学歴ロンダリングという言葉を聞いたことはありますか? 学歴ロンダリングとは何か、転職活動をする上でのメリット・デメリットは何か、学歴ロンダリングの印象について、転職活動で有利になる点などをまとめました。
学歴ロンダリングとは?
学歴ロンダリングの基本的な意味を解説します。一般的な印象はどうなのかといった点も一緒に紹介しましょう。
より高学歴となる大学院への進学
学歴ロンダリングのもとになった「マネーロンダリング」という言葉があります。日本語では「資金洗浄」とも言われますが、犯罪によって得たお金の出所が分からないように、色々なところに資金を経由させる行為です。
学歴ロンダリングもこれに近い発想から生まれた言葉で、大学院(修士・博士)に進学した人を揶揄するニュアンスで使われています。
具体的には、学士課程の卒業大学よりも入試難易度や知名度が高かったりする大学の修士・博士課程を卒業することで、最終学歴として書く大学名が変わるときに学歴ロンダリングといわれることがあります。もちろん違法でもなければ、犯罪でもありません。
ネットスラングとして普及した言葉であり、略して「学歴ロンダ」や「院ロンダ」といった使われ方もします。
ネガティブな印象もあるが問題はない
大学院への進学は、働きながら進学のための勉強を重ね、自分の実力で進学しているので何ら問題はありません。
しかし、たとえば大学院だけ東大や早慶といった国内トップクラスの大学を卒業した場合、学歴を過度に気にしている人から学歴ロンダリングと揶揄されるケースがあります。その背景には、未だに学歴重視で判断されることが多い就職・転職で有利になることが関連していると考えられます。
学歴ロンダリングのメリット・デメリット
学歴ロンダリングにはメリットとデメリットがそれぞれあります。具体的にどういった点がメリット、デメリットなのかを説明しましょう。
高学歴化のメリット
学歴コンプレックスがある場合は、最終学歴が高学歴になることで、それを解消できるのが最大のメリットです。
企業によっては学歴が選考基準の1つとなっているところもあり、学歴ロンダリングはそういった企業を受ける際にプラスとなるでしょう。
もちろん学歴が高学歴になったからといって、必ず内定を勝ち取れるわけではありませんが、学歴が高くなることで自信がついたり、知識を深められたりするため無駄にはなりません。
研究時間の短さや人間関係にデメリットも
学歴ロンダリングは、大学院から新しい研究室で研究を始めます。そのため、内部生よりも研究の時間が短くなってしまう一面があります。就職面では大きく関係してきませんが、論文を書くのに苦労する場合もあるでしょう。
またコミュニケーションが得意でない人・人見知りしやすい人にとっては、新しい人間関係の中に飛び込むこともデメリットになります。外部からの入学生は内部生と異なり、ゼロから人間関係を構築する必要があるため、苦労する可能性も出てくるでしょう。
研究室の雰囲気、教授と相性が良さそうかといった点を事前にチェックできるのであれば、調べておくことをおすすめします。進学後の過ごしやすさが変わるでしょう。
学歴ロンダリングは転職に有利?
学歴ロンダリングは実際に転職活動をする上で、有利になるのでしょうか。ケースごとの解説や、転職時にどういった変化が起きるかを解説します。
専門性を高めた分、有利になるケースが多い
学歴ロンダリングが就職時に有利かどうかは、企業によるところが大きいと考えられます。学歴を重視する企業であれば、有利に働くでしょう。
理系でも文系でも、専門知識が必要な分野では有利になる傾向が強めです。どちらかといえば、理系の方が専門性が重視されるケースが多いため、有利になりやすいでしょう。実際に志望する企業の業務に生かせる領域の研究をしている場合は、志望動機の裏づけにもつながり、アピールになるでしょう。
ただし、学歴以外の要素を重視する企業も増えている点は覚えておきましょう。
ネットワークが広がる
学校によって異なりますが、卒業生のネットワークが強い大学院に入った場合は、活用できる可能性もあります。
ネットワークを広げることで、転職への口利きなどの期待ができるかもしれません。利用するかどうかは本人次第ですが、外資系・コンサル業界ではつながりの影響も小さくないため、1つの方法として頭に入れておいて損はないでしょう。
そういったメリットを期待しつつも、せっかく大学院に入ったなら、転職のためだけでなくさまざまなネットワークを広げてみると大学院進学を有意義なものにできるでしょう。
とはいえ、学歴「だけ」では難しい
基本的に高い学歴は転職にも有利になります。そうとはいえ、高学歴になればそれだけでどこへでも転職できるわけではありません。
実際に学歴がなくてもコミュニケーション能力、企画力で活躍している人も多く、一概に学歴が合否に直結するケースばかりではないでしょう。
特に転職・中途採用の場合は、即戦力としての力が求められます。重要なのは学歴ではなく現時点でのスキル・資格と考える企業が多いのも現実です。
高学歴になっても大事なのは実力
学歴ロンダリングは、大学院を経てで最終学歴をより良く見せることを揶揄するネットスラングです。それにより転職活動が有利になることもありますが、あくまで学歴は武器の1つです。
大事なのは、今の自分に何ができるか、今後どうしたいかです。進学のため行った努力を無駄にしないためにも普段から実力を磨きましょう。