「自分を一言で表すと」と聞かれたら？答え方のポイントと注意点 - スタンバイplus(プラス)

「自分を一言で表すと、どんな言葉でしょうか？」と面接で聞かれて、うろたえてしまった経験がある人もいるでしょう。事前に準備しておかないと、うまく答えられません。質問の意図や、答え方のポイントなどを紹介します。

「自分を一言で表すと」の質問意図は？

面接でうまく答えるには、質問意図を理解する必要があります。面接官は、なぜ「自分を一言で表すと？」という質問をするのか見ていきましょう。

自分を客観視できるかの確認

十分に自己分析ができていないと、自分を一言で表せません。面接官はこの質問を通して、応募者が自分をどれくらい客観視できているかを確認しようとしています。

長所・短所・人との関わり方・得意分野など、さまざまな要素について深く理解していないと、自分を一言で表すのは困難です。

「自分を象徴する端的な一言」を導き出すには、かなり深く自分について掘り下げる必要があります。面接官が納得する回答ができるように、準備しておきましょう。

表現力の高さを知るため

面接では分かりやすく説明できる能力を持っているかもチェックされます。

履歴書に書いた内容や実際の印象から、あまりにもかけ離れたことを言ったり、誰にでも当てはまるありきたりな一言を選んだりすると、よい評価を受けられません。

営業職・販売職・カスタマーサービスなど、顧客に商品・サービスについて説明する機会が多い職種では、説明能力が必要です。伝えづらいことをどのように表現するかで、応募者の実力を知ろうとしています。

対応能力を見られている

「自分を一言で表すと？」という質問を通して、難しい質問への答えに詰まったとき、どのように対応する人物なのかも見られています。

時間がかかっても正確な答えを言おうとするのか、諦めて中途半端に答えてしまうのかなど、回答そのものだけでなく対応能力もチェックされているのです。

質問の意図を理解していないと、自分のことを一言では答えられません。スムーズに答えられれば、対応力が高い人物だと評価してもらえます。

自分を一言で表す言葉の見つけ方

自分を一言で表せと言われても、適当な言葉が思い浮かばない人は多いはずです。どのように言葉を見つければよいのか、見ていきましょう。

伝えたい長所・強みを探す

自分のことを一言で表す際は、長所・強みを「ポジティブに表現した内容」にしなければなりません。まずは、努力家・真面目・協調性があるなど、面接官に伝えたい長所・強みをピックアップしましょう。

このとき「○○ができない」「○○が苦手」など、ネガティブな要素は使用しません。採用面接は、自分にどのような能力があり、どうやって企業に貢献できるかを伝えて評価してもらうための場です。

そのため、わざわざマイナスな言葉で表すのはやめましょう。ネガティブなことを言うと、自己評価が低く自信に欠ける人物だと思われてしまいます。

長所・強みの言い換えをする

自分の長所・強みを、ほかのものに例えられないか考えてみましょう。四字熟語やことわざなどを使って、自分の魅力を伝えても構いません。

例えば、真面目な人柄をアピールしたいなら、質実剛健や謹厳実直などが思い浮かぶでしょう。ほかにも、自分の個性を動物・植物・食べ物などに例える方法もあります。

「営業の鬼」「努力の塊」というように、いくつかの文字や言葉を組み合わせる方法もおすすめです。

応募企業が求める人物像を意識

自分を表す一言なら何でもよいわけではなく、応募企業が求める人物像も意識しましょう。社風や業務内容とあまりにもかけ離れたものだと、どのように生かせるのか分からないため評価されません。

例えば、反骨精神のある人物を求めているのに「長いものには巻かれろ」と自分を表現すると、面接官の心に響かないでしょう。企業が求める人物と、真逆の人物像をイメージさせるような言葉は避けます。

自分をうまくアピールするためにも企業研究をしっかり行い、応募企業が求めている人物像を把握した上で上手に表現しましょう。

答えるときのポイントもチェック

自分にピッタリな言葉を思いついたとしても、伝え方を間違えると好印象を与えられません。答え方のポイントを見ていきましょう。

自己PRと関連付ける

自分を一言で表す言葉は、自己PRと関連性のあるものでなければなりません。自己PRで協調性の高さをアピールしているのに、自分を表す一言が「唯我独尊」では、どちらが本当の姿なのか判断しかねます。

協調性の高さを強みにするなら、自分を表す一言も、お互いを思いやって譲り合う気持ちを意味する言葉で表現する必要があるのです。いい加減に答えていると思われないように、一貫性のある答えを意識しましょう。

具体的な理由・エピソードを盛り込む

自分を表す一言に説得力を持たせるために、具体的な理由やエピソードを伝える準備をしておきましょう。面接官を納得させられる理由がなければ、自称しているだけになってしまいます。

