負けず嫌いは長所になる?自己PRで上手にアピールする方法

負けず嫌いにはよい部分と悪い部分があるので、自己PRに使えるのか悩む人は多いでしょう。負けず嫌いを自己PRにうまく取り入れるには、長所や短所を理解する必要があります。どのように生かせばよいのか見ていきましょう。

「負けず嫌い」の意味と心理

必勝と書いた紙

(出典) photo-ac.com

誰でも負ければ多少は悔しい気持ちになるもので、負けるのが好きな人は珍しいといえます。負けず嫌いといわれても、具体的にどんな人を指すのか分からない人もいるでしょう。言葉の意味や、負けず嫌いになる心理状態を紹介します。

負けを嫌う性格や様子に対して使う

負けず嫌いは、負けを嫌う性格やその様子を表す言葉です。負けると極端に気分が落ち込んだり、「怒り」をあらわにしたりする人は負けず嫌いだといえます。

負けず嫌いといっても、タイプはさまざまです。何事に対しても勝気で勝敗にこだわり、勝たなければ気が済まないタイプの人もいますが、特定の事柄に対してのみ、負けるのを極端に嫌うタイプの人もいます。

ゲームやスポーツの試合のように勝敗が明確なものだけでなく、収入や待遇のように勝ち負けがはっきりと決まっていないものに対しても、負けたくない気持ちが湧くのがポイントです。

人より優れていると感じたい

負けず嫌いな人には、勝負に勝って、周囲よりも優れていると自分自身や周囲にアピールしたいという心理が働きます。自分は人よりも優れていると認識することで、自分には価値があると感じようとしているのです。

負けたとしてもがんばった過程を誇れる人もいますが、勝ち負けが全てだと思ってしまう人もいます。「勝たないと周囲から評価されない」と思い込んでいると、負けたくない気持ちが湧いてきやすいでしょう。

「負けず嫌い」の長所

積み重なった本とノート

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負けず嫌いな性格だからこそ成し遂げられるものもあり、負けず嫌いは長所としてアピールできます。どんな点が長所なのか見ていきましょう。

競争相手に勝つための努力ができる

負けず嫌いの人は負けたくないと思う気持ちが人一倍強く、「勝つためであれば努力を惜しまない」点が長所です。競争相手がいるときや自分自身に負けたくないと感じたときに、大きな力を出せます。

勝利への道が険しいほど途中で挫折するケースは多いですが、負けず嫌いの人は負けるイメージが浮かぶ度に「負けられない」と気持ちを切り替えて、努力を続けられます。

勝つために必要だと思えば、どんな困難にも立ち向かえるので、結果的に大きな成果を残せる場合が少なくありません。厳しいノルマを達成する努力を惜しまない人物として、アピールできます。

信念を貫ける強さ

負けず嫌いの人は「勝つことが正しい」という確固たる信念を持っています。目標に向かっている途中で気持ちがぶれず、困難な状況においても諦めない強さを持っているところが長所です。一般的な人よりも強い信念を抱いているので、高い理想を成し遂げられます。

すぐに信念を曲げてしまう人よりも、信念を貫ける人についていきたいと感じる人は多いのではないでしょうか。結果的に人より大きな成功を収めたり、チームリーダーとして人を使う立場になったりするケースは珍しくありません。

無謀な負け戦はしない

負けず嫌いの人は、失敗したときの精神的なダメージを避けるため、あらゆる事態を想定して対処しようとしたり、どう考えても勝ち目のない戦いには参加しない傾向があります。失敗してしまうような方法は最初から選択せず、より勝てる確率が高くなる方法を見つけることにも長けている場合もあります。

こうした能力は、危機管理能力や問題解決能力などにつながります。

ただし、負けたくないから行動しないという方向に向かうと、行動力がない人になってしまうので注意しましょう。

「負けず嫌い」の短所

強く握られた拳

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負けず嫌いにはよい部分ばかりでなく、組織の中で働く上で邪魔になる部分もあります。短所が分からないと、間違って悪い部分をアピールしてしまうかもしれません。どんな部分が短所になり得るのか、チェックしましょう。

嫉妬心が強い

負けず嫌いな人は、嫉妬心が強くなりがちなところが短所です。自分よりも待遇が上だと感じる人に出会う度に勝ったと思わなければ気が済まない場合、相手を妬んだり貶めたりする言動をしやすくなります。

「張り合う気持ち」が強すぎることで、自分の方が優れていることを常にアピールしたがるところも欠点です。自画自賛ばかりしていると、周囲の人は大人げないと思うでしょう。

嫉妬心をコントロールして努力する方向に向かえばよいですが、そうでない場合は評価が下がる原因になります。

頑固で協調性に欠ける

勝たなければ意味がないという信念の強さは、長所です。しかし、自分の考えは間違っていないと信じるあまり「頑固で周囲の意見を聞かない人」になってしまうと、短所ととらえられます。

