寿司職人になるには?修行先の選び方と店によって異なる仕事内容

寿司職人になるには

寿司職人

(出典) photo-ac.com

寿司職人になるための資格はなく、学歴も不問です。何よりも職人としての技術が求められます。

技術を身につける方法としては、「寿司職人への弟子入り」と「寿司職人養成学校への入学」の2通りです。どちらの方法を採るべきかは、どのような店で働きたいのか、どのような寿司職人を目指すのかという、将来設計によって異なります。

寿司店に弟子入りする

既に開店している寿司屋に、職人見習いとして就職します。寿司職人になるための伝統的な方法で、現在でも一般的です。

修業期間は、およそ10年ともいわれます。「シャリ炊き3年、合わせ5年、握り一生」といわれるほど時間のかかる修業の日々が待ち受けています。いきなり握りの修業をさせてもらえるわけではなく、皿洗いや出前といった業務をしながら先輩の仕事を見て学ぶことから始めるのが通常です。

市場の仕入に同行して魚の目利きを教わりながら、初めて魚を触らせてもらえるのは弟子入りから3年ほどたってから。握りを客前に出せるようになるまでに5年以上かかることも普通です。

職人に弟子入りして学ぶ第一のメリットは、時間をかけて丁寧に経験を積めることです。日本には四季ごとに旬の魚があり、同じ種類の魚でも、季節により仕込み方を変える場合もあります。職人への弟子入りは修業期間が長くなる分、旬の魚の扱いを何回も(何年も)繰り返し学べるだけでなく、分からなければ何回でも先輩職人から学び直せるのは大きなポイントです。

第二のメリットとして、実店舗での修業なので、客あしらいの勉強ができるという点が挙げられます。寿司店には、カウンターの職人とのコミュニケーションも楽しみに来店する顧客も少なくありません。調理技術のみならず、カウンターの客に合わせた会話力や、高級店であれば客の腹具合や好みを瞬時に見抜いて、シャリやネタの大きさを変えるといったスキルも重要です。

このような臨機応変な接客スキルは、1人で練習して身につくものではありません。先輩が実際に接客している姿を見て学ぶことが最も有効な手段であり、職人への弟子入りならそれが可能なのです。

待遇面でも大きなメリットがあります。見習いとはいえ店に就職しているので、修業期間中であっても給与をもらえます。店によっては寮完備や住み込み可というところもあり、安心して修業に励めるでしょう。とはいえ、もらえる給与は高いわけではありません。

飲食業は寿司店に限らず、全般的に休みは少ない傾向にあります。さらに寿司屋独特の事情として、魚市場の開業時間に合わせて早朝から仕入をして、その後に仕込みをしなければならりません。拘束時間の長さを考えれば、仕事の対価として必ずしも多いとはいえない額でしょう。しかし、一人前の職人になりたい、将来自分の店を持ちたいなど、自分の夢のために修業すると考えれば納得がいくはずです。

寿司職人への弟子入り手段は、従来は店の常連や知り合いなどを通じた紹介が基本でした。ただ、近年はハローワークや料理人向けの求人サイトなどで、積極的に人材を募集しているケースも増えてきています。

寿司職人養成学校で学ぶ

近年、注目を集めているのが、寿司職人を養成する専門学校です。学校のカリキュラムを学ぶことで、数週間から数カ月でひと通りの寿司を握れるようになります。

学校で学ぶメリットは、すぐに握りの練習に入れることです。調理に必要な技術を早いうちから教えてもらえます。定番ネタとして使われる魚の選び方・さばき方・握り方・衛生技術といった、寿司職人に必要な調理技術を体系的に教えてもらえて効率的です。

学校によっては実店舗を構えており、実習を兼ねて寿司を提供することで接客のスキルを身につける機会を用意しています。開業希望者のために、店舗経営に関する知識を講義してくれるオプション講座を開講しているケースもあります。

もちろん、「学校」である以上は学費が必要です。金額は1〜3カ月のコースで30万~70万円程度の設定が多いようです。

弟子入りと養成学校、選び方のコツ

寿司職人への弟子入りと寿司職人養成学校への入学、どちらを選んでも寿司職人になることは可能です。ただ、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらの方法で寿司職人を目指すべきか迷ったら、将来どのような寿司店で働き、どのような職人を目指すのかという点から逆算するとよいでしょう。

