職務経歴書を作成する際、職務内容の書き方に悩む場合があります。良い印象を与えるには基本の書き方を押さえ、分かりやすい内容にすることが大切です。職種別の職務内容の例文や、意識したいポイントなどを紹介します。
この記事のポイント
- 職務内容の基本
- 決まった書式はありませんが、職場での役割や仕事内容、実績を入れることが基本です。
- 職務内容を読みやすくするには
- 箇条書きや数字を用いて、見やすく具体的に記載しましょう。
- 魅力的な内容にするコツ
- 多くの職歴がある場合、応募先と関連のあるものを中心にアピールすると効果的です。
職務内容と業務内容の違い
職務内容と業務内容はどちらも、どのような仕事に取り組んでいるのかを説明する言葉です。広い意味では一緒ですが、厳密には異なります。以下で、それぞれの違いを見ていきましょう。
職務内容は個人で行っている仕事を指す
職務内容とは、各従業員に割り当てられた仕事内容のことです。例えば、食品メーカーの商品開発部に勤めていた場合、市場調査や新商品のアイデア出し・試作品の作成・品質管理などが該当します。
職務内容に具体的な役割や細かい業務を記載すると、所属部署の中でどのような仕事を担当していたのかを、詳しく伝えられます。
採用担当者が内容を見て、自社とのマッチングを探ろうとしている点を意識して書くことが大切です。
業務内容は部署単位での仕事内容
業務内容とは、企業の部署・事業部単位で行う仕事のことです。例えば、食品メーカーに勤めていた場合、食品の製造・加工・開発などが該当します。
それぞれの部署には従業員が行う基本的な業務があり、それらを個人で行う場合は職務内容ではなく、業務内容と表現するのが一般的です。
同じ商品開発部に所属していたとしても、主に何を担当しているのかによって、その人ができること・得意とすることが変わってきます。
業務内容だけだと、実際にどのような仕事に取り組んでいたのかを、詳細に伝えられません。そのため、職務内容が必要になるわけです。
職種別に見る職務内容の例文
職務内容の書き方は、職種によって変わってきます。事務職・営業職・飲食業、それぞれの例文を見ていきましょう。
【事務職】職務内容
【職務内容】
株式会社○○(正社員)
20××年×月~現在
部署・役職:営業部営業1課に配属、営業事務を担当
売上情報の入力と集計
電話及びメールでの問い合わせ対応(○件/日)
来客対応(会議室への案内、お茶出し)
書類のコピー、ファイリング
会議資料作成
見積書・請求書の作成(○枚/月)
(成果や実績)
書類作成やデータ入力において、チェック回数をそれまでの1回から2回に増やしたところ、ミスがなくなりました。書類やデータを使用する社員たちから「安心して仕事を進められる」と感謝され、効率アップに貢献できたと考えています。
【この例文のポイント】
問い合わせ対応や書類作成の件数を具体的に記載すると、これまでの仕事量をイメージできます。成果や実績では、取り組みや工夫をした点を伝えましょう。
【営業職】職務内容
【職務内容】
株式会社○○(正社員)
20××年×月~現在
部署・役職:本社営業1部に配属、都内の金融機関を対象に新規開拓を担当
(営業商材)
パソコン・タブレットなどの情報機器、パッケージ系業務システム
(内容)
営業先のリストアップ、資料作成
顧客の課題ヒアリングから、契約後のフォロー
メールやSNSを使った営業
(成果や実績)
20××年:売上○○万円(105.0%達成)
20××年:売上○○万円(110.0%達成)
【この例文のポイント】
営業職の場合は、どのような商材を扱ったのかも書きましょう。具体的な営業内容も記載し、分かりやすく伝えることが大切です。
【飲食業】職務内容
【職務内容】
株式会社○○(正社員)
20××年×月~現在
部署・役職:○○レストラン ○○店(一般社員)
1店舗あたりの社員数:○人、アルバイトスタッフ:○人
ホールでの接客業務、キッチン業務をスタッフとともに担当
店長候補として発注や売上管理の補佐
接客サービスの向上を目的とした、お辞儀や言葉遣いなどの新人教育
(成果や実績)
アルバイトスタッフのフォロー体制を充実させるため、マニュアルを作成
