就職や転職で必ず必要になる履歴書ですが、書き間違いをした経験があるという人は少なくないでしょう。履歴書を書き間違えた場合、修正は可能なのでしょうか?また、履歴書作成におけるNG事項や、間違えず書く方法についても紹介します。
履歴書を書き間違えたら修正してもいい?
履歴書を書き間違えたときに修正をしてもいいのかどうかは、多くの応募者が疑問に思う点です。まずは、履歴書の修正は可能なのかを知り、正しく対応しましょう。
基本的に履歴書の修正はNG!
記入を間違った場合は、修正せずに新しく書き直すのが基本です。修正した履歴書を提出すると、採用において非常に重要な要素である履歴書を、軽視していると捉えられてしまいます。
「仕事でもミスをするのではないか?」「本気で受かりたいと思っていなさそう…」という不信感を与えてしまう可能性があるでしょう。
また、修正することで書類自体の信ぴょう性が低くなり、経歴などの情報を詐称したと疑われることもあります。
履歴書は、あなた自身の印象そのものです。悪い印象を与えないためにも、1文字でも間違えたら新しく書き直すことが大切です。
書き直しができない場合は?
書き直す時間がない場合や、新しい履歴書を入手できない場合など、どうしても書き直しができないときには「訂正印」で修正する方法があります。手順は、以下の通りです。
- 訂正したい箇所に二重線を引き、その上から押印する
- 訂正印の上の余白部分に、正しい内容を記入する
また、訂正印で修正を行う際は、以下の点に注意しましょう。
- 二重線は必ず定規を使用してまっすぐ引く
- 単語の1文字を間違えた場合は、単語ごと修正する
- 訂正印での修正は1箇所まで
なお、訂正印を使用しての修正は、あくまで最終手段です。履歴書を修正している時点で、印象が悪くなってしまう可能性があることは肝に銘じておく必要があります。
面接直前に気が付いて対応した場合は、面接が始まったら面接官に履歴書の修正について伝えましょう。一言謝罪することで、悪印象を減らせる可能性があります。
履歴書でやってはいけない3つのNG事項
履歴書の記入において、やってはいけない基本ルールが存在します。知らずにやってしまうと、常識のない社会人と思われてしまうので気を付けましょう。
NG事項1:修正液・修正テープを使用する
記入を間違えた際に、修正液・修正テープを使用するのはNGです。一見きれいに修正できてるように見えますが、履歴書のような重要な書類のミスを隠すというのは、社会人としての常識を疑われることになります。
そもそも原則修正不可である履歴書を、訂正印も使わずに修正してしまうこと自体が「基本的なビジネスマナーが分かっていない」「仕事でもミスを隠蔽するかもしれない」「適当に仕事をしそう」などというマイナスのイメージを与えかねません。
また、修正液・修正テープを使用した履歴書をコピーするのも、同様にNGです。履歴書のミスは書き直しが大原則と覚えておきましょう。
NG事項2:消せる筆記用具で記入する
間違えたときに修正できるようにと、消せる筆記用具で記入するのもNGです。履歴書はボールペンなど後から消せない筆記用具で書くのが基本です。鉛筆やシャーペンはもちろん、消せるボールペンを使うのも避けましょう。
消せるボールペンは摩擦による熱に反応するため、郵送中や審査の間に文字が消えてしまったり、薄くなってしまったりするかもしれません。
せっかく書いた履歴書の文字が消えてしまっては、苦労も水の泡になってしまう上、審査する側も応募者の情報を正しく知ることができなくなります。
企業によっては、消せるボールペンの使用は禁止と規定を設けているところもあるので、消せる筆記用具は使用しないようにしましょう。
NG事項3:間違えた文字をごまかす
ついついやってしまいがちなのが、間違えた文字をごまかすことです。線が1本足りなかった部分を後から付け加えたり、曲線を直線に見せようとしたりなど、誤字を誤魔化そうとして無理矢理修正した箇所は意外とすぐに分かってしまいます。
自分では書き直すまでもない小さなミスだと感じたとしても、その1文字が審査の分かれ目となる可能性もあります。書き直すのが面倒でも、履歴書がもったいないと思っても、ミスをしたら新しく書き直しましょう。
履歴書をミスしないための対策は?
修正を行わないためには、大前提としてミスしないことが大切です。ここでは、ミスせずに書くための3つの方法を紹介します。
鉛筆で下書きをする
まずは、鉛筆やシャーペンなど後から消せる筆記用具で下書きをし、ボールペンで清書する方法です。二度書く必要があるため時間はかかりますが、最初に下書きを行うことで記入ミスを防ぐことができます。
さらに、文字の大きさやバランスなどを調整できる点もメリットです。下書きの筆圧を強くしてしまうと書いた跡が残ってしまうため、薄めに書くのがポイントです。
また、消しゴムで消すときは紙がしわにならないように優しくこするように消ししましょう。
別の紙で作成する
別の紙で履歴書の見本を作成し、それを書き写すのも有効な手段です。見本用の紙は、インターネットでテンプレートをダウンロードすることもできますし、市販の履歴書の中には下書き用の紙が同封されているものもあります。
見本は手書きで作成してもよいですが、確実に誤字脱字をなくすためにはWordで作成するのがおすすめです。
Wordには誤字脱字や文字のつながり、表現などを、自動でチェックしてくれる校閲機能が付いています。自分では気付きにくいミスも見つけることが可能です。
パソコンで作成する
かつては、履歴書は手書きするものとされていました。しかし、近年ではパソコンで作成した履歴書も、スタンダードになっています。
パソコンで作成すればミスが減るだけでなく、1枚ずつ作成する必要がないため時間の短縮にもなります。インターネット上で無料のテンプレートをダウンロードできるため、非常に効率的です。
ただし、中には手書きを好む企業もあるので、希望する企業がどちらをよしとしているかは、口コミなどを検索して決めるのがよいでしょう。
履歴書を正しく記入して内定を勝ち取ろう!
履歴書は、選考において次の審査に進めるかどうかを決める重要な書類です。履歴書が正しく書けていればアピールの材料になりますし、逆にミスがあったり修正があったりすると落とされてしまう可能性も高くなります。
ミスせず書く方法を参考に履歴書を正確に記入し、しっかりと自分の強みや熱意を伝え、希望する企業の内定を勝ち取りにいきましょう。
採用コンサルタントおよび現役人事。慶応大学卒業後、東証一部上場企業2社で人事を担当。20代で独立し企業の採用コンサルティングを行う傍ら、個人の面接指導やキャリアコンサルティングに従事。書籍、雑誌、テレビなどメディアに出演。現在はキャリアコンサルタントおよび企業の人事責任者として、個人側・企業側双方の立場から、心も経済的にも豊かなキャリアを描くための支援を行う。
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