デザイナーになるには?種類別の特徴から転職方法まで

デザイナーはIT系からものづくり系まで、さまざまな分野で見られる職種です。デザイナーに転職したいなら、自分のスキルや興味に近い分野を探すとよいでしょう。デザイナーの種類とそれぞれの特徴、おすすめ資格など、転職に役立つ情報を紹介します。

IT系のデザイナーになるには?

デザイナーのイメージ

(出典) photo-ac.com

IT系のデザイナーになるには、デザインセンスだけでなく、制作に使用するハードウエアやソフトウエアの知識も必要です。IT系デザイナーの種類と必要なスキル、なり方を見ていきます。

webデザイナー

webデザイナーは、クライアントの要望に合わせて、webサイトのコンセプト案を提出し、決定案に沿って細部を作り込む職業です。webサイトを思い通りに動かすプログラミングスキルや、サイト内で使用する動画・画像の作成スキルが必須です。

また情報があふれている現代社会では、少しでも訪問者の目を引くための、新しい訴求テクニックがどんどん生まれています。魅力的なサイトを作るには、最新情報をキャッチして企画提案に生かす積極性も求められます。

スキルを身に付け、アルバイトや副業でサイト制作実績を作ってから、正社員を目指しましょう。

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーは、ポスター・チラシといった印刷物、商品パッケージや、オリジナル販促グッズなどをデザインする仕事です。web上のグラフィックやバナー広告をデザインすることもあります。

デザイナーには下記のような、ターゲットに刺さるデザインを作る知識が求められます。

  • 写真やイラストを効果的に配置する「レイアウト」
  • 最適な配色ができる「色彩」
  • 読みやすいフォントを使う「タイポグラフィー」

デジタルデータで納品するため「Illustrator(イラストレーター)」「Photoshop(フォトショップ)」といった、グラフィックソフトの操作スキルも重要です。

スキルを身に付けた上で、アシスタント業務や、クラウドソーシングから実績を積むとよいでしょう。小さなデザイン事務所なら、未経験でも採用される可能性があります。

CGデザイナー

CGデザイナーは、専用ソフトを使って、コンピューターグラフィックスを制作する仕事です。アニメ・ゲームの制作現場や、産業機械の設計・建築の分野で需要があります。

近年は2Dよりも、建物や生物を立体的に表現する「3DCG」が主流となっており、3DCG対応ソフトの操作スキルや、立体造形のセンスが必要です。

CGデザイナーになるには、学校で専門知識や実技を学んでから就職するのが一般的ですが、独学で目指す人もいます。即戦力として働けるなら、未経験者でも中途採用の可能性があります。

ものづくり系のデザイナーになるには?

窓辺でパソコンを操作する女性

(出典) photo-ac.com

家具や洋服など、身の回りのものをデザインする仕事も、一定の人気があります。ものづくりにかかわるデザイナーの特徴を見ていきます。

インテリアデザイナー

インテリアデザイナーは商業施設や住宅、乗り物などの内装や家具・インテリアを総合的に企画・デザインする職業で、建築物の企画段階からかかわり、快適な空間を作り出すのが目的です。

似ている職種に「インテリアコーディネーター」がありますが、こちらはすでに完成している空間に対して、家具や雑貨の配置を提案するのが主な業務です。

インテリアデザイナーの就職先としては、家具メーカー・設計事務所・住宅メーカーが挙げられます。関連する認定資格や資格取得の講座が多く、働きながらスキルを学んで転職することも可能です。

ファッションデザイナー

ファッションデザイナーの仕事は、洋服のデザインだけでなく、型紙やサンプルを作ったり、展示会を企画したりと、多岐に渡ります。

洋服のデザインを考えるためには、流行をいち早く察知して、表現するセンスが求められます。サンプル作成のためには、素材の知識や縫製技術も必要です。近年はCGでデザインするケースも多いため、CGソフトの操作スキルもあるとよいでしょう。

ファッションデザイナーになるには、服飾系の大学や専門学校で学んで、アパレルメーカーなどで経験を積む必要があり、他業種で働いている人が転職するには、ハードルが高い職種といえます。

プロダクトデザイナー

プロダクトデザイナーは、個人向けの日用品から、飛行機・自動車・業務用機器まで、人が使用するさまざまな製品をデザインする職業です。

プロダクトデザイナーには、新たな機能や使いやすさを創造し、製品に反映させるセンスが必要です。基本的なデザインの知識に加え、人間工学や心理学の知識・立体造形のスキルが求められます。

プロダクトデザイナーになるには、大学の専門学科を卒業して、メーカーのデザイン部門や、プロダクトデザイン制作会社に就職するのが基本です。

中途採用の場合は、ほぼ前職での実績で評価されるため、ファッションデザイナー同様、未経験から挑戦するのは難しいと考えられます。

DTPデザイナー

DTPデザイナーは、DTPソフトを使って印刷物のレイアウトをデザインする職業です。用意された文章や画像・図表を、最もターゲットに伝わりやすい形に整えます。

印刷物は、使用する紙の質やインクの色、画像の解像度などによって仕上がりが変わります。このためDTPデザイナーには、グラフィック・DTPソフトスキルのほかに、印刷業界の知識や、画像加工技術、色彩感覚が必要です。

