医療事務資格試験はどれがおすすめ?在宅受験が可能な試験も紹介

医療事務への転職を検討しているのなら、医療事務系の資格を取得しておくのがおすすめです。資格試験の代表的な種類と難易度を知れば、自分が受けるべき資格を選びやすくなるでしょう。医療事務資格を取得するメリットや選び方、おすすめの資格を紹介します。

医療事務資格試験の代表的な種類

パソコンを操作しながら勉強する

(出典) photo-ac.com

医療事務の資格は全て民間資格であり、多くの民間団体や学校が資格試験を実施しています。自分にとってどの資格がよいのか分からない人は、以下に挙げる人気のおすすめ資格を目指すとよいでしょう。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

国内最大級の統一試験である医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)は、多くの人が取得している代表的な資格です。医療現場のニーズに対応した問題が出題されます。

試験の内容は学科・実技1・実技2の3部構成です。学科は選択式、実技Iは記述式となっており、実技3は主に診療報酬に関する知識を問われます。

受験資格は定められておらず、誰でも試験を受けることが可能です。医科は毎月、歯科は年6回試験が実施されます。試験実施方法は在宅試験のみです。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)|資格試験/技能認定|日本医療教育財団

医療事務認定実務者試験

医療事務認定実務者試験は、医療事務に関する基礎知識やレセプト作成能力を証明できる資格です。試験内容は学科と実技に分かれており、いずれも選択式となっています。

合格率は約60~80%と、医療事務資格の中では難易度が低めです。参考書や資料の持ち込みも認められているため、しっかりと準備をして臨めば合格できる可能性は高いでしょう。

試験日は毎月月末に設定されており、試験までのスケジュールを立てやすいことも特徴です。一般の人の受験形式は在宅のみとなっています。

医療事務認定実務者試験|診療報酬資格認定全国医療福祉教育協会

医科 医療事務管理士技能認定試験

医療事務管理士を目指せる試験が医科 医療事務管理士技能認定試験です。医療事務管理士は日本で最初の医療事務資格であり、医療機関に幅広く認知されています。

受験資格はなく、学科試験と実技試験はいずれも選択式です。実技試験ではレセプトの点検や作成に関する問題が出題されます。合格率は約50%と、難易度が比較的高めです。

試験形式は一般会場試験と在宅試験の2種類があり、2022年時点では在宅でのみ試験を受けられます。場所や時間を問わず受験できるインターネット試験を選ぶことも可能です。

医科医療事務管理士技能認定試験 | JSMA 技能認定振興協会

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験は、医療事務資格の中で最も難易度が高いとされる試験です。合格率は20~30%台を推移しており、40%を超えたことがほとんどありません。

試験では主に診療報酬請求事務の知識を問われます。医科と歯科で試験が分かれており、それぞれで学科と実技の試験が行われます。資料や診療報酬点数表の持ち込みは自由です。

7月と12月にしか試験がなく、不合格なら約半年待たなければ次回分を受けられません。試験形式は一般会場試験のみ、全都道府県で行われるわけではないため、試験会場へ行くのに時間がかかるケースもあります。

試験概要|公益財団法人日本医療保険事務協会

医療事務資格試験を選ぶポイント

ノートに書き込む

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取得する医療事務資格を選ぶ際は、いくつか注意しなければならないことがあります。申し込んだ後で後悔しないように、試験を選ぶ際のポイントを覚えておきましょう。

在宅で受験できるか

医療事務資格によっては、一般会場だけでなく在宅でも試験を受けられるケースがあります。在宅受験の主なメリットは以下の通りです。

  • 子育て中や介護中の人でも受験しやすい
  • 試験のために仕事を休めない人も勤務終了後に受験できる
  • 試験会場までの移動が不要
  • トイレが気にならない
  • 1人で集中して受験できる
  • 体調が良くないときにも周囲に気を使う必要がない

