キャリアアップとは?言葉の意味と実現方法を紹介

希望の仕事につけたものの、このままではキャリアアップが難しいと悩んでいる人も多いでしょう。そもそも、キャリアップとはどのような意味なのでしょうか。キャリアアップの意味や具体的な方法、成功させる人の共通点を解説します。

キャリアアップとは?

パソコンに向かい勉強する男性

(出典) photo-ac.com

キャリアアップはよく耳にする言葉ですが、正しい意味がいまひとつ分からない人もいるのではないでしょうか。まずは、今さら聞けないキャリアアップの意味を解説します。

能力を上げて経歴を高めること

キャリアアップとは、自分のスキルや能力を上げて、経歴をより良いものにすることを意味します。『キャリア』とは仕事や経歴を意味する言葉で、『アップ』は向上させるという意味の言葉です。

キャリアアップのパターンはさまざまで、一例として以下を指します。

  • 今より年収の高い会社に転職する
  • 社内でのポジションが上がる
  • 非正規雇用から正社員になる
  • プレイヤーからマネジメント業務に移る

上記のようなキャリアアップをすることで、自分の市場価値を高めることができます。なおキャリアアップは、転職でもよく使われる言葉です。

キャリアアップと勘違いしやすい言葉

ネクタイを締める男性

(出典) photo-ac.com

キャリアアップと似た言葉に、『スキルアップ』と『キャリアチェンジ』がありますが、それぞれ意味が異なります。キャリアアップと、両者の意味の違いを解説します。

スキルアップとの違い

スキルとは、能力や技能を意味する言葉で、スキルアップとは自分の能力を上げることを意味します。キャリアアップ、つまりより高いポジションやより良い待遇を目指すには、それ相応の能力が求められます。

そのため、キャリアアップをするためには、まずはスキルアップが必要です。スキルアップをした結果、キャリアアップが待っているとも言い換えられます。

スキルアップは、キャリアアップの前段階であると考えると分かりやすいでしょう。

キャリアチェンジとの違い

キャリアチェンジとは、言葉が表す通り未経験の仕事や業界に挑戦することを意味します。キャリアアップが縦方向に自分の能力や経歴を向上させるなら、キャリアチェンジは横に広げていくイメージです。

ただし、キャリアチェンジは今までのキャリアを否定して、一から別のキャリアを作り上げるという意味ではありません。自分の能力を効果的に広げていくには、今までの経験を生かすことが重要だからです。

未経験の仕事と言っても、それは今までの仕事の延長線上にあるものであり、キャリアアップとは別の方向に能力を伸ばしていくイメージを持つと良いでしょう。

キャリアアップの方法は?

パソコンを操作する男性

(出典) photo-ac.com

キャリアアップの細かい手段はさまざまですが、およそ3つに大別できます。それぞれのキャリアアップの方法を解説します。

今の仕事でキャリアアップ

社内での昇給や昇進を目指す方法です。現在よりも重要なポジションに就くことで、部下の教育を任せてもらえたり、担当する業務の幅や裁量が広がったりすることが期待できます。

社内で実績を上げて評価してもらうのが主な方法ですが、社内でキャリアパス制度やジョブローテーションがある場合は、それを活用するのもの良いでしょう。

キャリアアップと聞くと、転職をイメージする人も多いかもしれませんが、今の会社で市場価値を高めることも立派なキャリアアップです。現職でのポジションが上がることで、転職をするときも有利に進められます。

転職してキャリアアップ

転職をして新しい経験を積むことも、キャリアアップ方法の1つです。今の会社よりも、キャリアアップしやすい環境を選んで飛び込めることが、大きなメリットと言えます。

20代など若手のうちは、転職して新たな経験を積むこと自体が自分の市場価値を高めることにつながります。自分の将来像を描いたときに、今の会社では実現が難しいと判断した場合は、転職をすることがキャリアアップの近道になるでしょう。

本業以外でキャリアアップする

今や当たり前になった、副業でキャリアアップする方法もあります。副業でキャリアアップを目指すときは、お金を稼ぐことよりも自分の能力を上げることを主眼に置くことがポイントです。