どんな経験をして自分を表す一言を決定するに至ったのか、根拠を説明して説得力を持たせる必要があるのです。できるだけ、客観的な事実を交えて伝えましょう。

もし協調性をアピールしたいなら、仲間と助け合った結果仕事がうまくいったエピソードを付け加え、仕事でどのように生かせるのかという視点で説明することが大事です。

ありきたりな言葉は避ける

自分を表す一言は、キャッチコピーのように「インパクトの強さ」が求められます。あまりにもありきたりな言葉を使うと、面接官の心に響きません。

やりすぎる必要はありませんが、ある程度のユニークさや新鮮さを感じられるような言葉を選んだ方が、印象に残りやすいのです。

面接官が「それってどんな意味なの？」と、食いついてくるような一言だとインパクトがあるといえます。根拠を説明したときに「なるほど」と、納得させられるものであれば、より強く印象付けられるでしょう。

行動力をアピールした例文

何かを成し遂げるには、行動力が必要です。行動力がある人物は、組織にとって価値が高い人物だといえます。どのような一言で言い表せるのか、見ていきましょう。

「有言実行」

「有言実行」は、言葉にしたことは何が何でも実行するという意味の四字熟語です。普通の人以上に、行動力があることをアピールしたいときに使えます。

約束を守るという意味にも取れるので、誠実なイメージも与えられるところが魅力です。どのような行動をしているのか、エピソードを交えて伝えましょう。

【例文】

私を一言で表すと、「有言実行」です。一度、口にしたことは守らなければ気が済みません。ほかの人が聞いている場所で、自分の目標を発表するようにしています。周囲を巻き込むことが、目標を達成するための原動力となるからです。

前職では売上目標を紙に書き、常に目に付く場所に貼っておきました。そうすれば、嫌でも自分にプレッシャーを与え続けられます。

定期的に、目標の達成度を周囲の人と共有することも忘れませんでした。御社でも有言実行を武器にまい進したいです。

「突き抜けたバイタリティ」

「バイタリティ」は、活気や持続力などを意味する言葉で、「生き生きと行動する様子」をイメージさせます。自分を「突き抜けたバイタリティ」と表現するなら、尋常ではなく行動力がある様子を具体的に伝えなければなりません。

【例文】

私を一言で表すなら「突き抜けたバイタリティ」です。前職の社内コンペでは、ほかの人が1～2個のアイデアを出しているところ、私は10個以上のアイデアを出して周囲を驚かせました。

結果的には1個しか採用されませんでしたが、限界まで挑戦することが自分の成長を後押ししてくれると考えます。御社でも周囲によい影響を与えられるような、仕事のやり方を目指したいです。

努力家をアピールした例文

努力家な人は、何事にも諦めずに取り組んでくれそうなイメージを与えるので、好印象を得やすいといえます。努力家をアピールしたいときに使える言葉と、例文をチェックしましょう。

「最後まで諦めない」

「最後まで諦めない」は、努力家な人がどのような気持ちで物事に取り組んでいるのかを端的に表現した言葉です。最後まで諦めずに、どんな努力をしたのかを伝えましょう。

【例文】

私を一言で表す言葉は「最後まで諦めない」です。前職で製造部品の組み立てをしていたとき、予定していた部品の納入に遅れが出て、期日までの納品が困難な状況になったことがあります。

上司に相談したところ「どうにかして納期を延ばしてもらうから」と言われたのですが、思いつく限りの人々に声をかけ、サポートを得ることに成功しました。

周囲の助けを得られたことで納期に間に合い、最後まで役割を全うできました。御社でも諦めない気持ちを強く持って、仕事に取り組みたいです。

「不屈の心」

「不屈」とは、どんな苦労や困難にも屈しないことを意味する言葉です。自分を一言で「不屈の心」と表せば、強い意志を持って努力している様子を想像してもらえるでしょう。

【例文】

自分を一言で表す言葉は、「不屈の心」です。私は子どもの頃から負けず嫌いで、自分の理想を高く持つことを意識してきました。簡単な道に逃げるよりも、難しいことに挑戦した方が価値があると思っています。

前職で「危険物取扱者乙種第4類」の資格が必要になったとき、基礎知識からの習得が必要でしたが、不屈の心で努力を続けて3回目の試験で合格できました。

正解率が低い部分だけに集中して、勉強を続けたことがよかったのだと思います。どんなに困難だと思える状況でも、努力を続けることと挑戦する心を忘れずにいたいです。

「石の上にも三年」

困難なことでも我慢し続ければ、いつかは目標を達成できることを「石の上にも三年」といいます。努力の継続が大事だという意味がある言葉です。

冷たい石の上に、ずっと座り続けていればいつかは温かくなるという説や、修行のために石の上で座禅を組んでいた僧侶の姿がもとになっているという説があります。

【例文】

私を一言で表すと「石の上にも三年」です。前職で営業をしていたとき、新規開拓がうまくいかず悩んでいたことがありました。

商品の展示会や異業種の交流会などに積極的に参加し、Webサイトやインターネット広告での集客も同時並行しましたが、最初はなかなか芽が出ませんでした。

インバウンド営業に特化した方がよいのではという意見もある中、諦めずにさまざまなアプローチを続けた結果、展示会で興味を持ったお客様からの問い合わせがだんだんと増え始めたのです。

