職場いじめには早めの対処を!4つの対処法と証拠の集め方を紹介

多くの人が関わる場では、大なり小なり人間関係の問題が起こる可能性があり、いじめに発展するケースも決して珍しくありません。職場でいじめに遭ってしまった場合に、きちんと対応するためのポイントを知っておきましょう。証拠の集め方も解説します。

職場いじめへの対処法は?

パワハラのイメージ

(出典) pixta.jp

職場でいじめに遭ってしまった場合には、精神的に追い詰められてしまう前に、しっかりと対応する必要があります。いじめに耐えているだけでは、全く問題は解決しないため、以下のポイントを意識して、自ら状況の改善に乗り出しましょう。

いじめてくる相手と距離を置く

いじめ・嫌がらせなどをしてくる相手に対しては、まず物理的に距離を置くことが大事です。加害者とは徹底的に距離を置き、業務でどうしても必要な場合以外は、できる限り関わらないようにしましょう。

あまり顔を合わせない相手が加害者ならば、距離を置くことで、ほとんど関わりを絶てる可能性があります。

世間で話題になるような学校でのいじめの場合、実質的に外部から隔離された場で起こるケースがほとんどです。一方、職場は多くの人が日常的に関わる場であるため、距離を置くことで表立ったいじめは発生しづらくなります。

会社ではプライベートの話をしたり、相手が不快に思うような言動をしないよう配慮したりなど、いじめにつながる原因をつくらないことも大切です。基本的には、仕事以外の話は避けるのがよいでしょう。

堂々とした態度で振る舞う

いじめに対しては、堂々とした態度で対応することも大切です。精神的に立ち向かえる余裕がある人ならば、加害者はいじめをするリスクを感じて、何もしてこなくなる可能性が高いでしょう。

職場でのあからさまないじめは会社から問題にされやすく、もし暴力沙汰にでも発展した場合、すぐに警察が関わる案件になります。

事態が公になった場合、加害者は解雇を含めて懲戒処分となる場合も考えられるので、堂々としている相手に対しては、何もしてこない傾向にあります。

周りには分からないように陰湿ないじめをする場合もありますが、上司に相談したり、場合によっては弁護士を立てたりすることで、状況の改善を図れるでしょう。合法的な手段ならば、どのような方法でも立ち向かう姿勢が大切です。

上司・専門部署に相談する

いじめの加害者が同僚の場合、適度に距離を置くようにしましょう。嫌がらせの言動に対しては相手にせず、基本的にスルーするのが無難です。ただし、業務に支障が出るようないじめの場合は、まず直属の上司に相談するようにしましょう。

職場では、陰湿ないじめをする加害者が多いので、まずはいじめの事実を上司に知ってもらう必要があります。その上で、管理者としての対応を求めることが大事です。

一方、上司からいじめに遭っている場合や、職場でのハラスメントの相談窓口がある場合などは、専門の部署に相談しましょう。

相談の際には、いじめの証拠があるとスムーズに話を進められるので、証拠を集めておくことも大切です。

安全・職場環境への配慮義務について

たとえいじめに遭っていても、上司・専門部署に相談できない人も少なくありません。しかし、会社は雇用している労働者が安全、かつ、快適に働ける環境を整える義務を有しています。

いじめのような労働者の尊厳を傷つけるような行為に対しても、きちんと対応する義務があるわけです。職場でいじめ・ハラスメントが起こっている限り、会社は個人間の問題として処理することはできません。

従って、いじめを受けた場合には、労働契約法の職場環境配慮義務を根拠として、きちんと会社に対応を求めることが大事です。

ささいなことであっても、結果的に重大なハラスメントに発展するケースもあるので、早めに上司・専門部署に相談するようにしましょう。

出典:労働契約法(労働者の安全への配慮)第五条 |e-Gov法令検索

退職・転職する

上司・専門部署などに相談しても、状況が改善しないならば、退職・転職を検討することも大事です。精神的なストレスで仕事を辞めることについて、社会人ならば「耐えるべき」といった風潮を持つ企業もありますが、気にする必要はありません。

精神的に疲弊すると、うつ病をはじめとした精神疾患に悩むようになる恐れもあるので、早めに決断する必要があります。

人によっては「逃げた」「負けた」といった気持ちになる場合もありますが、いじめのような卑劣な行為に対して、正しく対処したと考えるようにしましょう。

職場いじめの証拠はどう集める?

手帳とボイスレコーダー

(出典) pixta.jp

職場でいじめに遭った場合、証拠を集めておけば問題の解決がスムーズになります。特に民事裁判で会社やいじめの加害者と争う場合、証拠の有無が非常に重要となるので、ポイントを押さえておきましょう。

メモ・ボイスレコーダーなどを活用

いじめ・ハラスメントを受けた場合、具体的にどのような出来事があったのか、時系列でまとめておくことが大事です。いじめの現場を撮影した画像や動画、あるいは加害者の声を録音した音声データなどがあれば、有力な証拠になり得ます。

スマートフォンを使って被害の様子を録画したり、ボイスレコーダーを活用したりすれば、いじめの証拠を残せる可能性があるので検討してみましょう。協力してくれる同僚がいれば、代わりに録画・録音してもらう方法もあります。

また、チャット・メールによる暴言がある場合は、証拠として残しやすいので、削除される前にスクリーンショットなどを撮っておくとよいでしょう。

第三者の証言も有効

いじめ行為の立証では、第三者の証言も有効です。いじめの現場を目撃している人がいるならば、証言してもらえないか確認してみましょう。

加害者が、多くの社員に日常的なパワハラをしている管理者などの場合、周囲の協力を得られる可能性があります。

複数の証言を得られれば、物的な証拠がなかったとしても、いじめ・パワハラの事実が認められやすくなります。

そもそも職場いじめとは?例を紹介

パワハラされる女性

(出典) pixta.jp

一言で「いじめ」といっても、さまざまなタイプがあります。職場でのいじめで、よくあるパターンを押さえておきましょう。いじめだと感じたら、早めに対応することが大事です。