こちらも専門の学科を出て、印刷会社や広告代理店に就職し、アシスタント的なDTPオペレーターからキャリアアップするのが基本です。

デザイナーに共通して求められる能力

打ち合わせをする女性3人

(出典) photo-ac.com

どのようなデザイナーにも、専門技術やセンス以外に共通して求められる能力があります。デザイナーになるために、身に付けたい能力を見ていきます。

コミュニケーション能力や問題解決力

デザインは、クライアントやユーザーのニーズを満たす手段です。目的は「商品を売る」「暮らしを便利にする」ことにあり、芸術作品とは目的が異なります。

商品パッケージで例えると、見た目がどんなにおしゃれでも、中身が分かりにくい・商品のイメージに合っていない、という理由で購入に結びつかなければ、優れたデザインとはいえません。

従ってデザイナーには、クライアントの要望を的確にくみ取るコミュニケーション力や、ユーザーの立場になって考える柔軟さ、問題点に素早く気付く観察力が求められます。

トレンドやニーズをキャッチする能力

ユーザーのニーズに合うデザインを創造するためには、世の中のトレンドをキャッチする力が必要です。例えば高齢化が進む日本では、文字が大きく、弱い力でも操作できる製品を作ると、多くの人に喜んでもらえるでしょう。

若い女性向けのWEBサイトを制作するときに、流行りのメイクやスイーツが参考になるケースもあります。デザインに使用するツールも日々進化しているため、常に最新の情報をキャッチし、新しい技術を使いこなす努力も求められます。

デザイナーになるのに役立つ資格を紹介

タブレットでデザインする女性

(出典) photo-ac.com

デザイナーになるために、特別な資格は必要ありません。しかし知識やスキルを証明できる資格はたくさんあり、取得しておくと転職活動に役立ちます。種類別に、おすすめの資格を紹介します。

IT系デザイナーに役立つ資格

IT系デザイナーになりたい人には、以下の資格がおすすめです。

  • ITパスポート
  • Webデザイナー検定
  • Illustratorクリエイター能力認定試験・Photoshopクリエイター能力試験
  • CGクリエイター検定

ITパスポートは、国家試験「情報処理技術者試験」の1種です。IT全般の基礎知識が身に付くため、WEBデザイナーやCGデザイナーを、ゼロから目指す人に向いています。

IllustratorやPhotoshopのスキル認定試験は、WEBデザイナー・グラフィックデザイナーに役立つ資格です。

ITパスポート試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

CG-ARTS検定(Webデザイナー検定・CGクリエイター検定)|CG-ARTS

Illustrator(イラストレーター)クリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ

Photoshop(フォトショップ)クリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ

ものづくり系デザイナーに役立つ資格

ものづくり系デザイナーの場合は、職種に特化した資格と、共通して役立つ資格に分けられます。共通して使える資格としては、カラーコーディネーター検定がおすすめです。

インテリアデザイナーには、インテリアデザイナー認定試験のほか、建築士の国家資格もあると有利です。ファッションデザイナー認定・プロダクトデザイン検定・DTP検定など、職種別の資格もあるので必要に応じて挑戦するとよいでしょう。

カラーコーディネーター検定試験|東京商工会議所検定サイト

ファッション色彩能力検定|日本ファッション教育振興協会

インテリアデザイナー資格のインテリアデザイナー認定試験 | 日本デザインプランナー協会 

資格試験|建築技術教育普及センターホームページ

ファッション資格のファッションデザイナー認定試験 | 日本デザインプランナー協会

プロダクトデザイン検定|公益社団法人 日本インダストリアルデザイン検定

未経験からデザイナーに転職するには

ノートパソコンを操作する女性

(出典) photo-ac.com

デザイナー職の多くは、中途採用の場合実績や経験を重視されます。未経験からデザイナーに転職するには、どうすればよいのでしょうか。

ポートフォリオを充実させる

デザイナー職に応募するときは、基本的にポートフォリオの提出を求められます。ポートフォリオとは、これまでの実績をまとめた作品集のことです。ポートフォリオが充実しているほど、優れたセンスや技術を持つ即戦力と判断され、採用の可能性が高まります。

未経験者なら、応募する企業に近い架空の案件を作る・クラウドソーシングを利用して実績を作るといった方法があります。自信作をトップに持ってきたり、応募企業の商品スタイルに合わせて全体のデザインを整えたりするとより好印象です。

未経験OKの求人を探す

職種によっては少ないものの、未経験可のデザイナー求人も存在します。見習い的な立場からのスタートがほとんどですが、採用されれば確実に実績を積めます。現場経験を通して知識やスキルの向上も期待できるため、積極的に応募するとよいでしょう。

前述の通り、クラウドソーシングで、未経験者歓迎案件を受注するのもおすすめです。評価が上がれば継続案件の受注や、スカウトにつながるかもしれません。

デザイナーの求人を探すときは「スタンバイ」を利用してみましょう。未経験OKの求人も多く、効率的に仕事を探せます。

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必要なスキルを知ってデザイナーになろう

クリエイターの作業デスク

(出典) photo-ac.com

デザイナーは実務経験がものをいう世界です。とはいえ、資格やポートフォリオで能力をアピールできれば、未経験でも十分にチャンスはあります。

デザイナーにもさまざまな種類があり、必要なスキルは異なります。自分の適性やスキルを踏まえて職種を選び、クリエイティブな仕事に挑戦しましょう。