周囲の人は「この人には何を伝えても無駄だ」と感じ、アドバイスをしなくなるでしょう。

負けず嫌いでも、ほかの人の意見を適度に受け入れる柔軟さがあれば、周囲と協力をして仕事ができますが、過度に頑固だと協調性がないと判断されてしまいます。

勝ち負けにこだわりすぎる

勝ち負けが全てではない場面でも、意地になって勝とうとするところは短所です。争う必要がないのにムキになると、周囲の人を白けさせたりコミュニケーションがうまくいかなくなったりします。

負けず嫌いな人はプライドが高い傾向があり、負けるとプライドがズタズタになってしまい、平静を保てなくなるので、何がなんでも勝とうとするのです。

周囲とうまくコミュニケーションを図れない人を、採用したいと思う企業は少ないでしょう。

長所として自己PRに生かす方法

説明するビジネスマン

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自己PRで負けず嫌いを長所としてアピールするには、コツがあります。どのように取り入れればよいのか見ていきましょう。

チームで成し遂げたエピソードを加える

負けず嫌いが発揮される場面や状況次第で、長所にも短所にもなります。自己PRに負けず嫌いな性格を入れると、「周囲と協力してうまくやっていけるのだろうか」と不安に思う採用担当者が多い傾向です。

希望する職種によるものの、負けず嫌いを全面に押し出すと柔軟な対応が必要な場面でうまく立ち回れるのか疑問に思われてしまうので、表現方法を工夫しましょう。

チームワークが必要な仕事の場合は、人と協力して何かを成し遂げた経験・実績を伝えると効果的です。「チームワークの大切さを理解している」と感じさせるエピソードを加えると、安心感を与えられます。

他者に対抗意識を持つのではなく「自分自身に負けたくない」という気持ちをアピールできれば、長所として受け取ってもらえます。

長所をどのように仕事に生かすか

採用担当者は、応募者の人柄がどのように企業にメリットをもたらしてくれるのかを知りたがっています。負けず嫌いなところが長所というだけでは、具体的にどんな活躍をしてくれるのか分かりません。

負けず嫌いな個性をどのように仕事に生かすのかを考えて自己PRを作成すれば、好印象を与えられるはずです。

「私は負けず嫌いなので、勝つことを考えて行動できます。先輩方から積極的に技術を学び、どうすれば営業成績が伸びるかを常に考えながら1番を目指したいです」というように、「企業への貢献の仕方」につなげることで評価してもらえます。

負けず嫌いを長所にした例文

負けず嫌いを自己PRに取り入れる際は、根拠となるエピソードとともに、自分の強みとして仕事でどのように生かせるか伝えましょう。

【例文】

私の強みは負けず嫌いなところです。前職では、営業支援の役割を担っていましたが、チームの目標が達成できなかったとき、リーダーから「当事者意識が足りないのでは」と指摘を受けました。

私はチームで仕事ができることに大きな喜びを感じていたので、当事者意識がないと指摘されたことが非常に悔しく、状況を分析して主体的に業務効率化に取り組みました。

書類作成や受発注などの業務フローを見直したことにより、営業担当者から「負担が減った」「商談数が△倍になった」と声をかけてもらえるようになったのです。

受注率が〇%上がり、目標を達成できたときには本当に嬉しく、充実した気持ちが湧きました。負けず嫌いな性格だったからこそ、チームの一員になりたい一心で頑張れたのだと思います。負けず嫌いな強みを生かして企業に貢献したいです。

 

「負けず嫌い」の言い換え表現

ノートを記入する男性

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負けず嫌いな性格を別の表現に言い換える方法を知っていると、より魅力的な自己PRづくりに役立ちます。どんな言葉に言い換えられるのか見ていきましょう。

向上心が強い

向上心とは「高い目標に向かって努力する心」のことです。自分を成長させるための努力ができる人は、向上心が強いといえます。

他人との勝負ではなく自分自身に負けたくないことを表現でき、ポジティブなイメージを与えられるので、自己PRに使いやすいでしょう。

向上心が強いだけでなく、高い目標に向かって「どんな努力をしてきたのか」を伝えるようにすると、分かりやすくアピールできます。

努力家

負けず嫌いで勝つ努力を惜しまない点を長所として伝えたい場合は、「努力家」とも言い換えられます。どのような場面で努力し、どんな結果を得たのかをセットで伝えて、説得力を持たせましょう。

努力家である強みを上手にPRするには、どんな企業にもあてはまるような内容ではなく、希望する仕事にマッチするものにする点が重要です。

「努力して身に付けた英語力を生かし、海外事業に従事したいと考えています」というように、その企業の経営理念や事業方針などにつなげられるようにしましょう。

負けず嫌いを長所としてうまくPRしよう

片手を前に出す男性

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負けず嫌いの人は、負けると耐え難いほど悔しい気持ちが湧いてくるので、人よりも努力して勝とうとします。その結果、高い理想をかなえられるところが長所です。

長所がある一方で、頑固になりやすく嫉妬心が強いという短所もあります。自己PRに取り入れる際は、負けず嫌いをどのように生かすのかを明確にしましょう。

具体的なエピソードを交え、負けず嫌いのよい部分を表現することで、十分なアピールポイントになります。切磋琢磨しながら目標達成に向かって努める人材であることが伝われば、採用担当者に興味を持ってもらえるでしょう。