発注が殺到するライターになるには・仕事内容や役割・全国の求人

ライターは、書籍・雑誌などの記事や原稿、Webサイト・ブログなどに掲載する文章を書く職種のことです。ライティングの仕事だけではなく、取材・編集・校正・校閲など関連する業務に幅広く関わることもあります。

社員以外にも、アルバイトやフリーランスで働く人も多い職種です。ライターが書いた文章は出版物やWebで公開され、非常に多くの人が読むことになります。そのため、分かりやすく読みやすい文章を書くためのスキルが必要です。

また、特に有名な媒体の場合は、その影響力の大きさから、誤った情報や信頼性が低い情報を書かないよう細心の注意が必要となるため、責任の重い仕事といえます。

執筆にあたっては、ほかの資料を引用したり参照したりすることもあります。そのため、著作権に関する知識はライターの仕事をする上で必須といえるでしょう。

文章力を高めるためにたくさんの本を読んだり、アンテナを張って情報を収集したりなど、日頃の努力や積み重ねが必要な仕事でもあります。

ライターになるには

タイピングする手元

(出典) photo-ac.com

ライターになるのに資格は必要ありません。まずは社員として出版社や編集プロダクション、Web関連企業などに就職する方法があります。

企業に就職した場合、ライティングだけを行うケースは少ないでしょう。編集者や記者として採用されることが多く、企画・取材・原稿執筆・編集・校正・校閲・進行管理など、書籍や雑誌、Webサイトなどを作り上げる一連の工程に携わります。その中でライティングの仕事もこなし、経験を積んでいくことになります。

そのほかにも、アルバイトやフリーランスとしてライターになるのも1つの方法です。ライティングの経験がある方が採用されやすいですが、文章を書くことが好きで、日常的にブログやSNSで記事を書いている人なら未経験でも採用される場合があります。

また、インターンで経験を積んだり、ライタースクールやライター養成講座でスキルや知識を身に付けたりしてから仕事を始める人もいます。

文章を書くには知識や情報が必要です。グルメ・旅行・美容・スポーツ・ビジネス・医療など、得意分野を持っている人はライターとして採用されやすいといえるでしょう。

ライターの業務内容や役割

ライターの女性

(出典) photo-ac.com

ライターは文章を書くことで収入を得る職業です。では、実際にどのような仕事をこなすのでしょうか?業界ごとの主な仕事や、時代の流れとともに変わってきたライターの役割を深掘りしてみましょう。

どんな仕事をするの?

ライターの仕事は業界によって異なります。主な媒体と仕事内容は以下の通りです。

  • 出版業界:書籍、雑誌、フリーペーパーなどの原稿、記事執筆
  • Web業界:Webメディアの記事、ブログ、メールマガジン、ダイレクトメールなどの執筆
  • 広告業界:コピーライティング、広告記事執筆

そのほかにもゲームのシナリオ作成など、ライターはさまざまな業界で活躍しています。通常、編集者やディレクターから企画の説明があり、執筆する内容について指示があります。

それを踏まえ、案件や記事ごとに決められた文字数やマニュアルに沿って執筆を進めていくのです。案件によっては、執筆の前に情報収集・取材・インタビュー・写真撮影などが必要になることもあります。

変わりつつあるライターの社会的役割

ひと昔前まで(2010年ごろまで)は、ゼロから始めて文章を書くことを生業とするには、新卒で新聞社や出版社、編集プロダクションに就職して、先輩の指導を仰ぎながら新聞記者や編集者として研鑽を積むというのが一般的な方法でした。

また、ライターは新聞記者や編集者として一定以上経験を積んだ後に、独立して個人で仕事を引き受ける際に初めて名乗るものであって、その当時は未経験の人がいきなりなれる類の職種ではありませんでした。

元新聞記者、元編集者がライターとして重用されるのには理由があります。もともと、主要マスコミの一翼を担う新聞社、出版社は当時から採用枠が多くありませんでした。

内定を勝ち取る学生たちは、就職試験対策として「マスコミ就職塾」といったセミナーに参加し、大学2〜3年生ごろから文章を書く訓練を積んで論作文対策を行うなど、入社前から自らの言葉で書くことを日常としている人たちがほとんどでした。