キャリアアップを目的とした副業をする際は、現職の経験を生かせる仕事に取り組むことが重要です。そうすれば、副業で得た知見を現職で生かせるようになるなど、相乗効果も見込めます。

ただし、副業は本業以外の時間を使ってすることになるので、体力面に注意が必要です。本業に支障が出ない範囲でするのが良いでしょう。

転職でキャリアアップを望む場合の対策

スーツと履歴書、転職のイメージ

(出典) photo-ac.com

転職でキャリアアップを狙う人も多くいるでしょう。キャリアアップを目的に転職をする場合のポイントを3つ解説します。

キャリアプランを明確にする

転職の面接では、キャリアプランをよく聞かれます。その際にきちんと答えられるよう、自分なりの答えを用意しておくことが重要です。

キャリアプランを描くときは、最終的にどのような人物になっていたいかを明確にしましょう。そして、それを達成するために中長期的な目標を設定することがポイントです。具体的には、理想の自分に近づくためにやるべきことを明確にします。

そうすれば、自分がどのような会社に転職をするべきかが明確になり、回答にも説得力を持たせられます。自分のキャリアプランを、応募先の企業と結びつけられれば、大きなアピールになるでしょう。

待遇面にこだわりすぎない

転職活動をしていると、どうしても待遇面に目が行きがちです。確かに、給与面も重要な要素ですが、目先の給与にこだわりすぎると、キャリアアップを遠ざける結果となりかねません。

重要なことは、転職によって自分が成長できるかどうかです。そのため転職によって多少給与が下がったとしても、転職によって自分の市場価値を高められるのであれば、あとから回収することもできるでしょう。

年収ダウンを自己投資の1つとして考えられるかが重要です。

転職先に合わせたアピールが必要

転職の面接では、いかに自分をアピールできるかが大切です。しかし、ただ自分の強みや実績を羅列するだけでは、上手にアピールできているとは言えません。

いかに自分が素晴らしい能力や実績を持っていたとしても、企業がそれを求めていなければ響かないためです。そのため、企業ごとに求める人物像をしっかりと把握し、それぞれに刺さるようにアピール内容を変えることがポイントです。

企業が求める人物像は、募集要項を見れば推測できます。この意味で、企業研究はしっかりと行うべきと言えるでしょう。

キャリアアップを実現する具体的な方法

ノートに記入する

(出典) photo-ac.com

どの方法でキャリアアップを狙う場合でも、共通してやるべきことがあります。キャリアアップを目指すときに、具体的に取るべき行動を4つピックアップして解説します。

動機と目的を明確にする

まずは、なぜ自分はキャリアアップをしたいのかを明確にしましょう。ただ漠然と「年収を上げたい」などと思っているだけでは、困難にぶつかったときに簡単に心が折れてしまいます。

キャリアアップをしたいと思っているのは、今のキャリアでは何らかの問題があるからではないでしょうか。キャリアアップの目的は人それぞれです。自分がキャリアアップをする動機や、具体的に何をもってキャリアアップできたかを決めておくことで、目標に向かって動き出せます。

理想の自分を思い描くことから、始めてみましょう。

なりたい自分への道筋を考える

自分はどのような人物になりたいか、またなぜそうなりたいのかが明確になったら、理想の自分になるための具体的な道筋を考えます。ゴールは同じでも、そこまでの道筋は1つではありません。

道筋を考えるときは、ゴールをいくつかの小さな目標に分解し、それぞれいつまでに達成するかを決めると良いでしょう。例えば、10年後に理想の姿になっていたいなら、5年後、3年後、1年後にそれぞれ何を達成しているべきかを決めます。今の自分のスキルや環境と照らし合わせ、適切だと思われる目標を設定しましょう。

なお、一度決めた道筋は、あとから軌道修正しても問題ありません。定期的に進捗を見直し、その都度最適な状態に調整することも、キャリアアップ成功のコツです。

なりたい自分に必要なスキルの洗い出し

目標とそれを達成するまでの道筋が決まったら、自ずと今やるべきことがわかります。キャリアアップはスキルアップの上に成り立っています。キャリアアップを達成する上で、自分がこれから身につけるべきスキルを洗い出しましょう。

