履歴書をメールで送る方法を解説。作成や添付の方法、ファイル名は?

履歴書をメールで送るように指示された場合は、マナーを守ってファイルを添付し、失礼のない件名と文面で送ることが大切です。使用するメールアドレス自体にも気を配る必要があります。パソコンを持っていない場合の対処法についても確認しましょう。

履歴書を添付する際の注意点

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メールで履歴書を送る際は、履歴書ファイルの添付方法に注意が必要です。ビジネスメールにふさわしい添付方法について解説します。

PDF形式で添付する

履歴書はPDF形式で添付するのがベストです。PDFファイルはパソコンのOSが異なっても、レイアウトが崩れたり文字化けが起こったりしません。採用担当者が履歴書をチェックする際に、誤って内容を編集してしまう恐れもありません。

応募先企業から履歴書のファイル形式について指定がある場合は、指示に従うといいでしょう。応募先によってはWordやExcelでの提出が認められるケースもあります。

ただしソフトをインストールしていないと基本的に開けないほか、不具合が生じる可能性もある点について理解しておきましょう。

分かりやすいファイル名をつける

採用担当者は、数多くの応募者からのメールや履歴書をチェックします。採用担当者の負担を減らし、好印象を与えるためにも、添付する履歴書には分かりやすいファイル名をつけましょう。ファイルを開かなくても中身がわかる名前をつける必要があります。

履歴書のファイル名には、日付と「履歴書」という言葉、氏名を入れるといいでしょう。日付はメールの送信日で、2022年1月1日なら「20220101」と入力します。日付と「履歴書」、氏名はそれぞれアンダーバーでつなぎ、「20220101_履歴書_氏名」とします。

履歴書はパスワードで保護する

履歴書には氏名や年齢に加えて、住所や電話番号などの個人情報が含まれます。セキュリティが気になる方は、パスワードを設定してファイルを保護しましょう。

複数の企業に応募している場合は、企業ごとに自己PRや志望動機を変えていると思いますので、添付する履歴書に他の企業への志望動機などが残っていないか気をつけましょう。

履歴書とパスワードは別々に送る

履歴書にパスワードをかけても、履歴書とパスワードを1通のメールで送っては意味がありません。履歴書を添付したメールを送信した後に、別のメールでパスワードを送るのが必須です。

1通目のメールに、履歴書をパスワードで保護していることを記載します。パスワードを記載したメールを別に送る旨も伝えましょう。2通目のメールでパスワードを送ります。

データの履歴書を作成する方法

デスクの上のパソコン

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メールに添付して履歴書を送る際、履歴書はデータで作成するのが基本です。データの履歴書を作成する方法について解説するほか、つまずきやすいポイントについても触れます。

テンプレートや履歴書作成サイトを利用

履歴書をデータで作成する場合は、Web上にある無料テンプレートを利用すると便利です。WordやExcel形式のテンプレートがたくさんあり、手書きの履歴書と同じように欄を埋めていけば作成できるため使い勝手がいいでしょう。

履歴書の作成に特化した、無料のサイトやアプリを使うのも一つの手です。最初から履歴書の形になっているものだけでなく、表示される項目を順番に埋めていくことで最終的に履歴書として完成するものもあります。

「PDF形式での出力に対応しているか」「コンビニでの印刷が簡単にできるか」も考慮してサービスを選びましょう。

履歴書に写真を添付する

証明写真を履歴書の貼付欄に挿入し、履歴書として完成させてから提出する必要があります。履歴書とは別に証明写真をメールに添付するのはマナー違反です。履歴書内に顔写真がないと、書類不備とみなされる恐れがあります。

証明写真は、縦横の比率を4:3にするのが一般的です。縦560pixel×横420pixel、あるいは縦600pixel×横450pixelのサイズがおすすめです。

履歴書の証明写真は、採用担当者に大きな印象を与える重要なポイントです。表情や背景が暗いと印象が悪くなります。

好印象を残して採用につなげるためには、プロのカメラマンに証明写真を撮ってもらうのがいいでしょう。自分のスマホで撮影する際も、過度な加工は控え、証明写真にふさわしい顔写真に仕上げます。

パスワードを設定する場合

履歴書のファイルにパスワードをかける方法は、パソコンに搭載されているOSの種類や履歴書の作成方法によって異なります。手順を知っていれば簡単にファイルを保護できます。

Wordでは、ファイルに名前を付けてPDFとして保存する際に、「オプション」からパスワードを設定できます。「ドキュメントをパスワードで暗号化する」にチェックを入れると、保存の際にパスワードの入力が求められます。

PDFファイルとして保存してから、パスワードを設定する方法もあります。Windowsの場合は履歴書のファイルをzipファイルに圧縮するときに、パスワードの設定が可能です。

Macでは履歴書のPDFファイルをプレビューで開き、「ファイル」の「書き出す」からアクセス権を設定して書類を保護できます。

メールで履歴書を送るときのポイント

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履歴書をメールに添付して送る際は、メールの件名や本文の体裁を整えるのも重要な点です。履歴書を送るメールの、件名や本文の書き方について解説します。