上にあげた4つの資格のうち、診療報酬請求事務能力認定試験以外は在宅での受験が可能です。

レセプト業務に役立つか

レセプト業務は診療報酬を月末などに集計して、患者が利用した各種健康保険の保険者に請求する作業で、医療機関の収入を支える重要な仕事です。レセプト業務をこなせるようになれば、医療事務としての価値が高まります。

転職活動でレセプト事務の能力をアピールしたいなら、関連する資格を取得するのがおすすめです。前述の4つの資格は、いずれも試験でレセプトに関する知識やスキルを問われます。

試験では、レセプトを作成する問題と点検する問題の2タイプが出題されます。

試験の難易度もチェック

医療事務資格試験で最も難易度が高いのは診療報酬請求事務能力認定試験です。毎回約3人に1人しか合格していません。

一方、合格率が約60~80%の医療事務認定実務者試験は、比較的合格しやすい資格です。とりあえず何か資格を持っておきたい初学者に向いています。

ただし、難易度が低い資格は転職のアピール材料にならないこともあるでしょう。転職活動中や転職後に資格のメリットを十分に生かしたいのなら、合格率50~60%以下の資格を狙って勉強に励むのがおすすめです。

医療事務資格を取得するメリット

電卓とお札

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医療事務資格を取得すれば、資格の勉強で得た知識を転職後の業務に役立てられます。資格手当をもらえる可能性があることもメリットの1つです。

転職後の実務に役立つ

医療事務の仕事に資格は必須ではありません。国家資格の取得が必要な医師や看護師と違い、医療事務には仕事をするために必要な資格がないのです。

ただし、未経験で医療事務に転職する場合は、働きながらさまざまな業務を覚える必要があります。医療業界も初めての人なら、基礎知識を身につけるだけでも苦労するでしょう。

医療事務資格を取得しておけば、業務で最低限必要な知識を頭に入れることが可能です。実務で役立つ知識をあらかじめ習得しておくことで、転職後もスムーズに仕事を始められます。

資格手当をもらえる

医療事務資格を取得するメリットとしては、資格手当をもらえることも挙げられます。必ず手当がつくとは限りませんが、難易度が高い資格なら手当がつきやすくなるでしょう。

高難易度の診療報酬請求事務能力認定試験を持っていれば、他の資格よりも手当額が高くなる傾向があります。資格手当の制度さえあれば、雇用形態は問いません。

気になる求人に資格手当ありの記載がある場合は、何の資格を持っていれば手当がつくのか調べてみましょう。資格手当を狙って取得する資格を決めるのも1つの方法です。

医療事務資格試験の勉強方法

勉強の様子

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医療事務資格の取得に向けた勉強方法には、独学とスクール・講座の2種類に大きく分けられます。自分の性格や状況に合った方法を選ぶことが大切です。

過去問中心の独学

高難易度の診療報酬請求事務能力認定試験以外は、独学でも合格を目指せます。独学なら自分のペースで学習を進められる上、勉強にかかるコストを抑えることも可能です。

独学では各資格に特化した市販の参考書や問題集で勉強を進めることになります。過去問を解けば試験の難易度を把握できるため、自分に合ったレベルの試験を選べるでしょう。

独学で資格取得を目指す場合は、受験日から逆算して学習スケジュールを立てる必要があります。レセプト問題を中心に多くの問題を繰り返し解き、自信をつけて試験に臨みましょう。

専門スクールや通信講座

独学での勉強に不安を感じる場合は、専門スクールや通信講座を利用するのがおすすめです。いずれも体系立てて学習を進められるため、勉強に対する不安を軽減できます。

全面的にプロを頼って勉強したい場合は、専門スクールの利用がおすすめです。対面の授業で緊張感を持って勉強できる上、試験までのスケジュールを立てる際も適切なアドバイスを受けられるでしょう。

あくまでも自分のペースで勉強したい人は、好きな時間に学習できる通信講座にしましょう。分からないことがあっても、サポートに聞けば疑問を解消できます。

医療事務試験を取得して転職を有利に

履歴書とスーツ

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医療事務の資格を持っていれば、転職活動を有利に進められます。転職後の業務に役立つことや、資格手当による収入アップを見込めることも、資格を取得するメリットです。

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