年収1,000万円というと、高収入のイメージがあります。実際どのくらいの人が、年収1,000万円を達成しているのでしょうか?割合や手取りを紹介します。高収入を目指せる職業や、求められるスキルも知っておきましょう。
年収1,000万円稼いでいる人の割合は?手取りはいくらくらい?
個人で年収1,000万円を稼ぐ人の数は、そう多くありません。割合としては、どのくらいいるのでしょうか?手取りがいくらになるのか、目安も紹介します。
年収1,000万超えは4.6%
2022年の「民間給与実態統計調査」によると、年収1,000万円を超える給与所得者は4.6%です。20人に1人くらいは、年収1,000万円を超えています。
4.6%のうち1,000万円超1,500万円以下が3.4%を占めており、会社員の中で年収1,000万円台前半はかなりの高収入で、それ以上の収入を得ている人は1%程度です。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、年齢別の収入分布も公開しています。20代で年収1,000万円を超えるケースはほとんどなく、割合が増えるのは45~59歳です。
会社員で年収1,000万円に到達するのは、40代以降が多いと考えられるでしょう。
長期的な視点で見れば学歴は関係ない
会社員として年収1,000万円以上を稼いでいる人の多くは、大卒以上の学歴を持っています。年収1,000万円を超えるには、大企業で順調に昇進するか、営業や専門職でトップに立つようなスキルが求められるためです。
営業・専門職の場合は学歴が関係ないといっても、年収1,000万円以上の多くは大企業で順調に昇進した人です。
しかし独立・起業する場合、学歴は関係がありません。国税庁の「申告所得税標本調査」を見ると、事業所得として収入を申告している個人事業主のうち、6.4%が所得1,000万円を超えています。
エンジニアのように、会社でスキルを磨ける職種の場合は、キャリアを積みながら独立を目指せるでしょう。いずれ独立・起業を考えている場合、長期的に見ると学歴に関係なく高収入を目指せます。
手取りは700万円ほど
年収1,000万円の場合、ボーナスなしで月収83万円、ボーナスあり(夏・冬各2カ月分)で月収62万円程度になります。
月の手取りは、扶養家族なしの場合46~60万円程度です。扶養家族がいる場合は数万円程度増えます。
社会保険料・所得税・住民税で20~25%程度が引かれると考えておきましょう。そのほか、会社の福利厚生によって手取りは増減します。
家族構成によりますが、保険料・税金を引いた手取り年収は680~780万円程度が目安です。
稼ぎが増えても手取りはそのまま増えない
年収400万円の場合、保険料・税金で引かれる金額は年間100万円前後です。年収1,000万円になると収入は2.5倍に増えますが、保険料・税金が増えていき、25%程度は収入から引かれます。
さらに、所得税は稼いでいる所得に応じて負担割合が異なります。住民税も所得控除が多い層と比べると大幅に増えるため、税金の負担が大きく感じるでしょう。
年収1,000万円と聞くと高収入に思えますが、月の手取り43~60万円と考えると極端な贅沢ができる金額ではありません。家計には余裕があるものの、収入が増えた分、手当の対象外となるケースが多く、出費も増えるでしょう。
年収1,000万円の職に就くための2つの道
会社員が年収1,000万円を目指すには、高いスキルが求められます。一般的に高収入を目指すには、管理能力や専門的スキルが望まれるでしょう。それぞれの特徴を解説します。
マネジメントスキルの高い「ゼネラリスト」
「ゼネラリスト」とは、管理職・マネージャーとしての役割を果たす存在です。年収1,000万円を目標として高年収を目指すなら、昇進・昇格は避けて通れません。
中小企業であれば経営幹部レベル、大企業でもトップクラスのゼネラリストとして活躍する人が、年収1,000万円を達成できます。資質と努力以外に、競争をくぐり抜ける運も必要になってくるでしょう。
IT分野でフリーランスとしての独立を目指す場合、プロジェクトマネージャーの経験がゼネラリストに該当します。まずは社内で責任のある立場に就き、結果を出すことから始めましょう。
専門性の高い「スペシャリスト」
「スペシャリスト」は、専門性の高い分野で技術力を発揮する存在です。技術者・研究者・エンジニア・アナリストなどが該当します。
スペシャリストになり年収1,000万円を目指すには、各分野の一線級として活躍するスキル・経験を身に付ける必要があるでしょう。
コンサルタントとして周囲に求められるほどの実力を持っていれば、年収1,000万円を目指せます。ITコンサルタントや金融関係のアナリストなど、知識と実績が求められる分野では高年収が期待できるはずです。
国家資格が必要な領域も
医師・弁護士・税理士・薬剤師など、国家資格の保持者は年収が高い傾向です。難関資格は競争相手がそれほど多くないため、年収1,000万円を超える人も少なくありません。
ただし、難関国家資格を得るには、多くの場合実務経験や学歴が必要です。公認会計士や行政書士など、申し込み要件が少ない資格取得を目指すのもよいでしょう。
中途採用での転職を考えた場合でも、実務に役立つ国家資格を取得している人は評価が上がりやすいはずです。
年収が高い業界・職業を紹介
