GPAとは?概要や算出方法、活用シーンと就活への影響も解説

大学では、「GPA制度」を導入しているところが多くなっています。制度の概要や、利用される場面について確認しましょう。就活に影響するケースや、アピールのコツも紹介します。GPAが低い場合や、挽回するための方法も見ていきましょう。

GPAとは

学生

(出典) pixta.jp

主に大学で使われる「GPA」とは、何を意味する言葉なのでしょうか?制度の特徴や、概要を解説します。大学の成績や履修状況を把握する上で、役立つものです。

大学の成績を表す評価方法

GPAは「Grade Point Average」の頭文字を取ったもので、大学の成績を表す評価方法です。主にアメリカで使用され、世界的にも広まっています。

アメリカの場合、GPAは最高点が4.0で4.0〜0.0までの5段階評価です。客観的な成績評価の数値として活用されています。

日本でも、アメリカ式の5段階評価を採用する大学が多いものの、大学・学部によって評価方法は異なります。大学の成績を表す書類には成績証明書とGPA証明書があり、記載内容も大学・学部によって違いがあるようです。

日本では多くの大学が導入している

GPAを活用した評価制度は、多くの大学で導入されています。細かい基準は統一されておらず、導入していない大学もあるため、成績を判断する目安になる数値と考えておきましょう。

文部科学省が2018年に公表した「国内大学のGPAの算定及び活用に係る実態の把握に関する調査研究報告書」によると、調査時点で回答のあった大学のうち92.2%がGPA制度を導入しています。

日本とアメリカ以外にも、カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどさまざまな国で導入されていることも特徴です。

出典:平成29年度文部科学省高等教育局委託事業|『国内大学のGPAの算定及び活用に係る実態の把握に関する調査研究』報告書

GPAの算出方法や平均

電卓

(出典) pixta.jp

GPAは、どのようにして算出するのでしょうか?一般的な算出方法と、平均について解説します。大学の成績と換算表があれば、自分で算出が可能です。

一般的な算出方法

GPAを算出するには、成績評価に対応するグレードポイント(GP)を導き出します。成績評価をGPに換算するには、通っている大学の換算表が必要です。

換算表で自分の成績評価に対応するGPを確認し、GPに単位数を掛けると、該当科目の数値が算出できます。

履修した科目全てで「GP×単位数」を算出する作業を繰り返し、積の総和を導き出しましょう。GPの積の総和を総登録単位数で割ると、GPAが算出できます。

なお、GPAには「学期GPA」「通算GPA」「年間GPA」などがあります。それぞれを導き出すには、学期ごとの履修科目や年間の履修科目を把握し、各科目の成績をGPに換算する作業が必要です。

平均値は大学や学部によって変わる

GPAが5段階評価の場合、中央値は2.5です。2.4〜2.8が平均範囲といわれることがあり、これは中央値から大きく離れていないことを示します。

しかし、大学・学部によっては、学生の成績や傾向が異なります。偏差値の高い大学では、全体の平均が高くなる傾向があるため、2.8以上のGPAを単純に高いとは一概にいえません。

大学の方針によっては、成績分布・割合を公表しているケースもあるため、自分が通っている大学の状況を調べてみるのもよいでしょう。

GPAが利用される主なシーン

パソコンで資料を作る

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GPAは、大学内での活動や進学など、幅広い範囲で活用されています。一般的な利用シーンと、使い方を確認しましょう。

大学内での指導や計画に活用

日本では、GPAを大学の指導や履修計画に活用するため、積極的な導入が進められています。進級の可否や補習の必要性を判断するため、GPAを活用する大学も多いでしょう。

学生が自分自身で履修計画を立てる際にも、GPAを活用できます。進級・卒業・進学・留学に当たって、一定以上のGPAが求められる場合は、GPAを計算しながら学習や科目の選択を進めていく必要があるでしょう。

苦手な科目を多く履修すると、GPAは下がりやすくなります。また、担当講師や教授の方針によっても、点数の基準は変わってくるでしょう。高いGPAを維持したい場合は、傾向を把握した上で履修計画を立てなければなりません。

大学院進学時の評価基準

大学院への進学を考えている場合、GPAの数値が重視されるケースがあります。推薦や特別選考入試では、出願資格になっている可能性もあるため注意しましょう。

GPAは、短期間で数値を上げられるものではありません。希望する大学院へ推薦入学したいときは、早いうちから意識する必要があるでしょう。

対して、一般入試ではGPAではなく試験結果が重要です。GPAが低いとしても、試験で合格すれば進学できます。推薦と一般、どちらを検討しているかで重要度は変わってくるでしょう。

海外留学時の出願条件

GPA制度を導入している国への留学を検討している場合、出願条件として一定のGPAが必要になるケースがあります。

もし、GPAが条件を下回っている場合、原則出願はできません。全ての大学・大学院で求められるわけではありませんが、目標があるときはGPAを意識しましょう。

GPA制度を導入していない大学の場合、成績をGPAに換算する作業や、大学に証明書発行を依頼しなければいけないケースも考えられます。

GPAの数値が就活に影響するケース

就職面接

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GPAの数値は、就活にどのような影響を与えるのでしょうか?書類選考や面接で、数値を確認されるケースを紹介します。全ての企業に関係するものではありませんが、影響を把握しておきましょう。

