転職活動において、履歴書は切っても切れないツールです。作成はやや面倒くさいものでもあります。何社も応募する場合にはコピーでもよいのではないかと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、答えはNOです。
履歴書のコピーがNGである理由や、知っておきたい履歴書のマナーを押さえておくことは、書類選考突破に欠かせません。基本情報とその理由、書類選考突破を左右するポイントを押さえて、効率の良い転職活動へとつなげましょう。
この記事のポイント
- ・履歴書のコピーは基本NG
- 履歴書は使い回すのではなく、応募企業ごとに準備しなければなりません。
- ・自分用のコピーはOK
- 企業への送付用ではなく、面接対策用や保存用にコピーするのも有効です。
- ・基本的には手書きもパソコン作成もOK
- 応募企業の体質やメリット・デメリットを比較して、手書きにするかパソコン作成にするか決めます。
履歴書はコピーしてもよい?

転職活動で提出する書類には、記入の仕方や取り扱いにさまざまなルールやマナーがあります。ケースごとにやり方が変わることも少なくありません。履歴書もその1つです。
まずは大枠で「OKなのか、NGなのか」を認識しておくと、迷った場合の判断がしやすくなります。履歴書のコピーについても、基本情報を整理しておきましょう。
基本的にはNGと覚えておこう
履歴書のコピーで迷った場合には、「基本はNG」と覚えておくとよいでしょう。履歴書は、面接で会ってみたい人かどうかを採用担当者が判断する、重要かつ数少ない材料です。第一印象に影響を与えることさえあります。
企業の採用担当者は数多くの履歴書を見てきているため、コピーしている履歴書は一目で分かります。どの企業にも使えるコピーであることが分かれば、「この企業で働きたい」という熱量が感じられないと判断されても仕方がありません。
著作権の問題もあります。市販の履歴書には著作権や商標権があるため、白紙であったとしてもコピーは厳禁です。社会人としての常識がないと見なされかねません。
パソコン作成なら一部のコピーはOK
履歴書を準備する際に注意したいのは、「どの企業でも使い回しできる、当たり障りのない履歴書にならないようにする」という点です。
企業研究をしっかりと行い、その企業の求める人材や強みにマッチするアピールポイントを押さえておくことが、書類審査突破の重要なポイントになります。
志望動機や資格、特技、長所、転職に希望することなどを記入する項目は、応募する企業ごとに書き換えるのが基本です。
一方、住所や学歴、職歴などはどの企業に送る履歴書にも同じ内容を記入することになります。パソコンで履歴書を作成する場合には、内容をコピーして使うこともできるでしょう。ひな型として作成しておくことも問題ありません。
履歴書のコピーがNGな理由

履歴書のコピー使用は「基本NG」だと分かったところで、なぜNGなのか、その理由を詳しく考えてみましょう。
マナーやルールには例外があります。あるケースではNGなのに、別のケースでは許されるということも少なくありません。とはいえ、「自分のケースでは例外だろう」と安易に判断するのは危険です。
履歴書のコピーが「基本NG」の理由が分かっていれば、自分のケースではOKなのかNGなのか、自信を持って判断できるでしょう。
応募先に入社意欲が伝わらない
履歴書は、内容はもちろん、書き方や送り方など全てが応募者の人となりを見る判断材料にされます。
コピーした履歴書が送られてくると、「履歴書を使い回しても平気な人」つまり、「さまざまな企業にとりあえず履歴書を送っている人」と判断されるかもしれません。履歴書の作成を「面倒くさい」と考えている人をイメージされてしまうこともあるでしょう。
「この企業でぜひとも働きたい」という意欲が感じられないだけでなく、転職そのものにも前のめりになれない人物像を印象付けてしまうことにもなります。
志望動機など文章部分に齟齬が出る
同じ業界、同じような商品を取り扱う企業だから大丈夫だろうと、以前使った履歴書をコピーして送ってしまうと、内容に齟齬が生じる可能性があります。
似たようなビジネスを行う企業であっても、企業理念や風土、求める人物像まで同じということはありません。他の企業向けに作った履歴書を別の企業に使い回すと、その違いが所々に浮き出てくるため、矛盾が生じることもあります。
違いが出ないよう注意して、どの企業にも使える無難な履歴書を作成してコピーすればよいと思うかもしれませんが、これも賢い方法ではありません。
どこにでも使える履歴書は、どこにも刺さらない履歴書になってしまうからです。書類審査を突破するのが、より難しくなってしまいます。
悪目立ちをする可能性もある
履歴書は応募者をふるい分ける最初の作業で使われます。採用担当者の目に留まり、次のステップに進みたいと願う転職希望者は、応募企業用に考え抜かれた履歴書を作成するのが一般的です。
ほとんどの人は転職を成功させたいという意欲を持って履歴書を送っているため、コピーはまずないと考えてよいでしょう。そこにコピーした履歴書が送られてくると、かえって目立つことになります。
コンビニなどでコピーする場合には、紙質を選べません。履歴書用には0.1~0.2mmとやや厚手の上質紙を使うのがマナーです。一人だけペラペラの紙にコピーした履歴書となると、悪目立ちしてしまう恐れもあります。
自分用にコピーするのはおすすめ

