プログラマーがきついといわれる理由は?向いていない人の特徴も紹介

スキルがあれば場所を問わず働けるプログラマーは、多くの人の憧れです。実力次第で高収入も目指せますが、よいことばかりではありません。「プログラマーは仕事がきつい」といわれる理由や、向いていない人の特徴を解説します。

プログラマーがきついといわれる理由は?

突っ伏して寝る女性

(出典) photo-ac.com

手に職をつけたい人の中には、独学やスクールでプログラミングを学んでいる人も多いでしょう。プログラマーは将来が有望である一方で、仕事がきついといわれています。現役プログラマーは、仕事のどのような点に大変さを感じているのでしょうか?

労働時間が長くなりがち

客先常駐のプログラマーは、常駐する会社の就業時間に合わせて働くのが基本です。ただし、プログラムの完成までに間に合わないときは、残業や休日出勤を余儀なくされます。納期間近にバグが生じれば、深夜まで修正作業に追われることになるでしょう。

実働8時間の会社に常駐していても、プログラマーの労働時間は状況によって長くなりやすいのです。

IT業界は慢性的な人手不足に陥っており、現場では特定の人に業務が集中する傾向があります。1人当たりの業務負荷が増え、長時間労働が常態化している会社も珍しくありません。

顧客の要望に左右されがち

プログラマーの仕事は顧客ありきです。顧客の無理難題に応えなければならない状況も起こるため、肉体的・精神的に負担が大きくなります。

よくあるのが、急な納期の短縮や仕様の変更、追加の要望などです。部分的な修正であれば比較的簡単に対応できますが、仕様の変更が伴うと、これまでの作業が水の泡になるケースもあります。

システムの開発には高度な専門知識が必要です。開発側の仕事内容や大変さを顧客側がよく理解していないケースが多く、「これも追加してほしい」「それは削除してほしい」と要求が多くなりがちです。

テスト作業が多い

プログラマーの仕事の1つに「テスト作業」があります。テスト作業とは、テスト仕様書に基づき、システムに問題が生じていないかどうかをチェックする作業工程のことです。

システム完成後、一発で問題なく稼働するケースはめったになく、テスト作業を繰り返しながら、徐々にリリースできる状態に近づけていきます。

テスト→不具合やバグの発見→修正→テストというサイクルを何度も繰り返さなければならないため、骨が折れると感じるプログラマーは多いようです。

勉強し続けなければいけない

プログラマーとして業界で生き残るには、学び続けなければなりません。IT技術の移り変わりは激しく、最新の知識や技術を自ら学ぶ姿勢がなければ、時代に取り残されてしまうでしょう。

多くのプログラマーは、日々の業務と並行してスキルのアップデートに努めなければならない点に大変さを感じています。加えて、会社からの金銭的な補助がない場合は、勉強の費用はすべて自己負担です。

プログラマーに向いていない人

デスクワークに疲れた男性

(出典) photo-ac.com

どのような職業にも向き・不向きがあります。プログラマーとして活躍している人の多くは、プログラミング言語が扱えるだけでなく、論理的な思考能力や忍耐力を備えているようです。以下の特徴に当てはまる人は、プログラマーに不向きかもしれません。

地道な作業に苦手意識がある

コーディングやテスト作業、バグの修正など、プログラマーの仕事は地道な作業の連続です。黙々と作業を進めるのが苦手な人や根気がない人は、プログラマーにはあまり向いていないかもしれません。

自分がプログラマーに向いているかどうかは、プログラミングを学んでいる段階で明らかになるでしょう。

「継続して学習ができない」「開発に楽しみが見出せない」という人は、プログラマーになっても仕事がつらいと感じてしまいます。

論理的に考えるのが不得意

プログラマーは人間ではなくコンピューターを相手にします。コンピューターは、論理的な指示・命令によってのみ動くため、論理的な思考(ロジカルシンキング)を培う必要があります。

論理的思考が欠如している人は、ソースコードの構造が理解できなかったり、不具合の原因究明ができなかったりして、作業がうまく進まない可能性があるでしょう。

黙々と作業をこなすイメージがありますが、チームで開発をする場合には、他のメンバーとのコミュニケーションが欠かせません。論理的な話の組み立て方ができる人は、メンバーや顧客からの理解が得られやすいでしょう。

プログラマーとして働くメリットは?

