最終面接で落ちる人の特徴とは?内定を勝ち取るための対策もチェック

最終面接まで進めばほぼ採用は決まりと思われがちですが、実際には落とされる人がたくさんいます。なぜ、最終面接で落ちてしまうのでしょうか?最終面接で見られる部分についてや、落とされないための対策などを紹介します。

最終面接で落ちることもある?

不採用通知

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最終面接まで進めば、もうほぼ合格をもらえたも同然と楽観視する人もいるでしょう。まずは、最終面接で落とされることがあるのかどうかを解説します。

最終面接でも落ちる可能性はある

面接を受ける人の中には、「最終面接は形式的なものだからほぼ落ちない」と考える人もいます。入社に際しての意思確認という位置付けだと思い、臨んでいるのでしょう。

しかし、実際は最終面接で落とされるケースもあります。気が緩んだ状態で面接をすれば、その態度や雰囲気を見透かされて、マイナスな印象を与えてしまうのです。

最終面接だからといって油断せず、一次面接・二次面接とは異なる対策を取った上で、事前準備を怠らずに挑みましょう。

落ちるかどうかは企業によって異なる

最終面接まで進んだものの落とされてしまったという人は、どれくらいいるのでしょうか?企業によって通過率や選考基準、最終面接に対する考え方も異なるため、一概にはいえません。

しかし、企業によっては最終面接まで残った志望者のうち、半数ほどを落とすところもあるようです。

最終面接に受かる確率を上げるには、これまで以上に入社に対する意欲をアピールし、最後まで気を抜かないことが大切です。

基本からチェック!内定をもらいにくい人の特徴

チェックリスト

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そもそも、内定をもらいにくい人には、どのような特徴があるのでしょうか?面接中の態度や、話の内容に見られる特徴を紹介します。

自信がなさそうな受け答えをしている

面接官は、志望者の経歴だけでなく、人柄・雰囲気も見ています。面接中に自信がなさそうな態度だと、印象が悪くなって内定が出にくくなるでしょう。

自信がなさそうな態度とは、具体的には「話し声が小さい」「背筋が伸びておらずうつむいている」「目を見て話さない」などが挙げられます。

面接の時間は長くても1時間かからない場合が多く、第一印象がよくないとリカバリーが難しくなります。話し方や姿勢など意識して改善できる部分は、しっかり直して好印象を与えましょう。

転職理由が後ろ向き・短絡的

転職の面接では、なぜ前の職場を退職したのかを聞かれます。その際に後ろ向きな理由やネガティブな言葉を使ってしまうと、面接官の印象はよくありません。

例えば、上司との関係性が悪く退職した場合、そのまま伝えると「次の職場でもまた同じ問題を繰り返すのでは?」と不信感を与えてしまうでしょう。

やりたい仕事ができなかった、キャリアアップが図れなかったという理由も同様に、ネガティブな印象です。

これを防ぐためには、ポジティブな表現に変えましょう。上司が問題だった場合は、「風通しのよい職場で能力を遺憾なく発揮したい」のように言い換えます。

また、やりたい仕事ができなかった場合は、「この会社だからできることに挑戦し、今よりもさらにスキルを身に付けたい」といった表現にすることで、ウソをつかずに印象を変えられるでしょう。

待遇改善など条件にこだわりすぎている

転職をする以上は、よりよい条件で転職先を探したいのが心情でしょう。ただし、条件に焦点を当てすぎて、こだわりが強くなってしまっているケースがあります。

自分が身に付けてきたスキルと、転職先で必要なスキルがマッチしていないのに、条件だけで応募すると、会社に合っていないと面接官が判断してしまうでしょう。

また、条件にばかり目が行って、肝心の職務内容に対しての意欲が見られなかった場合、面接官にそこを見透かされます。そうなると、いくら面接中に志望動機を語っても、説得力がありません。

条件は、ある程度妥協できるポイントを見つけ、自分の中で優先順位を決めておくことで選択肢を増やせます。

最終面接で落とされる主な理由

考え込むスーツの男性

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最終面接までは進んだものの、そこで落とされるケースもあります。その理由として代表的なものを、いくつか紹介しましょう。

やる気が伝わっていない

最終面接では、役員クラスとの面接になることも多く、社風や職務内容以外に経営面・業界全体での話も出てきやすくなります。これらのジャンルは、事前に企業研究をしっかりしていないと、スムーズに答えにくいものです。