例えば、国内の個人店や高級店で働く、高級なネタを扱うような職人を目指すなら、寿司職人への弟子入りがいいかもしれません。高級店では、客とのコミュニケーションのうまさや、珍しいネタを丁寧な仕事で生かす技術が求められます。季節のネタや高級なネタの扱い方を繰り返し学んだり、先輩の客あしらいを学んだりする時間は、弟子入りの方が多いでしょう。

一方、海外で働きたい場合や、回転寿司のチェーン店などで定番のネタを早く握れるようになりたいなら、養成学校に通う方が効率がよい方法です。例えば、海外の寿司店で働く場合、必ずしも修業元の格式にとらわれません。定番のネタさえ握ることができれば、日本で技術を学んだ寿司職人として重宝されます。

外国人向けコースを設置している養成学校では、海外の寿司店の情報を把握して就職先を紹介してくれることもあります。海外で活躍したい場合は、このような学校に通うと就職先が見つかりやすいでしょう。

回転寿司では、高級ネタを使って仕込みから時間をかけるような仕事より、定番ネタを素早く握る技術が求められます。養成学校出身者が活躍しやすい環境です。もちろん、時間をかけて養成学校で学べば、定番ネタだけでなく、さまざまな技術を得ることは可能です。

また、寿司職人を目指したいと思った時点の年齢から考えてもいいかもしれません。20代後半や30代から寿司職人に弟子入りをして、一人前になるまでに約10年の歳月がかかってしまうのは大きな難点です。活躍できる頃には、体力も衰え始める年齢に差し掛かっていることも考えられるでしょう。年齢が高ければ、そもそも弟子として採用されない可能性があります。

学校であれば、何歳であろうと数カ月で一定の技術を身につけることができます。学費と弟子入りの時間を天秤にかけて、どちらが自分にとって最良の選択なのかを考えてみましょう。

とはいえ、どの道を選ぶかは最終的に自分で決めることです。寿司職人への弟子入りを経て、高級店で活躍していた職人が、海外や回転寿司に活路を見出すこともあります。養成学校で数カ月修業した職人が、レストランガイドのミシュランに掲載されて話題になったこともありました。どちらの道を選んでも立派な寿司職人になる可能性はあり、結果を出せるかは職人となった個人の才覚や努力次第といえるでしょう。

女性の寿司職人も増加中

寿司職人は「男の世界」というイメージの強いかもしれませんが、女性の職人もいます。近年では職人が女性だけの寿司店ができたり、家業の寿司屋を継いで活躍する女性職人がいたりと、性差は以前よりも少なくなってきました。

寿司職人養成学校の登場により、職人になるための間口は広がっています。今後、さらに女性が寿司職人として腕を振るう店が増えるでしょう。

キャリアパス

寿司職人の手元

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修業や修学を終えて晴れて一人前の職人になった後は、理想の職人像を実現すべく寿司店に就職できるようになります。もちろん、開業することも可能です。

弟子入り経由の場合は修業元の店に残り、親方を補佐する「二番手」「脇板」を目指してさらに腕を磨く道があります。二番手を長年勤めると支店などを任されることがあるほか、自身に固定客がつけば独立開業も見えてきます。修業した店と別の店に就職し、新たな技法を身につけ、さらにレベルの高い職人を目指すのも選択肢のひとつです。

養成学校を卒業した場合は、学校から求人を紹介してもらって就職したり、ハローワークや求人サイトなどを利用したりして就職します。海外で働きたい場合は、外国人向けのコースを設置している学校で紹介を受けるほか、現地に直接足を運び、飛び込みで就職の交渉をする人もいるようです。

海外は本格的な寿司職人が少ないこともあって、日本人寿司職人に活躍のチャンスは十分にあります。現地で評判を上げれば、高待遇でヘッドハンティングされる可能性があるでしょう。

仕事内容

寿司を握る手元

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寿司職人が腕を振るう寿司店は、「一般・高級店」と「回転寿司」の2通りです。ほに出張料理人もおり、それぞれの職場や働き方によって、担当する仕事は異なります。

