退職する人へ感謝のメッセージを贈ろう!書き方のコツや注意点を解説

退職する人へ向けてメッセージを贈るとき、何を書けばよいのか悩む人も多いのではないでしょうか?職場には関係性が浅い相手も多いはずです。相手との関係性によって変わる、メッセージの書き方や例文を紹介します。注意点も知っておきましょう。

メッセージを伝える方法

黄色のThank you cardを渡す

(出典) photo-ac.com

退職者へメッセージを伝えるには、複数の方法があります。職場全体で準備するのか、個人的に贈るのかでも異なるでしょう。主な方法を紹介します。

皆のメッセージが見れる色紙

職場の仲間全員からメッセージを送りたいときは、色紙がおすすめです。1枚の紙に寄せ書きして渡せば、もらった方も残しやすいでしょう。

色紙を使う場合、メッセージを書く人数によってスペースの大きさが変わります。自分に割り当てられたスペースを活用して、短文で気持ちを表すのが基本です。

退職者と接点が少ない人でも、短文なので気軽にメッセージを送れることがメリットともいえます。1枚の色紙に書ける文字の量は限られているため、人数がそれほど多くない職場にも向いているでしょう。

個人的に送りたいなら手紙で

お世話になった上司や仲の良い同僚など、思い入れがある相手が退職する場合は個人的に手紙を渡す方法もあります。個人的な立場でメッセージを送りたいときは、退職祝いや送別会のプレゼントに添えると不自然さがありません。

一言メッセージでは表せない気持ちがあるときは、便箋に思いをつづりましょう。印象に残っているエピソードなど、長い文章を書きたいときに役立ちます。

送別会などでメッセージを読み上げるイベントがあるなら、そのときに手渡しましょう。手元に残る手紙があった方が、相手もうれしく思ってくれるはずです。

アイデアメッセージもアリ

メッセージを渡すときに驚かせたい場合、色紙以外にも寄せ書きができます。Tシャツや瓶など、ちょっと変わったものにメッセージを残しましょう。普段使いできるものなら、無地のマグカップなどもおすすめです。

アイデアメッセージの多くは直接油性ペンで書くことになるので、修正しづらいのが難点です。また、インクで汚れないように乾かす時間も必要になるでしょう。

メッセージカードを集めて額縁やコルクボードにまとめるなど、簡単にできるアイデアメッセージもあります。おしゃれな寄せ書き風のメッセージは、そのまま飾るのにもぴったりです。

退職者へのメッセージを書くコツ

鉛筆でメッセージを書く

(出典) photo-ac.com

退職者へのメッセージは、関係性や退職理由によって変わります。それぞれどんな風にメッセージを書くと気持ちが伝わりやすいのか、コツを知っておきましょう。寄せ書きタイプでは、周囲が書いている内容を見ることも重要です。

相手との関係性を考える

メッセージを書くときは、相手との関係によって内容が変わります。親しい相手の場合は、特別感のあるメッセージが喜ばれるでしょう。職場でのエピソードや、今後の関係性に触れるのもよいかもしれません。

あまり話したことがないなど仕事で関係が薄かった相手には、惜別の気持ちを表しつつプライベートに踏み込みすぎないメッセージを送りましょう。

親密さだけではなく、上司と部下など立場も関わってきます。相手にとって失礼にならない内容を心掛けることが大切です。

退職理由を考慮に入れる

退職理由によってメッセージの方向性は変化します。転職であれば『新しい職場でも頑張ってくださいね』という表現が使えますが、病気や介護による退職で『これからも頑張ってください』は負担になるでしょう。

結婚や出産による退職のときは、おめでたい内容に触れお祝いの言葉を付け加えます。定年で退職するときには、『ご定年おめでとうございます』など、最後まで勤め上げたことを祝うメッセージになるでしょう。

直属の上司や親しい同僚以外、退職理由が分からないケースもあります。理由が分からないときは、無理に感謝の気持ちを記さず『今までありがとうございました』のように仕事に関するコメントにとどめるなど心配りも必要です。

丁寧な字で書くのはマスト

退職者に向けてメッセージを送るときは、丁寧に書きましょう。

色紙への寄せ書きは、勤務中に複数人に回す場合もあるかもしれません。限られた時間で完成させなければなりませんが、走り書きのような文字では適当な印象を与えてしまいます。可能な範囲で、時間をかけるのが大切です。

文字だけでなく言葉の選び方も重要です。退職する人が新しい道に気分よく進めるよう、汚い言葉は避けます。持ち帰った後に身内が見ることも考えて、相手を立てた素敵なメッセージを残しましょう。

寄せ書きは文章が被らないようにする

定型文でのメッセージは、寄せ書きにすると内容が被ってしまいます。短文のメッセージでは内容が被る可能性も高いでしょう。「お疲れさまでした」「これまでありがとう」のように同じ内容のメッセージばかりになると、少し寂しい気持ちになるかもしれません。

ほかの人のメッセージが見える状況では、なるべく内容が被らないよう配慮しましょう。親しくない相手でも、「今後の活躍を祈っています」など、ほかのメッセージと言い回しを変えることはできます。