一般的に、年収が高いとされる業界・職業に就くと、年収1,000万円を目指しやすくなります。主な業界と職業を確認しましょう。
金融関連(証券会社・投資銀行)
証券会社や投資銀行など、金融を扱う職種は年収が高い傾向です。投資商品は高額なものが多く、動くお金も大きくなります。
特に投資のプロフェッショナルであるアナリストや、企業のコンサルティングを行うM&Aアドバイザーは、専門性が高く年収にも反映されやすいでしょう。
金融関連の会社では、営業職も年収が高い傾向です。投資商品の営業職は人材を募集している機会も多く、学歴不問で高収入を目指せるでしょう。
IT業界
IT業界は専門的なスキルが必要となり、年収も高くなります。エンジニアのような技術職は、必要とされるシーンが多いでしょう。
その中でも、ITコンサルタント・プロジェクトマネージャーなど、ITに関する知識とマネジメント能力を持った人材は年収が高い傾向です。
企業に対するコンサルティング業務は判断力や知識が必要となり、学歴・資格も採用の判断材料になります。中途採用であっても、高い実績と経験がなければ、採用を勝ち取るのは難しいでしょう。
年収1,000万円を目指すには、顧客への提案能力や問題解決能力が求められます。エンジニアとしての技術力だけでなく、企業の課題を解決できる発想力やメンバーをまとめる管理能力を磨くことが大切です。
外資系コンサルティングファーム
コンサルティング業の中でも、外資系コンサルティングファームは年収が高くなります。外資系企業は実力主義の面が大きく、年齢を問わず昇進しやすいのも特徴です。能力があれば、日本企業よりも早く年収1,000万円を超える可能性があります。
外資系コンサルティングファームでは、クライアント企業のコンサルティングを行います。企業の経営課題を見つけ、アドバイスや問題解決への道筋を作るのが役割です。プロジェクトを組み、メンバーとともにクライアントと関わります。
外資系コンサルティングファームは年収が高い分、就職・転職難易度も高くなります。採用されるには、コンサルタントとしての実績を積んでおく必要があるでしょう。
独立して経営者・フリーランスに
経営者・フリーランスになる場合は、学歴やこれまでの実績を問わず高収入を目指せます。特に起業して経営者になる場合、稼ぐ手段を見つけられるかどうかがポイントです。発想力や機を見る力が求められるでしょう。
フリーランスとして独立を考えているのであれば、資格・実績・経験が重視されます。個人で年収1,000万円を達成するには、組織から外れても取引したいと思わせる能力が必要です。
どちらの働き方も会社員に比べて自由な働き方を実現できますが、収入が不安定になる点は意識しておきましょう。結果が伴わない場合、年収が下がる可能性があります。
年収1,000万円の仕事に就くと大変な点
年収1,000万円以上の仕事に就くと、大変なところもあります。収入に応じた責任や努力が求められる機会が多くなるはずです。高収入になると苦労しやすいポイントを紹介します。
部長クラス以上の役職で責任が大きい
会社に勤めている場合、一般的に役職が上がるほど給与は上がります。年収1,000万円を達成するには、部長職以上が目安です。
部長クラスの平均年収は1,000万円前後といわれていますが、会社の規模によって年収は変動するでしょう。実際に1,000万円を超える収入を得ているのは、大企業や上場企業の部長職と考えられます。
中小企業になると、部長職の中でも本部長・事業部長など、経営幹部に近い役職が該当するでしょう。多くの人員を統括する役割を持ち、大きな責任が生まれます。年収1,000万円を超える層は、何か問題が発生したときに責任を負う立場になると考えましょう。
業務量が増える
役職が上がると、業務量や求められる仕事のレベルは高くなります。残業を増やさないためにも、効率的に働く必要があるでしょう。
一定以上の収入を得て高い地位に就くと、管理監督者や高度プロフェッショナル制度の対象となり、残業代の支払いが免除されるケースもあります。
必ずしも残業が増えるとは限りませんが、収入に応じた努力と仕事をさばいていく能力は求められるでしょう。
残業が増えるとプライベートを圧迫し、休日や睡眠時間が十分に取れない可能性もあります。収入とプライベートのバランスを考えながら、目指す年収を考えるのもよいでしょう。
年功序列で報酬が決まる企業もある
会社員で年収1,000万円を目指す場合、大企業で順調に昇進を目指すのが近道です。しかし、年功序列の報酬形態が根付いている日本企業は、今でも残っています。
若いうちに年収を上げ、キャリアを積みたい場合には、転職も検討しましょう。ITエンジニアや営業職のように、スキルや経験を磨いて高年収をねらえる職種もあります。職種によっては、実績を積み独立を目指すことも可能でしょう。
スタンバイでは、エンジニアや営業の求人が多数あります。自分に合った職業を見つけるためにも、求人サイトを活用しましょう。
スキル次第で年収1,000万も夢じゃない
年収1,000万円を超える収入を手にするには、能力と努力以外に昇給を目指せる環境も必要になってきます。会社員として年収1,000万円を達成するのが難しい場合は、独立を視野にスキルを磨いていきましょう。
現在の職場で昇給が見込めない場合は、転職も年収アップの近道です。高収入とキャリア形成を目指すために、求人サイトを活用してみましょう。