履歴書の免許・資格欄をどのように書けばよいのか分からない人もいるかもしれません。履歴書ではマナーを守って取得免許や資格をアピールすることが大切です。履歴書の免許・資格の正しい書き方や記載するものの選び方について解説します。
履歴書の免許・資格欄の書き方
履歴書の免許・資格欄には書く上でのルールがあり、何も考えず自由に書いてしまうと採用担当者に悪い印象を与えかねません。基本的な書き方を紹介します。
応募職種に関係するものを選ぶ
履歴書に書く免許や資格は、応募職種に関係するものを選びましょう。仕事に直接関係のないものを、わざわざ書く必要はありません。
特に苦労して取得した免許や資格は自分にとって特別なもののため、履歴書に記載したいと思いがちです。しかし、応募職種に関係のないものを書くと採用担当者が読みにくくなってしまいます。
同じ資格で複数の級を持っている場合は、最上級のみ書くのがポイントです。職務経歴書にも免許や資格を書いているなら、履歴書と内容を統一させましょう。
上から取得した順番に従って書く
複数の免許・資格を履歴書に書く場合、上から取得順に並べていくのが基本です。取得年の欄は和暦と西暦のいずれかに統一しましょう。
和暦と西暦の種類は、学歴・職歴欄ともそろえる必要があります。応募書類全体を通した和暦・西暦の統一は、細かすぎるこだわりに感じられるかもしれませんが、採用担当者によっては、このような細かい部分にも気配りができているかチェックしています。
試験日の順番で書かないようにする点にも注意が必要です。取得日が分からない場合は、免許状や資格証明書類で確認しましょう。
免許・資格の名称を書くポイント
多くの人は、免許や資格の名称を略称で覚えていることでしょう。しかし履歴書に書く場合は、正式名称を書くのがルールです。取得なのか合格なのか、書き分けについても解説します。
略称ではなく正式名称で書く
履歴書に免許や資格を書く場合は、略称ではなく正式名称で書くのがルールです。略称の方がなじみがあるものでも、きちんと正式名称を記載しましょう。
例えば「英検」は略称であり、「英検2級」などと書くのはNGです。正式名称である「実用英語技能検定 2級」と書く必要があります。級の前には1文字分のスペースを入れましょう。
運転免許について書く場合も、「普通免許」「普通自動車免許」では足りません。一般的な運転免許なら「普通自動車第一種免許」と記載するのが正解です。
「取得」と「合格」を書き分ける
免許や資格について書く際は、最後に「取得」や「合格」と記載します。免許・資格の種類によって、取得か合格か書き分けるのがポイントです。
一般的に、一定の合格ラインが設けられている免許や資格は「合格」、その免許や資格がなければ仕事ができないものは「取得」を使います。
「合格」と記載する代表例は、英検・簿記・宅建・秘書検定・FPです。自動車免許・TOEIC・看護師免許などは「取得」と書きます。
取得と合格以外に、フォークリフト運転技能講習の「修了」や、カラーコーディネーターの「認定」についても覚えておきましょう。
主な免許や資格の正式名称
免許や資格の正式名称が分からない場合は、以下の表でチェックしましょう。
略称 | 正式名称 | 取得・合格 |
---|---|---|
普通自動車免許 | 普通自動車第一種免許 | 取得 |
普通二種免許 | 普通自動車第二種免許 | 取得 |
大型自動車免許 | 大型自動車第一種免許 | 取得 |
大型二種免許 | 大型自動車第二種免許 | 取得 |
英検 | 実用英語技能検定 | 合格 |
TOEIC | TOEIC Listening & Reading | 取得 |
TOEIC | TOEIC Speaking & Writing | 取得 |
TOEIC | TOEIC Bridge Test | 取得 |
日商簿記 | 日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験 | 取得 |
全商簿記 | 全国商業高等学校協会主催 簿記実務検定 | 取得 |
全経簿記 | 全国経理教育協会 簿記能力検定試験 | 取得 |
宅建 | 宅地建物取引士 | 合格 |
