集団行動を苦手と感じる理由は?仕事での上手な付き合い方を解説

人と一緒にいるのが苦手でも、仕事では集団行動を避けて通れない状況にある人もいるでしょう。仕事だからと割り切ってもストレスがたまるものです。集団行動が苦手な人向けに、仕事との向き合い方やストレスを和らげる方法、解決策を解説します。

集団行動への苦手意識は克服すべき?

チームワーク

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集団行動への苦手意識は個性の1つであり、次の日から急に直せるものではありません。そもそも仕事をする上で、この苦手意識は直すべきなのでしょうか?集団行動への苦手意識と向き合うときの考え方を紹介します。

克服のメリットはある

集団行動に抵抗があっても仕事はできますが、苦手意識を克服すれば仕事をする上でさまざまなメリットを得られるのは確かです。

仕事では、1人で行動していると失敗したときの尻拭いも自分自身でする必要が出てきます。集団行動をしていれば助け合う関係を作りやすいので、困ったときでも気持ちが落ち込みすぎずに済むのに加えて、素早い問題の解決にもつながります。

さらに集団行動を通じて互いが協力しながら働いていれば、チームワークが取れる人として高い評価を得られるのもメリットです。複数人で協力できると業務も効率よくこなせるため、多くの成果を上げる働きも期待できます。

克服できなくても最低限のルールは守ろう

集団行動が苦手だからといって、好き勝手に行動してよいわけではありません。1人だけ全く違う行動をしていると、周囲の人に迷惑をかけてしまいます。仕事に集団行動が必須ではないにしろ、最低限のルールを守る意識は必要です。

誰しも得意があれば苦手もあります。不得意だからと投げやりになるのではなく、苦手を意識して行動するだけで、周囲からの捉え方は変わるはずです。会社に所属している自覚を持ち、仕事に悪影響を及ぼさない行動を心がけましょう。

なぜ集団行動を苦手に感じてしまう?

考える女性

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集団行動が苦手な理由は、大まかに2パターン考えられます。一方は意識が他者に向きすぎている場合、もう一方は自分のこだわりが強い場合です。それぞれ詳しく理由を見ていきましょう。

周囲に気を配りすぎるパターン

大人数でいるときに人間関係を気にしたり孤立している人に気を配ったりして、周囲に気を遣いすぎると、必要以上に緊張して疲れてしまいます。人と一緒にいて疲れる状態だと、1人でいた方が楽だと考えるようになり、集団行動に抵抗を感じるのです。

周りに気を遣いすぎる理由は、コミュニケーションがうまくいかなかったり集団の中で浮いたりするのを恐れるためです。周囲から見た評価が気になる人は、他人に気を遣いすぎてしまい、疲れがたまって集団行動を苦手だと感じやすくなるでしょう。

自分の中でのこだわりが強いパターン

自らのこだわりばかりを優先して、周囲からの見え方をあまり気にしていない人も集団行動を得意としません。特に1人で進める方が実力を発揮しやすいと思っているタイプの人は、集団行動に疑問を抱きがちです。

集団で行動していると自分の影響力が小さくなるのに加えて、1つ1つの行動や意思決定に時間がかかってしまいます。集団の中では暗黙のルールを守る必要もあるため、どうしても自身の意思決定が通りにくくなるでしょう。

こだわりが強い人は集団行動によるデメリットが足かせだと感じてしまい、集団行動を忌避するようになります。このパターンの場合、「苦手」より「嫌い」という気持ちが強いかもしれません。

集団行動への苦手意識を和らげる方法

打ち合わせの様子

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集団行動が苦手でも毎日の仕事は続きます。ストレスをためこまずに、少しでも快適に働くためには、どうすればよいのでしょうか?組織内やチーム内で、角を立てずに過ごすための工夫を紹介します。

苦手なことを周囲に伝えておく

必要以上に我慢して苦手な集団行動をしようとすれば、自分がつらくなるだけでなく、周りにも気を遣わせてしまうでしょう。互いに負担が大きい行動を取るよりは、あらかじめ苦手だと伝えて苦労を避ける方が建設的です。

周囲の人に打ち明けて協力を仰げば、無理なく働けて抵抗を感じる機会も減っていきます。上司や同僚にサポートしてもらうことに抵抗を感じるかもしれませんが、得手不得手があるのは当然です。

