ベンチャー企業の定義や魅力を簡単に解説。デメリットも知ろう

転職先としてベンチャー企業が気になっているなら、定義や特徴を知っておくのがおすすめです。一般的な企業と違う部分が多々あるため、何も知らずに入社すると後悔する恐れがあります。ベンチャー企業の意味や転職するメリットについて解説します。

ベンチャー企業とは?

ビル街で上を見上げる男性

(出典) photo-ac.com

ベンチャー企業とはどのような企業のことを指すのでしょうか。ベンチャー企業の意味やスタートアップ企業・中小企業との違いを解説します。

新規事業を起こす新興企業のこと

ベンチャー企業とは、新しい事業やサービスを展開している新興企業のことです。独自の発想や技術を用いて、大手企業では着手が難しいビジネスを行っている企業を指します。

ベンチャー企業に明確な定義はありません。今までにないタイプの事業を展開し、短期間で急成長している企業は、ベンチャー企業と呼ばれる傾向があります。

ベンチャー企業には4段階の成長ステージがあり、最上位の段階までいくと上場直前の状態です。ただし、上場している企業でも独自の事業で成長過程にある企業は、大手ベンチャーと呼ばれるケースがあります。

似た意味の言葉との違い

ベンチャー企業と似た意味の言葉に、スタートアップ企業があります。ベンチャー企業とほとんど同じ意味であり、特に設立後間もない企業がスタートアップ企業と呼ばれる傾向があります。

中小企業もベンチャー企業と混同しやすい言葉です。中小企業は会社を規模の観点から区別するものであり、ベンチャー企業の大半は中小企業に分類されます。

社内ベンチャーという言葉も覚えておきましょう。既存企業の中で新規事業を立ち上げたチームや部署が社内ベンチャーです。大手企業を中心に、多くの企業で社内ベンチャーの成功例が見られます。

ベンチャー企業の代表例

パソコンを操作する男性

(出典) photo-ac.com

具体的にどのような企業がベンチャー企業と呼ばれているのでしょうか。代表例として大手ベンチャー企業(メガベンチャーと表現されることもあります)を2社紹介します。

サイバーエージェント

サイバーエージェントは、「アメブロ」や「AbemaTV」の運営会社として知られる大手ベンチャー企業です。1998年に設立され、2000年にはマザーズへの上場を果たしています。

メディア事業・ゲーム事業・プログラミング教室事業など、幅広い事業を展開していることが特徴です。高収益を上げられるビジネスモデル構築を模索しながら、さまざまなメディアの立ち上げに奮闘してきた歴史を持ちます。

実力主義や意思決定の速さをビジネス面での特徴とし、高い将来性も見込まれている企業です。現在注力しているAbemaTVで利益を出せるようになれば、さらなる成長を期待できるでしょう。

メルカリ

2013年創業のメルカリは、ネットによる中古品売買サービスを提供する上場ベンチャーです。オークション・フリマ業界に割って入り、匿名発送やAI出品などの新規サービスを導入して日本最大のフリマアプリへと成長しています。

設立後間もない時期に海外へ進出、日本と同様に急成長を狙いました。特にアメリカでは多くのユーザーを獲得し、海外進出も大成功を遂げています。

2019年にリリースしたスマホ決済サービスのメルペイは、後発組ながらメルカリの新たな収益源となりました。今後もより大きな成長が見込まれるベンチャー企業の1つです。

ベンチャー企業に転職するメリット

(出典) photo-ac.com

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ベンチャー企業に対して漠然としたイメージしかないのなら、転職後の働き方に不安を感じやすくなります。ベンチャー企業に転職するメリットを把握しておきましょう。

チャレンジしやすい環境

ベンチャー企業は新しい技術やアイデアを使って事業を進めていくため、新しいことにチャレンジしやすい風土ができあがっています。

自分のアイデアを生かしたい人や新しいことに挑戦したい人は、保守的な企業よりベンチャー企業のほうが向くでしょう。個人の裁量が大きいため、主体性を持ってさまざまなことにチャレンジできます。

大半のベンチャー企業は成果主義を採用しており、チャレンジ精神を発揮して成果を出し続ければ、早い段階から出世できることも魅力です。

企業が大きく成長する可能性がある

経営面で計り知れない伸びしろがあることもベンチャー企業のメリットです。新規事業がヒットすれば、企業が大きく成長していく可能性があります。

サイバーエージェントやメルカリも、創業後わずか数年で上場を果たしています。ベンチャー企業はライバル不在の分野に進出するため、事業が成功すると急激に利益を増やせるポテンシャルを秘めているのです。