個人的ないじめ

暴言・暴力や無視、プライベートへの干渉など、個人に対するいじめのパターンは多岐にわたります。

暴力に関しては警察沙汰になる可能性が高く、加害者は犯罪行為で罰せられるため、職場でのいじめでは暴力に発展するケースはまれです。万が一、暴力行為を受けた場合には、すぐに警察に通報しましょう。

一方、特定の社員を無視したり、プライベートに過度に干渉したりするいじめは、決して少なくありません。集団での無視や仲間外れは、子どものいじめでよくあるパターンであり、幼稚な行為ではありますが、大人の世界でも珍しくないのが実態です。

業務に関わるいじめ

職場でのいじめでは、業務に関するものも多くあります。一般的には考えられない量の業務を押し付けられたり、未経験の仕事を強いられたりするのは、多くの業種で見られるいじめです。

主に管理者が部下に対してするいじめであり、パワハラとして問題になるケースもよくあります。逆に、特定の社員に仕事を全く与えなかったり、仕事の成果を横取りしたりするいじめも少なくありません。

暴言のように外部から分かりやすい行為ではないため、立証が難しく、いじめに耐え続けている人もいます。無理をせず、人事部門や外部の専門機関などに相談するようにしましょう。

職場いじめに遭いやすい人の特徴

上司に説教される様子

(出典) pixta.jp

職場でいじめに遭いやすい人の特徴も、簡単に解説します。当てはまる人は、自分で対応できる部分を直すことで、状況を改善できるようになるでしょう。

仕事のミスが多い・覚えが遅い

仕事のミスが多かったり、物覚えが悪かったりすることで、日常的に周りに負担をかけてしまっている人は、いじめの標的にされる恐れがあります。

周囲から「迷惑な人」といったレッテルを貼られる可能性があり、徐々に職場でのいじめに発展するケースは珍しくありません。

特に仕事で他者に依存しがちな人は、愚痴のはけ口にされてしまったり、責任を押し付けられたりする可能性もあるので注意しましょう。

真面目すぎ・おとなしい

真面目すぎる性格で融通が利かない人や、自分を責めてしまいがちな人も、職場でのいじめに遭いやすい可能性があります。

特におとなしい性格で、理不尽な要求にも反論ができないような人は、一方的に利用されてしまう可能性もあるので注意が必要です。

いじめをする人は、やり返してこない相手を標的にする傾向があるため、やり返さないと思われることで、いじめがエスカレートする恐れもあります。いじめ行為に対しては、毅然とした対応をすることが大事です。

仕事・容姿など人より秀でたところがある

周りよりも秀でた面がある人は、嫉妬・ねたみの対象となり、いじめに発展するケースがあります。うらやましいと思う気持ちが反転し、嫉妬心からいじめをしてしまう人は少なくありません。

自分には落ち度がなくても、「調子に乗っている」「おごっている」と感じる人もいるので、適度に距離を置くことが大切です。いじめがひどい場合は、上司・専門部署などに相談しましょう。

職場いじめに関するQ&A

悩む女性社員

(出典) pixta.jp

最後に、職場でのいじめに関して、多くの人が抱いている疑問を解説します。いじめが原因で退職する場合や、転職先の見つけ方に関して、以下の点は必ず押さえておきましょう。

いじめが原因の退職は自己都合退職になる?

いじめが原因で退職を余儀なくされた場合、それが証明できれば、会社都合の退職扱いにできます。もし離職票に、自己都合での退職の旨が書かれている場合には、ハローワークに相談してみましょう。

異議申し立てが認められれば、自己都合退職による雇用保険の給付制限を避けられます。詳しくは、各地のハローワークの公式ページを確認してみましょう。

出典:ハローワークインターネットサービス - 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

出典:ハローワークインターネットサービス - 雇用保険の具体的な手続き

職場いじめがない転職先を見つける方法は?

人間関係の捉え方は人それぞれであり、ささいな出来事でも、いじめに感じられる人もいます。どのような環境が適しているかは人によって異なり、一概に「何かをすれば必ず理想の転職先を見つけられる」といったものではないでしょう。

しかし、外部から確認できる情報だけでも、ある程度は職場環境が悪い企業は判別できるものです。例えば、頻繁に求人を出している企業や、口コミで人間関係の悪さが多く言及されている企業などは、転職先としては避けた方が無難です。

近年はSNSでの書き込みも多くされているので、応募する前に確認してみるとよいでしょう。

職場いじめの改善はできることから始めよう

指を刺される女性社員

(出典) pixta.jp

職場でいじめに遭った場合は、まず加害者から徹底して距離を置きましょう。それでもいじめが終わらないならば、上司・専門部署などに相談することが大事です。

法的措置を含め、合法的な手段ならば何でもする覚悟を持って、毅然とした対応をすれば状況を改善できるでしょう。

上司や専門部署、弁護士などにいじめの事実を知らせるためには、証拠集めも必要です。メモやボイスレコーダー、あるいはスマートフォンのカメラ機能などをうまく活用しましょう。いじめを証言してくれる人を探すのも有効です。

また、いじめを原因として転職を考えている場合、できる限り職場いじめのない企業を選ぶ必要があります。「スタンバイ」ならば、多くの業界・業種の求人を掲載しており、こだわりの条件で自分に合った求人を探せます。この機会に利用してみましょう。

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