仕事が嫌いなときはどう行動すればいい?つらく感じる原因と対処法を紹介

生活のために働く必要があるとはいえ、今の仕事が嫌いだと感じる人もいるでしょう。嫌いなまま仕事を続けても状況は悪化する一方です。つらい気持ちを和らげる対処や、嫌いな原因に応じた対策が必要です。嫌いな仕事との向き合い方を知っておきましょう。

仕事が嫌いだと感じる主な原因

パソコンで作業をする男性

(出典) photo-ac.com

仕事が嫌いだと感じる原因として代表的なのが、やりがい不足や職場の人間関係・待遇への不満です。

この3つの原因は、会社の離職理由としても多くなっています。「令和4年雇用動向調査結果の概況」の結果を交えて、仕事が嫌いだと感じる理由を詳しく見ていきましょう。

参考:

令和4年版子供・若者白書|衆議院
-令和4年雇用動向調査結果の概況-|厚生労働省

仕事にやりがいを感じられない

仕事が嫌いな理由としてよく挙げられるのが、やりがい不足です。達成感のある仕事ができていない状態が続くと、仕事をやらされているという意識が強くなります。

調査結果によると、転職入職者が前職を辞めた理由について、「仕事の内容に興味を持てなかった」と答えた人が男性では4.5%、女性では5.9%を占めています。

また、「能力・個性・資格を生かせなかった」と答えた人が男性では4.0%、女性では4.3%でした。

好きな業務でなかったり自分の能力を生かせていなかったりするときは、やりがいを感じられないでしょう。最初は安定を求めて就職したとしても、毎日ルーティンワークばかりで意義を見出せなくなり、仕事に不満を抱いてしまうケースも珍しくありません。

職場に苦手な人がいる

ICTの発達によって、近年は人と対面で会わなくても進められる仕事も増えてきました。とはいえ、仕事において人との関わりは避けられません。同じ職場に苦手な人がいれば、たとえ仕事そのものが好きだとしても出勤するのが憂鬱だと感じるでしょう。

職場の雰囲気や環境を作るのは、主に上司です。特に上司が苦手だったり、上司からハラスメントを受けたりしている場合は、さらに状況は深刻といえるでしょう。

同調査でも、前職を辞めた理由に「職場の人間関係が好ましくなかった」を挙げた人が男性では8.3%、女性では10.4%でした。

働きに見合った報酬がない

いくらやりがいのある仕事をしていても、労働環境が悪いと仕事が嫌になるものです。残業や休日出勤が多くて長時間拘束されていると、心身の休まる時間がなく、ストレスが蓄積していきます。

さらに不必要な雑務を押し付けられたり、強制的に飲み会に参加させられるといった業務外の付き合いで自分の時間を奪われたりすると、ストレスがたまるでしょう。

長時間労働に加えて十分な給料がもらえない状況だと、より苦痛は大きくなるはずです。働きに見合った報酬がなければ、仕事への意欲がわきづらいのも無理はありません。

同調査において、「給与等収入が少なかった」と答えた人は、男性で7.6%、女性では6.8%でした。

嫌いな仕事を続けるデメリット

仕事に苦しんでいる女性

(出典) photo-ac.com

仕事が嫌いでも生活のために必要だからと、無理に働き続けている人も多いでしょう。しかし、嫌いな仕事を続けているとさまざまな問題が発生します。続けるメリットとデメリットを比較して、今後の行動を決める材料にしましょう。

仕事の効率や評価が下がる

仕事が嫌いだと感じているときはモチベーションが維持できず、業務効率やパフォーマンスが低下してしまいます。勤務態度の悪さやミスの多さを上司に気付かれれば、人事評価で低く査定されたり、降格になったりする可能性も否めません。

降格させられないにしても、仕事に対して受け身の姿勢だと評価が上がらず、昇進を望みにくくなるでしょう。あまりにも勤務態度に難があると、社内で信頼を失い、職場にいづらい状況になってしまうようなケースも考えられます。

ストレスがたまる

嫌いな気持ちを抱えたまま仕事をしているのは、心のどこかで無理をしている状態です。無理に仕事を続けているとストレスがたまっていき、仕事がとても苦痛だと感じるようになります。

ストレスがたまってつらくなると、プライベートでも常に仕事での嫌な出来事を思い出すようになりかねません。

うまく切り替えてリフレッシュできるうちは問題ありませんが、心身の不調に陥ってしまうほどつらくなると、状況を好転させる行動も難しくなる可能性があります。

スキルが身に付きにくい

嫌いな仕事に積極的に取り組むのはなかなか難しく、業務に関わる勉強に取り組む意欲もわきづらくなります。仕事が嫌いな原因が人間関係にある場合は、分からないことを質問するのも難しい状態かもしれません。

スキルアップの機会を知らないうちに逃してしまうのも、仕事を好きになれないデメリットです。

嫌いな仕事から離れる手段として転職が挙げられますが、十分なスキル・能力や経験がなければ、新しい道に進むのは難しくなります。仕事を好きになれずスキルが身に付かないままでいると、環境を変えたくても変えられないという悪循環に陥りかねません。

仕事が嫌いだと感じたときは

頭をかしげる女性

(出典) photo-ac.com

嫌いな仕事をそのまま続けていると、困った状況に陥ることが分かりました。では仕事を嫌いだと感じたら、どのように行動したらよいのでしょうか?仕事が嫌いな自分に気付いたときに最初に取るとよい行動を、2ステップで紹介します。

仕事が嫌いな原因を書き出す

仕事が嫌いだと感じるときは複数の原因が絡み合っているケースが多く、なぜ仕事を好きになれないのか、すんなりと言語化するのは難しいかもしれません。

まずはこれまでの仕事を振り返ってみて、自分がなぜ仕事を嫌いなのかを整理してみましょう。頭の中で考えているだけではなかなか思考がまとまらないため、ノートに嫌いな原因を1つずつ書き出してみるのがおすすめです。

