二次面接ではどんな対策が必要?転職でのポイントや聞かれやすい質問

二次面接を受けることになった場合は、事前に十分な対策を練っておくことが大切です。主な目的やよく聞かれる質問を知っておけば、自分らしく答えるための対策を立てやすくなるでしょう。二次面接の特徴や準備のポイントを紹介します。

二次面接の特徴

面接を受ける男性と面接官

(出典) photo-ac.com

転職活動をしていると、複数回の面接をする企業に初めて出会うこともあるでしょう。一次面接の通過後に受ける二次面接とは、どんなものなのでしょうか?一次面接や最終面接と違う役割や、切り抜ける難易度について解説します。

一次面接との違いや最終面接との関係

面接を一次と二次に分けている企業は、ある程度の人数まで一次面接で絞り込むのが一般的です。ビジネスに必要な会話力や論理的思考力などを一次面接でチェックします。

企業が二次面接で見極めるのは、主に応募者の性格・能力・実績などです。会社の社風に合う人材かどうかも確認されるでしょう。一次面接より深い質問をされやすくなるのが特徴です。

一次面接の面接官は、基本的にある程度若手の社員や人事担当が行います。二次面接で面接官になるのは、多くのケースで中堅社員や管理職です。面接が進むにつれて面接官の役職が上がっていきます。

最終面接がある場合は、社長や役員が面接官となる最終面接に推薦できるかどうかも、二次面接で見られるポイントです。

二次面接は通りやすい?

一般的に、二次面接の通過率は50%前後といわれています。ほぼ受かるわけではないものの、最初の面接を通った人にはそこまで狭き門でもないというイメージで捉えておくとよいでしょう。

ただし二次面接の通りやすさは、一次面接の通過率や企業の考え方、面接の目的によっても大きく変わります。一概に必ずしも半分前後とはいえないのが実情です。

せっかくつかみ取ったチャンスをものにしたいなら、通過率にこだわるよりも二次面接の対策をしっかりと立てて臨みましょう。落ちやすい人の特徴や企業が見るポイント、よく聞かれる質問などを押さえておけば、通る可能性を高められます。

二次面接で落ちやすい人の特徴

パソコンを前に何かを考える男性

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二次面接に通らない人には、共通の特徴が見られます。落ちやすい人の特徴を知り、自分に当てはまらないか考えてみましょう。改善できそうな部分を直す努力が、二次面接の成功につながります。

意欲が見えづらい

二次面接では応募者の入社意欲を見られます。どれだけ優れた能力や実績を持っていても、入社への意欲が感じられない応募者は、落ちる可能性が高くなってしまうでしょう。

会話中の声が小さかったり、面接対策をしていないと思われるような答え方ばかりだったりする応募者は、意欲がないと見なされやすくなります。「入社後のコミュニケーションにも問題があるのでは?」とも思われかねません。

たとえ売り手市場で人手が足りない業界だったとしても、意欲が見えづらいと企業側が判断すれば採用されるのは難しいのが現実です。二次面接を受けるときは、まず意欲を見せることを強く意識しましょう。

自己分析ができていない

二次面接で落ちやすい人の特徴として、自己分析が不十分であることも挙げられます。自分の強みや特徴をきちんと把握していなければ、志望動機や入社後の展望といった質問にうまく対応できないでしょう。

十分な実績を積んでいる人でも、しっかりとアピールできなければ好印象を与えられません。逆に誇れる実績がなかったとしても、自己分析をした上で自信を持って面接に臨めば、印象アップにつながりやすくなるものです。

面接前の準備では、自己分析と一緒に十分な企業研究もしておきましょう。特に二次面接では、一次面接よりも深い内容を求められる傾向があります。

自分の強みを入社後どのように生かしていきたいのか、面接時にしっかり話せるようになっておく努力が必要です。会社の事業内容や求めている人物像をよく調べ、思いついた長所を「何に生かせるだろう」と考えてみましょう。

回答に一貫性がなく本心が見えない

一次面接に続いて実施される二次面接では、一次面接との『整合性』もチェックされます。面接官が違うからといって、最初の面接で話したことと違う内容の話をするのはNGです。

一次面接からの流れで回答に一貫性がなければ、企業側から応募者の本心が見えません。意図的にうそをついていたり、いい加減なことを言っていたりするような印象を与えるでしょう。

本心や誠実さが見えない人は、二次面接で落ちてしまう可能性も高くなります。

また、転職理由を聞かれたとき、前職のネガティブな面ばかり話すのも避けるのが賢明です。志望動機が前向きであるほど整合性が取れず、不誠実に見えてしまうリスクがあります。

