退職時に菓子折りは必要ない?渡す際のマナーや注意点について解説

退職時に、菓子折りを用意しなければならないというルールはありません。しかし、お世話になった職場へのお礼の気持ちを伝え、円満に退職するためには、渡す方がベターです。退職時の菓子折りのマナーや、注意点について解説します。

退職時の菓子折りは必要?

退職願

(出典) pixta.jp

退職時の菓子折りは、必ずしも渡さなければならないわけではありません。しかし、一般的なマナーとして、渡すのが理想という考えもあります。菓子折りを渡した方がよいとされる理由について、見ていきましょう。

絶対必要ではないがお礼の気持ちは伝わる

在職中お世話になった職場にお礼をしたいときは、菓子折りを渡しながら気持ちを伝えるのがおすすめです。あいさつだけでも失礼にはなりませんが、中には退職時には菓子折りを渡すものだと考える人もいます。

また、退職時は菓子折りを渡すという、暗黙のルールが存在する職場もあるようです。マナー違反には当たらないものの、気持ち良く職場を去りたいなら渡しておいた方が無難かもしれません。

職場の人からお別れ会をしてもらったときは、お礼としてちょっとしたお菓子を配ってもよいでしょう。

菓子折りを渡すメリットも

必ず渡さなければならないという決まりがない中、あえて菓子折りを渡すことで、職場に良い印象を残せるなどのメリットもあります。

どのような理由で退職するにしても、それまでお世話になった職場へ感謝の気持ちを伝えることは、社会人として大切なマナーです。「マナーがしっかりしている人」という印象を残せれば、仮に同じ業界へ転職する場合も、良い関係を保っていけるでしょう。

異なる業界への転職でも、将来の取引先になる可能性があります。好印象を残すためにも、菓子折りを渡すのは効果的な手段といえるでしょう。

退職時の菓子折りの選び方

個包装のお菓子

(出典) pixta.jp

退職時に渡す菓子折りの選び方も知っておきましょう。ポイントを3つ挙げて紹介します。

個包装されているもの

退職時の菓子折りは、配りやすいように個包装されているものを選びましょう。渡したその場で、すぐに食べられない場合もあるからです。

中には、家に持ち帰ってから食べる人もいるかもしれません。休暇中・外出中の人には直接手渡しできないため、机の上などに置いておくこともあるでしょう。

個包装されていれば、ほこり・ごみも付きにくいので、衛生面にも配慮しながら渡せます。また、個包装されていると手を汚さずに食べられるというのも、おすすめの理由の1つです。

常温で日持ちするもの

日持ちのするお菓子を選ぶことも大切です。今日・明日中に食べなければならないような、生菓子などは避けましょう。

すぐに食べる必要があるお菓子を渡すと、かえって迷惑になってしまいます。共有スペースに置く場合は、全員に行き渡るまで時間がかかるため、なおさら賞味期限には注意が必要です。

また、常温で保存できるものを選びましょう。要冷蔵のお菓子は日持ちしにくいだけでなく、冷蔵庫に保存するためのスペースも確保しなければなりません。

焼き菓子・せんべいなど賞味期限が長く、なおかつ常温保存が利くものを選ぶことがポイントです。

人数分よりやや多めに用意

渡す人数をチェックして、少し多めに用意しておきましょう。あいさつをして回っている間に、予定していた人以外にも渡したり、うっかり落として数が足りなくなったりすることもあるためです。

余る分には問題ありませんが、足りなくなって渡せない人が出てしまうと、角が立ってしまう恐れがあります。共有スペースに置く場合は特に、1人で数個食べる人がいる可能性も考えて、やや多めに用意しておく方が安心です。

退職時に菓子折りを渡す際のマナー

手土産を渡す

(出典) pixta.jp

気持ち良く退職するために、菓子折りを渡す際のマナーについても確認しておきましょう。「のし」「渡すタイミング」「あいさつメール」の3点について解説します。

「のし」は必要ない

基本的に、退職時の菓子折りに「のし」を付ける必要はありません。通常、中身を1人ずつに手渡しするか、共有スペースに箱を開けた状態で置いておくことが多いためです。

ただし、取引先などに菓子折りごと渡す場合は、のしを付けた方が丁寧な印象になります。のしを付ける場合、紅白ちょう結びの水引が付いたものを選び、表書きには「御礼」と書くのが一般的です。

