ピッキング作業の種類・きついといわれる理由は?仕事の魅力も紹介

ピッキング作業は、通信販売などで注文を受けた商品を、伝票やリストに従って倉庫内で集める仕事です。作業方法は企業によって異なり、集める商品もさまざまです。ピッキングの詳細や仕事がきついといわれる理由・ピッキングの魅力を見ていきましょう。

ピッキングの作業内容とは?

物流倉庫

(出典) photo-ac.com

求人サイトや情報誌などで、頻繁にピッキングの人材募集を見かける人も多いのではないでしょうか。「応募してみたいけれど、何をするのか分からない…」と悩む人は、まずピッキングの作業内容を確認しましょう。

倉庫内の指定された商品を集める作業

ピッキングとは、倉庫や工場に保管された商品を、伝票やリストに従って集めるのが仕事です。集められた商品は、適切に荷造りされ、顧客の元へと出荷されます。企業の物流業務の中でも、非常に重要な仕事といえるでしょう。

「商品を集めるだけ」と聞くと楽な作業に思えますが、集める商品を間違えないよう、細心の注意が必要です。配送スケジュールも決まっており、作業には正確性とスピードが求められます。

ピッキング作業で扱う商品

ピッキング作業で扱う商品は、本・食品・日用品・電化製品など、さまざまです。

商品の重さ・大きさも異なるため、楽にピッキングできることもあれば、そうではないこともあります。ありとあらゆるジャンルの商品が混在している倉庫なら、場所を覚えるのも一苦労でしょう。

ピッキング作業は、基本的に全て人力で行われます。ただし、あまりにも大きい商品・重量のある商品については、フォークリフトが使われるケースも少なくありません。

ピッキングの作業方法はおもに3種類

段ボールを運ぶ男性

(出典) photo-ac.com

ピッキング作業には「シングルピッキング」「トータルピッキング」「マルチオーダーピッキング」の3種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

シングルピッキング(摘み取り方式)

シングルピッキングは「摘み取り方式」ともよばれる作業方法です。受注ごとに商品を1つにまとめるのが特徴で、荷造り担当への引き渡しがスムーズになるというメリットがあります。通信販売で受けたオーダーを配送する場合などで、よく採用されるピッキング方式とされています。

シングルピッキングの担当になった場合、基本的には1人で作業します。倉庫内には、同じようなピッキング作業員はいますが、連携して何かをするということはありません。

トータルピッキング(種まき方式)

トータルピッキングは、商品の種類ごとにピッキングする作業方法です。同じ種類の商品は1つにまとめて集められ、配送先ごとに仕分けされます。総出荷数が多い場合はメリットが大きく、どちらかというと個人よりも対企業向けの発送方法といわれています。

トータルピッキングは、シングルピッキングよりも作業動線が短く、移動距離が短いという特徴があります。ピッキング作業は1人ではなく、複数の作業員で連携するチーム制です。

マルチオーダーピッキング

ピッキングと仕分けを同時に行うのが、マルチオーダーピッキングです。受注数分の入れもの(カートやコンテナなど)を用意し、ピッキングしてきた商品を仕分けしながら入れていきます。

マルチオーダーピッキングなら、ピッキングと同時に仕分けができるため、仕分けのためのスペースを設ける必要がないのもメリットです。

「1度の作業でピッキングと仕分けが終わる」「作業動線が短い」など、シングルピッキングとトータルピッキングの、よい面を合わせた作業方法といえます。

ただし、ピッキングと仕分けを同時に行うので、ミスが発生するリスクは高めです。誤配送を防ぐため、確実な検品作業が必要です。

ピッキング作業がきつい理由は?

物流倉庫の外観

(出典) photo-ac.com

ピッキング作業について「きつい」などの声もあります。ピッキング作業をする人は、どのような部分に不満を感じやすいのでしょうか?