もし企業研究が中途半端であった場合、面接相手から見れば「やる気が感じられない」と思われかねません。この会社に入りたいというアピールのためにも、事前に企業研究を怠らないようにしましょう。

企業が人材を採用するには、金銭面でも時間面でもコストがかかります。そこにやる気が伝わってこない志望者が来れば、企業側はリスクを考え不合格を出すことも考えられます。最終面接だからといって気を抜かず、やる気を存分にアピールしましょう。

企業の方向性とマッチしない

面接中の立ち振る舞いや経歴で好印象を与え、一次面接・二次面接を突破できたとしても、最終面接はそれだけでは通用しません。役員クラスが相手の面接では、企業と方向性が合っているかも確認されます。

企業が定めているターゲットや将来のビジョン、企業理念が一致していなければ、会社には合わない人材だと判断され、落とされてしまうでしょう。

企業の目線で考えると、コストをかけて人材を採用するため、採用したのに辞退されたり、早期退職されたりということは防ぎたいのです。その見極めで企業との方向性にズレがあれば、落とされる原因となります。

決め手に欠けている

一般的に、一次面接・二次面接でボーダーライン上にいる志望者は、通されやすいとされています。しかし、最終面接の場合は異なります。

ほかの志望者と比べて、特別に抜きんでているものがあれば別ですが、採用したいと思わせるような決定打がなかったときは、最終面接で落とされることもあるのです。

この場合、何が悪かったというわけではありません。「特によい点」「是が非でも採用したい」というところまで至らなかったのが原因です。

いかに自分が会社にとって戦力となれるか、会社の方向性と合っているかを強くアピールしましょう。

事前にしっかり準備したい最終面接対策

ノートを開いて弁用の準備をする

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最終面接で落とされないためには、事前の準備が必須です。具体的にどのような準備をすればよいか、解説していきます。

企業研究・将来のビジョンを深掘りする

最終面接では、これまでの面接よりもさらに踏み込んだ話になります。企業理解や業界の動向といった話についていけなければ、「下調べが浅い」と悪い印象を与えてしまうでしょう。

それを防ぐためには、企業研究をしっかり行うことです。さらに、自分自身の考えを言語化できるようにしておくことで、意欲と本気度が伝わります。

また、企業がどういった人材を求めているか把握することも大切です。今の自分に何ができるのかや、入社後はどういったキャリアプランをイメージしているのかなど、将来のビジョンを掘り下げておきましょう。

即戦力として期待される実績を洗い出す

同じ業界内で転職する場合、すでにその業界で必要なスキルは身に付いているのを前提に、話をされることもあります。つまり、新卒とは扱いが異なり、即戦力が期待されるということです。

これまでのキャリアで自分が身に付けてきたスキル・経験を洗い出して、面接の場でアピールしましょう。

そのためには、過去の実績を明確に言語化して、自分の強みを上手に話せるようになっておく必要があります。今までの経験や実績、今後の展望は必ず聞かれるものと考え、答えを練っておくことが大事です。

話の一貫性を意識する

最終面接だからといって、これまでの面接と異なる切り口でアピールしたり、あえて今までの話と異なる方向性の話をしたりするのはNGです。

最終面接までで企業と行ったやりとりは、その社内で共有されていると認識しましょう。仮に、最終面接で今までの話と一貫性がなかった場合、「この人は考えをすぐ変える人なのか?」「責任感はあるのか?」と不安に思われてしまいます。

面接という短い時間で自分を信用してもらうには、話に一貫性を持たせ、信頼性のある人間だと印象付けることが大切です。

具体的な企業研究のやり方

パソコンを操作する手元

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企業研究は、最終面接を乗り越えるために大事だとわかりました。では具体的にどのような方法で研究すればよいのでしょうか?

企業の基本情報を再度確認

会社のホームページ、あるいは事前に渡された資料などを見て、自分が面接を受ける企業の基本的な情報を再度確認しましょう。

資本金・従業員の数・所在地・代表者の名前・主な事業内容など、多くの情報が載っているため、改めてしっかり目を通しておく必要があります。

また企業理念・沿革は、最終面接以外でも話題に上がりやすい情報なので、覚えておいていつでも引き出せるようにします。

事業内容をより詳しく調べる

求人情報を見れば、その会社の事業内容を知ることができます。さらに募集要項を細かく確認することで、応募資格や給与、福利厚生も把握できます。

企業の概要などと併せて見ておくことで、どういった働き方ができそうかや、どのような社風かもおのずと見えてくるでしょう。

それらの情報を生かすことで、面接を受ける会社はどういった人材を求めているのかを理解でき、求められている人物像に合った受け答えをシミュレーションできます。

最終面接に見合った、より深い回答を用意しておくとよいでしょう。

業界内の立ち位置と展望を把握する

企業研究は、面接を受ける会社だけを調べればよいというわけではありません。同じ業界には、ほかにどういった会社があるのか、競合他社と比べたときの強みは何かといった情報も大切です。

