転職で「継続力」をアピールするには?自己PRの作成手順も解説

転職活動で1歩でも採用に近づくためには、魅力的な自己PRの準備が必要です。自己PRで採用担当者に好印象を与えられるポイントに「継続力」があります。自己PRに適した継続力の内容や伝え方、文章を作るポイントをマスターしましょう。

自己PRで伝えやすい「継続力」とは?

面接の様子

(出典) photo-ac.com

自己PRで継続力は心強い武器になりますが、転職市場で求められる継続力と自分の認識がズレているケースもあります。まずは自己PRとして有効な継続力がどのようなものか、しっかり理解しておきましょう。

最後までやり抜く力

転職活動の自己PRでは、「途中で投げ出さずに最後までやり抜く力」としての継続力が高い評価を受けます。どんな状況でも完遂する力はあらゆる職種で求められる能力なので、強みとして伝えられれば採用担当者の印象がよくなるはずです。

仕事は楽しいばかりではありません。窮地に立たされたり失敗してつらくなったりする場面にも出会います。しかし、達成すべきことは、つらい状況でも終わらせる心構えが必要です。

また、業務の中には、派手さはなくても社会や企業にとって必要な仕事も多いでしょう。バックオフィス業務や安全点検の業務などが当てはまります。一見地味に感じる仕事も飽きずにやり遂げる力は、企業にとってなくてはならない能力です。

困難を乗り越えられる力

大きな困難も乗り越えて前に進める力も、印象アップにつながるでしょう。困難を乗り越えるための課題解決能力や柔軟性は、高い評価に結びつきます。

仕事では、数々の困難を1つずつ解決していくようなケースも少なくありません。時には高い壁が立ちはだかり、なす術がないように感じられるでしょう。困難を解決して前に進める継続力がある人には、イレギュラーな事態への対処も任せられます。

困難を乗り越える方法として挙げられるのは、スキル・知識を身に付けて正面から解決することです。問題解決のためにスキル・知識を習得した経緯を面接で話すと、より強く印象づけられるでしょう。

継続力の自己PRで与えられる印象

面談をする男性

(出典) photo-ac.com

継続力を強みとして伝える中で採用担当者に与えられる印象は、主に3点あります。それぞれ、選考を有利に進めるためにどのように役立つのかを見ていきましょう。

真面目な人

仕事にせよ趣味にせよ長く続けられるのは、真剣に物事と向き合えている証拠です。継続力を面接でアピールすれば、真面目な人として印象付けられます。

真面目な人の強みは、与えられた目標に対して主体的かつ積極的に行動することです。スキルや能力が不足していると分かれば、スキルアップや勉強に励むでしょう。

採用担当者は真面目な人なら入社後に安心して仕事を任せられると信頼を抱くので、採用につながる可能性が高くなります。実際に社内で働いている人も、仕事に真剣に向き合わない人より真面目な人と一緒に仕事をしたいと思うのが通常でしょう。

コツコツ努力できる人

継続力があるという事実は、日々の積み重ねを重視して成長を続けていることを示します。続けていく力を面接でアピールできれば、常に努力を欠かさない人と認識され、入社後も会社のためにコツコツと貢献してくれるはずだと思ってもらえるでしょう。

入社して間もない頃は分からないことばかりで、慣れるまでには時間がかかります。早く自立するための近道はなく、毎日のように努力を重ねて情報を吸収していくしかありません。

コツコツ努力できる人は、転職してからも現状に甘えることなく地道に努力し、成長できる強みがあるといえます。物事を地道に続けられる人は、長く自社で活躍してほしいと思う企業にとって、魅力のある人材でしょう。

長い間働いてくれる人

転職後に会社と合わず、すぐに辞めてしまうケースは珍しくありません。転職すると働く環境が大きく変わるため、新しい職場にすんなりとなじめない人も多くいます。

会社は時間と費用をかけて採用に励んでいますが、せっかく採用した人材が短期間で辞めてしまうと、注ぎ込んだ費用や労力は全て水の泡です。

採用における費用対効果を最大化するためにも、長期にわたって働いてくれる人を採用したいと考えるのは自然でしょう。

継続力があることを示せれば、すぐに辞めてしまうのではないかという不安を採用担当者に抱かせません。結果として採用される可能性が高まります。

継続力の自己PRを作成する手順

手帳に記入する女性

(出典) photo-ac.com

継続力をアピールするときは、単に長く続けていたことを話せばよいわけではありません。入社後の活躍までイメージさせられるように、内容をよく練って回答例文を作りましょう。実際に継続力の自己PRを作成するときに踏む3ステップを解説します。

