採用面接に合格すると内定承諾書が送付されてきます。内定承諾書とはどのような書類で、届いたらどう対応すればよいのでしょうか。内定承諾書を提出するとどうなるのか、不安な人もいるかもしれません。届いた場合の対応方法を解説します。
内定承諾書とはどんな書類?
採用が決定した後に、企業から内定通知書とともに送付されてくるのが内定承諾書です。しかし内定承諾書にはどのような役割があるか、正しく理解していない人もいるかもしれません。内定承諾書とはどのような書類なのか、詳しく解説します。
内定承諾書は入社する意思を伝える書類
内定承諾書は内定の通知があってから、1週間~10日程度で届く書類です。内定者に入社する意思があるかどうかを確認するためのもので、入社を希望するのであれば内定承諾書に署名・捺印して提出します。
内定承諾書には法的な拘束力はありませんが、提出すると企業との間に労働契約が成立したとみなされます。複数の企業から内定承諾書をもらった場合は、よく考えてからの提出が必要です。
内定通知書との違いは?
内定通知書とは採用が内定したことを知らせる書類のことで、採用通知書とも呼ばれるものです。内定を知らせる文言に加え、内定承諾書の提出期限も記載されています。
内定通知書が届いたら名前や住所に間違いがないか確認し、自宅に保管しておきましょう。通知書の発行は義務ではないため、書類の代わりに電話やメールで内定の連絡が来るケースもあります。
内定承諾書が届いた後の手順
入社を決めたら内定承諾書の提出が必要です。そのままにしておくと内定辞退とみなされる可能性もあるので注意しましょう。内定承諾書が届いた後の対応を説明します。
内定承諾書が届いたら内容を確認する
内定承諾書が届いたら、まず内容を確認しましょう。内定承諾書には入社する意思を伝える文言のほかに、内定者側の理由や会社側の事情など、内定を取り消す場合の条件も書かれています。
会社の就労条件が記されている書類も同封されているので、面接時に知らされていた内容と違っていないか、入社を決める前にしっかり確認しておくことが大切です。
内定承諾書が届かない場合は?
電話やメールなどで内定通知をもらってから、内定承諾書がなかなか届かないケースもあります。担当者が忙しいなど何らかの理由で発送が遅れていないか、メールなどで問い合わせてみるとよいでしょう。
郵便事情などによって遅延している可能性もあるため、連絡する際は非難するような言い方をせず、届いていないという事実と確認をお願いする旨を冷静に伝えましょう。
承諾する場合は迅速に提出する
入社の意思が固まったらなるべく早く提出しましょう。内定承諾書が提出されると、企業側は具体的な入社手続きを始めます。
提出期限が記載されているので、期日内に届くように送付するのがマナーです。もし諸事情により提出期日に間に合わない場合は、その旨を連絡すれば期限を延期してもらえます。
遅延の連絡なしに期限を過ぎてしまう事態は避けましょう。
内定承諾書の提出方法
内定承諾書を提出するにあたり、マナーを守って送付することが大切です。常識がないと思われないためにも、提出方法をしっかり確認しておきましょう。内定承諾書を提出する際のポイントを紹介します。
添え状を同封して返送
ビジネスレターを送付するときは、添え状を同封するのがマナーです。内定承諾書もビジネスレターの一種のため、添え状と一緒に返送します。
添え状は送付状や送り状とも呼ばれるもので、あいさつ文や用件のほかに、何を送ったかを書き添える文書です。添え状を付けずに内定承諾書だけを送付すると、ビジネスマナーを知らない人だと思われてしまうかもしれません。
入社前に悪い印象を与えないためにも、必ず添え状を付けましょう。
添え状の書き方
添え状の書き方には6つのポイントがあります。
- 日付は右上に提出日を書く(郵送の場合は投函日、持参の場合は持参日)
- 宛名は左上に略さず正式名称で書く
- 自分の連絡先は右揃えで郵便番号から書く
- 件名は分かりやすいように中央に書く
- 頭語や時節のあいさつから始め、本文は簡潔に書く
- 「記」と書いた上で同封する書類を箇条書きで記載し文末に「以上」と入れる
【添え状の例文】
〇〇年〇月〇日株式会社〇〇〇
総務部人事課 〇〇様〒×××-××××
東京都〇〇区〇〇〇1-2-3
〇〇〇〇携帯電話:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
メールアドレス:△△@〇〇〇.〇〇.jp
内定承諾書発送の件拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
この度は内定のご通知を頂きまして誠にありがとうございました。貴社に内定を
頂けたことを大変うれしく思っております。
つきましては下記の通り内定承諾書を提出いたしますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。敬具
記・内定承諾書 1通
以上
内定承諾がメールで届いた場合は?
