面接時のマスクの着用マナー。印象アップにつながる話し方のコツも

近年は、日常生活でマスクを着用することが一般的になっています。面接でもマスクを着用していていいのでしょうか。面接におけるマスクの着用マナーや、適したマスクの種類を紹介します。印象アップにつながる話し方も、一緒にチェックしましょう。

※本記事は2022年6月13日に公開されたものです

面接時にマスクはどうする?

マスクをしたスーツ姿の女性

(出典) photo-ac.com

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、日常生活でマスクを着用することは一般的になりました。ビジネスシーンでは、どう対応したらいいのでしょうか。転職活動で面接を受ける際の、適切なマスクの扱いについて解説します。

基本は着用したままでOK

以前はマスクをして面接を受けることはマナー違反でした。しかし、現在は新型コロナウイルス感染症の予防対策として、面接中にマスクをしていても基本的に問題ありません。

企業によっては、着用が難しい場合を除き、社員や来訪者に対して室内でのマスク着用を求めています。むしろマスクを外した方が、スムーズに面接を受けることが難しくなるケースが多いでしょう。

ただ、感染予防のためにマスクをつけることは義務ではありません。企業によっては、マスクのままでは適切な採用ができないと考え、十分な距離を取った上でマスクなしで面接するケースもあります。

企業ごとにマスクに関する対応は違うことを踏まえて、転職活動に臨みましょう。

事前に断りは必要

面接時にマスクを着用することは本来、マナー違反とされています。つけたまま面接を受けてもいいか、事前に確認を取っておくのが無難です。

企業によっては、求人募集の時点で「面接時マスク着用」と記載している場合があります。指定されている場合は、ルールに従いましょう。

事前に指定がない場合は、面接日程を調整するときにつけてよいか確かめると、安心して会場に向かえます。

また、指定の有無を問わず、面接で着席する前に一言断りを入れると丁寧です。席の横に立った状態で自己紹介を行い、「面接中はマスクをしていても構わないでしょうか」と確認を取ります。

最初からマスクをつけるよう指定がある場合は、「マスクのままで失礼します」と伝えれば問題ないでしょう。

外すことも想定して準備を

面接時にマスクの着用を認めている企業でも、本人確認や表情を見るために、一時的に外すよう指示される場合があります。指示されたら、特別な事情がない限り面接官の指示に従いましょう。

マスクを取るときは、正しい外し方を心がけると好印象です。

面接の日は、ひげの処理や歯磨きはもちろん、口回りの身だしなみを整えておくと、とっさにマスクを外すように言われても、慌てずに対応できます。

面接時に着用するマスクの種類は?

いろんな種類のマスク

(出典) photo-ac.com

一口にマスクといっても、近年はカラーも素材も多様です。面接ではどのような種類のマスクを選べばよいのでしょうか。面接官に好印象を与えられるマスクの種類を紹介します。

白いマスクで清潔感をアピール

ビジネスシーンでつけるマスクに関して、はっきりとした規定はありません。ただ、基本的には落ち着いた色で、柄のないものをつけるのが面接では無難です。

白や薄いグレーなどを選び、ピンクや黄色など、派手な色は避けましょう。

マスクの形は平面型でも立体型でも問題ありませんが、顔にフィットしたサイズがおすすめです。面接では会話中ずれにくく呼吸がしやすいものを選びましょう。

素材は不織布が安心

厚生労働省によると、マスクの素材によって感染拡大防止の効果が変わります。不織布マスクが最も効果が高く、布マスク・ウレタンマスクの順に効果が薄れます。面接中は面接官に安心感を与える意味でも、不織布のものを選ぶのがよいでしょう。

ただし、一般的な平面型の不織布マスクは性能が高いものの、呼吸がしづらいのが難点です。面接ではマスクをしたまま会話をするため、4層構造の立体型で呼吸がしやすいものを選ぶと楽でしょう。

平面型の不織布マスクよりも呼吸がしやすいほか、感染予防の効果も優れています。

参考:
「問1 マスクはどのような効果があるのでしょうか。」新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省 (※2022年6月13日最終アクセス)
「いつでもマスク」感染拡大防止に向けた取組|内閣官房新型コロナウイルス等感染症対策推進室(※2022年6月13日最終アクセス)

正しくマスクを着用して好印象に

マスクをしたビジネスマン

(出典) photo-ac.com

面接時に限らず、マスクは正しく扱うことで十分な効果を発揮します。

厚生労働省のYouTube動画を参考に、正しい着脱のポイントを確認していきましょう。

正しいマスクの着用方法

マスクの効果を高めるためには、顔にフィットするよう顔のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。隙間があると、簡単にウイルスが入ってきてしまいます。

