転職の際には、「ジョブホッパー」という言葉を耳にする機会があります。どのような人のことを、ジョブホッパーと呼ぶのでしょうか?主な定義や、メリット・デメリットを紹介します。転職回数が増えやすい人の特徴と、長く勤めるコツも確認しましょう。
ジョブホッパーの定義は?
転職回数が多い人を「ジョブホッパー」と呼ぶことがあります。具体的な定義はあるのでしょうか?似たような場面で使われる「キャリアビルダー」との違いも解説します。
短期間で転職を繰り返す人
「ジョブホッパー」は、転職を繰り返すことを意味する英語の「ジョブホップ」から派生した言葉です。「job」は仕事、「hopper」は跳ねる人を意味します。
跳ね回って仕事を変えているイメージから、「短期間での転職を繰り返す人」を指す言葉です。「短期間」に明確な定義はないものの、日本では3年以内での退職が早期離職と判断されるケースが多く、主に3年に1回以上転職を繰り返す人が該当するでしょう。
日本では、短期間で転職を繰り返す人に対して、マイナスのイメージが定着しています。元々年功序列・終身雇用が一般的であり、短期間での転職が多い人は忍耐力がないと捉えられやすいためです。
「ジョブホッパー」と言い換えても、「すぐ仕事を辞める人」「仕事が長続きしない人」「飽きっぽい人」という印象を持つ人は多いでしょう。
キャリアビルダーとの違いもチェック
日本では、「ジョブホッパー」にマイナスなイメージがあるため、ポジティブな転職が多い人に対しては「キャリアビルダー」と呼ぶことがあります。
キャリアビルダーは、英語の「career」と「builder」を組み合わせた言葉です。「career」は経歴、「builder」は作る人を意味します。
ポジティブな転職とは、より良い企業への転職や、今までのスキルを生かして職種を変える行為です。スキルを磨き、転職を成功させている人が該当します。
転職回数が多いとはいえ、経歴に一貫性があり実績を積み重ねているようなら、ネガティブな印象は持たれにくいでしょう。
ジョブホッパーのメリット・デメリット
企業からジョブホッパーと判断された場合、メリットとデメリットがあります。マイナスイメージを払拭するメリットと、転職の際に感じられるデメリットを確認しましょう。
メリット
ジョブホッパーは、多くの職業・職場を経験しています。1つの会社で働き続ける人よりも、社会経験が豊富です。
特に、若いうちは複数の仕事を経験する機会が少なく、いくつかの企業で働いてきた経験はアドバンテージにつながります。さまざまな職種・仕事で役立つ知識は、次の転職先でも生かせるでしょう。
多くの仕事にチャレンジする前向きな気持ちを持っていれば、自分に合う新ビジネスと出会うチャンスも巡ってきやすくなります。
デメリット
ジョブホッパーは、短期間で次々に仕事を変えるため、スキル形成がうまくいかないケースがあります。研修だけ受けて辞めてしまう人や、毎回業界・職種を変えるタイプは中途半端になりやすいでしょう。
転職時に、マイナスのイメージを与えてしまう可能性もあります。働いた会社や期間は、履歴書・職務経歴書に書くためうそはつけません。
「すぐに辞めてしまう人かもしれない」と警戒されると、採用に影響する恐れもあります。
ジョブホッパーになりやすい人の特徴
転職回数が平均よりも多くなる原因は、いくつかあります。ジョブホッパーによくある特徴と、転職回数が多くなる原因を確認しましょう。
こだわりが強い
職場への不満・問題は、短期間での転職につながります。こだわりが強いと、耐えられない問題も発生しやすいでしょう。
自分が思い描く理想像と現実にギャップがあるときも、現状を受け入れられず、辞めるきっかけになります。
こだわりの強さは、自分の性質・スキルに合う仕事に就ければ、メリットにもなり得るものです。もし、こだわり・理想が理由で短期間での転職を繰り返す場合は、選んだ仕事が合っていないか、自己分析ができていないことが原因かもしれません。
行動力が高い
行動力があり、転職に対するハードルが低い人は転職回数が多くなります。新しい仕事への好奇心・興味が強く、チャレンジにつながると考えられるでしょう。思い立ったらすぐに行動する人や、新しいものに強く興味を引かれる人が該当します。
行動力の高さは、悪いことではありません。熱意・スキルをうまく伝えられれば、ポジティブな転職になるはずです。
しかし、行動力が高いだけで、何度も転職を繰り返すとは考えにくいでしょう。転職先でも、短期間で別のことに興味が湧くということは、向上心の強さや飽きっぽい一面が関係している可能性があります。
飽き性な面も
飽き性で興味がすぐに移り変わる人は、転職回数の多さにつながるケースがあります。仕事に対して、「楽しいかどうか」「興味を持てるかどうか」を重視していると、短期間で転職を繰り返す原因になるでしょう。
ひと通りの仕事を覚えると目新しさがなくなり、モチベーションの維持ができない人もいます。単調な作業や、ほとんど変化がない職場では、より一層やる気が出ず、退職に至ってしまう可能性もあるでしょう。
飽きっぽい面が転職回数に影響してしまう場合は、一定期間ごとの転勤・職種変更が前提となっている仕事に就けば、問題を解消できるかもしれません。
1つの企業に長く勤めるコツは?
現在ジョブホッパーであっても、1つの企業に長く勤めるコツを理解し実践できれば、変化が訪れます。転職前・転職先で気を付けたいポイントを、チェックしましょう。
転職の軸を定める
1つの企業で長く働くには、「自分の特性に合う職種を選択すること」「譲れない条件を明確にすること」が大切です。こだわりが強い場合は、職場の雰囲気や仕事内容も重視されるでしょう。
転職の軸を定め、自己分析と企業研究が足りていれば、納得できる転職が可能になります。特に、転職回数が多くなってくると、企業側へのアピールも重要です。職種・企業を選んだ理由が明確であれば、希望する企業に採用される可能性も高くなります。
スキルを高める
転職回数を問わず、多くのスキルを身に付けている人材は魅力的です。たとえ転職回数の多さがマイナスイメージを与えたとしても、その分スキルを身に付けていれば悪い印象は緩和されるでしょう。
転職を決意する前に、何らかの専門的なスキルを身に付けるか、新たに資格取得を検討するのがおすすめです。
需要のあるスキル・資格であれば、条件の良い企業に転職できる可能性も高くなります。今転職を悩んでいるなら、スキルを身に付けてから行動しましょう。
人間関係も重要なポイント
仕事を短期間に変える原因として、人間関係の悪化や苦手な人との交流も挙げられます。もし仕事の内容ではなく、人間関係によって仕事を頻繁に変えている場合、転職先を探すときにも注意が必要です。
次の職場でも同じように人間関係が悪くなると、また短期間での退職につながる恐れがあります。
仕事内容・社風をチェックするだけでも、自分の性格に合うかどうかは判断しやすくなるでしょう。たびたび人間関係に悩まされている場合は、できるだけ人との交流が少ない仕事に切り替えると、状況が好転する可能性もあります。
転職を繰り返すならまずは目的を決めよう
ジョブホッパーは、「短期間で次々に仕事を変える人」という意味を持ちます。転職回数が多くなると、今後の転職活動や評価にも影響するため、自覚があれば1つの企業で長く働けるよう意識を切り替えてみるのもおすすめです。
なぜ転職をしようとしているのかじっくりと考え、自分の希望を明確にしてから仕事を探し始めましょう。多くの仕事を比較し、自分の適性を見極めるのも大切です。
「スタンバイ」で求人をチェックし、どのような仕事があるか調べるのもよいでしょう。