プログラマーがきつい理由とは?仕事がつらくなる背景もチェック

専門知識を生かして活躍するプログラマーは需要が高く、分野によっては高収入を目指せます。一方で、長時間労働により仕事がきついという声が多いのも現状です。プログラマーの仕事がきつい理由や、仕事がつらい背景について解説します。 

この記事のポイント

プログラマーは長時間労働で作業量も膨大
少子高齢化による人材不足により、プログラマー1人に対しての業務負担が増加していることが、きついといわれる一因です。
不具合などによる追加作業を想定していない納品スケジュールや予算がきつい
基本的に、プロジェクト開始時に決めた納品時期や予算は変更できないため、報酬が見合わないケースもあります。
プログラマーの種類は多岐にわたる
未経験から目指せるWebプログラマーや、ゲーム・アプリ系、組み込み系・通信系、汎用系・オープン系など、プログラマーにはさまざまな種類があります。

プログラマーが仕事をきついと感じる主な理由

疲れているスーツの男性

(出典) pixta.jp

システムの構築に欠かせないプログラマーですが、その仕事内容がきついという声が多く上がっています。なぜプログラマーの仕事は、これほどまでにきついものとして認識されているのでしょうか。

まずはその理由を見ていきましょう。

長時間労働になりがち

プログラマーが仕事をきついと感じる要因の1つに、長時間労働が挙げられます。常駐勤務の場合、客先の勤務時間に合わせる必要があり、納期に間に合わせるためには残業や休日出勤が避けられません。

また、作業が順調に進んでいたとしても、予期せぬ問題が発生することもあります。問題解決に時間を要すれば、必然的に労働時間も長くなってしまうでしょう。

これらの要因により、プログラマーはプライベートの時間を十分に確保できない状況に置かれています。そのため、心身ともに疲弊し、仕事がきついと感じる人が少なくありません。

作業量が多く集中力が求められる

プログラマーの仕事は、単純作業の連続です。テスト・不具合やバグの発見・修正・再テストというサイクルを、根気強く地道に何度も繰り返します。

長時間同じ姿勢で膨大な作業に取り組むため、腰や肩を痛めたり、眼精疲労や頭痛に悩まされたりする人も少なくありません。

また、コードに1つでも間違いがあると、完成品に影響が出るため、常に高い集中力を維持する必要もあります。このような身体的・精神的な負担に加え、近年ではAIがプログラミング作業の一部を代替する可能性もあるといわれています。

過酷な労働環境に耐えプログラマーとしてキャリアを築いても、将来的に仕事をAIに奪われるかもしれません。このような不安は、精神面での負担を大きくし、仕事がきついと感じさせる要因となっています。

常に学び続ける必要がある

プログラミング言語の進化や市場の変化に対応するために、常に新しい技術を学ぶ必要があるのもプログラマーの宿命です。特に近年、IT技術の移り変わりは目覚ましく、最新の知識・技術を自ら学ぶスタンスでいなければ、時代に取り残されてしまうでしょう。

しかし、多忙な業務と並行して学習時間を確保するのは容易ではありません。さらに、企業からの補助がない場合は、学習費用を自己負担する必要があり、経済的な負担も大きくなります。

このような状況も、プログラマーにとって厳しくつらい環境をつくり出しているといえるでしょう。

プログラマーの仕事がきつくなる原因

頭痛を感じている男性

(出典) pixta.jp

プログラマーの仕事がきつい原因には、労働環境や社会的な人手不足の問題が深く関わっています。さらに、作業時間の予測が困難というプログラマー特有の事情も、その負担を増大させています。

客先に常駐する勤務形態

プログラマーは、客先に常駐して働くケースが多くあります。客先の環境に合わせて作業するため、自社で働く場合と比べて、同じ仕事量でもきつさを感じやすい傾向があります。

システム開発には高度な専門知識が不可欠ですが、常駐先がその難しさを十分に理解していないケースも少なくありません。そのため、「これも追加してほしい」「それは削除してほしい」といった、無理難題とも思える要求が出されることもあります。

さらに、1人で常駐している場合、不明点や問題が発生しても、自分だけで対応しなければなりません。周囲に相談する人がいない状況は大きなストレスとなり、プログラマーのきつさを増大させる要因となるでしょう。

人手不足

プログラマーを含むIT人材は、慢性的な不足状態にあり、その傾向は今後も続くと予測されています。

経済産業省が2019年に発表した調査報告書「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には約45万〜79万人もの人材が不足する可能性があるとされています。

IT技術の急速な進歩にもかかわらず、それに対応できるスキルを持つ人材の育成が追いついていない点が、背景にあると考えてよいでしょう。また、少子高齢化による労働人口の減少で、そもそもIT業界を担う人材が足りていないというのも現状です。