その業界ならどこでもよいのではなく、今面接を受けている会社に入りたいのだという意思を役員などの面接官に直接アピールできる貴重な機会です。競合他社との共通点・相違点を丁寧に把握しておきましょう。

また最終面接では、その会社の将来的なビジョンについても自分なりの見解を話せるようにしておくことが大事です。入社後の自分が、そのビジョンのためにどう貢献できるのかを、面接官にイメージしてもらいやすくなります。

自分の将来のビジョンはどう考える?

考え事をするスーツの男性

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面接を受ける会社だけでなく、自分自身についての理解も深めておきましょう。自分が将来どうなっていたいのかを考える際の、基本のポイントを紹介します。

まずは理想の将来像を確立する

最初に、自分が将来どういった人になりたいのかをイメージしましょう。できるだけ仕事に関係する内容で、理想の将来像を描きます。

例えば、「最終的に就きたい職種は何か」「どういうポジションにいたいのか」「専門的なスキルは何を身に付けたいのか」などを想像しましょう。

今の自分にできることから逆算して、「今○○ができているから、この先はこのスキルを生かして○○をしよう」といった考え方もおすすめです。

理想をかなえるための道筋を立てる

道筋の立て方として、Will・Can・Mustの3つをベースに組み立てていく方法があります。Willはやりたいこと、Canはできること、Mustはすべきことです。

新卒であればWillに焦点を絞り、転職であればCanやMustにも視野を広げて、自分の能力や理想を整理していきましょう。

これにより、現在の立ち位置と将来のビジョンが明確になり、何が必要なのかが見えてきます。

数年後にどうなっておけばよいかを考える

今の自分の能力と、そこから導き出される将来やりたいことが明確になったら、次は具体的な未来を設定しましょう。

例えば、3年後でもよいですし、5年後でも大丈夫です。あるいは年齢で目標を決め、30歳までに○○を身に付けるといった決め方でも構いません。

具体的な数値を設定することで、逆算して『そのために今何をすべきか』が見えてきます。3年後に就いていたいポジションがあるのであれば、必要なスキル・資格をリストアップし、習得のために必要な勉強期間も把握できるでしょう。

実はポイントとなる逆質問の仕方

面接をしている女性

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最終面接でも、逆質問を促されることがあります。逆質問をするとき、特に気を付けるポイントをいくつか紹介しましょう。

調べれば分かることは聞かない

これまでの面接の中で知った情報、あるいは会社のホームページや資料などを見れば分かる情報は、聞かないようにしましょう。

例えば、ホームページに会社の沿革が掲載されているのにそれを尋ねたり、その会社と競合他社の違いを面接中に説明されたのに、差別化について聞いたりすると印象がよくありません。

『人の話を聞いていない』という不信感を抱かれたり、「事前に会社のことを調べていないのでは?」と意欲の低さを見透かされたりしてしまいます。

なお、すでに聞いたことであっても、そこからさらに深掘りするような内容であれば問題はありません。

会話が広がるオープン・クエスチョンをする

質問には、はい・いいえのみで答えられる「クローズド・クエスチョン」と、そうではない「オープン・クエスチョン」があります。

逆質問をするときは、オープン・クエスチョンをするよう心掛けましょう。クローズド・クエスチョンをしてしまうと、そこから話が広がりません。

面接という限られた時間の中で、より多くのコミュニケーションを取るためにも、質問には具体性を持たせるなど、答える側の目線に立った逆質問をしましょう。

質問の意図を加えられるとベスト

逆質問をする際には、質問の意図が分からないような、投げっぱなしの質問はしないようにしましょう。

例えば、今後の事業拡大について逆質問する場合、単にどういった事業拡大をビジョンとして描いているのかだけでなく、『それに応じたスキルを身に付けていきたい』といったように、自分の考えも付け加えることがポイントです。