原因を分類して解決策を考える

最初のステップで書き出した原因の中には、自分で解決できるものと自分ではどうにもならない類のものがあります。

自身の能力不足や受け身な姿勢が原因なら、努力次第で状況を改善できるでしょう。一方、上司の指導や労働環境に原因があるなら、いくら努力しても根本からは解決できません。

自分で解決できる原因に対しては改善の努力をして、仕事を続ける方向で考えるのがよいでしょう。会社側に問題がある場合は自力での解決は難しいため、転職して環境自体を変える選択肢も視野に入れる必要があります。

仕事が嫌いな気持ちを和らげる対処法

手帳に記入する女性

(出典) photo-ac.com

仕事への嫌悪感は工夫次第で緩和できる場合があります。今の会社で引き続き頑張っていこうと決めたなら、仕事と上手に付き合っていくコツをつかんでおきましょう。仕事に対する認識を変えて、嫌いな気持ちを和らげていく方法を紹介します。

続けるメリットを書き出す

仕事が嫌いだとしても、今の仕事から得られるメリットがデメリットを上回っていれば、このまま仕事を続けようと自分を納得させられるものです。

今後のキャリア展望を踏まえて、現在の仕事を通して得られるスキルや経験・人脈などを考えてみましょう。働きに見合う収入を得られているかも重要なポイントです。

将来のビジョンがはっきりしていない場合は、自分が担っている仕事の価値を見つめ直すのも、仕事に対する嫌悪感の緩和に役立ちます。社会に貢献できている実感が生まれれば、嫌悪感も薄れていく可能性があります。

積極的に取り組んで成果を上げる

思うような成果を上げられていないときは、どうしても仕事が嫌いな気持ちが大きくなってしまいます。しかし、仕事に対する嫌悪感が強いときこそ、仕事にきちんと向き合って自らの仕事ぶりを正しく認識する必要があります。

スキルや能力が足りていなかったり勤務態度が悪かったりするなら、意識的にパフォーマンスの改善に取り組む姿勢が不可欠です。仕事に対して積極的に関わっていき、成果が出るようになれば、自然と肯定的な気持ちを持てるでしょう。

仕事だと割り切る

生活していくために仕事は必要です。嫌いだからといって簡単に辞められるものではありません。自分の気持ちと相談して許容できる範囲なら、「仕事は仕事」と割り切って働き続けるのも1つの手です。

とはいえ嫌いなまま仕事を続けていると、常に仕事のことで頭がいっぱいになってストレスがたまってしまいます。ネガティブな考えで思考が埋め尽くされないよう、趣味を見つけてプライベートを充実させるとよいでしょう。

異動を申し出る

認識を変えても問題を先延ばしにしているだけで、しばらくの間はつらい気持ちと付き合っていく必要があります。ただ、もう耐えられないという気持ちが強いなら、上司に相談して異動するのも選択肢です。

部署異動をすれば環境が一変するため、職場の人間関係や仕事内容に不満があった場合は、問題の解消につながる見込みがあります。社内での異動なら転職よりもハードルが低いため、職を変えるのに抵抗がある人にとっては、よい選択といえるでしょう。

転職に踏み切る場合のポイント

デスクに突っ伏している女性

(出典) photo-ac.com

今の仕事が嫌いでも、十分な準備が整っていないまま転職に踏み切ると、失敗する可能性が高くなります。嫌いな仕事からの転職を考えている人は、成功のポイントを押さえておきましょう。

辞めるデメリットもよく考える

転職は人生における大きな決断です。勢いだけで衝動的に会社を辞めると後悔しかねません。まずは冷静になって、転職のデメリットにも目を向ける必要があります。マイナス面を踏まえて現在の職場を離れた方がよいと考えたなら、転職活動を始めましょう。

辞めた場合のデメリットとしては、収入が減る可能性やローンの審査が通りにくくなる可能性が挙げられます。退職金が減額されるほか、企業年金への悪影響も転職によって生じるデメリットです。

また、新しい職場にうまくなじめるかどうかは、実際に入社してみないと分からない部分もあります。転職したからといって、必ずしも状況が好転するとは限らないという前提は忘れないようにしましょう。

優先順位をしっかり決める

転職活動中の面接では、転職の目的をよく聞かれます。質問されたときに慌てず回答できるよう、仕事に求める条件を事前に書き出し、優先順位を付けておく作業が必須です。

転職の軸をきちんと作っておけば、ミスマッチを防げて新しい職場にもスムーズに順応できます。

条件と優先順位が決まったら、スタンバイのように大量の求人を一括でチェックできるサイトを利用して、求人を検索してみましょう。

検索結果から会社が求める人物像を確認し、自分のスキル・能力とすり合わせていけば、大きなズレが生まれにくくなります。

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仕事が嫌いなら対処法を考えてみよう

タイピングする男性

(出典) photo-ac.com

仕事が嫌いだと感じている理由には、やりがい不足や人間関係の問題・見返り不足が挙げられます。嫌いな気持ちを引きずったまま仕事を続けていると、パフォーマンスが低下したりストレスがたまったりするのが問題です。

今の仕事を好きになれないときは、原因を突き止めて対策を練る必要があります。自分の努力次第で解決できる問題なら、続けるメリットを書き出したり仕事への姿勢を改めたりして、嫌悪感を緩和してみましょう。

一方で、会社に問題があって努力では変えられないなら、転職に踏み切るのも選択肢です。ただ、転職はキャリアにおいて大きな決断のため、勢い任せではなく、本当に転職するべきなのかを冷静かつ合理的に判断しましょう。