転職の履歴書はパソコンで作成してもOK?ポイントや注意点も解説

転職活動の際には、企業に合わせた履歴書を作成します。複数の企業に応募する場合、効率を考えてパソコンで作成したいと考える人もいるでしょう。パソコンでの履歴書作成に問題はないのかや、パソコン作成のメリット、注意点も解説します。

履歴書作成はパソコンでOK?

パソコンを打つ女性の手元

(出典) photo-ac.com

履歴書を書く場合、パソコンで作ってもよいのでしょうか?パソコン作成の履歴書が一般的にどう捉えられるのか、解説します。

指定がない限り、方法は自由に選択可能

履歴書の書き方は、基本的に本人の自由です。企業側から手書きの指定がない限り、パソコンでも作成できます。

企業や採用担当者によって受け止め方はさまざまですが、転職でマイナス評価になる可能性は低いでしょう。新卒採用では手書きを重視する企業でも、転職では履歴書の書き方より実績・スキルの評価割合が高いものです。

どちらで作成するか迷った場合は、指定の有無を確認します。パソコンでの作成が問題なければ、名前や職歴など同じ部分は使い回しができるため、転職活動の準備がスムーズに進むでしょう。

作成用スマホアプリも登場

履歴書作成ができるスマホアプリを使うと、スマホだけで履歴書作成が可能です。外出中や仕事の隙間時間を活用し、履歴書を作れます。

自宅のプリンターとスマホをWi-Fiでつなぐネットプリントや、コンビニ印刷にも対応し、スマホからの印刷も問題ありません。

スマホ操作とパソコン操作のどちらに慣れているかにもよりますが、アプリをインストールしておけば気軽に履歴書を作成できるでしょう。手書きのように履歴書を購入する必要がなくなり、コストも削減できます。

履歴書をパソコンで作成するメリット

パソコンを打つスーツの男性

(出典) photo-ac.com

履歴書をパソコンで作成するメリットは、いくつかあります。手書きの履歴書に不安がある人や、手間をかけたくないときに最適です。主なメリットを見ていきましょう。

字に自信がない人も見栄えよく作成できる

パソコンで作った履歴書は、誰が作っても美しく仕上がります。手書きの字に自信がなくても、履歴書のフォーマットに文字を入力していくだけで、簡単にきれいな書類を作れるでしょう。

また、パソコンで作成すると、フォントや文字間などを調節できるため、読みやすく仕上がるのも魅力です。文字の美しさだけでなく、適切なサイズで真っ直ぐ整ったレイアウトに仕上がります。

手書きで美しい履歴書を書こうとすると一定の時間がかかりますが、パソコンでは入力スキルがあれば時短も可能です。

手軽に複製や修正が可能

パソコンで履歴書を作成すると、保存したデータから簡単に複製ができます。修正が必要なときも、パソコンでの作成であればすぐに直せて便利です。

手書きで履歴書を書くと、使い回しはできません。名前や職歴など同じ部分はありますが、提出日や企業に合わせた自己PRなど変更が必要な部分が多いためです。また、字を間違ってしまった場合、全て書き直しになってしまいます。

できるだけスピーディーに履歴書作成を終わらせたい場合は、パソコンでの作成が向いているでしょう。使い回しができない部分だけデータを差し替え、複数の企業に応募もできます。

パソコン操作スキルをアピールできる

パソコンで履歴書を作成すると、データ入力やレイアウト設定など一定のパソコンスキルをアピールできます。効率性を意識している企業では、スマートな印象も与えられるでしょう。

ただし、履歴書をパソコン作成することで伝えられるスキルは、パソコンでスムーズに文字が入力できる程度です。パソコンで作成したからといって、高い評価を得るわけではありません。

あくまでも、効率を意識する性格や基礎スキルを伝える程度と考えておきましょう。デザイン系業務を除き、履歴書のデザインにこだわって自分で作成しても、気付いてもらえない可能性もあります。

履歴書をパソコンで作成するコツ

タイピングしている手元

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履歴書をパソコンで作成するには、どんなポイントに気を付ければよいのでしょうか?フォーマットの選び方や、適切なフォントについて解説します。

自己PRしやすいフォーマットを選択

パソコンで履歴書を作成する場合、既存のフォーマットから使いやすいものを選べます。Webサイトで公開されているものの中から、好きなものを選んで使用しましょう。

項目や枠のサイズはフォーマットによって変わるため、必要な項目を備えているかがポイントです。

例えば、保有資格が多いときは、保有資格・スキル欄のサイズをチェックします。自己PR欄が広く取られているものは、アピールがしやすいはずです。

また、職歴が多いときは、職歴欄の行数も重要になるでしょう。何をアピールしたいのかを考え、特に伝えたいポイントが目立つデザインを選ぶのがおすすめです。

書く内容が少ないときは、空白が目立たないようB5サイズを選ぶことも検討しましょう。

読みやすい文字サイズやフォントを使う

履歴書の文字サイズやフォントは、読みやすさを意識しましょう。フォントは「明朝体」または「ゴシック体」が一般的です。

太字・色変更・マーカーなどの装飾は避け、黒一色で作成します。パソコンで資料作成をするときとは違い、重要書類と考えて余計な装飾をしないことが基本です。

文字の大きさは、氏名欄など大きくした方が読みやすいものを除き、統一しましょう。履歴書のフォーマットにもよりますが、10pt前後が目安です。Wordでビジネス書類を作成するときの文字サイズを心掛けましょう。