応募書類として企業に送る際の履歴書は、コピーしないのが正解です。しかし、自分用には履歴書をコピーすることでプラス利用できます。
ここでは面接用に使うケース、新たな履歴書を作成する際のたたき台として利用するケースという2つの利用方法について見てみましょう。
面接対策がしやすい
履歴書は、応募企業のビジネスや企業理念、求める人物像などを理解していることが分かる内容で作成します。
面接では、志望動機や自己PRなどに関する質問で、そこをさらに深掘りされるでしょう。その際、履歴書の内容と矛盾がないようにしなければなりません。履歴書のコピーを残しておけば、質問にどう答えればよいか、準備もしやすくなります。
いくつかの企業への面接準備を同時に進めている状況では、内容が混ざらないよう確認する上でも役立ちます。面接会場に履歴書のコピーを持参して、直前に振り返ることもできるでしょう。
なお、自分用であれば、市販の履歴書をコピーしても著作権法第30条の私的使用目的の複製として認められています。
新しい履歴書作成時に便利
新たな履歴書を作成する際に以前作った履歴書のコピーを参考にすれば、間違いを防いだり、より良い内容へとブラッシュアップしたりする上で役立ちます。
学歴や職歴などの対応年度を一から計算し直す必要はありません。以前の履歴書をひな型として書き写していけば、時間短縮になるだけでなく、数字を間違えるリスクも減らせます。もちろん、以前の履歴書に間違いがないか確認することは重要です。
志望動機や自己PRはそのまま使えませんが、自分の強みをアピールするエピソードや分かりやすい表現など、参考にできます。以前の履歴書の内容を分析して、もっと刺さる内容はないか、考え直す材料にすることもできるでしょう。
履歴書は手書き・パソコンのどちらがよい?

以前は履歴書というと、市販の履歴書に手書きというのが一般的でした。最近はパソコンでも作成でき、インターネット上には無料のテンプレートも多く見かけます。
熱意を示すためには手書きがよいのか、パソコンの方が「仕事ができる感」があるのか、と迷ってしまうこともあるでしょう。履歴書は手書きとパソコンのどちらがふさわしいのか、見分けるポイントを解説します。
基本的にはどちらでもOK
ルール、またはマナーとしては、基本的に手書きでもパソコンでもどちらでもOKです。ただし、企業がパソコン、または手書きを指定する場合にはそれに従いましょう。指定された方法を無視して応募すると、受け付けてもらえない可能性もあります。
履歴書で最も重要なのは、その内容です。そのため、「手書きだから」「パソコンだから」という理由で合否が大きく変わることはありません。
もちろん、読みづらい字になったりインク汚れが付いたりしないよう、仕上がりには注意が必要です。
手書きの履歴書が好まれるケース
手書きで履歴書を作成することがプラスに評価されるケースもあります。手書きはパソコンに比べて時間や手間がかかるため、労力を惜しまない実直な姿勢であるとプラス評価されるかもしれません。
手書きの業務がある職場や業界では、きれいな字であることはもちろん、丁寧に書ける人であることを評価ポイントにしているケースもあります。
銀行や教育業界など、やや保守的で伝統的な価値観が色濃く残っている企業では、手書きの方が好まれる傾向にあるようです。
パソコン作成の履歴書が好まれるケース
一方で、パソコン作成の方が好まれるケースもあります。例えば、応募者の多い企業に履歴書を送るケースです。大量の履歴書を確認する際、癖のある字や読みづらい字の履歴書があると、採用担当者を困らせてしまう可能性もあります。
業務にパソコンを使う職種の場合には、パソコンで作成する方がアピールになります。IT系企業や外資系企業、建設業界や自動車業界など、効率を重視する業界や企業ではパソコン作成が主流となっています。
履歴書のデータ送付を求められる場合もあるでしょう。この場合には、画面上でも確認しやすいパソコン作成の方がベターです。
手書きするメリット・デメリット