一般・高級店の例

一般店や高級店で働く寿司職人は、魚の仕入・仕込み・握り・接客・店内の掃除などをひと通り担当します。魚の仕入や仕込みは朝早くから始めるため、職人が複数所属するような大規模店では、当番制を取り入れ隔週で担当するケースも珍しくありません。飛び抜けて目利きの職人がいる場合は、その職人だけが専属で仕入を担当することもあります。

魚市場が開いている日は、朝4時に仕入に向かいます。顔見知りの仲卸などを回って、旬の魚を仕入れるためです。このとき、魚の状態を見分ける目利きの技術が、仕入に最も重要です。

その後、しばらく休んで仕込みを始めるのは、8時から。魚の状態に合わせて「仕事」と呼ばれる下ごしらえをします。仕事の良しあしは、職人の腕を見抜く指標ともいわれます。さばき、酢締め、煮切り作り、包丁入れ、卵焼き作りなど、朝のうちにやらなければならない作業は山積みです。

仕込みに3時間ほどかけると、11時となり開店の時間です。シャリは常に人肌程度の温度に保つなど、握ること以外にも神経を使う必要があります。

15時になると一度閉店して午後の部に向けた仕込みを始めるほか、食事や休憩を取ります。

午後の部は17時から。夜の部はゆっくり食事を楽しむ顧客が多く来店します。顧客とのコミュニケーションを取りながら客の好みを探ったり、お酒の進み具合に合わせて握るスピードを調整したりするのも、寿司職人の仕事です。好みに合わせてシャリやネタの大きさを変えるといった工夫は、特に高級店であれば付加価値として求められるでしょう。

22時に閉店後は、掃除や片づけを行います。

回転寿司の例

回転寿司では、仕入や仕込みを寿司職人が担当するケースはあまりありません。

魚は本部が一括して仕入れてセントラルキッチンでさばき、小分けして店に納入されることがほとんどです。職人は早く握ることを求められる店が多いようです。ランチタイムは注文が殺到するため、一般店・高級店と同じスピードで握っていては到底間に合いません。そのため、回転寿司の職人の中には、独自にスピードの出る握り方を工夫している人も多くいます。

レーンに流れている寿司の種類や量を把握して、次に流すべきネタを瞬時に判断する力も必要です。例えば、人気のあるネタばかり流すとレーンがすぐスカスカになってしまうため、あまり人気のない「抜かれないネタ」を適度に混ぜて流すのも、テクニックのうちです。いろいろなネタを食べてみたい人へのサービスになるという面もあります。

出張寿司職人の例

パーティーなどのイベントや、個人宅に呼ばれて寿司を握る職人もいます。

小規模な宴会や個人宅での仕事で特に重視されるのは、クライアントの要望に合わせたネタ選びや仕事の丁寧さです。

寿司職人の道具

一流の寿司職人は包丁にこだわります。その切れ味によっては、魚の断面からうま味が逃げ出してしまい、寿司の味を損ないかねないためです。

寿司職人が使うのは片刃の「和包丁」です。刃側のさらに片面にだけ刃がついており(普通の包丁は刃のついている側の両面が刃)、食材にかかる圧力が一方に集中するため切れ味が鋭く、食材の細胞を壊しづらいため魚のうま味が逃げにくいという特徴があります。

作業によって和包丁の種類も細かく使い分けます。仕込みで魚をさばくときには、容易に骨を切断できるように大型の出刃包丁を使うのが基本です。握りのネタとして小さく切るときは、細長い柳刃包丁で一気に引き切るなど、細やかな包丁使いが寿司の味を左右するといってもよいでしょう。

寿司職人のやりがい

寿司職人はほかの料理人と比べても、十分にやりがいがある職業です。どんな点にやりがいが感じられるのか見ていきましょう。

お客様の反応に喜びを感じられる

昔ながらの寿司屋で寿司職人として働く場合、お客様の目の前で対話しながら仕事ができるところが大きなやりがいです。握った寿司を渡して目の前で食べてもらうので、お客様の反応がダイレクトに感じられます。