質問に意図をプラスすることで、面接官は質問から『熱意の高さ』をくみ取れるようになります。逆質問は、自己アピールとしても有効な手段なので、存分に活用しましょう。

「パターン別」最終面接の注意点

面接を受ける男性

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最終面接で注意すべきことは、面接時の状況によっても異なります。パターン別に、それぞれの注意点を解説します。

最初の面接が最終面接の場合

最終面接しかない場合、つまりトータルで1回しか面接がないときは、『長期間働く意欲が高いこと』をいかにアピールできるかがポイントになります。

1回だけの面接では、自分の能力や経歴、スキルをたっぷり説明するのは難しいものです。また、書類審査でそういった部分は、すでに評価されているケースもあります。

そのため、書類では分からない『意欲面』でのアピールが重要となるのです。どうすれば志望度の高さをアピールできるかを、事前にしっかりと練っておきましょう。

加えて、確認しておきたいことも整理しておくとベストです。面接は1回だけなので、その機会を逃したら確認のタイミングがなくなってしまいます。

配属予定先の上司が面接官の場合

人事ではなく、配属予定先の上司が面接相手だった場合、『今どのくらいの能力を持っているのか』を重点的に見られます。

現場にいる人物が面接するということは、その現場でどのくらい動けるのかを確認する意味合いが強いでしょう。即戦力が期待されることも少なくありません。

また、同じ部署で働く可能性が高いため、スキル面だけでなく人柄もチェックされます。能力的に問題がなくても、「一緒に働きたくない」と思われてしまえば、落とされやすくなってしまうでしょう。姿勢や表情など、印象面も気を付けるのが大切です。

社長など役員が面接官の場合

面接官が役員であった場合、会社のこれからの展望や事業計画、ビジョンといった内容が志望者とマッチしているかが重要視されます。

面接での会話中、入りたい会社のビジョンと自分の話している内容がズレていないかを意識し、長期的に見て会社に貢献できる人材であることをアピールしましょう。

役員クラスは、会社への貢献度という観点で人材を見ることがほとんどです。そのため、採用が会社の利益につながるような話ができればベストです。

最終面接でよくされる質問と回答例

資料をチェックしているスーツの男性

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最終面接では、どのようなことが聞かれやすいのでしょうか?主な質問のジャンルと、その回答例を紹介します。

志望動機について

一次面接・二次面接でも聞かれる質問ですが、最終面接ではそれまでと異なる面接相手となるため、確認の意味合いも込め、改めて聞かれやすい質問です。

同業他社と比較して、その会社の強みである点を強調するのがポイントです。

【回答例】

「御社が○○業界において○○である点は、強みであると考えています。○○である点は、私の重要視している点と同じであり、企業研究をしている中で入社して貢献したいという意欲がとても強くなりました」

会社の方向性と自分の描くビジョンが同じであることや、その会社でなければいけないことを伝えましょう。

 

入社後のキャリアプラン

応募した企業の仕事内容を理解しているかの確認で、使われやすい質問です。また、定着率などを測るために聞かれることもあります。

「3年後、5年後のキャリアプランを教えてください」と聞かれたら、できるだけ具体性を持たせて答えましょう。

【回答例】

「○年目までに○○の基礎部分を習得し、○年目以降は○○の分野にもチャレンジしていくことで、○○にも関わっていきたいと考えています」

会社の方針や事業とあまりにズレている内容だと、『方向性が違う』と印象を下げてしまうことがあるため注意が必要です。

 

最後に聞きたいことがあるか

面接官の「最後に聞きたいことは何かありますか?」は、逆質問として使われやすい言葉です。ここで「特にありません」というような返事をしてしまうと、「企業に対して興味関心が薄いのでは?」と思われてしまいます。

活躍している社員の特徴や、今後の事業展望、企業理念といった最終面接にふさわしい内容を準備しておきましょう。

【回答例】

「御社の企業理念である◯◯は、実際にどういった場面で発揮されているとお考えでしょうか?」

「当社のことをよく理解・研究している」「活躍しそうだ」と感じてもらうことが大切です。

 

内定をもらえるまでは油断しないで!

履歴書を手に面接する男性

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最終面接まで進むということは、それまでに大きなミスをしていないということです。だからといって、採用が保証されているわけではなく、むしろ油断すると最終面接で落とされることもあり得ます。

内定をもらいにくい人の特徴を改めて確認し、将来のビジョンや逆質問もきちんと考えておくことが大切です。

落とされないようにしっかり準備をして、聞かれやすい質問や上がりやすい話題の対策を練っておきましょう。