しかし、表現が出尽くしていて内容被りを避けられないときもあるはずです。もし思いつかないときは英語のメッセージを取り入れてみるなど、ちょっとした工夫をしてみましょう。

目上の人に対しての文例

デスクに眼鏡と便箋

(出典) photo-ac.com

退職者へメッセージを送るときには、相手によって適切な雰囲気や内容を意識しましょう。目上の人に対する、よくある文例を紹介します。

上司・先輩の場合

上司や先輩に退職メッセージを送るときは、言葉遣いや内容に気を配りましょう。退職するとはいっても、関係性は変わりません。

目上の人を立てる文章で、最後まで敬意を忘れないことが大切です。

【文例】
○○さんには、いろいろなことを教えていただき、とても勉強になりました。転職後のご活躍をお祈りいたします。

本当に長い間お世話になりました。いつも優しく指導していただき、ありがとうございました。寂しくなりますが、これからもどうかお体に気を付けてお過ごしください。

取引先の場合

関係の深い取引先の社員が退職するときにも、メッセージを送ることがあります。

上司と同様に丁寧な言葉遣いを心掛け、明るく送り出しましょう。同じ会社の社員とは異なり、プライベートな面が分かりにくいこともあります。

仕事面でのエピソードを加えると、被りにくいメッセージになるでしょう。

【文例】
ご退職されると聞いて驚いております。○○のイベントでは、大変お世話になりました。慌ただしい中対応していただき、感謝しております。新天地でのご活躍を心より願っています。

長い間のお勤め、お疲れさまでした。○○様にはいつも親身に相談に乗っていただき、助かりました。お会いできなくなるのは寂しい気持ちもありますが、ご多幸をお祈りいたします。

同年代・後輩に対しての文例

便箋に黒いボールペンでメッセージを書く

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同年代や後輩に対してメッセージを送るときは、相手との親密さや退職理由に絡めたメッセージを送ります。文例や書き方のポイントを見ていきましょう。

同僚など同年代の場合

同僚など、立場的に近い人にメッセージを送るときは、敬語にこだわらずフレンドリーな雰囲気でもよいでしょう。ビジネスの場であることは忘れず、くだけすぎないよう注意は必要です。

関係性にもよりますが、親しい相手にはエピソードを交えてオリジナリティーのあるメッセージを送ると喜ばれるはずです。

【文例】
いつもパワフルな○○さんに励まされることが、何度もありました。またそのうち会える機会を楽しみにしています。転職先でも頑張って!

いろいろお世話になりました。仕事で関わる場面は少なかったけれど、新しい職場でも頑張ってくださいね!

部下・後輩の場合

部下や後輩に対してメッセージを送るときは、先輩らしくねぎらいの気持ちを表しましょう。同年代と同様で多少くだけた雰囲気でも許されますが、普段の関係性も関わってくるでしょう。

部下が活躍したエピソードや、性格面などを交えて具体的に書くのもおすすめです。年代的には転職が理由で退職するケースが多いですが、プライベートな事情が分からない場合は当たり障りのない文面が適しています。

【文例】
いつも仕事のサポートをしてくれてありがとう!○○さんなら、新しい場所でもすぐに活躍できると思っています。元気で頑張って!

頼りになる後輩がいなくなるのは寂しい気持ちもあるけれど、○○さんの決断を応援しています。またどこかで一緒に仕事ができることがあればいいね。今までありがとう!

メッセージを書く際の注意点

赤いボールペンと便箋

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退職者へのメッセージには、書かない方がよいこともあります。相手を悩ませたり、困惑させたりする内容は避けるのが基本です。NGなメッセージを具体的に紹介します。

基本的にネガティブなことは書かない

退職者へのメッセージは、「一緒に仕事をしてきた仲間に対するねぎらいの気持ち」を表現します。退職後の活躍や楽しい生活を願う気持ちを伝えましょう。

結婚祝いや卒業祝いと同じで、ネガティブなことは避けるのがマナーです。悪い意味を持つ単語や漢字は使わずに表現しましょう。

縁起が良くない言葉としては、「倒れる」「折れる」などが該当します。

また退職が悲しいと思っていたとしても、悲観的な表現はできるだけ避けるのがマナーです。

退職を引き留めるようなことはNG

退職を決めた人へのメッセージで、引き留めを連想させる表現はNGです。メッセージを書く段階では、すでに退職は確定事項になっています。

本音として仕事を続けてほしい気持ちがあっても、メッセージには書かないようにしましょう。

転職や定年、病気による退職など人によって理由は異なります。どのような理由であっても、退職を決めた本人の気持ちが揺らぐような言葉をかけるのはマナー違反です。退職を決断した理由によっては、引き留められても困ると感じる可能性もあります。

「退職されると困る」のような相手が悩むメッセージは避け、爽やかな気持ちで送り出しましょう。

感謝の気持ちをメッセージに込めよう

水色の小さな花とThank you cardの入った封筒

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退職する人へのメッセージは、別れを惜しむ気持ちや退職のお祝いを表現するものです。状況によって色紙への寄せ書きや、手紙に思いをつづることもあるでしょう。

どの場合でも、相手との関係性や退職理由を考慮して内容を考えます。縁起の悪い言葉を使ったり、退職を引き留めたりするような内容は避けましょう。