プログラマー不足が深刻化すると、特定のプログラマーに業務が集中し、過重労働につながります。しかし納期は決められているため、1人当たりの作業量が増加し、長時間労働が常態化してしまうでしょう。

出典:IT人材需給に関する調査(PDF24枚目)

納期や予算を変えられない現状

プロジェクト開始時には、不具合の発生を想定せずに納期や予算が決定されることが一般的です。しかし、プログラミング作業では、予期せぬ問題や不具合が頻繁に発生します。

クライアントから仕様変更の要望があった、予期せぬ障害が発生したといった場合でも、納期が延長されたり、人員が増員されたりすることはほとんどありません。そのため、プログラマー1人当たりの負担が増大してしまいます。

また、システムのリリース後に不具合が発生した場合、納品後であっても対応を求められることがあり、長期的な対応が必要となるケースも少なくありません。

プログラマーの種類と特徴

男性プログラマー

(出典) pixta.jp

きついといわれるプログラマーですが、目指す人が多いのも事実です。プログラマーの種類は、未経験でも始められるものから、高い専門性が求められるものまでさまざまです。

まずは、プログラマーの種類と特徴を理解し、自分に合う分野を見つけることから始めてみましょう。

未経験者におすすめなのはWebプログラマー

Webプログラマーは、主にショッピングサイト・Webサイト・Webアプリなどを作ります。
Webプログラマーの種類は以下の3つに分けられます。

  • フロントエンド(ユーザーが目にする部分)
  • バックエンド(サーバーなどユーザーから見えない部分)
  • フルスタック(システム開発全体)

Webプログラマーのスキルは独学でも習得しやすく、難易度が比較的低いのが特徴です。経験を積むことで、他職種のプログラマーへ転職がしやすいメリットもあります。

ただし、フロントエンドを担当する場合、プログラミングスキルに加えてデザインセンスも求められます。そのため、日頃からさまざまなWebサイトをチェックし、トレンドを把握しておく必要があるでしょう。

身近なゲーム・アプリ系

ゲーム・アプリ系プログラマーは、画面上での動作や演出をプログラミングする専門職です。ゲームの面白さやアプリの快適さを左右する重要な役割を担っています。

ゲーム開発では、VR技術・グラフィックや効果音の知識・Unityなどのゲームエンジン・数学や物理といった特殊スキルや知識が必要です。

一方、アプリ開発では、デバイスごとに異なる言語を使うため、やや難易度が高いという特徴があります。しかし、アプリは日常で多くの人が利用するため、身近な仕事ともいえるでしょう。 

ゲーム・アプリ系プログラマーは需要が多い一方、専門性が高いため、他ジャンルのプログラマーへのキャリアチェンジがしにくいデメリットがあります。 

幅広い知識を生かす組み込み系・通信系

組み込み系プログラマーは、電気製品(電化製品・電子機器など)を動かすプログラムを組む職種です。特に、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)の開発に伴い、組み込み系プログラマーの需要は高まっています。

組み込み系プログラマーは、ハードウエアとソフトウエアの両方に関する知識が必要です。特にシステムの不具合は、誤作動などの重大事故につながる恐れもあります。非常に高い正確性が求められるため、難易度は高めといえるでしょう。 

通信系プログラマーは、IoT・ネットワーク機器・通話システムの開発に携わる専門職です。通信規約やプロトコルに関する高度な専門性が求められる仕事でもあるため、難易度は高めです。

なお、インターネットなどの通信技術は私たちの生活に欠かせないため、通信系プログラマーの需要も高い傾向にあります。

システム開発に関わる汎用系・オープン系

汎用系は、汎用機(基幹業務用の大型コンピューター)のシステム開発を専門とします。具体的には、公的機関や銀行などで用いられる、機密性が高く外部との連携を必要としないクローズドなシステムです。

非常に高い専門性が求められるため、難易度も高く、収入も比較的高い傾向にあります。しかし、オープン系の普及に伴い、汎用系プログラマーの需要は減少の傾向です。

オープン系プログラマーは、汎用系の逆で、複数のコンピューターを接続して構築するシステムを開発するのが仕事です。例として、電子カルテや顧客データベースが挙げられます。

汎用系とは対照的に、オープン系は幅広い分野で活用されるため、今後も高い需要が見込まれています。

プログラマーを目指すならきつい理由も考慮しよう

男性エンジニア

(出典) pixta.jp

プログラマーとして活躍していくためには、膨大な作業量や長時間労働に打ち勝つ強い忍耐力や精神力が必要です。大変な側面もありますが、自分が構築したシステムで、人の役に立ったり楽しませたりすることができるなど、やりがいのある職種でもあります。

たとえ未経験からのスタートでも、知識や経験を重ねてスキルを高めれば、高収入を目指すことも夢ではありません。プログラマーとして活躍していきたいのであれば、メリットとデメリットをしっかり理解し、自分に合うプログラマーの種類を見つけることが重要といえるでしょう。

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