テンプレートを活用する

パソコンで履歴書を作成するときは、Webサイトで公開されているテンプレートを使うと便利です。レイアウト作成の必要がなく、項目を埋めるだけで完成します。

履歴書をデータで提出することも考え、履歴書のテンプレートは「Word」または「Excel」で作られたものを選びましょう。多くの企業が対応しているビジネスソフトを使うことで、レイアウト崩れやデータが開けないなどのトラブルを防げます。

また、PDFに変換した上で提出すれば、文字化けや環境の違いによる閲覧トラブルも予防できるでしょう。自分で印刷する場合も、PDF変換後に印刷するとレイアウトが崩れずに済みます。

なお、提出のフォーマットやデータの拡張子に指定があるときは、企業の指示に従いましょう。

証明写真は現物を用意する

履歴書には、証明写真を添付する欄があります。履歴書の作成から提出までWeb上で完結する場合は画像取り込みで問題ありませんが、印刷して紙の履歴書を提出するときは現物の証明写真を貼り付けましょう。

また、応募先の印刷環境によっては画質が悪くなることもあるので、画像での提出はおすすめできません。企業によっては、マイナスイメージを与える可能性もあります。

企業から指示がない限り、写真は必要な枚数を準備し、履歴書に貼り付けるようにしましょう。

履歴書をパソコンで作成する注意点

パソコンを前に考えている女性

(出典) photo-ac.com

パソコンで作った履歴書を提出することで、何か問題は起きるのでしょうか?企業の考え方や、提出する側のミスで起きるトラブルには注意が必要です。主なケースを見てみましょう。

企業によっては評価が低くなる可能性も

企業によっては、手書きの履歴書を推奨しているケースがあります。企業全体ではなく、採用担当者の考え方によることもあるでしょう。

近年ではパソコンで書類を作成する機会も増え、多くの企業は手書きとパソコンどちらでも問題ないと考えています。

履歴書は、作成方法よりも内容が大切です。悩んだときは、一般的な手書きの履歴書を選びましょう。

ただし、IT関係やベンチャー企業など、パソコンスキルや効率性を意識する企業は、パソコン作成の履歴書を好む傾向があります。企業研究をしっかりしておけば、どちらが適切なのかも判断しやすいでしょう。

手書きで作成した方がよい企業や業種

中には、履歴書を手書きで作成した方がよい企業や業種もあります。

よくあるケースとしては、伝統的な産業の企業や歴史の長い企業です。履歴書を手書きで書くのは当然と考えられていた時代もあり、手書きで丁寧に書かれた履歴書をよしとする考え方もあります。

また、採用担当者の年齢層が上がるにつれて、「履歴書は手書きで書くもの」と考える人の割合が増えるでしょう。企業の平均年齢をチェックしてみると、判断の基準になるかもしれません。

そのほか、事務職など業務内容に手書きで手紙や書類を作成する仕事がある場合は、手書きの文字が採用の判断に影響します。美しい文字をアピールしたいときは、手書きが最適です。業務内容や企業の雰囲気で、どちらを選ぶか考えましょう。

誤字や文字化けに注意する

パソコンで作成の場合、手書きでは考えにくい間違いが起きることがあります。漢字変換やタイプミスは、評価を下げる一因です。

業務内容によっては、小さなミスが許されないものもあります。仕事でもミスが多いのではないかと受け止められると、印象はよくありません。わずかなミスで不採用となる可能性は低いかもしれませんが、誤字脱字には注意しましょう。

また、自分ではミスをしていないつもりでも、文字化けが起きる可能性もあります。企業側がデータを開いたときや、印刷時に文字化けが起きると、内容が判別できません。

パソコンのバージョンやソフトにより、それぞれ環境が異なることが、文字化けの主な原因です。特に旧字体や環境依存文字は、文字化けしやすいため使用を控え、印刷後はミスがないか全体を確認しましょう。

誤提出や修正漏れのリスクがある

保存したデータを使い回せることが、パソコン作成の大きなメリットです。

しかし、データでの提出の場合、別の会社向けのものや編集途中のものを、誤って送ってしまう恐れがあります。複数のファイルをパソコンに保存しているときは、選び間違いに注意しましょう。

また、志望理由や自己PRをそれぞれの会社向けに変更したつもりが、修正できていなかったというトラブルも考えられます。簡単に複製できるからこそ、見直しが重要です。

履歴書はパソコンで効率的に作成しよう!

パソコンに向かってタイピングしている男性

(出典) photo-ac.com

転職活動には、履歴書作成が必須です。効率的に作成したいなら、パソコンを活用しましょう。

履歴書を作成する前に、応募先企業で履歴書のフォーマットが決まっているか確認が必要です。パソコン作成の履歴書でも問題ない企業が多いですが、企業や業種によっては手書きが好まれます。

パソコンでの作成は、文字のきれいさやレイアウトを気にすることなく、修正も簡単にできることがメリットです。効率的に履歴書を作成し、転職活動をスムーズに進めましょう。