20××年のお客さまアンケート「スタッフの対応が丁寧」の項目で1位を獲得
【この例文のポイント】
従業員数を記載すると、店の広さや指導してきたアルバイトの人数をイメージしやすくなります。サービス向上のために工夫した点や、顧客から褒められた経験などがあれば、積極的に記載しましょう。
職務内容の基本的な書き方を解説
基本的な書き方を押さえておくと、業種・職種を問わずに書きやすくなります。分かりやすい内容にするために、重視したいポイントを見ていきましょう。
基本構成は役割・仕事内容・実績の3つ
職務内容の書き方に決まった書式はありませんが、分かりやすい内容にすることが大切です。以下の3要素を、基本の構成にするとよいでしょう。
- 役職などの役割
- 仕事内容
- 成果・実績
どのような立場で勤務していたのかを明確にし、細かい内容を記載します。その後、成果や実績を添えて説明すると、内容が分かりやすくなります。
例えば、新商品の開発を担当していた場合は、商品名やコンセプトを簡単に説明し、力を入れた部分や評価された点などを記載する流れです。
読みやすさを意識し具体的な数値を記載
職務内容は、箇条書きにして読みやすくします。見出しを付けると、何が書かれているのかを一目で把握しやすくなります。
採用担当者は、一度に多くの人の職務経歴書に目を通すので、読む人のことを考えた親切な設計にすることが重要です。数値を示しながら、具体的に記載する点も意識しましょう。
数字で説明すると、客観的な事実としてとらえやすくなります。例えば、「売上がアップした」と表現するより「前年に比べ、売上が○%上昇した」とした方が、より分かりやすいでしょう。
専門用語は分かりやすく言い換える
特定の業界のみに通じる専門用語は、一般的な言葉に言い換えて記載しましょう。例えば、「B2B販売戦略」は「法人向け販売計画」と表現した方が、誰が見ても意味を理解できます。
自分が所属していた企業にとっては当然のことが、他の企業では通じない場合もあります。自社で使用していた略語を、どの企業でも使用しているとは限りません。
異業界に転職する際はもちろん、同じ業界であったとしても、意味が通じにくい言葉は使用しない方がよいでしょう。
魅力的な職務内容にするためのポイント
職務内容の書き方は、基本を押さえていればそれほど難しくありません。より魅力的な内容にするために、意識したいポイントを押さえましょう。
実績がないときは評価された経験を書く
事務職のように、売上などの目に見える実績と結び付かない職種もあります。目立つ成果がないと、アピールの仕方に迷う人もいるでしょう。
たとえ小さなことでも、評価された経験や工夫して取り組んだことがあれば、実績としてアピールできます。キャリアを深堀りすると、書けるものが見つかるはずです。
具体的な数字として書けないものであっても、どのような業務が得意なのか採用担当者がイメージできる内容であれば、プラスになる可能性があります。
応募先が求める人物像を意識する
より魅力的な職務経歴書にするには、企業研究が必要です。企業が求める人物像を意識しながら、マッチングする職務内容を中心にアピールしましょう。
求人情報や企業の公式サイトの採用ページなどに、求める人物の特徴が記載されていることがあります。企業の公式サイトやSNSなどでも、社風や企業からのメッセージといった情報を得られます。
職務経歴書には基本的に全ての職歴を記載しますが、応募先との関連性が深い内容については分量を増やし、そうでないものは短めにするなどの調整をするとよいでしょう。
アピールしたいものを先頭に持ってきて、その他の経歴はまとめて簡単に記載しても構いません。
職務内容を充実させ魅力的な内容にしよう
職務経歴書は、自分がどのような仕事に取り組んできたかを説明するために書きます。どこで何をしてきたのかを、分かりやすく記載しましょう。
具体性を意識し数字を入れるなどして、客観的な視点で書くことが大切です。何を書いたらよいか分からない場合は、これまでに取り組んできた仕事を全て書き出し、キャリアの棚卸をしてみましょう。
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