面接の手応えがわからない?注目したいポイントと次への生かし方

面接の手応えがわからないと、必要以上に合否が気になってもやもやするでしょう。手応えは主観的なものですが、面接を受けたからには明らかにさせておきたいものです。合否を分けるかもしれないポイントをチェックして、手応えが正しいのか確認してみましょう。

面接で感じる手応えとは

パソコンを前に手帳を見ながら考える男性

(出典) photo-ac.com

「今日の面接は手応えがあったからきっと合格だろう」「手応えがなかったから落ちたかもしれない」など、面接において手応えはよく聞くワードです。しかしそもそも面接の手応えとは、何を指すのでしょうか?

面接の雰囲気や面接官の反応から得られる

面接の手応えとは、面接全体の雰囲気や面接官の表情・仕草から感じ取れるものです。「一歩踏み込んだ質問をされた」とか「入社可能日を聞かれた」など、さまざまなサインが面接の手応えとして挙げられます。ただ手応えの実体は非常に曖昧です。

筆記試験の場合、問題が解けたかどうかにより手応えがわかります。どれだけ空欄を埋められたかで、手応えをわかりやすく感じられるでしょう。

しかし面接は正解か不正解かを明確に分けられないので、手応えを客観的に測れません。すべては面接官次第で、面接の雰囲気や面接官の反応などから合否を推測するしかないのです。

手応えありの面接で出されるサイン

男性面接官

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手応えありの面接とは、一体どんなものなのでしょうか?手応えのある面接で出されがちなサインを紹介します。面接中にこれらのサインが出ていれば、合格が近いかもしれません。

質問が多い

手応えありの面接の特徴としてよく挙げられるのが、質問の多さです。たくさん質問をされる裏には、「応募者をもっと知りたい」という面接官の意図が隠れている可能性があります。

面接における質問は、応募者の能力や人格を確かめるためにされます。応募者を採用する気がない場合には、多くの質問をして応募者の人となりを確かめる必要はないでしょう。

質問に正確に答えられていれば、さらに手応えは確かなものとなるでしょう。質問をする・答えるというキャッチボールが成立していれば、しっかり自分をアピールできていると考えられます。

面接官がメモを取っている

面接官がたくさんメモを取っているのも、手応えありの面接の特徴といえるかもしれません。それだけ応募者に興味を持っていると推察されるからです。

面接官の役目は、応募者の情報を上司や役員、人事担当者に伝えることです。採用候補として有力な応募者であれば、充実した内容をメモに残し、その応募者がいかに自社に必要かを伝える必要があります。

不合格であれば社内の人に情報を伝えなくてもいいため、わざわざメモを取る必要もなくなります。メモが多いほど、応募者のことを知りたがっていると判断してよいでしょう。

入社可能日を聞かれた

入社可能日を聞かれるのも、手応えありの面接でよく見られるサインです。入社可能日に関する質問は、「すぐにでも働いてほしい」という期待の表れと想像できます。

入社可能日を問う質問は、入社が現実的であるからこそ聞かれます。不合格にしようとしている人に対し、いつから働けるかを聞く必要性は低いでしょう。

入社可能日を聞かれたら、3カ月以内の具体的な日にちを答えましょう。具体的に答えられないと、他社への入社を希望していると思われかねません。

また3カ月以上先の日程を答えるのも、避けた方が無難です。早く入社できる別の応募者に内定を出されてしまう可能性があるからです。

他社の選考状況に関する質問がある

手応えありの面接では、他社の選考状況を聞かれる場合もあります。選考状況に対する質問の裏には、「応募者を囲い込みたい」という意識が隠れていると考えられます。

採用活動では、他社に先駆けて優秀な人材を確保することが重要です。応募者が他の企業に入社してしまえば、優秀な人材を採用する機会を失ってしまいます。

自社に来てほしい応募者に選考状況を尋ねれば、他社で内定が出そうな状況にあるかがわかります。他社が先んじているとわかれば、早めに内定を出して応募者を確保できるので、採用したいと考えている応募者には選考状況を質問するケースが多いのです。

手応えなしの面接で出されるサイン

二人の面接官と面接を受ける女性

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手応えありの面接で出されるサインがあるなら、手応えなしの面接で出されるサインもあります。手応えなしの面接で出されるサインが見受けられたからといって、100%不合格になるとはいえません。

もし当てはまるサインがあっても、「不合格になるかもしれないな」くらいの気持ちでいるようにしましょう。

沈黙が続いてしまった

面接中に沈黙が続いてしまったら、その面接は手応えなしと考えてよいかもしれません。答えに詰まったり、的確な答えができなかったりすると、面接時に沈黙が生まれてしまいます。