学業成績を確認する企業では高い方が有利

日本ではGPAの基準が統一されていないため、提出を求められるのは成績証明書が一般的です。GPAを確認されるケースはまれですが、ほとんどの場合成績とGPAは連動します。

学業成績を確認する企業では、数値が高い方が有利です。どの程度重視されるかは企業によって変わるものの、評価の対象にはなるでしょう。

GPAが低いとしても、それだけで採用が見送られるとは限りません。面接および履歴書の内容や、課外活動も評価に含まれるため、過度に心配せず学業以外の分野を自己PRしましょう。

外資系企業では求められるケースも

一部の外資系企業では、GPAの数値を重視するケースがあります。エントリーシートにGPAの記入欄が設けられている場合は、あらかじめ確認が必要です。

大学がGPA制度を導入しているか確認の上、企業が提出を求める場合は、GPA証明書の発行を依頼しておきましょう。

GPAが低いと、書類選考を通過しにくい可能性もあります。企業が基準を公開している場合は、自分の成績が基準に達しているか調べておくとスムーズです。

成績やGPAの高さを就活でアピールする方法

就活生

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就活では、成績やGPAの高さを評価してもらえるのでしょうか?アピールのコツと、ポイントを紹介します。成績自体が仕事に生かせるわけではありませんが、伝え方によっては大きな魅力になるでしょう。

専門分野の実績や見解を伝える

就職先によっては、大学で学んだ専門知識が役立ちます。GPAが高いのであれば、何らかの実績や、自分なりの見解を伝えられるはずです。

例えば、設計・デザインなどの専門分野では、実績のアピールがしやすくなります。学生の間に作り上げてきた作品を見せるだけでも、魅力を伝えられるでしょう。

そのほか、仕事に直結する専門知識も、就活での評価につながりやすいポイントです。得意分野の知識を仕事に生かす方法や、見解を伝えてみましょう。

GPAを上げるために努力したポイントを伝える

職種によるものの、大学の成績を仕事に生かせるとは限りません。GPAの高さをそのままアピールするのではなく、成績向上につなげるためにどのような努力をしたのか具体的に説明しましょう。

勉強を頑張ったのであれば、目標に向かって努力する姿勢や、勉強に対する集中力をアピールできます。履修計画を立て、目標の数値を達成する計画性や実行力も、仕事に役立つ能力です。

就職後、どのように能力を生かしていくか、将来のビジョンを交えて伝えるようにしましょう。

GPAが低いときに就活で挽回するコツ

面接

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GPAが低いとしても、就活では十分に挽回のチャンスがあります。成績だけで判断しない企業も多いため、他のアピール方法を身に付けておきましょう。

学業以外の活動をアピールする

就活では、学業以外の活動を重視する企業も多くなっています。ボランティア・アルバイト・サークル活動・資格取得など、学業以外で努力したものがあれば、積極的にアピールしましょう。

特に、就職先と関連の深い活動であれば、自分の魅力を最大限に伝えられます。例えば、アルバイトで実務経験がある場合、そのまま仕事に生かせるでしょう。仕事で活用できる資格の取得も、評価につながります。

仕事に関係のない活動であっても、問題はありません。活動をするために何を努力したか、自分の長所を生かして何を達成したかを伝えていきましょう。

GPAが低い理由を説明する

GPAが低い理由を質問された場合は、相手が納得できる理由を説明しましょう。企業から聞かれない限り成績を話題にする必要はありませんが、明確な理由があれば説明する方が好印象です。

例えば、特定の分野に力を入れており、突出した成績を残しているならその旨を伝えましょう。仕事に生かせる専門分野の成績が高い場合、GPAが低くても問題視されない可能性があります。

理由を説明する場合、「努力をしなかった」「勉強が嫌いだった」はNGです。学業に力を入れていなかったのであれば、成績には触れず、学業以外の活動をアピールする方がよいでしょう。

できるだけ早期に就活を開始する

早くから就活を開始すると、周りと差をつけられます。特にインターンシップや説明会への参加など、企業を知るための行動を積極的に行いましょう。

GPAが低いとしても、仕事への適性や理解があれば、就活で有利に働きます。企業がどのような人材を求めているのか把握し、必要なスキルを身に付ける努力をしましょう。

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成績の評価基準であるGPAを就活にも生かそう

履歴書

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GPAは、成績の評価基準となる数値です。制度を導入している大学は多く、進学や留学の際にも役立ちます。

就活でGPAを確認されるケースはまれですが、成績と密接につながる数値のため、高い方が有利です。就活では成績以外に、他の資質・スキルを踏まえて総合的に判断されます。GPAの高低を問わず、自分の強みをアピールしていきましょう。