履歴書の作成は、基本的には手書きでもパソコンでも構いません。どちらにするか選ぶ際には、それぞれのメリット・デメリットを比較してみるとよいでしょう。まずは手書きのメリット・デメリットについて解説します。
【メリット】熱意が伝わりやすい
手書き作成のメリットとして最初に挙げられるのは、熱意が伝わりやすいという点です。手書き作成には時間も手間もかかります。一字一字思いを込めて記入した履歴書からは、転職を何としてでも成功させたいという意欲が伝わります。
字に自信がある人にとっては、アピールする絶好のチャンスにもなるでしょう。丁寧さ、真面目さ、実直さなどの人柄が字からにじみ出ることもあります。
【デメリット】手間がかかる
デメリットは時間と手間がかかることです。正確で丁寧な履歴書にしようとすれば、記入するだけでも時間がかかります。間違いがないか確認しながら、文字通り「一字一字」書いていくことになるでしょう。
手書き書類は黒のボールペンで記入するのがマナーです。間違えないためには、お手本を横に置いて書き写すか、鉛筆で下書きしてから記入するかになります。下書きした場合には、鉛筆の跡をきれいに消しておかなければなりません。
修正液や修正テープの使用はNGです。二重線での訂正もできません。書き間違いに気付いたら、新しい履歴書に一から書き直すことになります。
パソコンで作るメリット・デメリット

次にパソコン作成のメリット・デメリットを紹介します。パソコンを使用する職場は年々増えてきました。
業務自体にはパソコンが必要ない職業でも、業務管理や記録、申し送りなどでパソコンを使うようになっているため、基本操作スキルはアピール要素の1つといえるかもしれません。
ここで解説するメリット・デメリットをしっかりと確認して、履歴書のパソコン作成をアピールに生かせるかどうか判断しましょう。
【メリット】効率的に作成できる
パソコンを使うと、履歴書作成を効率的に進められます。住所や学歴、職歴など、どの企業にも共通して利用できる項目を入力したひな型を作っておけば、作成のおよそ半分は出来上がった状態です。
修正も簡単で、作り直す時間や手間が手書きに比べるとかなり少なくなります。応募企業の名前で保存しておけば、面接などのために利用する際にもすぐに見つけられます。
新たな履歴書を作成する際にも、骨子を変えずに応募企業に合わせた修正だけすればよい場合には、よりスピーディーです。
字が上手か下手かを意識する必要もありません。くせ字で採用担当者を困らせることもないでしょう。
【デメリット】ケアレスミスに気付きにくい
パソコンで作成した履歴書は体裁が整っているため、きれいにまとまっている印象が持たれやすくなります。そのことが小さなミスに気付きにくい要因になることがあります。
パソコンで作成した文章では、漢字の予測変換で誤字が発生することも少なくありません。手書きでは絶対に思いつかないような予測変換もあります。丁寧にチェックせずに誤字のまま提出すると、かえってマイナスの印象を与えてしまうことになるでしょう。
以前作成した履歴書を修正して新たな履歴書を作成する場合には、古い日付や会社名をうっかり残してしまうこともあります。文章全てを改めて確認することが必要です。
パソコンで作成する場合は、個性や人柄を伝えることが難しいというデメリットもあります。フォントやフォーマットを工夫することはできますが、他の応募者と大きく異なるということにはならないでしょう。
履歴書をパソコンで作る場合のポイント