努力を続けた先に結果があると信じ、我慢強く待つことも必要だと考えています。

柔軟性をアピールした例文

柔軟性がある人は打たれ強く、さまざまな状況に対応できる点が魅力です。柔軟性をアピールできる言葉と例文を紹介します。

「臨機応変」

その場に応じた対応をすることを「臨機応変」といいます。どんな事態であっても物事を冷静な目で見つめ、何事にも柔軟に取り組める人を表す言葉として使えるのです。

説得力を持たせてアピールするには、どんなシーンでどのような対応をして乗り切ったのかを伝えましょう。

【例文】

私を一言で表せる言葉は「臨機応変」です。トラブルが起きたとき、慌てても何もよいことはありません。私は仕事の計画を立てるとき、あらかじめ起こり得るトラブルを想定し、複数の方法を考えるようにしています。

前職でプロジェクトの進行中に、想定していなかったトラブルが起きて、チームが騒然としたことがありました。

しかし、私は起こり得るトラブルに対しての解決方法をあらかじめ考えていたので、その中のいくつかを応用して困難を切り抜けたことがあります。

御社で営業職として働く際も、1つのやり方に固執せず、お客様が何を求めているのかを判断して行動していきたいです。

「カメレオンのよう」

「カメレオン」は、環境に合わせて色を変えられる性質を持つ生き物です。その場に応じて必要な色に染まることができる人は、柔軟だといえます。ただし、意志の弱さを感じさせないように注意しましょう。

【例文】

私を一言で表すと「カメレオンのような人」だといえます。私は自分のやり方にこだわりすぎず、周囲の意見を柔軟に取り入れられる性格です。

その場に応じてさまざまな色に染まるので、周囲から見ればまるでカメレオンのように見えることでしょう。

さまざまな意見を受け入れながらも、最もよいと思えるものを選択した後は、迷わずに突き進む強さも持ったカメレオンでいたいと思っています。

「芯のあるこんにゃく」

「こんにゃく」は柔軟性と強さを表現するときに例えとして使えます。「芯のある」を付け足すと頼りない印象を補えるだけでなく、オリジナル性のある回答としてインパクトを与えられるでしょう。

【例文】

私を一言で表すと「芯のあるこんにゃく」です。私は人の意見を柔軟に受け入れながらも、自分の意見も必ず主張するようにしています。

仕事の進め方でトラブルが起きたときも、普段から周囲と意見を交換し合ってきました。

広い視野を持って問題点を見極め、自らが主体となって迅速に問題を解決してきた経験を御社でも生かしたいです。

協調性の高さをアピールした例文

協調性がある人物は、組織の中で活躍できます。チームワークを重視している企業なら、人間関係のトラブルが起きたときに、うまく対処できる能力がある人は評価が高くなる傾向です。協調性の高さをアピールできる言葉と例文を見ていきましょう。

「接着剤」

「接着剤」は、ものとものをくっつける役割を持っています。人と人をつなぐ意味でも使える表現で、使い方次第で協調性の高さをうまくアピールできるはずです。

【例文】

私は人間同士をくっつける「接着剤」だといえます。仕事でもプライベートでも人と仲良くなると、その人と相性がよさそうなほかの人を紹介し、輪を広げていくことが好きです。

人脈を持っていることで、助けられたと感じる出来事が多くありました。人と関わる機会の多い営業職は、天職だと感じています。御社でも、仲間とのつながりを大切にしながら、仕事をしていきたいです。

「組織の潤滑油」

「潤滑油」は、干渉し合う部分に使用し、摩擦を減らして動きを滑らかにするために使います。潤滑油がなければ部品の動きがギクシャクし、その機械が持つ本来のパフォーマンスを生かせなくなってしまうでしょう。

自分を組織の潤滑油と表現すれば、協調性があるとアピールできます。

【例文】

私を一言で表すと「組織の潤滑油」です。前職では営業部と開発部の間で、理解不足により摩擦が生じることがありました。

私は、職場の人間関係が悪いとよい仕事ができないと感じるので、働きやすい環境を作るために、部署間の関係を取り持つための交流会を度々主催しました。

気持ちよく働くには仲間との相互理解が重要だと考えます。御社でも、周囲にいる人々と積極的に交流していきたいです。

「バイプレイヤー」

「バイプレイヤー」は、ドラマや演劇などの「脇役」を意味する言葉です。誰もが主役だと思い、主張が強すぎるとチームがうまく機能しません。

脇役は主役を輝かせる役割を持つので、協調性をアピールしたいときに使えます。組織には、あえて脇役になりサポートに徹する人も必要です。

【例文】

私を一言で表す言葉は「バイプレイヤー」です。前職では営業事務をしていたので、営業職をサポートすることを第一に考えて行動していました。営業担当者ごとの特徴や仕事の仕方に合わせた情報提供や、顧客対応の補助に入った結果、成約率増加につながったのです。