取引先との関係性によっては、「感謝」や「お世話になりました」など、やや砕けた言葉でもよいでしょう。自分の名前は、水引の下にフルネームで記載します。

渡すタイミングは最終出社日の終業時間後

基本的に、菓子折りは退職するその日に渡します。なるべく、業務に差し障りのない時間を選ぶことがポイントです。あまり早い時間は、外出している人がいることを考えて、終業に近い時間や終業後がよいでしょう。

ただし、定時ですぐに帰宅する人もいるため、休憩時間に渡しても構いません。1人ずつ直接手渡しできるのが理想ですが、その場にいない人が多い場合などは、共有スペースに置く方法もあります。

「必ずこうしなければいけない」というルールはないので、配りやすい方法でOKです。迷ったときは、過去に退職した人の渡し方を倣ってもよいでしょう。

あいさつはメールでもOK

退職のあいさつの方法に、特別な決まりはありません。お菓子を渡しながら、1人1人にお礼の気持ちを伝えられればベストですが、会社によってはみんなの前であいさつしたり、一斉メールで退職を伝えたりすることもあります。

退職のあいさつを一斉メールで送るときは、送信先を自分にして、送りたい人のアドレスをBCCに入れましょう。退職のあいさつだと一目で分かる件名を入れて、退職日の退社する数時間前に送信します。

退職する理由は、「一身上の都合」として構いません。直接あいさつに行けないことをおわびする一文を入れた上で、感謝の気持ちを伝えましょう。

退職時に菓子折りを渡すときの注意点

手土産を渡す

(出典) pixta.jp

せっかくのお礼の気持ちが台無しにならないよう、菓子折りを渡す際の注意点についても確認しておくことが大切です。主なポイントを3つ紹介します。

配る人の範囲はケースバイケース

お菓子を配る人の範囲にも、厳密なルールはありません。基本的には、所属部署内のメンバーや、これまで仕事でお世話になった人に配ります。仕事に直接関係ない人でも、お礼を伝えたいと思う人がいれば、あいさつを兼ねて渡しましょう。

社員数が少ない場合は、渡す人と渡さない人の違いで、気まずい雰囲気にならないように配慮する必要があります。社員が20人程度までの会社なら、全員分を用意しておくのがおすすめです。取引先など社外の人に渡すときは、前もって上司に確認しましょう。

渡す順番は立場が上の人から

お菓子を手渡しするときは、渡す順番にも注意しましょう。部署内に配る場合は、部長・課長・主任のように、立場が上の上司から渡します。

社長や役員が同じオフィス内にいるときは、社長・役員・上司という順番です。役職が付いていない人に配る際も、先輩・同僚・部下や後輩の順に渡します。

本人が不在で直接手渡しできないときは、机の上の見やすい場所に、あいさつの言葉やメッセージを添えて置きましょう。

相手によって差が出ないようにする

菓子折りを渡すときは、どんな相手にも同じものを用意することが大切です。あくまでお礼の気持ちを伝えることが目的なので、高価な品物を選ぶ必要はありません。

むしろ、あまり高価すぎると、渡す側・受け取る側のどちらにも負担となるので注意しましょう。

退職時の菓子折りの相場は、1人当たり100~150円程度が一般的です。個人的にお世話になった人に、他の人とは違う品物を渡したいときは、別途社外で渡しましょう。

退職時の菓子折りのマナーを知っておこう

菓子折りを手にしている女性

(出典) pixta.jp

退職時の菓子折りは、必ずしも渡さなければならないというルールはありません。しかし、お世話になった職場への感謝の気持ちを表すためにも用意しておくのが理想です。菓子折りを渡す際は、配るタイミングや順序などのマナーを確認しておきましょう。

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