「おいしい」という声を聞いたときの喜びは、何物にも代えがたいでしょう。小さな店では寿司職人と1~2人の見習いで構成されているケースもあります。

そうした店ではお客様との距離が非常に近く、対話を楽しみに来ている人が少なくありません。すぐそばで見守ってくれるお客様の存在が、仕事のへのやりがいを大きなものにしてくれるのです。

一生をかけて技術を磨ける

寿司職人は日々技術を磨くことで、おいしい寿司を作っています。仕事を続けている限り、ずっと技術を磨いていける点もやりがいのひとつです。

寿司職人は、技術を磨きながら自分の成長を楽しめる職業だといえます。見習いから始まって一人前の寿司職人になるまでに、多くの経験が必要です。

個人差はありますが、寿司を握る技術を高めるには十数年の年月がかかります。厳しい道ですが、「日々できることが増えていく喜び」を味わえるところが魅力です。

目標とする師匠がいる場合、師匠から一人前だと認定してもらうことは簡単ではありません。その分だけ、認めてもらえたときの喜びは大きなものになるでしょう。

やる気があれば一生続けられる

寿司職人は自分のやる気次第で、いくらでも続けられる仕事です。真面目に続ければ、「一生ものの技術」を習得できる職業といっても過言ではありません。

大きな寿司店で社員として働く際は定年が設けられている場合もありますが、自分で個人店を開けば定年はありません。他人の考えに左右されず、一生好きな仕事を続けられる点に大きなやりがいを感じる人は多いはずです。

技術を磨いて唯一無二の寿司職人になり多くのファンを獲得すれば、店を続けている限りお客様に恵まれるでしょう。

寿司職人の将来性

マグロの寿司

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仕事を選ぶ際はやりがいだけでなく、将来性も重要です。寿司職人の将来性をチェックしましょう。

寿司は昔も今も愛され続けている

寿司は昔から日本で愛されている食べ物で、長い歴史を持っています。現代も廃れずに人気を保ち続けていることから、将来的にも需要が大きく下降することはないでしょう。

寿司の起源は古く、東南アジアで生まれた「なれずし」が原型だとされます。現代のような握り寿司が食べられるようになったのは、江戸時代に入ってからです。すぐに食べられるファストフードとして江戸の庶民に親しまれました。

そのうち、家庭にも普及するようになり、各地の特産品を利用した箱寿司やちらし寿司などが郷土料理として発展していったのです。あらゆる食材を使えることから、発展性に優れた食べ物だといえます。

今後も古くからある寿司と、新しい食材を使った寿司が食べられ続けることを考えると、寿司職人の存在は将来的に安定した需要が見込めるでしょう。

卓越した職人技術が必要とされる

寿司職人が長年寿司を握り続けて身につけた技術は、今後も必要とされます。回転寿司やスーパーマーケットなどで販売する寿司は、「寿司ロボット」が導入されるケースが少なくありません。

難しい握りの部分を省いてネタを乗せて形を整えるだけなので、特別な技術がなくても寿司を作れるところが魅力です。しかし、寿司職人はロボットにはまねできない、微妙な握り加減や味付けができます。

ロボットは人間がデータを入力してくれないと動けません。本物の寿司職人のように自分で考えて動けないので、まねはできても全く新しいものを生み出すことは難しいとされています。

寿司ロボットが握った寿司を楽しむ人もいる一方で、その寿司職人にしか作れないおいしい寿司を望む人は、今後もいなくならないでしょう。

国内外から高い人気がある

寿司は日本だけでなく、海外でも人気が高い料理です。油分を使わないヘルシーな料理であることから、さまざまな国のヘルシー志向な人々に受け入れられ、世界中に寿司店が展開しています。

アジアだけでなく、アメリカ・中南米・ロシア・ヨーロッパ・オセアニアなど、幅広い地域で日本食レストランが開業しているのです。

2021年7月に外務省が調査したデータによると、海外にある日本料理レストランはアジア地域が最も多く約11万店、次に多いのは北米で約3万店もの店が開業しています。

北米・欧州・中東・アフリカ・ロシアなどの国々にある日本食レストランは、2019年の調査時に比べ増加傾向です。中東やアフリカでは2019年から2021年までの間に約3割も増加しており、今後も増えていく可能性を感じさせます。