厳しい選考を通過してこれらの企業に就職した人たちは、入社後も先輩記者、編集者、校正・校閲部門から日々ダメ出しの赤入れをされながら、文章力を磨いていきます。

正しい日本語の使い方がなされているか、書かれていることが事実なのか、データの解釈・根拠に誤りはないのかなど厳しい社内チェックを経て初めて、書いた文章が世の中に出されるのです。

新聞社や出版社で学ぶのは文章力だけではありません。読者に分かりやすく伝えるための切り口や視点を意識し、読み物として成立し得る企画を立案する能力はもちろんのこと、取材対象から読者が知りたいことを聞き出す能力も必要とされます。

新聞記者や編集者は、こういった日々の業務の中で記事作成に必要な能力を身に付け、文章作成のプロとして育成されて、そのうちの一部がライターとして独立していきます。

元新聞記者や元編集者がライターとして重用されるのは、こうした育成プロセスを経ているため、往々にして記事作成のスキルが高いためです。出版社にとってライターという外注先は不可欠です。それは当時も今も構造は変わっていません。

新聞記者は自分で記事を書くのが本分ですから、契約ライターに委託するのは海外や地方の取材記事など地理的に遠い場合がほとんどです。しかし、出版社の編集者は自ら執筆する場合と、外部のフリーライターに委託して記事を作成する場合に分かれます。

記事の執筆を正社員だけでカバーする体力のある会社は限られており、記事単位・特集単位・書籍単位でチームを組んで、複数のライターやカメラマンに外注するのが一般的な記事作成の進め方です。

出版社の編集者にとっては、お抱えライターの存在は非常に重要です。信頼できるライターを何人抱えているかによって最終的に書籍や雑誌の売上が左右されるといっても過言ではないので、優秀な編集者ほど優秀なライターと付き合いたがります。

このようにライターという職種はこれまで、新聞記者や編集者の仕事の隙間を埋め、言葉を紡いで人と社会を動かすという大きな役割を担ってきた存在であるといっても決して大げさではないでしょう。

ところが近年、インターネットとソーシャルメディアの台頭による働き方の多様化に伴い、新聞社や出版社を経由せずにライターになる方法が形成され、ライターの社会的役割が大きく変わりつつあります。

Webメディアが変えた、ライターの社会的役割

インターネットとソーシャルメディアの台頭は、ライターの社会的役割を大きく変えました。これまでお金を出さなければ手に入らなかったニュースや、希少な情報がインターネットを通じて無料で手に入りやすくなり、人々は便利さにはお金を出しても、情報に対しては簡単にお金を出さなくなったのです。

また、個人のブログとブログメディアによって、それまで情報を受信する側だった人が、日本語を話せて文字を書ければ誰でも発信者になれるようになり、旧来のメディアを通さずとも、ブログやソーシャルメディアを通して爆発的な流行が生まれるようになりました。

これまでプロフェッショナルの領域だった「職業ライター」の仕事を凌駕する「個人」が現れ始めたのです。ここに着目した企業がWebメディアを大量に立ち上げ、新たに多くのライターニーズを生み出しました。

これまで文章作成に携わったことのない企業担当者がメディアを続々と立ち上げたため、中には校正の専門家のチェックや校閲の機能のない、粗悪な記事を作るメディアもありました。

この大量の日本語作成ニーズに応えるべく、クラウドソーシングで発注者と受注者をマッチングする仕組みが活用され、首都圏にいなくても全国津々浦々に存在するライターが納品できる体制が整ったのです。

ライターに求められる社会的役割がより大きくなり活躍の場が増えた一方で、プロとしての経験をほとんど積んだことのない駆け出しライターであっても仕事を受けられるようになり、経験を積んだ職業ライターとの境界線が曖昧となりました。

一次情報を発信できる記者や編集者、ライターの評価は変わりません。しかし、このように誰もがライターを名乗ることができる時代だからこそ、これからライターを目指すにあたっては意識して仕事の経歴を積み上げなければ、いずれ発注される仕事内容が固定化され、気付いたら目指すライター像からかけ離れていた、などということもあり得ます。

そこで次項では発注が殺到するライターと、そうでないライターの違いを解説します。

発注が殺到するライター、しないライターの違い

打ち合わせをするライター達

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識字率99%とされる日本人なら誰もが日本語で「文章」は作れるでしょう。しかし、誰もが国語や現代文の授業で満点を取れたかというと、そうではないはずです。ライティングは訓練をする・しないで、個々人の能力に雲泥の差がつきます。