すでに身につけたスキルも、ブラシュアップする必要がないかまで考えることが重要です。スキルについても、いつまでに何のスキルを身につけるかを計画に組み込みます。

このとき、目標とするスキルが今の会社で身につけられるか、転職するべきかも検討すると良いでしょう。

スキルや自身の強み・弱みを把握する

最後は、自己分析をして現在の立ち位置を把握します。自分の強みや弱みを知ることで、今後の目指すべき方向がわかります。自分のスキルは、以下の種類ごとに分けて考えるとわかりやすいでしょう。

  • ヒューマンスキル:統率力、協調力、説得力など
  • セルフコントロールスキル:自制力、忍耐力、柔軟力など
  • タスクマネジメントスキル:持続力、推進力、分析力など

これらは『ポータブルスキル』と呼ばれ、どの仕事においても発揮できる能力です。ポータブルスキルを軸に、自分の強みを伸ばすことで、効果的にキャリアアップができるでしょう。

キャリアアップを成功させる人の共通点

スーツでパソコンを操作する男性

(出典) photo-ac.com

キャリアアップがうまくいく人には、どのような特徴があるのでしょうか。キャリアアップを成功させる人の共通点を紹介するので、自分に足りないと感じるものはぜひ実践してみましょう。

前職での人脈も大切にする

自分1人だけでキャリアアップを成功させることは、なかなか難しいものです。キャリアアップに成功する人は、上手に人に頼っています。悩みを相談したり、協力をお願いしたりすることで、キャリアアップをうまく運べるのです。

いきなり人脈を作ることは難しいので、まずは前職での人脈を大切にしてみてはいかがでしょうか。前職の同僚との協力関係を築けていれば、思わぬところで自分をサポートしてくれるかもしれません。

同じように、次の職場での人脈も大切にすると、キャリアアップにつながるでしょう。

自分自身をきちんと理解している

キャリアアップは、正確な現状分析と緻密な計画により実現できます。どちらかが欠けると、理想の自分に近づくことは難しくなるでしょう。そのため、自分自身を理解することは重要です。

具体的には、自分はどのようなスキルを持っているのか、強みや弱みが何かを正確に把握しましょう。自分を過大評価していると、いきなりレベルの高いスキルを身につけようとし、困難にぶつかるでしょう。逆に自分のスキルを低く見積もりすぎると、遠回りをすることになります。

また、自分自身を語れることは、面接で自己アピールをするときにも役に立ちます。自分1人で正確に自己分析するのが難しい場合は、他者に自分の人となりを聞いてみるのも効果ありです。

転職・仕事に求めるものが明確

転職先に求めるものや、大切にしたいものである『転職活動の軸』がしっかりとしている人は、キャリアアップを成功させる確率が高いでしょう。転職先に求めるものとは、すなわち自分のキャリアアップに必要なものです。転職活動の軸を決めるためには、キャリアアップの目的をはっきりさせる必要があります。

転職活動の軸がはっきりしていると、面接にも通りやすくなります。確固たる芯を持って話すことで、主張に説得力を持たせられるためです。

キャリアアップの目的は最初に決めるべきことですが、ここが一番重要と言えます。強い動機と目的を持っていれば、行動は後からついてくると言っても過言ではないでしょう。

理想の将来を叶えられるキャリアアップを

前進するスーツの男性

(出典) photo-ac.com

キャリアアップとは、自分の能力を上げて、経歴を高めることです。スキルアップとの違いは、純粋に能力の向上を指すのか、その先の経歴を高めるところまで指すのかです。キャリアアップをするためには、まずはスキルアップをする必要があります。

キャリアアップの手段は、現職で目指す方法と転職、副業によって実現する方法の大きく3つに分けられます。自分が今どのようなスキルを持っているのか、どのようなキャリアアップをしたいかによって、取るべき手段が変わるでしょう。

そのためにも、まずはなぜ・何のためにキャリアップをするべきなのかをしっかりと考え、自身の市場価値向上を目指しましょう。