体力的にきつい

ピッキング作業は、商品を集めるために倉庫内を歩き回らなければなりません。作業時間中は、ほとんど立ちっぱなし・歩きっぱなしとなり、体力的にきついと感じることが多いようです。

また、扱う商品によっては、大きかったり、重量があったりもします。保管場所によっては、しゃがんだり背伸びをしたりすることもあり、体には常に負荷がかかってしまうでしょう。人によっては、慢性的な腰痛・肩こり・足の痛みなどに悩まされることも少なくないようです。

繰り返しの単調な作業がきつい

ピッキングは、指示に従って商品を集めたり、分配したりすることの繰り返しです。ルールや商品の配置を覚えてしまえば、特に難しいこともありません。しかし、単調な作業の繰り返しに飽きてしまって、つらいと感じることもあるようです。

また、シングルピッキングの場合は、基本的に1人での作業となります。休憩時間以外は、特に話す人もおらず、黙々と働きます。人と積極的に関わりたい人や、チーム作業が好きな人にとっては、就業時間が大きな苦痛となるかもしれません。

夜勤や繁忙期がある倉庫は業務がきつい

倉庫によっては、夜勤シフトがあったり、贈答シーズンは極端に忙しくなったりします。

繁忙期があるのは、おもに一般消費者向けの製品を保管する倉庫です。クリスマスや年末年始などは、特に忙しくなる傾向があり、作業量が増えます。スポット採用の作業員も入り、倉庫内が慌ただしくなるでしょう。

繁忙期がある倉庫を避けたい場合は、1年を通して出荷量が安定している工業用倉庫などがおすすめです。

また、夜勤は昼夜逆転で働くことになるため、肉体的・精神的負担の増大は避けられないでしょう。日勤の友人などとスケジュールを合わせるのも難しく、ストレスを発散させにくいのも、つらく感じる一因といえそうです。

ピッキング作業の魅力は?

段ボールを運ぶ男性

(出典) photo-ac.com

きついといわれることもあるピッキング作業ですが、働く上でのメリットもあります。ピッキング作業ならではの魅力を見ていきましょう。

未経験でもすぐに仕事ができる

ピッキング作業には、特別なスキルや経験が不要です。これまでピッキング作業に携わったことがない人でも、採用されやすいでしょう。

また、ピッキング作業は「商品を選んで集める」という極めてシンプルな仕事です。商品の種類や場所さえ覚えてしまえば、難しいことはないといえます。同じ作業を繰り返すうちに作業効率も上がってくるため、慣れればスピーディーにピッキング作業をこなせるでしょう。

作業の難易度が低いのは、気軽に働きたい人にとっては、大きなメリットとなるはずです。

夜勤なら高収入を得られる

「なるべく多くの収入を得たい」と考える人には、ピッキングの夜勤シフトを選択する方法があります。

労働基準法では、深夜(原則として午後10時から翌午前5時)に働く人に対して、25%の割増賃金を加算しなければならないと定められています。倉庫によっては、25%よりも高額な割増率を適用しているところもあり、ピッキング作業で大きく稼ぐことも不可能ではありません。

たとえ同じ労働時間でも、夜勤専従にするだけで、より多くの収入を得られるでしょう。

法定労働時間と割増賃金について教えてください。|厚生労働省

ピッキング作業はアルバイトが多い?

倉庫の外観

(出典) photo-ac.com

ピッキング作業は、単純作業であることから「アルバイトが多い」などといわれることも多くあります。正社員の求人は見つかるのでしょうか?ピッキング作業の雇用形態について見ていきましょう。

正社員の募集もある

正社員でピッキング作業員を募集している企業は数多くあります。扱う製品は、文房具・コスメ・お菓子・医薬品など、さまざまあるので、興味のある求人に応募してみましょう。

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勤務形態や勤務地でピッキングの仕事を探せるので、自分に合う仕事場が見つかるでしょう。

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ピッキング作業はきついけど挑戦しやすい仕事

電話をかける作業員の男性

(出典) photo-ac.com

ピッキングは、倉庫内の商品を集めたり、仕分けしたりするのが仕事です。基本的に立ちっぱなしの仕事となるため、体力的にきついと感じることが多いかもしれません。

しかし「スキル・実績不要」「1度覚えてしまえば気軽にできる」「1人でコツコツ取り組める」など、さまざまなメリットがあります。

ピッキング作業が向いていると思った人は、労働条件や勤務地について納得できる倉庫に応募してみましょう。