件名は簡潔に分かりやすく

件名は分かりやすさと簡潔さが重要です。ひと目で本文の内容が分かるように、具体的な用件を短い言葉で表します。

氏名も添えるのを忘れないようにしましょう。例えば「〇〇職応募の件/履歴書の送付【氏名】」とすると、履歴書を添付したメールであることが分かります。

言葉が足りず件名を見ただけで用件が伝わらないと、採用担当者がメールを見落としたり迷惑メールとして処分されたりする可能性があります。冗長な件名や意気込みを書いた件名も同様です。

本文は4つの構成を意識する

メールの本文は宛名・挨拶・用件・締めの言葉の4つから構成されます。履歴書の内容がメインなので、本文に自己アピールや志望動機を書く必要はありません。余分な内容は盛り込まず、簡潔な内容にするのが好ましいでしょう。

まず宛名では、応募先の企業名と部署名および担当者名を書きます。社名や部署名は省略してはいけません。担当者名が不明な場合は「採用ご担当者様」とするのがいいでしょう。

次に簡単な挨拶を入れて、端的に自己紹介をします。履歴書の送付のためにメールを送ったことを伝え、締めの言葉で終わります。ファイルにパスワードをかけた場合は、別のメールで送ることも忘れないようにしましょう。

署名も忘れずに

本文の後には署名を入れましょう。署名には氏名、住所、電話番号、メールアドレスを記載します。

本文との区別がつきやすいように、署名の前後は「-」あるいは「=」で囲むと丁寧です。氏名の読み方が難しい場合や日常的に使わない漢字がある場合は、ふりがなを振るといいでしょう。

見落としやすいメールアドレスや個人アカウント

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履歴書の添付方法やメールの件名、本文に加え、使用するメールアドレスやアカウント名(送信者として記載される名前)にも注意が必要です。意外と見落としやすいポイントですが、採用担当者に与える印象を大きく左右することもあるでしょう。チェックポイントについて解説します。

ビジネスシーンに合わないメールアドレスは避ける

メールアドレスに、好きなキャラクターの名前や恋人の名前が入っているものを使うのは控えましょう。強いメッセージ性が感じられる言葉を入れるのも不適切です。

ビジネスシーンにふさわしくない文字列が含まれる場合は、マナーがなっていないと思われて悪い印象につながる恐れがあります。

ビジネスシーンにふさわしいメールアドレスとしては、自分の氏名を用いて、簡単な文字列のメールアドレスを使用するのが無難でしょう。

アカウント名が本名になっているか確認する

日常も使用しているメールアドレスを使用する場合、アカウント名(送信者として記載される名前)についても注意が必要です。本名と違ったハンドルネームや、家族の名前、旧姓になっていることがあると、受け取り手が混乱しますので、本名になっているか確認しましょう。よくわからない場合は自分のメールアドレスに空メールを送ると確認できます。

アカウント名は、メールソフトによりますが、多くの場合「設定」等のメニューから変更することができます。

パソコンを持っていない場合

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パソコンを持っていなくても、スマホやタブレットで履歴書を作成することが可能です。スマホやタブレットで履歴書を添付したメールを送ることも問題ありません。

スマホやタブレットだけで、履歴書の作成からメールの送信まで完結させる方法を解説します。

スマホから履歴書をメールで送る方法

手軽にメールの送信を行いたい際は、スマホやタブレットを利用するといいでしょう。

ただしスマホやタブレットはパソコンと比べて画面が小さいため、ケアレスミスが生じやすいものです。宛名や署名を忘れたり、ファイルを添付し忘れたりしないように注意します。

パソコンでもやりとりする可能性を考慮して、キャリアメールは使用を控えるのが無難です。

履歴書はスマホでも作成できる

今はスマホやタブレットでも履歴書作成が可能な時代です。ブラウザやアプリから無料で履歴書を作成できるサービスがあり、スマホやタブレットの操作にも不便を感じません。PDFでの出力・保存も可能です。

証明写真の撮影に特化したアプリを利用すれば、写真もスムーズに用意できます。

履歴書を正しく添付して応募しよう

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メールで履歴書を送るにあたり、履歴書の添付方法やデータで履歴書を作成する方法を確認しておきましょう。手書きと同様のポイントに気をつけて履歴書を作成し、正しい方法でメールに添付します。

履歴書を添付するメールの、件名や本文にも気を配りましょう。転職活動に使うメールアドレスは、ビジネスに適した文字列のものを選びます。

履歴書のデータ作成からメール送信まで、全ての工程をスマホやタブレットだけで完結させることも可能です。スマホでもパソコンでも、メールを送るにあたってはマナーを守り、ミスがないように気をつけましょう。

井上真里
【監修者】All About キャリアカウンセラー/起業・経営ガイド井上真里

採用コンサルタントおよび現役人事。慶応大学卒業後、東証一部上場企業2社で人事を担当。20代で独立し企業の採用コンサルティングを行う傍ら、個人の面接指導やキャリアコンサルティングに従事。書籍、雑誌、テレビなどメディアに出演。現在はキャリアコンサルタントおよび企業の人事責任者として、個人側・企業側双方の立場から、心も経済的にも豊かなキャリアを描くための支援を行う。
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著書:
就活女子のための 就活迷宮から抜け出すトビラ (TAC出版)