内定承諾書がメールで届くケースもあります。メールの場合も迅速に返信するという点では書類と同様です。メールで返信する際の注意点と例文を紹介します。
メールで届いたら早急に返信する
内定承諾書がメールで届いたら、メールで返信してOKです。メールの場合もなるべく早めに返信しましょう。
件名を書き換えて返信する必要はありませんが、複数に内定を出しているケースも想定して最後に自分の名前を書き足しておくと丁寧な印象を与えます。
内定を辞退する場合も、メールで伝えるのがマナーです。返信がないと通知が届いていないのではないかと思われ、再度メールが来る可能性もあります。
メールの文例
メールを送信する際は、ビジネスメールのマナーに従って書きましょう。ポイントは以下の5つです。
- 件名は書き換えず「Re:」を付けたまま送る
- 宛名は略さず正式名称で書く
- 「お世話になっております」で始め、名前を名乗る
- 内定を承諾する旨を簡潔に伝える
- 末尾に名前や連絡先を入れる
【メールの文例】
件名:Re:内定通知のご連絡(〇〇〇〇=氏名)
〇〇株式会社 総務部人事課 〇〇様
お世話になっております。〇〇〇〇(氏名)です。
この度は内定のご連絡を頂きありがとうございます。貴社からの内定を受けさせて
頂きたく、ご連絡いたしました。
一日も早く貴社に貢献できるよう精進したいと考えております。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。_______________________
〇〇〇〇
メールアドレス:〇〇〇@〇〇.jp
携帯電話:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇_______________________
内定承諾書提出後に辞退できる?
内定承諾書を提出した後に何らかの理由で入社を取りやめる場合、辞退はできるのでしょうか。内定承諾書を提出した後の辞退について詳しく説明します。
内定承諾書提出後も内定辞退は可能
内定承諾書を会社に提出した後も、原則として辞退は可能です。内定承諾書を提出すると労働者と企業との間に労働契約が結ばれたとみなされますが、労働者が希望すれば契約を解除できることは法律で保障されています。
ただし、入社日から14日前までに内定辞退を伝えないと、トラブルに発展する可能性があり、場合によっては損害賠償請求を受ける事態にもなりかねません。辞退するのであれば早めの連絡が重要です。
内定を承諾すると会社側で入社の手続きが進められるため、提出後に辞退すると企業に迷惑をかけることになります。マナー違反にもなってしまうので、軽々しく辞退するのは避けましょう。
提出後の辞退は誠意をもって対応する
内定承諾書を提出した後にやむを得ず辞退しなければならない場合は、できるだけ早急に連絡しましょう。メールではなく電話で直接伝えるのがマナーです。
理由をきちんと説明し、誠意をもって採用へのお礼や辞退することに対するお詫びを伝えます。一度辞退すると、撤回や再度選考を受けることはできません。内定をもらったら、しっかり考えてから決めましょう。
内定承諾書は入社の決意が固まったら提出!
内定承諾書は、内定者と企業のどちらにとっても重要な役割を果たす書類です。内定承諾書を受け取ったらできるだけ早く提出するべきですが、入社の意思をしっかり固めていなければなりません。
承諾すると企業は内定者が入社を決めたものとして準備を始めるため、提出後の辞退は大きな迷惑となるからです。場合によっては損害賠償請求されるなど、トラブルに発展する可能性もゼロではないので、内定承諾書は決意を固めてから提出しましょう。