プログラミンをする手元

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肉体的・精神的に負荷が大きい仕事であるにもかかわらず、多くの人がプログラマーを目指すのには理由があります。プログラマーの仕事にはどのような魅力があるのでしょうか?

ものづくりに携わる喜び

プログラマーになると、最先端のものづくりに携わる喜びが実感できます。これまでになかった機能やサービスを生み出したり、課題解決に貢献できたりしたときにやりがいを感じる人は少なくありません。

今後は、DX(Digital Transformation)によって、デジタルテクノロジーを利用したシステムや製品が増えていくと考えられます。ITシステムの開発・運用には、プログラミングに精通したプログラマーが欠かせないため、活躍の場は多いでしょう。

仕事は大変ですが、最先端のものづくりに関わっているという自信やプライドが、働く原動力になるともいえます。

スキル次第で高収入が狙える

下流工程を担うプログラマーは収入が低いイメージがありますが、スキル次第では高収入が狙えます。

フリーランスプログラマーとして独立すれば、高単価案件を引き受ける機会も多くなるでしょう。IT業界は慢性的な人手不足にあるため、実力のあるプログラマーは引く手あまたです。

プログラマーとして経験を積んだ後は、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーになるキャリアパスもあります。マネジメント職に就ければ、収入が大幅にアップする可能性が高いでしょう。

自分の適性を見極めた上で、知識や技術を高めていくことが重要です。

ブラック企業を避けるのもポイント

検索する

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過度な長時間労働やノルマを課す会社は、ブラック企業と呼ばれます。ブラック企業で働くと、心身が疲弊するばかりか、キャリアアップの道も閉ざされてしまうでしょう。求人情報やネット上の情報から、ブラック企業を見分ける方法を解説します。

求人情報はくまなくチェック

求人情報には、その会社がブラックかどうかを見分ける、以下のような多くのヒントが隠されています。

  • みなし残業を採用している
  • 大量採用・即採用というワードがある
  • 頻繁に求人を出している
  • プログラマーの求人なのに職歴・スキルを一切問わない
  • スキルアップの道筋が示されていない
  • 精神論ばかりを並べている(例:やりがい・アットホーム・根性)

みなし残業とは、みなし労働時間制に基づき、あらかじめ支払う賃金の中に残業代を含める方法です。違法性はありませんが、残業代の未払い請求が生じやすく、後々トラブルに発展する可能性があります。

IT業界の場合、キャリアアップにつながらない単純な作業だけを繰り返し求めるような会社も、ブラックといえるでしょう。育成システムがない会社は、従業員の使い捨てが当たり前になっているおそれがあります。

離職率も確認しておく

業績が好調なわけでもないのに頻繁に求人を出している会社は、以下のような理由で離職率が高くなっている可能性があります。

  • サービス残業が多い
  • 働きに見合った収入が得られない
  • 労働環境が劣悪
  • 人間関係に問題がある
  • キャリアアップが望めない(単純労働が多い)

ハローワークや転職エージェントを活用して就職・転職活動を行う場合は、その会社の採用理由や採用状況、離職率などを担当者にしっかり確認するようにしましょう。離職率が分からない場合は、面接の際に確認するという手もあります。

離職率をストレートに聞くのではなく、「配属される部署は、何年ぐらい働いている人が多いのですか?」「みなさんはどのような点にやりがいを感じているのですか?」など、できるだけ遠まわしに質問するようにしましょう。

事前に仕事の大変な部分を知ることも重要

エンジニア

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プログラマーの魅力はキャリアパスが明確な上に、努力次第で高収入が目指せるところです。スキルがある人は就職・転職に困らず、多くの会社で重宝されるでしょう。収入面だけでなく、最先端のものづくりに携わる喜びも得られます。

一方で、労働時間が長くなりやすい点や顧客に振り回されやすい点がデメリットです。よい面だけでなく、仕事の大変な面を理解した上でプログラマーを目指しましょう。

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