながる恐れがあるのも、交替制勤務の注意点です。

3交替制の場合で、勤務時間が常に固定されているならば、ある程度は生活リズムを維持できるでしょう。しかし、2交替制の場合、長時間勤務がつらいと感じる人は少なくありません。

休日の間にしっかり体を休めておかないと、仕事のパフォーマンスが大きく下がってしまう可能性もあります。

特に、一定期間で日勤・夜勤が入れ替わるような職場の場合は体調管理が難しいので、無理をしないように気を付けなければいけません。

交替制勤務で気を付けるべきポイントは?

ベッドで眠る男性

(出典) pixta.jp

交替制勤務で働く場合、メリット・デメリットを理解した上で、うまくライフスタイルを確立する必要があります。さらに、以下のポイントに気を付けて、仕事のパフォーマンスを維持できるようにしましょう。

睡眠・食事・運動に気を配る

生活リズムを崩さないよう睡眠に気を付けるとともに、食事・運動にも気を配ることが大事です。特に3交替制勤務の場合、生活リズムが不規則になりがちで、食事・運動がおろそかになる人も珍しくありません。

栄養不足になると体調を崩しやすくなり、病気・けがのリスクが増大します。運動不足でも精神的なストレスがたまりやすくなり、仕事の集中力を欠いてしまうケースがあるので注意しましょう。

まずは、しっかりと睡眠時間を確保するとともに、食事内容に気を使いつつ、定期的に運動をすることが大切です。また、お酒の飲みすぎは睡眠の質が悪くなり、翌日の仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすので、ほどほどに抑えるようにしましょう。

出典:交替勤務とその対策 健康と生活への影響と管理のポイント|産業医科大学 産業生態科学研究所 作業関連疾患予防学研究室 非常勤助教 岩崎明夫

家族の理解を得る努力が必要

交替制勤務を続けていると、家族と生活スタイルが合わなくなり、おのずとコミュニケーションの機会が減ってしまう可能性があります。

独身で自由に時間を使える人ならば問題なくても、家庭を持っている人は、事前に理解を得てから仕事を始めるのがよいでしょう。仕事を始めてからは、積極的に家族とコミュニケーションの時間を取るよう心掛けることが大事です。

どうしても家族と顔を合わせる時間が少ない場合は、仕事の合間や移動時間などにコミュニケーションを取れるように、メール・メッセージアプリなどを活用するのがおすすめです。

交替制勤務が自分に合っているか確認しよう

出勤する会社員

(出典) pixta.jp

交替制勤務は、平日に休みを取れる場合が多いので、外出先で快適に過ごせる可能性があり、残業も少なめな点がメリットです。勤務時間によっては割増賃金を得られるため、収入を上げることも可能でしょう。

しかし、家族・友人と休みが合わなかったり、生活リズムを崩しやすかったりする点には注意が必要です。前もってスケジュールを立てておき、睡眠・食事にも気を使いましょう。

夜勤や深夜勤務が続くと、家族とのコミュニケーションの機会が減る可能性もあるので、交替制勤務を始める前に、家族の理解を得ておくことも大事です。

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