二次面接は、すでに行ったやり取りが多い分だけ『ボロが出やすい』状態になる場です。何を話すにしても、一次面接やほかに伝えたことと一貫しているか・矛盾していないかを意識しましょう。

転職者の二次面接で企業が見るポイント

面接を受ける女性

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面接官は二次面接で応募者の何を見ているのでしょうか。転職者がチェックされやすいポイントを紹介します。

これまでの実績や経験

転職者の二次面接では、今までの実績や経験を重要視されます。転職者は新卒と違い、ある程度はどうしても即戦力としての能力や実績を求められるためです。

面接官は二次面接でのやり取りで実績や経験をチェックし、自社ですぐに活躍してくれるかどうかを見極めます。応募者が未経験の業種や職種を目指している場合は、成長の可能性を見られるでしょう。

ただし、未経験の職種にチャレンジする場合でも、前職の経験がアピールになる可能性はあります。例えば、飲食業の経験を積んできた人は、コミュニケーション能力や顧客が何を求めているかを把握する力を営業に生かせるでしょう。

自分が歩んできた道のりを振り返り、生かせそうな経験を洗い出していくとアピールポイントが見つかるはずです。

社風に合うかどうか

応募者が社風にマッチする人かどうかも、転職者の二次面接でよく見られるポイントです。企業風土に合う人材だと判断されれば、長く働いてくれると思われやすくなります。

いくら仕事ができる人でも、会社の文化や価値観が肌に合わなければ、離職してしまう確率は高くなります。会社の社風に合うかどうかを見極めることで、応募者の定着率を判断しているのです。

通過率を高めるために、社風との相性のよさをアピールするのも1つの方法です。逆に、志望企業の社風を調べて自分には合わないと思うなら、入社しても長く続かない恐れがあります。

次の職場で長く働きたいなら、マッチしないと思った企業の面接を辞退する選択肢もあると考えましょう。

入社意欲とコミュニケーション能力

転職者が二次面接で見られるポイントとして、入社意欲やコミュニケーション能力も挙げられます。いずれも定着率にある程度関わってくる要素だと考えられているためです。

内定を出す応募者には、できるだけ入社してほしいと思うのが企業側の心理です。しかし、入社意欲が低ければ「自社が第一志望ではないのだろう」と考え、採用を躊躇してしかねません。

また会社側はコミュニケーション能力について、入社後に既存社員とうまく関係を築けるかどうかに関わる要素と考えています。

コミュニケーション能力が低いと、チームを組んだときに円滑なやり取りが難しいと考えられ、面接時の評価が下がってしまうのです。

コミュニケーション能力に自信があるなら、具体的なエピソードを交えて積極的にアピールしましょう。

二次面接までにしておきたい対策

ノートに記入して勉強する女性

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一次面接の前に準備をしていた場合でも、目的や始まる前の条件が違う二次面接までには、改めて準備を進める必要があります。具体的に何をしておけばよいのでしょうか?

一次面接の振り返り

二次面接を受ける前には、一次面接の振り返りを行っておきましょう。一次面接からの一貫性や整合性がなくなってしまうのを防げます。

二次面接では一次面接で聞かれたことを深掘りされる可能性もあるため、一次面接を振り返っておくことで、二次面接の深掘りされた質問にもうまく対応できるでしょう。

一次面接で聞かれた質問と全く同じ内容の質問を二次面接で受けた場合、全く同じ回答を返すのはNGです。二次面接でどこまで回答の内容を広げられるか、面接官に確かめられている可能性があります。

一次面接が終わった直後に、覚えている限りのやり取りをメモしておくと振り返りがしやすいでしょう。

企業・業界の研究を深掘り

一次面接の前に、企業や業界の研究を済ませている人も多いはずです。しかし、一次面接前の調査で満足してしまうと、二次面接でうまく回答できない恐れがあります。

一次面接前に企業・業界の研究をしていた場合でも、二次面接前に改めて深掘りしておくのがおすすめです。一次面接より突っ込んだ質問が多くなっても、深掘りしておけば二次面接で対応しやすくなります。

深掘りしなければ分からない回答を二次面接で返せれば、企業や業界を徹底的に研究したことが面接官に伝わるため、入社意欲のアピールにもつながるでしょう。

自己分析をして自身の強みを洗い出す

応募者の数を減らすのが主な目的になりやすい一次面接では、一般的なビジネスマナーのような基礎スキルを重点的に見られます。スキルや実績の回答を準備していても、質問自体をされない可能性があります。

一方の二次面接では、一次面接で聞かれなかった業務の話やスキルの話が多くなるでしょう。志望企業が求める実績やスキルについて、詳しく話せる準備をしておかなければなりません。