よく耳にする「文章力」の中でも特に重要なのが「文章構成能力」です。文章構成に難があると、往々にして読み手は置いてけぼりにされてしまい、伝えるべきことが伝わらず読み手は何度も振り返って読み直すか、理解することを放棄してしまいます。

この文章構成能力を高める手法として有効なのが「ロジカル・シンキング(論理的思考能力)」を学んで実践することです。

ロジカル・シンキングとは、主張したい物事に対して、全体を俯瞰して見たときに漏れなくダブリのない状態で、誰が見ても因果関係を明白に理解・説明できることを指します。

文章作成に限っていえば「主張とそれにひもづく根拠が明白で、一読で理解できること」と言い換えてもよいでしょう。昨今ではこの文章作成能力のことを「ロジカル・ライティング」と呼び、ビジネスパーソンに不可欠なスキルとして浸透しつつあります。

未熟なライターにありがちなのが、校正や発注者からの指摘を素直に受け入れないことで、中には指摘されること自体を不愉快に思う人もいます。

ところがこういったライターは、往々にしてロジカル・シンキングの訓練をしておらず、そもそも相手の指摘を読み解く力が欠けている場合が多いのも事実です。

しっかりとした校正・校閲を実施するメディアと一緒に仕事をしたことがないライターほど、この傾向は強いようです。このようなライターは発注側にとって手のかかるライターであり、育成コストが高いのであえて次回また発注しようとは思わないでしょう。

反対に発注が殺到するライターは、一読で理解できる文章を書きます。作家ではないので文体が個性的である必要はなく、物事を整理するための論理的思考力と、それを伝えるための論理的表現力が身に付いていることが大事です。それに加えて、取材をそつなくこなすなど、プラスアルファの能力があればさらに重宝されます。

発注する側としては、自分の部下であるなら教育の義務がありますが、外部のライターを育成する時間まで捻出できることはまれでしょう。

ライターとして発注が殺到する状態を目指すならば、まずはライバルである、すでに活躍している職業ライターに負けないだけの訓練をするべく、そういった環境に自ら身を投じる必要があります。

これからどんな成長曲線を描くべきか、思案しているライター予備軍の人々向けに「一流メディアや一流企業が発注したいと思うライターの特徴」と「二度と発注したくないと思われてしまうライターの特徴」をまとめます。

もちろん、さまざまな考え方があるので、どちらもあくまで1つの参考としてお読みください。

一流メディアや一流企業が発注したいと思うライターの特徴

電話しながらパソコンを操作する男性

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  • 自分の得意領域を1つ、もしくは複数持っていて、「○○領域ならXXさんに任せると安心」と思わせられる
  • 社交的で自分のネットワークを持っている
  • 共同通信社の「記者ハンドブック」、時事通信社の「最新用字用語ブック」、日
  • 本エディタースクールの「日本語表記ルールブック」のいずれか、もしくは全て
  • を持っていて用字用例の表記や使い方で迷ったときに使っている
  • 履歴書に紙媒体での執筆経験の記載がある
  • 編集・校正・校閲の機能のなさそうなメディアでの二次情報の書き手としての経歴がない
  • ビジネスライティングの経験が豊富
  • 有名企業の社長のインタビューや、自分の知らない業界の取材も事前準備をした上でこなせる
  • 自分の本を出版したことがある
  • 傾聴力がある
  • 質問力がある(もしくは事前の準備が周到で質問に困らない)

二度と発注したくないと思われてしまうライターの特徴

  • 頭の中で構成はできているからといって、事前に文章構成案を作らない
  • 主語と述語が一致していない文章が多い
  • ロジカル・シンキング、ロジカル・ライティングの訓練をしておらず、ロジカルでない旨を指摘しても理解できない
  • 校正・校閲の指摘を素直に受け入れない(校正・校閲部門からの赤入れに慣れていない)
  • 締切に遅れるという連絡をしてきたのに、SNSで飲み会や遊びの様子がアップされる

職業ライターに重要な職務経歴書

手帳と履歴書とペン

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これからプロの職業ライターを目指す人にとって、後々の収入にまで響いてくるのが、職務経歴書の作り方です。もちろん職務経歴書そのものの書き方の話をしているのではなく、自分のポートフォリオとしてどんな仕事を積み上げていくか、という話です。