履歴書をパソコンで作成する上では、いくつか押さえておきたいポイントがあります。もちろん重要なのは履歴書の内容です。しかし、ちょっとした選択ミスで、マイナスの印象を与えてしまうこともあります。
作成スキルのせいで、せっかくのアピールポイントが伝わらないということにならないようにしましょう。
状況に合わせたテンプレートを使用する
パソコンで履歴書を作成する場合には、インターネット上で手に入れられるテンプレートを利用するのが一般的です。テンプレートには正社員用、派遣用、アルバイト・パート用とさまざまなタイプがあるため、自分に合ったテンプレートかどうかを確認しましょう。
正社員の転職でうっかりアルバイト向けのテンプレートを使ってしまうと、書くべき項目が存在せず、アピールできないということにもなりかねません。
さらに、テンプレートの内容にもチェックが必要です。転職でアピールしたいのは、これまで社会で培ってきたスキルや経験、実績などです。新卒向けの履歴書では、こういった内容を書く項目が極端に少ないものもあります。
しっかりとアピールできるよう、自己PRや特技欄などが十分あるテンプレートを見つけましょう。
文字フォント・サイズを統一してシンプルに
履歴書をパソコン作成する大きなメリットは、体裁の良さです。とはいえ、文字フォントや文字サイズ、行間隔などが頻繁に変わっていると、読みにくく感じてしまいます。読みやすい体裁に仕上げるためにも、文字フォントやサイズを統一するようにしましょう。
履歴書はビジネスマナーを判断する材料にもなります。文字フォントはビジネスシーンで使われる「明朝体」を選びましょう。
文字サイズは、小さ過ぎても大き過ぎても読みにくくなります。10.5~11ポイントくらいがベストです。強調したいことがあるとしても、文字サイズは変えません。色付けや太字など余計な装飾もしないようにしましょう。
誤字脱字・コピペの間違いをチェックする
履歴書をパソコンで作成する場合には、記入の時間や手間を大幅にカットできます。その分、誤字脱字やコピペミスなどのチェックにはしっかりと時間をかけましょう。
チェックしていると、以前すでに使った履歴書にミスがあることに気付くこともあります。氏名や住所、学歴や職歴などの共通項目も、新たに作成するたびに確認するようにしましょう。
チェックは目視だけでなく、声に出して読み上げるとミスに気付きやすくなります。上から順に読み上げた後、下から逆に読み上げていくのもおすすめです。Wordには校閲機能があります。Wordで作成する場合にはぜひ利用しましょう。
履歴書を印刷するときのポイント

履歴書をパソコンで作成した後、企業に郵送または持参するためには印刷しなければなりません。
コンビニ印刷も可能ですが、プリンターが自宅にある、プリンターを友人に借りられるといった環境がベストです。その際にも、いくつか注意しておきたいポイントがあります。詳細を確認しておきましょう。
証明写真は印刷後に履歴書に貼る
郵送または持参する履歴書の顔写真は、写真そのものを貼り付けなければなりません。コピーは厳禁、画像データを貼り付けたパソコン上の履歴書を印刷するのもNGです。
印刷する際には、まず写真なしの履歴書を印刷し、その後印刷した履歴書に写真を貼り付けます。メール送付の場合とは別になるため、印刷用とメール送付用の2パターンで保存しておくとよいでしょう。
メール送付用は、画像データをパソコン上の履歴書に貼り付けます。サイズには注意してください。推奨サイズは「タテ4:ヨコ3」です。
メール送付用の顔写真は、スマホ撮影も可能ですが、写真館などで撮影してデータとして受け取るという方法もあります。どちらにしろ、高画質であることが条件です。画像データの解像度は300dpiを目安にしましょう。データ形式はJPEGかPNGです。
セットする前にプリンターをきれいにする
履歴書を印刷する前に、まずはプリンターの状態を確認しましょう。クリーニング機能を使ってプリンターヘッドを掃除しておくと、インクのにじみや線状のしみを防げます。
用紙をセットする際には、ほこりが入っていないかチェックします。用紙が反り返っていると紙詰まりの原因になるため、新しい用紙に取り換えましょう。
印刷後にインク汚れがつかないように注意します。印刷前の用紙や印刷後の履歴書を触る手に汚れがないようにしておくことも重要です。
コンビニで印刷する方法もあり
印刷環境がない場合には、コンビニのプリントサービスを利用することもできます。ただし、コンビニのプリンターにセットされている用紙は、履歴書に推奨されるものよりも薄いことがほとんどです。
持ち込めるケースもゼロではありません。まずは利用するコンビニに用紙の持ち込みができるかどうか尋ねてみましょう。
コンビニ印刷には2種類の方法があります。1つ目は、事前にネット登録しておいたデータを印刷する方法です。
さまざまなファイル形式に対応しているため、WordやExcelからそのまま印刷することもできます。ファイルの保管期間が設定されているため、注意しましょう。
2つ目は、コンビニにスマホやUSBメモリ、SDカードなどを持ち込み、直接印刷する方法です。PDF以外のファイル形式では印刷できないことを覚えておきましょう。料金はネットサービスよりも安価です。
履歴書はコピーをしないで丁寧に仕上げよう

履歴書のコピーは基本的にNGです。履歴書は使い回すのではなく、応募企業に合わせた内容に修正し、企業理解や転職への熱意を示すことで書類審査突破を目指しましょう。
面接対策用や基本情報のひな型として保存用にコピーするのはOKです。履歴書をブラッシュアップする際など上手に活用しましょう。
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