沈黙は応募者側と面接官側、双方で発生します。応募者側の沈黙は、質問にスムーズに答えられなかったときに起こりがちです。準備不足として評価を下げてしまうでしょう。

面接官側の沈黙は、質問に対する的確な答えが得られず、次の質問につなげられない状態の場合によく起こります。

面接は、応募者と面接官による質問と回答で作るキャッチボールです。うまく答えられずにラリーが滞れば、重苦しい雰囲気になってしまうでしょう。

面接官の態度や表情がよくない

手応えなしの面接の特徴としてよく挙げられるのが、面接官の反応の悪さです。受け答えで面接官の興味を引けていないと、面接官の態度が冷たくなったり、表情が暗くなったりするケースがあります。

「自分が話しているときに頷いてくれない」とか「話しているのにペンや爪先をいじっている」などの様子が見られる場合、採用するつもりがないと判断されがちです。

面接の途中から態度や表情が変わった場合には、注意が必要です。途中で変わる態度や表情は、「話を聞き進めてもなお応募者に興味を持てなかった」「採用への前向きな気持ちが起きなかった」などの面接官の心理を反映していると想像できます。

突っ込んだ質問をされなかった

ありがちな質問ばかりされるのも、手応えのない面接の特徴といえるでしょう。突っ込んだ質問をして応募者の人柄を引き出そうとする、面接官の意欲が感じられないからです。

面接における質問は、応募者を知るために行われます。さまざまな角度から質問をして、人間性や志望動機を掘り下げていくのが通常です。

志望動機や長所・短所など定型的な質問しかされなかった場合には、面接官の興味を引けず、「突っ込んだ質問をして人格や意欲をさらに深掘りしたい」と思ってもらえなかった可能性が高いといえます。

逆質問への回答が不十分

逆質問に丁寧に答えてもらえないのも、手応えのない面接に見られがちなサインです。「質問に丁寧に答えて応募者に好印象を残そう」という面接官側の意識が希薄と考えられます。

「採用したい」と考えている応募者からの質問は、きめ細かく答えてもらえるケースが多くなります。より理解が深まる追加情報を話してくれる場合もあるでしょう。

反対に、採用する気のない応募者からの質問への答えは、いい加減なものになりがちです。回答として最低限の話しかしてくれなかったり、インターネットで検索すればわかるような内容を話されたりするでしょう。

判断が分かれるサインもある

腕時計で時間を確認する

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面接で出されるサインの中には、手応えありなのかなしなのか、判断が分かれるものもあります。判断の分かれるサインが出ていたら、より確かなサインを頼りに合否を見極めるとよいでしょう。

面接時間が長い

判断が分かれるサインの典型例が、面接時間の長さです。面接時間の長さは、理由によって手応えの有無が異なります。

面接時間の長さを「それだけ自分に時間を割いてくれた」と捉えれば、興味を持ってくれた可能性は高いといえるでしょう。しかし面接時間が長くなる理由は、「応募者に興味を持っていたから」だけではありません。

例えば、応募者の話し方に問題がある場合も、面接時間は長くなりがちです。内容をまとめずにだらだら話す人であれば、合否に関係なく面接時間は長くなるでしょう。

この場合、わかりやすく端的に話せる応募者の方が、面接時間は短くても合格に近いといえます。

話が盛り上がった

面接官から笑みがこぼれるほど話が弾んだ場合も、それだけで合否を判断するのは難しいといえるでしょう。面接官によって面接の雰囲気は大きく左右されます。

面接官の中には、落とすと決めた応募者に対しても「わざわざ来てもらったのだから」とにこやかに話す人がいます。

また応募者の本音を引き出すために、リラックスした空気を作ろうと場を盛り上げる面接官もいるため、話が盛り上がったからといって合格が近付いたとはいえないのです。

面接が盛り上がっていなくても、必要な話題だけに終始した結果、合格をつかみ取る人もいます。事務的な雰囲気の面接でも、内容が充実していれば採用となるケースもあるのです。

なかなか結果の連絡が来ない

合否の連絡が遅いのも、手応えの判断が分かれるサインといえます。連絡が遅くなる理由は企業によってさまざまです。

確かに「ぜひうちで働いてほしい」と考える応募者に対し、早めに合格の連絡を入れる企業はあります。

しかし企業によっては、採用責任者に応募者の情報を報告してから合否を決めたり、他の応募者の面接が終わるまで合否を判断しなかったりと、面接の終了後すぐに合否を決定しないところもあります。