ライターとしての仕事を探すとき、紙メディアとWebメディアを合わせると、それこそ数万ものメディアが募集を行っているのを目の当たりにするでしょう。

発注者はあなたの職務経歴書やポートフォリオを見て発注する・しないの判断をします。そのとき、校正や校閲機能のないメディアだけの経験しかなさそうであれば、一部のメディア担当者からは敬遠されてしまいます。

運よく仕事を受注できたとしても、原稿執筆の過程で文章力は見抜かれるので、掲載されるメディアに準ずる文章力が必要とされるでしょう。

文章をロジカルに書く訓練を日々怠らず、さまざまなコト・モノに興味を持ち、貪欲に知識を積み上げることで、初めて自分の中にアウトプットのための引き出しが増えていきます。得意な分野を見つけてその分野を極めることで、仕事が舞い込むこともあります。

例えば、家電が好きであれば家電ライター、ファッションが好きでアパレル業界に人脈があるならファッションライター、人と会うのが好きならばインタビュー専門のライターなど、自分の得意分野を特徴として打ち出すことで、自らの看板として掲げられることもあるでしょう。

経歴書が白紙、もしくは白紙に近い場合、死に物狂いでその白紙を埋めていく必要があります。「とあるメディアで執筆したい」という目標を立てたら、何とかしてそこで書くために必要と思われる経験を積み上げましょう。

そのメディアで働いている人と懇意になることも1つの方法ですし、そのメディアで扱われている分野についてブログを立ち上げ、インターネットのどこにも載っていない、自分の目と耳でつかんだ情報を提供し続けることで数百万ページビューを稼ぐのも、遠回りのようで近道かもしれません。

経験が足りなければ、発注先の編集プロダクションを調べ、門を叩いて修業させてもらうのも1つの方法です。経歴書と実力に嘘偽りがない状態を作る努力を続ければ、自ずと仕事は舞い込んでくるようになるでしょう。

ライターの求人について

タイピングする手元

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社員の募集は実務経験が必須、もしくは歓迎となっている場合が多く、出版社などで編集やライターの経験がある人が有利といえます。Web関連企業の募集の場合、SEOやマーケティングの知識を持っていることや、Webディレクターの経験が歓迎されることもあるでしょう。

ライターの求人は、アルバイトや業務委託の募集が多いという特徴があります。中でも業務委託は、自宅にパソコンとインターネットの環境さえあれば、出社する必要がなく在宅で仕事ができる求人もあります。家事や育児の合間など、空いた時間を活用して収入を得たい人にはおすすめです。

業務委託のライターの場合、報酬は案件・記事単位・文字数などに応じて単価が決められ、納品した分だけ支払われる出来高制が多いようです。求人によって条件もさまざまなため、まずは求人情報をチェックしてみましょう。

近年では、クラウドソーシングサービスを使った仕事の依頼も増えています。経験者で企業にアピールできる実績を持っている人は、仕事の幅も広がるのでチャレンジしてみるのもよいでしょう。

ライターの収入

給与明細

(出典) photo-ac.com

ライターは、働き方によって得られる収入も異なります。「このくらいの収入が欲しい」というラインがあるのなら、ライターとしての働き方を注意深く選ぶ必要があるでしょう。
ライターの収入を、働き方別に紹介します。

業務委託ライター

業務委託ライターは「出来高制」がほとんどで、収入は「文字単価」「業務量」に比例します。ライターの収入は文章スキル・作業スピードによって大きく異なり、月額収入数千円レベルの人もいれば、100万円近くの収入を得る人もいるでしょう。

Twitterをチェックすると、月々の利益をアップしているライターも見つかります。ほかのライターの収入が気になる場合は、チェックしてみるのもおすすめです。

社員ライター

社員ライターは一般社員として企業に所属するため、収入は企業の規模や業績によって異なります。大企業であれば年収も高額になりますが、小さく展開するスタートアップやベンチャー企業の場合は、あまり高い年収は望めないでしょう。

社員ライターの年収については、厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」から推察できます。資料によると、25~29歳の男女の平均年収は244万6000円、30~34歳の男女の平均年収は274万4000円です。