応募先企業で生きる「継続力」を考える

同じ継続力といっても細かく見ればさまざまなタイプがあり、発揮してもらいたい継続力の内容も企業によって異なります。

成長し続けられる人材の採用に力を入れているのに、黙々と同じことができるとアピールしてもよい結果は期待できません。応募先企業に合ったアピール方法が重要です。

応募先企業がどのような継続力を想定しているのかは、その企業のサイトをチェックしたり実際に働いている社員の話を聞いたりして見極めましょう。理想的な社員像から、企業として求める継続力の種類が見えてきます。

継続力を発揮したエピソードを用意する

応募先へのアピールに適した継続力がどのタイプかはっきりしたら、これまでの自分の経験を振り返り、継続力が光ったエピソードを探し出します。候補がいくつもあるなら、入社後の活躍イメージが最もわきやすいものを選びましょう。

自己PRで話すエピソードは、社会人になってからの経験に限定する必要はありません。仕事上のエピソードがどうしても見つからなければ、学生時代の研究や課外活動での出来事を採用するのも1つの選択肢です。

文章の流れを組み立てる

継続力をうまくアピールして採用担当者に好感を持ってもらうには、伝わりやすい文章を組み立てる必要があります。自己PRの文章を組み立てるときに基本となる流れは、以下の通りです。

  1. 結論
  2. エピソード
  3. 学び
  4. 入社後にどのような活躍が期待できるか

着地点が分からない話は聞きづらいので、最初に長所が継続力であることを伝えましょう。継続力のタイプも盛り込むのが理想です。

継続力が表れているエピソードを話すときは、できるだけ具体的に話すことで伝わりやすくなります。次は一連のエピソードを通して得た学びをまとめ、伝える段階です。学びは抽象的な言葉で終わらせず、具体的な言葉を使いましょう。

また、最終的に採用担当者が知りたいのは、入社してからどれほど活躍できるかです。最後に継続力が実際にどう役立つのかを伝えることで、自分を採用するメリットをプレゼンできます。

自己PRで継続力をアピールするポイント

自信ありげに話す男性

(出典) photo-ac.com

自己PRに継続力をを使うときは、魅力的に伝えるコツも意識すると効果的です。基本の流れとともに、特に気を付けたいポイントを3つ覚えておきましょう。

なぜ継続できたのか明確に伝える

ただ継続力を発揮できたエピソードを話すだけでは、深みのある話ができません。本当に継続力があるのだと採用担当者に納得してもらうには、継続できた理由まで伝えるのがベストです。

継続する上でぶつかった壁を取り上げて、どのように乗り越えたのか、乗り越えるための原動力は何だったのかも説明しましょう。エピソードを掘り下げれば、納得感を与えられるだけでなく、人柄が伝わって採用担当者と打ち解けるきっかけにもなるでしょう。

別の言葉でも継続力を表す

面接では、多くのライバルも継続力をアピールします。かなりの数の応募者が集まる企業だと、採用担当者も1人1人の印象を覚えておくのは難しいはずです。

採用担当者の印象に残らなければ、選考ステップをクリアしていくのは難しくなります。ほかの人と同じよう言葉ばかり使っていては、ありきたりな印象しか与えられません。

ライバルに差を付けたいなら、別の言葉で続ける力を表す工夫が鍵です。「高い壁があっても諦めずに解決を図る」「苦しいときでもモチベーションを維持できる」といったように継続力を言い換え、ほかの応募者との差別化を図りましょう。

成果のないエピソードは逆効果に

継続力を示すエピソードの選定は、慎重に行う必要があります。目標もない状態でただ何となく続けただけの話では、採用担当者によい印象を与えられません。むしろ「怠惰な人」というマイナスイメージにつながってしまう可能性もあります。

継続力を示すためのエピソードを盛り込むなら、継続した先に得られた実績や、周囲の人から継続力を評価された話を盛り込むとよいでしょう。継続力は成果とセットで伝える意識が大切です。

継続力をアピールして印象アップしよう

履歴書を記入する女性

(出典) photo-ac.com

転職時の自己PRとして高く評価されやすい継続力とは、最後まで遂行したり困難にぶつかっても諦めずに克服したりする力です。継続力を面接でアピールできれば、採用担当者によい印象を与えられるでしょう。

アピールに適した継続力のタイプは会社によって異なるため、応募先別に伝え方を考える必要があります。文章を作るときは基本の構成はもちろん、伝わりやすくする工夫も欠かせません。

応募先でどのような継続力を欲しているのかに合わせて「刺さるアピール」を考え、採用を勝ち取りましょう。