つけるときは鼻の形に合わせてワイヤーを折り曲げ、あごまでしっかりと覆ってフィットさせましょう。鼻出しマスクやあごマスクでは、感染防止に十分な効果が得られません。

いい加減なつけ方をしていると、だらしない印象を与えてしまいます。正しくマスクをつけて、面接官に好印象を与えましょう。

参考:正しいマスクのつけ方|厚生労働省YouTubeチャンネル(動画が再生されます)

正しいマスクの外し方

ウイルスの感染を防ぐには、マスクの着用方法だけでなく外し方も大切です。面接官から外して顔を見せるように指示されたとき、正しい方法でマスクを外しましょう。

マスクを外すときは、表面に触れないようにして、耳にかかっているひもを片方ずつ外します。外した後はマスクケースに入れて保管します。

マスク着用でも印象アップにつなげるコツ

マスクをして、履歴書を持ったスーツの男性

(出典) photo-ac.com

マスクをしたままだと、面接でアピールするのが普段以上に難しいものです。マスクをつけて臨む面接で好印象を与えるには、どんな話し方を心がければよいのでしょうか。見た目の整え方と併せて紹介します。

聞き取りやすい速さでハキハキと話す

マスクをしていると声がこもってしまい、話していることが聞き取りづらくなるものです。緊張して早口になると、さらに相手に届きにくくなってしまいます。

話していることがしっかり伝わるよう、相手が聞き取りやすい速さを意識してハキハキと話しましょう。

声量を上げるだけでなく、ワントーン高めの声を出すように意識します。語尾まではっきりと言い切り、抑揚をつけて話すと話している内容が伝わりやすくなります。マスクをした状態で、事前に練習してみるのがおすすめです。

ただ、マスクをつけていると、意識していても着用していないときに比べて声が届きにくくなります。しっかりと受け答えができたと思っても、聞き返されることは珍しくありません。焦らずに落ち着いて対応しましょう。

聞き返されたら、ゆっくりハキハキと話すことを意識して伝え直します。面接官の質問がはっきり聞こえなかった場合は、自分から聞き返しても問題はありません。

顔がしっかり見える髪型にする

マスクを正しくつけていると顔の大部分が隠れてしまい、表情が伝わりにくくなります。表情が見えづらいと、暗い印象にもなりがちです。

面接では、顔に髪の毛がかからないようなヘアスタイルを意識し、目元を見えやすくしておくと、面接官が表情が読み取りやすくなります。

また、見えるのは目元だけでも、表情を伝える努力が必要です。マスクをつけていても笑顔を忘れず、普段以上に顔の表情を意識すると明るい印象を与えられます。

ジェスチャーは大きめを心がける

マスクをした状態のやり取りでは、普段より話が伝わりにくいため動きを使ったコミュニケーションも必要です。

受け答えをする際にジェスチャーを加え、視覚で分かりやすくする工夫をしましょう。

返事をするときは、大きくうなずくように意識するとコミュニケーションが取りやすくなります。「はい」とはっきりした返事をするのはもちろん、ジェスチャーを加えることで、話をしっかり聞いていると相手に伝えることができます。

正しいマスクのマナーと着用方法をマスターする

マスクをして仕事を始める女性

(出典) photo-ac.com

新型コロナウイルス感染症拡大以降、マスクをつけた日常生活が一般的になり、面接の場でも着用が認められるケースが多くなりました。

前述しましたが、面接時のマスク着用に関しては、断りを入れたりビジネスシーンに適切なマスクを選んだりする配慮が求められます。面接でのマスクのマナーや正しい着用方法をしっかりとマスターしましょう。

寿マリコ
【監修者】All About ビジネスマナーガイド寿マリコ

コミュニケーションでまごころを伝える、ビジネスマナーの専門家。池坊短期大学教授。日本女子大学大学院人間社会研究科博士課程修了。勤務校でビジネスマナーやコミュニケーション、就職の面接対策講座を担当。企業や官庁関連機関で就労支援講座を行う。
All Aboutプロフィールページ

著書:
VUCA時代をよりよく生きるためのキャリア形成とコミュニケーションスキル(ナカニシヤ出版)
心地いい人がしている、人づきあいに役立つ習慣術(ぱる出版)
新社会人のためのビジネスマナー講座(ミネルヴァ書房)