20〜30代の人がごく平均的な企業で社員ライターとなった場合、年収は250万円前後と考えられます。

副業ライター

多様な働き方が推奨される昨今、本業を別に持ちながら副業ライターとして働く人も増えています。

副業ライターの年収は、「ライター業務に割ける時間」「文字単価」が大きく影響します。スキルのある人なら短時間で高収入を得られますが、スキルが足りない場合わずかな収入しか得られないでしょう。

2020年に厚生労働省が公表した「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」によると、副業をする人の月収は「5万円以上10万円未満」が最も多いことが分かりました。次に多いのは「10万円以上20万円未満」で、年収にするとおよそ60~240万円がボリュームゾーンです。

副業ライターも、この数字から大きく離れることはないでしょう。

出典:
厚生労働省「令和2年賃金基本構造統計調査の概況」
厚生労働省「副業・兼業に係る実態把握の内容等について」

ライター経験者の口コミ

ライターの女性

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現役ライター、ライター経験者にアンケートを実施。ライターの仕事の口コミ・評判を集めました。

ライターのやりがいを教えてください

Y.S.さん (女性 / 愛知県)
ライター 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

自分の書いた文章が、印刷物として手元にできあがるので、目に見える成果としてとても達成感があります。
文章の他に、イラスト・写真などと組み合わさることで、文章を伝えるための表現がぐんと広がり、視覚的に楽しくなります。
また紙の質や、観音開きなどの仕掛けができる点は、webでは見られない表現方法なので、文章の内容との相乗効果を考えて表現できるところも、おもしろい点です。
文章以外にも、タイトルやキャッチコピー、吹き出しなど、印刷物の文章の表現方法は色々とあるので、分かりやすいページができると、達成感があります。
表現方法や、その表現に合った言い回しを変えてみたりと、工夫のし甲斐があるので、考えることがとても楽しいです。

S.S.さん (女性 / 東京都)
ライター 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

私が執筆に携わっていたものは地域興しや文化・祭事に関するものが多かったので、自然に地域のことや祭事の由来などを知ることができました。
インターネットで調べるのではなく、お店や団体に直接足を運んでいたので土地勘や人脈、知識が広がっていくことが楽しく、やりがいがありました。
地方の小さな自治体では長い歴史のある老舗が閉店に追い込まれていることも多く、「もっと皆が興味を持ち、お店やイベントの主催者と地域住民がwin-winになるような情報はないか」と考えて提案していくことも好きでした。
提案が通ったときは嬉しいですからやる気がでますし、そうでないことでも「今回の記事はいいね」と上司や知人から言われたときは嬉しいです。

K.K.さん (女性 / 東京都)
ライター 勤続年数5年以上 (職業 : フリーランス)

最初は売り込みに行って採用されることそのものがやりがいとして感じられていましたが、場数を踏んでいくと、自分が書いた原稿が紙面に載ることや、読んでくれた人から感想をもらったときに嬉しく感じるようになりました。
また、ゼロベースから企画を通して最後まで仕上げる案件は大いに達成感があります。 ライターのやりがいの最たるものは、取材などで普段の生活では経験しないことをさせてもらったり、いろんなジャンルの人と出会うことができるのでそこから学ぶこと、吸収できることも多いのではないでしょうか。
これまでで一番嬉しかったことは、学生時代から読んでいた雑誌や本に自分の記事が載ったときです。それを読みながら、心の中で学生時代の自分に「やったよー」と声をかけてしまいます。

ライターになるために努力したこと資格が必要な場合、合格するために努力したこと

Y.S.さん (女性 / 愛知県)
ライター 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

私の場合は「環境」という専門知識を必要とする分野でのライターとして採用されたため、知識を収集するための勉強には重きを置いていました。
環境という分野は、日々新しい情報が出たり、政策とリンクしたトレンドがあったりするので、日々の情報収集が必要です。
また依頼主が企業となる場合は、その業種の専門知識が必要とされました。
ライターとして文章を書くに当たっては、ターゲットが子どもから大人、また行政向けなどさまざまな対象があったので、それぞれに向けた書き方を考える必要があり、勉強をしました。
特に子ども向けの文章については、難しい単語をかみ砕いて説明をしなければならず、自分がしっかりと内容を理解する必要があり、慣れるまでにとても苦労しました。