集団行動にうまく取り組めない分、ほかの人が苦手にしていることをサポートする意識を持ちましょう。ただ、集団行動が前提の業務に就いている場合は、部署異動や転職も視野に入ります。

1人の時間を確保する

集団行動が苦手な人の場合、無理をして周りに合わせた行動を取り続けると、どんどんストレスがたまっていきます。苦手なことにも真摯に取り組む姿勢は評価に値しますが、常に無理をして心が張り詰めている状態では疲弊してしまうでしょう。

ときには集団から離れて、1人でゆっくりと過ごす時間も大切です。1人の時間を確保しておけば、ちょうどよい息抜きになります。

集団行動によくなじめる人でも、たまには1人の時間を持ちたいと思うものです。珍しいことではないため、悩みすぎずリラックスしましょう。

馬が合わない人もいると理解する

苦手な人と関わるのが嫌で、集団行動を苦手に感じる人もいます。しかし、集団で行動するからといって、必ずしも全員と仲よくする必要はありません。複数の人が集えば、どうしても馬が合わない人はいるでしょう。

職場でも、仕事に欠かせないやり取りを除いて、無理なく一緒にいられる人とだけ付き合っていれば十分です。苦手な人とは積極的に関わらなくても問題はありません。

興味のない集まりへの誘いを断る勇気を持つのも、集団行動への苦手意識を和らげるために役立ちます。気の向かない集まりに参加すると、相手に気を遣わせてしまう上に自分も楽しめないため、双方にとってメリットがありません。

互いの時間を尊重するためにも、気乗りしない場合は誘いを断る勇気が必要です。

集団行動が苦手な人におすすめの仕事

パソコンの前で考える人

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集団行動が苦手なら、人との関わりが比較的少ない仕事に転職するのも手です。人との関わりに煩わしさを感じにくい仕事には、何があるのでしょうか?

IT・web系の職種

プログラマーやwebデザイナー・webライター・動画編集者など、個人のスキル・能力が物を言う仕事は、比較的少人数で完結しやすいです。いずれもパソコンやタブレットでの個人作業が基本になり、集団の中で行動するシーンが少なめの職種です。

さらに十分なスキルを身に付ければ、フリーランスに転向しやすいタイプの仕事でもあります。フリーランスになれば職場の上司や同僚とも一緒に行動する必要がなくなるため、自由度はより高くなります。

フリーランスになってもクライアントとのやり取りは必要ですが、集団行動の機会はやはり少なくなるため、ストレスが少ない状態で仕事に取り組めるでしょう。

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ドライバー

タクシーの運転手やトラックの運転手も、基本的に集団行動に悩まされる心配はありません。タクシーの運転手の場合は乗客との会話は発生しますが、乗客がいない間は1人で気楽に過ごせるでしょう。

トラックの運転手には、長距離と近距離の2パターンがあります。店舗や個人宅まで荷物を届ける近距離の運転手は、頻繁に人と会う機会があります。一方で長距離の運転手は、荷物の積み下ろし時はコミュニケーションを取りますが、残りの時間はただ黙々と運転するだけです。

長距離ドライバーと近距離ドライバーでは人に会う頻度は大きく違いますが、いずれも基本的に集団行動が必要ない点は同じです。

ドライバーの求人

作業員

警備員や清掃員・工場作業員・新聞配達員などの作業員も、決められた仕事をそれぞれが黙々とこなす仕事です。警備員や清掃員は数人でペアを組む可能性はありますが、大人数での行動はほとんどありません。

工場作業員は工場内に同僚がいるものの、多くの現場で会話は多くありません。管理に携わらない作業員として働くなら、特別な資格やスキルを必要としない場合が多いため、転職のハードルも低く感じられるでしょう。

警備員の求人
工場作業員の求人

集団行動の少ない仕事への転職も検討

履歴書

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集団行動への抵抗感は必ずしも克服する必要はありませんが、最低限のルールを守った行動や、大きなトラブルに発展しないための配慮は求められます。

集団行動への苦手意識を和らげて仕事をスムーズに進めたい人は、苦手に思っていることを周囲に打ち明けたり、1人の時間も大切にしたりする工夫を試してみましょう。

職場の雰囲気が協力的でない、どうしても集団行動を避けられないという場合は、集団行動の少ない仕事に転職するのも選択肢です。IT・web系の職種やドライバー・作業員に転職すれば、対人面でストレスの少ない環境で働けるでしょう。