日本食レストランで扱うのは寿司だけではありませんが、寿司職人としての卓越した技術を持っている人であれば、海外での活躍も見込めるでしょう。

求められるスキル・資格

寿司職人

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寿司職人は料理人の中でも修業期間が長いことで知られます。その分だけ将来性もあり、今後も人気が継続する職業のひとつです。寿司職人になるためには、どのようなスキルや資格があるとよいのでしょうか。

接客技術

寿司職人は寿司を握る技術だけでなく、優れた接客技術が求められる職業です。高級寿司店のカウンターではお客様の要望をうかがい、お腹の空き具合に合わせながら寿司を握っていきます。

食事のスピードや好みに合わせて、絶妙なタイミングで提供していかなければなりません。お客様の様子を見て、「その人の居心地がよくなるようなおもてなしの仕方」をしなければならないのです。

接客技術は寿司を握る技術を習得する際と一緒で、一朝一夕で身につくものではありません。長年の接客経験が物を言うでしょう。弟子入りする場合は、師匠からも接客スキルを学べます。

優れた味覚と美的センス

寿司は「微妙な味わい」を楽しむ料理です。食材の風味・食感・香りなどの微妙な違いが分かる味覚の持ち主でなければ務まりません。寿司職人には美的センスも求められ、美しい盛り付けや器の選び方など、学ぶことは山ほどあります。

ようやく一人前になりお客様が来るようになっても、新しい技術を学び続ける心がなければ、飽きられてしまうでしょう。寿司職人は味覚や美的センスを磨くための努力を、常に続けていかなければならないのです。

また、お客様にくつろいでもらうには、季節感のある掛け軸や花を飾って、居心地のよい空間作りをするといった工夫も求められます。

調理師免許・食品衛生責任者

調理師免許を取得すると、料理ができるだけでなく「衛生」や「栄養」に関する知識も備えていると認めてもらえます。料理人と名乗ることはできても、調理師免許がないと調理師は名乗れません。

調理師免許がなくても寿司職人としては働けますが、飲食業界で働くなら取っておいて損はない資格です。将来、独立して自分の寿司店を開業する際、確かな調理技術を持っているという信頼にもつながるでしょう。

受験するには、各都道府県が指定する調理師学校を卒業すること、もしくは、調理業務に2年以上従事した実務経験が必要です。

食品衛生責任者は、食品の安全性を確保するために、公衆衛生の見地から衛生上の問題を防止する役割を持っています。

調理師免許を持っている人は、講習会を受けなくても食品衛生責任者になれますが、調理師免許がない場合は、6時間の養成講習会を受講しなければなりません。

寿司職人の求人傾向

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見習いとして就職を希望している場合は、個人店でもチェーン店でも、未経験から応募できるところがほとんどです。寿司以外の料理経験も問わないことが一般的です。中には無料の寮を完備している店や、住み込み可の案件もあります。修業期間中の出費を抑えたい人は、条件をよく調べておきましょう。

最近はインターネット上での求人も多く見られますが、個人店で地元密着型の店舗の場合はまだまだハローワークや求人誌での応募も有効です。ぜひとも働きたいという修業先候補があるなら、飛び込みで交渉してみるのもよいでしょう。

求人の給与情報から集計した寿司職人の年収帯

寿司職人

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気になる寿司職人の給料・時給・年収は? 全国の求人の給与情報をまとめて集計、寿司職人の給与帯・年収帯を独自にグラフ化しました。

※スタンバイ掲載中の全求人データ(2017年9月時点)から作成

求人案件から分析した寿司職人の年収分布は、400万円台が22.6%、500万円台が20.3%となります。職種を問わない全国の平均年収が400万円台であることを考えると、ごく一般的な年収といえそうです。

ただし、この分析のもととなったデータには見習い向けの求人と一人前の職人向けの求人が混在していること、そして海外での求人は含まれていないことに注意が必要です。

出典:
世界に誇る日本食「すし」|全すし連(全国すし商生活衛生同業組合連合会)
海外における日本食レストランの概数(令和5年)(訂正版)|農林水産省
令和4年度調理師試験|調理技術技能センター
食品衛生責任者|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
令和2年分 民間給与実態統計調査|国税庁