S.S.さん (女性 / 東京都)
ライター 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

資格は「MOSスペシャリスト」(Word・Excel)を取得しています。ライターとしてWord・Excelが最低限使えれば問題ないため、取得が必須ではないと思います。
ですが、マイクロソフトのブランド力とでもいうのか、「MOSスペシャリストを持っている」ということだけで採用時にはアピールポイントになると思います。
特に地方の小さな自治体や団体だと「マイクロソフトを扱える」という資格の効果は強い印象がありました。逆に、都市部や大手の企業ではMOSは持っていて当たり前で、他の資格・経験がないと正規採用は難しいなと感じました。

K.K.さん (女性 / 東京都)
ライター 勤続年数5年以上 (職業 : フリーランス)

資格は必要ないですが、最初はいろんな経験をすること、どんなことも不向きだと思わず果敢に取り組むことが大切だと思います。
例えば、ファッションが好きだけどスポーツが苦手な人の場合、スポーツの中にもファッション(スポーツウェアなど)の話が出てくるわけですから、そこで「向いていない」と思ってしまうのは損です。また、その時々の流行りを追いかけるのもいいですが、今までにないもの、ない感覚を発見する観察力を養うことも重要です。読者に「これは知っているけど、これは知らなかった」という共通点と気づきを両方与えることで、より面白いストーリーに仕上がります。

文章をうまく書くコツは、とにかく面白いと思った作家や記事を真似すること。そして完成させる前に人に見てもらいアドバイスをもらうことでよりクオリティが上がると思います。

ライターの将来性についてどう思いますか?

Y.S.さん (女性 / 愛知県)
ライター 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

私は編集の仕事がメインで、ライターの仕事も兼任して行っていました。
勤めていた会社では、社員それぞれが色々な仕事を兼任していたので、ライターだけしかできないという人材は必要とされず、プラスアルファの能力が必要とされていました。
純粋にライターだけを生業とするにあたっては、自分が持っている専門知識と、その専門知識についての文章を必要としているクライアントとでニーズが合致していなければなりません。そのため、さまざまな分野の知識を貪欲に吸収する必要があるでしょう。
ライターの良い点としては、パソコン環境が整っていればどこでも文章を書けることだと思います。わざわざ会社に出勤せずに仕事ができるので、魅力に感じる人は多いのではないでしょうか?

S.S.さん (女性 / 東京都)
ライター 勤続年数2年 (職業 : 会社員)

大手の企業・団体に所属しているか、特定分野に強いネットワークを持っているか、他人が真似できない特技・知識を持っているかという点は重要だと思います。ネット媒体の情報が多く、雑誌などはあまり新人ライターを募集していない印象があります。
コネや運があっても、仕事は自分から取りにいかないとやっていけないので人間関係の構築が苦手な人には苦しい世界だと思います。ゴシップ系・ネタ系のライティングは身体を張れるかどうかも将来性に関わってくる分野だと思います。流行モノの他にもうひとつ安定した得意分野を持っていると強いでしょう。
また、行政と関わりのある広報団体やスポンサーの多い観光雑誌など全国発行でない媒体、フリーペーパーなどは比較的安定していると思います。今後の成長が期待できる分野というワケではなく、特定層に定期的に届く・読まれるので下火になりつつも突然の廃刊やそれに伴う失職の可能性は低いです。
小さな自治体は人手が少ないことや同郷意識が強いこと、移住を歓迎している地域も多いことなどから、地方の観光物産の分野も狙い目だと思います。

K.K.さん (女性 / 東京都)
ライター 勤続年数5年以上 (職業 : フリーランス)

正直、以前に比べて紙媒体(新聞や雑誌など)のギャラが下がってきていると思います。ですので、雑誌の1ページや新聞など、一時的なものだと自転車操業になってしまいます。そこでレギュラーでいただくお仕事を大切にこなしながら、書籍などの企画を売り込むことを常日頃からすることが大切だと思います。
また、書くだけでなく、編集などの技術を身につけておいておくと仕事の受注も増えます。デザインまではできなくていいですが、写真やレイアウトなども視野に入れた文章作りができるとチャンスの幅は広がります。書籍以外は大体デザインと写真がついてくるので。
そして、一番大切なのは人脈です。本当に書きたいことを明確にしてそれを引き寄せる人脈作りに励むことです。ライター業は人が活字を欲する限りなくなることはありませんが、時代が変わると受け入れられる形態や内容は変わります。それをうまくキャッチしアウトプットできるかが、長期に渡ってライターを生業にしていくコツではないでしょうか。