このような企業の場合、合否に関係なく連絡が遅くなるので、なかなか連絡が来ないからといって不合格とは限りません。

手応えはあてにならない場合も多い

考え事をするスーツの男性

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面接を受けていると、ついつい手応えから合否を占ってみたくなるものです。合格を勝ち取るために面接を受けているので、合否が気になるのは当然でしょう。しかし手応えはあくまで手応えにすぎないのです。過剰に一喜一憂するのは損かもしれません。

手応えはあくまでも主観的なもの

面接の手応えに振り回される応募者は多いでしょう。安心させたり落胆させたり、応募者の気持ちをかき乱すのが手応えです。

ただ、手応えの有無だけで合否を決めつけるのは早計といえます。手応えを過信して合否を決めつけると、「絶対に合格するから」と就職・転職活動を怠ったり、「絶対に落ちた」と必要以上に落ち込んだりしてしまうでしょう。

面接官は合否を心に決めていたとしても、応募者に悟られないように努めるものです。つまり面接の手応えは、個人的な思い込みに近い感覚といえます。手応えは参考程度にとどめ、就職・転職活動に専念するのが賢明といえるでしょう。

手応えとは反対の結果が出るケースも

手応えは主観的なものなので、それほどあてになりません。応募者が感じる手応えと面接官の意図がまったく異なるケースも多々あります。

現に手応えがあったにもかかわらず、不採用になる人は確実にいます。例えば、面接で最短の入社日を聞かれたとしても、応募者全員に入社日を聞くスタイルの企業なら、合格のサインにはなりません。

反対に、手応えがいまいちでも合格する人もいます。回答に詰まって小さな沈黙が度々起こってしまっても、自分の言葉で的確に自己アピールができていれば、合格する可能性は十分あるのです。

手応えなしの面接を次に生かすには

手帳にメモを取る男性

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万が一面接で手応えを感じられなかったとしても、落ち込んでいる暇はありません。手応えのなかった面接をただの失敗として終わらせないよう、経験を次の面接で生かせるように工夫しましょう。

振り返りが必要不可欠

受けた面接を次に生かすには、手応えの確認よりも振り返りが重要です。振り返りをしっかり行えば、受け答えの改善点をあぶり出せます。

面接を受けた後、振り返りによりうまくいかなかったところや反省点を見つければ、次の面接で同じミスを繰り返さずに済みます。

面接官の目を見て話せなかった、質問への答えが棒読みになってしまったなど、どんな気付きでも構いません。改善点を振り返れば、失敗が多かった面接も1つの経験として生かせます。

面接直後の記憶が鮮明なうちに、時間を作って改善点や反省点を洗い出しましょう。

面接で聞かれたことやどう答えたかを記録

面接を振り返る際は、投げかけられた質問やそれに対する答えを思いつくままに細部まで記録しましょう。隅々まで思い出せば、面接をありありと振り返ることが可能です。

面接の振り返りでは、面接中に起きた出来事のすべてを記録するつもりで臨みましょう。質問された内容と質問に対する答え、面接官のリアクション、面接官の名前や役職まで、思いつくままにすべて記録します。

面接の記録は必ず文字に起こしましょう。頭の中で面接を追体験するだけでは、改善点や反省点を忘れてしまうので注意が必要です。

自分の発言に注目する

面接の振り返りにおいては、自分が何をどんなふうに話したのかという点に注目しましょう。面接で評価の対象になるのは、質問に対する自分の答えです。

自分の発言に注目すると、面接の改善点や反省点を見つけやすくなります。質問に対して端的に答えられていたか、自分の長所をしっかりアピールできたか、投げかけられた質問にすぐ答えられたかなどを中心に、自分の発言を振り返りましょう。

話した内容だけでなく、話すスピードやボリューム、言葉遣いにも注意します。印象を向上させられるポイントが見つかるかもしれません。

面接の手応えを過剰に気にする必要はない

カフェで勉強する女性

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面接では、面接中の雰囲気や面接官の表情・仕草から、合否を占う手応えを感じられます。

しかし面接での手応えはあくまでも主観的なジャッジにすぎないので、感じた手応えを過信するのは禁物です。たとえ面接の手応えがわからなくても、それほど気にする必要はないでしょう。

大切なのは手応えを推し量ることではなく、終わった面接から学びを得ることです。面接が終わった後は自分の発言を中心に振り返りを行い、次の面接を成功に導くヒントを見つけ出しましょう。