御社でも自分に必要な役割を見つけて、活躍したいです。

やる気・明るさをアピールした例文

仕事に対して無気力で、いつも暗い人を採用したいと思う企業はありません。やる気・明るさが持ち味の人に、おすすめな言葉と例文を紹介します。

「応援団長」

「応援団長」は、応援団を率いる立場の人で、ほかの団員を統率する役割があります。自分を応援団長に例えると、やる気・明るさをアピールできるはずです。

【例文】

私を一言で表すなら「応援団長」です。私は人を明るい気持ちにさせたり、やる気を後押ししたりすることが得意で、仕事がうまくいかない状況になったときも暗い顔はしません。

具体的には、自分の仕事を早く終えたときは周囲に声をかけて、手伝えることがないか積極的に申し出るようにしています。御社でも周囲によい影響を与え、お互いに助け合える関係を築けるような働き方をしたいです。

「ひまわりのような」

「ひまわり」は、明るい印象がある花として知られています。「ひまわりのような○○」という例えで使われることも多い言葉です。

【例文】

私を一言で表すなら「ひまわりのような人物」です。私は子どもの頃から性格が明るく、周囲の人からひまわりのようだと言われてきました。

褒められるとうれしく、より明るい気持ちになれるので、お調子者な面もあるかもしれません。職場の仲間が暗いムードになっていると、明るい空気にしようとして、ついつまらない冗談を言ってしまうこともあります。

御社でもチームのムードメーカーとして、周囲を明るくしたいです。

「ハングリー精神」

「ハングリー」は「飢えている状態」を意味する英語です。ハングリー精神は、物事を達成する意思を強く持っている人に対して使用します。目標に対し、貪欲に向かっていく様子を表現したいときに使える言葉です。

【例文】

私を一言で表すなら「ハングリー精神の持ち主」です。私は「自分を頼りにしてほしい」「人の助けになりたい」という気持ちが人一倍強く、人から頼まれるとやる気が湧いてきます。

前職で社内表彰されたとき、自分の仕事ぶりが認められたことは非常にうれしかったのですが、自分が立てた目標はクリアできていなかったので、悔しい気持ちが湧きました。

御社でも現状に満足せず向上心を持って仕事に取り組み、業績に貢献したいです。

真面目・几帳面をアピールした例文

真面目な人や几帳面な人は、きちんとした仕事をしてくれそうなイメージを与えます。真面目さ・几帳面さを思わせる言葉と、例文を見ていきましょう。

「今日は二度とやってこない」

「今日は二度とやってこない」という考え方からは、後悔するような生き方はしたくないと考える真面目な人物像が見えてきます。

【例文】

私を一言で表す言葉は「今日は二度とやってこない」です。何もせずに後悔するよりも、その日に何を成し遂げるべきかを明確にして行動するようにしています。

仕事で結果を出すために週ごとの目標を手帳に書き込んで、毎朝確認することを忘れません。御社でも限られた時間でタスクをバランスよくこなしていけるよう、目標を持って取り組んでいきたいです。

「人間電波時計」

「電波時計」は、電波局から発信される正確な時刻情報を受信し、常に正確な時間を刻めるようにしてある時計のことです。几帳面な性格を表したいときに使えます。

【例文】

私を一言で言い表すなら「人間電波時計」です。私はスケジュールを立てて予定通りに行動することが得意で、ミスを防ぐために無理のない計画を立てるようにしています。

難しい仕事をするときほど、綿密な計画を立てることが大事だと感じ、行動してきました。御社でも自己管理を怠らずに、几帳面な仕事を意識していきたいです。

「地道な作業もこつこつと」

地道な作業に取り組める人は、真面目な人だといえます。派手な仕事だけをしたがる人もいますが、組織に属するからには目立たない部分に力を注ぐことも必要です。

【例文】

私を一言で表すと「地道な作業もこつこつと」です。大きな仕事を成し遂げるには、裏方の作業にも力を入れなければならないと思っています。私は単純作業であっても、地道にこなしていける粘り強さが自慢です。

前職で商品の配送ミスが起こったときも、通常業務の合間を縫って1件ずつ丁寧に対応することを心掛けました。誰も見ていないところでも、手を抜かない仕事をしていきたいです。