二次面接を受ける前に自己分析を行い、自身の強みを改めて洗い出しておきましょう。企業研究と併せて対策を練れば、面接官を喜ばせられる回答が出やすくなります。

よく聞かれる項目と答え方のポイント

履歴書

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二次面接で聞かれる定番の質問と適切な答え方を紹介します。面接官の印象をアップさせるためのポイントを押さえ、自分なりの回答を作っておくのがおすすめです。紹介する項目とポイントを踏まえて、事前に知人や家族と練習しておくのもよいでしょう。

入社意欲を測る「志望動機」

多くの二次面接では、応募者の入社意欲をチェックするために、面接官が志望動機を聞きます。志望動機の質問のポイントは、『なぜ他社ではないのか』ということです。

志望企業が持つ特定の魅力に心を動かされたのだとしても、その魅力が他社にもあるものなら、志望した企業を選ぶ理由にはなりません。企業研究で同業他社との違いを探し、その会社でなければならない理由を用意する必要があります。

ただし、一次面接で答えた志望動機と大きく異なる内容を二次面接で話すのはNGです。あくまでも根本は残したまま、ブラッシュアップしましょう。

定着率にも影響する「転職の理由」

二次面接でよく聞かれる項目には、転職理由も挙げられます。応募者に転職理由を聞くことで、前職と同じ理由で退職してしまわないかチェックするのです。

例えば、人間関係の悪化を転職理由にした場合、「うちでも人間関係がうまくいかないのではないか」と思われてしまいかねません。実際の理由がどうであれ、面接時に回答する転職理由はポジティブな内容にするのがポイントです。

忙しくてキャリアアップができないことが理由なら、「前職ではオフの時間が少なかったけれど、御社では資格取得のための時間を確保できそうです」と前向きに変換しましょう。定着率に関する不安も持たれにくくなります。

この場合は志望動機も、「キャリアアップして活躍できると思ったから」と、退職理由を絡めて伝えられるものだとベストです。

活躍の可能性を見る「キャリアビジョン」

応募者が入社後に活躍できるかどうかを見極めるために、二次面接ではキャリアビジョンについても聞かれる可能性があります。

キャリアビジョンの質問には、企業側の「自社でキャリアを築いて貢献してほしい」という心理が表れています。自分がキャリアアップすることで、志望企業にどのようなメリットがあるのかを伝えなければなりません。

志望企業で実現できないビジョンを示しても、いずれ辞めてしまうかもしれないと思われる恐れがあります。活躍の範囲を広げたい、マネジメントにも興味があるなどの希望を絡めると、高評価を得られる回答を作りやすいでしょう。

二次面接では逆質問の準備も

二人の面接官

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二次面接では終盤に「何か質問はありませんか?」と逆質問を求められるケースがあります。逆質問の対応次第で面接の結果が大きく変わることもあるため、しっかりと準備をしておきましょう。

基本的にNGとされる回答

逆質問では、前提として自分で調べれば分かることを聞かないようにしましょう。企業のサイトに書いてある事業内容・企業理念・取扱商材などについて質問すると、準備不足を疑われて評価が下がってしまいます。

給与や待遇をしつこく聞くのもNGです。どれだけ立派な志望動機を面接官に伝えられたとしても、給与や待遇にこだわりすぎると、面接官に与える印象は悪くなります。

「聞きたいことはありません」と答えるのも、避けたほうが無難です。入社意欲がないと見なされてしまいます。どうしても聞きたいことが思いつかない場合は、二次面接中のやり取りで疑問が解消したことを伝えましょう。

二次面接でしたい逆質問の例

二次面接の逆質問は、企業文化やキャリアビジョンに関する内容にするのがおすすめです。具体的な質問として、以下のような例があります。

  • 社員インタビューで『各社員が目標を目指せる組織』とありましたが、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?
  • 将来的にリーダーやマネージャーになれればと考えていますが、御社では実際にどのような実績を積んだ方がリーダーやマネージャーになっているのでしょうか?
  • 御社の社風が分かるような具体的なエピソードがあれば教えていただけますでしょうか?

YES、NOだけで答えられる質問は避け、挙げた例のように話が広がるような聞き方をしましょう。より面接官との距離を縮めたいなら、面接官個人の意見を聞く形に変えてみるのも1つの手です。

二次面接の目的に即した対策を練ろう

資料に記入するスーツの男性

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二次面接では一次面接と違い、今までの実績や経験をより深く見られます。会社の社風に合うかどうかや、入社意欲・コミュニケーション能力も判断される場です。

よく聞かれる定番の質問として、志望動機・転職理由・キャリアビジョンが挙げられます。

企業研究や自己分析を改めて実行し、一次面接の振り返りも行った上で、特徴を押さえた対策を練っておきましょう。「この機会をものにしたい」という熱意を面接で表せれば、採用がグッと近づくはずです。