秘書検定 | 秘書技能検定試験 | 合格 |
なお、「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」は正式名称が長いため「日本商工会議所簿記検定試験」と略してかまいません。
履歴書に免許・資格を書く際の注意点
免許や資格の中には、履歴書に書かない方がよいものもあります。運転免許に関しては上にまとめて書くルールも覚えておきましょう。
書かない方がよい資格もある
難易度が低く誰でも取れる資格や、人気があり多くの人が取得している資格は、アピールポイントとして弱いため履歴書には書かない方が無難です。
例えば英検や日商簿記なら2級以上、TOEICは600点以上を目安にしましょう。特にTOEICは点数がそのまま実力を示すため、低い点数を記載すると悪い印象を与えてしまう恐れがあります。
「世界遺産検定」「美術検定」「柔道初段」など趣味や特技に関する資格も、仕事との関連性がない場合には書く必要はありません。記載するなら趣味・特技欄に書きましょう。
運転免許は上にまとめて書く
運転免許を持っているなら、履歴書の免許・資格欄にできるだけ書いておきましょう。すぐに業務で必要がなくても、後から運転免許が必要な仕事を任されるケースもあります。
運転免許を履歴書に書く際は、取得順にかかわらず上部にまとめて記載するのがマナーです。仕事関連の免許や資格より後から取得していたとしても、最初に書きましょう。
運転免許を上にまとめて書く理由は、採用担当者の読みやすさへの配慮です。運転免許だけを記載する応募者が多いため、最初にまとめて書けば、他の資格と区別しやすくなります。
こんな場合はどうする?
免許や資格をまったく持っていない場合や数が多すぎる場合、取得に向けて勉強中の場合の書き方を紹介します。自分に当てはまるケースがあるなら参考にしましょう。
免許や資格がまったくない場合
人によっては、免許や資格を1つも持っていないケースもあるでしょう。履歴書の免許・資格欄に記載するものがない場合には、「特になし」と書いておけば大丈夫です。
採用時に有利に働く免許や資格を持っているに越したことはありませんが、常に免許や資格が採用結果に大きな影響を与えるわけではありません。何も持っていないのなら、正直に書きましょう。
自分をよく見せるためにうその情報を書くのはNGです。虚偽の記載をしたことが後から発覚した場合、内定取り消しや解雇の処分を受けてしまう恐れもあります。
書ききれないほど免許や資格がある場合
免許や資格を数多く持っているなら、それぞれに優先順位を付け、優先度の高いものをピックアップして書きましょう。保有資格をすべて書く必要はありません。
最優先で選びたいのは、志望職種との関連性が高い免許や資格です。難易度や知名度が高い資格も、優先的に記載するとよいでしょう。国家資格・語学資格・PCスキルの認定資格は評価が高いため、できるだけ記載するのがおすすめです。
優先順位を決めて選んでも書ききれない場合は、別途「取得資格一覧表」を作成する方法もあります。一覧表で数多く書ける場合も、余計な免許や資格は書かないようにしましょう。
取得・合格を目指して勉強中の場合
資格の取得を目指して勉強している途中なら、勉強中であることを履歴書に書きましょう。志望職種に関連する資格の取得に向けて勉強している場合は、入社意欲もアピールできます。記載例は以下の通りです。
- TOEIC Listening&Reading 750点を目指して勉強中
- 日本商工会議所簿記検定試験 1級 2022年10月受検予定
ただしこの場合も、虚偽の情報はNGです。実際に勉強している場合や合格の見込みがある場合のみ、勉強中であることを記載しましょう。
免許や資格は正しい書き方でアピールしよう
履歴書の免許・資格欄を書く場合は、上から取得した順番で書くことや略称ではなく正式名称で書くことなど、一定のルールに従って書く必要があります。
多くの免許や資格を保有している場合は、優先順位を付けてアピール度が高いものを選ぶことが重要です。難易度が低い資格や趣味・特技に関連する資格は書かなくてOKです。
免許・資格の正しい書き方や適切な選び方を理解し、履歴書で自分の努力や能力を上手にアピールしましょう。