投資家からの援助を受けやすい点も、ベンチャー企業の特徴と言えるでしょう。企業のビジョンに共感した投資家からのサポートを事業につぎ込めるため、成長スピードを加速させやすくなります。

幅広い経験が得られる

ベンチャー企業に転職するメリットとしては、幅広い知識を身につけられることも挙げられます。少人数で数多くの業務をこなす必要があるベンチャー企業では、1人がさまざまな仕事をしなければなりません。

たとえ営業職として採用されたとしても、入社後に企画やマーケティングを任されることもあるでしょう。新しい部署の立ち上げに関わる可能性もあります。

自分の専門分野以外の仕事に携われば、必然的に豊富な知識を吸収することが可能です。ビジネスマンとして大きな成長を見込める上、キャリアプランの幅も広がるでしょう。

ベンチャー企業に転職するデメリット

給料袋と計算機

(出典) photo-ac.com

ベンチャー企業への転職は、メリットだけでなくリスクもあります。メリットとデメリットを理解した上で、転職するかどうか検討することが重要です。

賃金・待遇面で妥協が必要な場合も

成長過程にあるベンチャー企業の大半は、賃金が低い傾向があります。大手企業に比べ福利厚生が充実していない点もデメリットです。

企業が成長すれば収入がアップする可能性はあるものの、転職直後から高収入を得られるケースは少ないでしょう。経営が安定していないため、事業がうまくいかなければ倒産するリスクもあります。

ベンチャー企業への転職は、賃金・待遇面で妥協が必要です。ベンチャー企業ならではの働きがいや企業の成長への期待を感じられなければ、ベンチャー企業で働き続けるのは難しいでしょう。

企業風土になじめない恐れがある

変わった形で事業を進めていくことが多いベンチャー企業は、良くも悪くも個性が強い傾向があります。創業者も個性的な人が多いでしょう。

一般的な企業にはない制度や価値観になじめなければ、再度の転職を考えなければならなくなる恐れもあります。保守的な企業の働き方に慣れている人は、ベンチャー企業の風土に慣れるまで時間がかかるでしょう。

企業のホームページや経営者のSNSをチェックすれば、経営方針や企業風土がある程度分かります。事前にしっかりと企業研究を行っておくのがおすすめです。

転職を成功させるポイント

スマホを操作する男性

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ベンチャー企業への転職を成功させるコツを紹介します。ポイントを押さえて転職活動を進めれば、自分に合った転職先を見つけやすくなるでしょう。

自分がベンチャー企業に向いているか

ベンチャー企業には一般的な企業と異なる点が多数あります。転職先として検討する場合は、自分がベンチャー企業に向いているか確認しましょう。

新しいことに対して積極的にチャレンジできる人や、幅広い知識を身につけて成長したい人は、ベンチャー企業に向いています。収入の安定より仕事のやりがいを優先できる人も適しているでしょう。

会社からの指示がなければ行動できない人や、安定収入・厚待遇を会社に求める人は、ベンチャー企業に入社してもストレスをためてしまう恐れがあります。

将来性や雇用条件もチェック

入社後に後悔することがないように、同じベンチャー企業でも多くの求人を比較し、雇用条件をしっかりとチェックしておきましょう。

企業の将来性を確認しておくことも大切です。過去数年間の業績の伸び率や、ベンチャーキャピタルから投資を受けているかなど、さまざまな視点から企業の将来性を見極められます。

ベンチャー企業を比較検討するなら、国内トップクラスの求人検索エンジン「スタンバイ」を利用するのがおすすめです。1,000万件以上の豊富な情報が掲載されているため、自分に合ったベンチャー企業を探しやすいでしょう。

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企業の特徴を理解して転職先を探そう

ネクタイを締める男性

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ベンチャー企業に転職すれば、企業が大きく成長して収入が増える可能性があります。チャレンジしやすい環境で働けることや、幅広い知識を吸収できることもメリットです。

ベンチャー企業は制度や価値観が一般的な企業と異なるため、自分が向いているか確かめておかなければなりません。企業研究をしっかりと行い、活躍できそうな転職先を見つけましょう。

小寺良二
【監修者】All About キャリアカウンセラー/起業・経営ガイド小寺良二

若者の就職支援を専門とするキャリアカウンセラー。アメリカの大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し100社以上の新卒・中途採用のコンサルティングを経験。独立後は採用と就職活動の双方を知る「若者就職支援のプロ」として官公庁や人材企業の若年就労支援プロジェクトに携わる。全国の大学で教員やキャリアカウンセラー向けの研修を行うなど、若者支援者の養成にも力を入れている。
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著書:
美文字履歴書の書き方&マナー