保育士が資格を生かせる保育園以外の仕事は?転職のポイントも

保育士が働く場所として、まず保育園を思い浮かべる人は多いでしょう。保育園以外に、保育士資格を生かせる仕事はあるのでしょうか?保育士資格が役立つ仕事や、保育園からの転職を考えている場合に押さえておきたいポイントを紹介します。

保育士は保育園以外の仕事もできる?

腕組みをして考える保育士の女性

(出典) photo-ac.com

保育士資格が生かせる主な職場は、保育園です。しかし、それ以外の場所で働きたいと考える人もいるでしょう。保育士資格を活用できる仕事が他にあるのか、確認しましょう。

転職先は豊富にある

保育園以外にも、保育士資格が評価される仕事は多くあります。特に子どもの保育や預かりに関係する仕事では、資格を持っていることが高く評価されるでしょう。

保育士は児童福祉法で定められている国家資格で、子どもと接する上で必要な知識・技術をもとに保育や保護者への保育指導に携わる仕事とされています。保育士資格は更新の必要がなく、取得すると生涯使えるのが特徴です。

保育園以外でも、子どもの健やかな成長に関わる仕事であれば、保育士資格を生かして働けます。

参考:児童福祉法 第7節 | e-Gov法令検索

保育士資格が生かせる保育園以外の仕事

エプロン姿の女性

(出典) photo-ac.com

保育士資格が生かせる仕事は、多様化しています。子どもと関わる仕事では、多くのケースで役立つはずです。中でも、一般的に保育士資格が有利といわれる仕事を見ていきましょう。

他の児童福祉施設の仕事

児童福祉施設とは保育園をはじめ、児童福祉に関する施設の総称です。保育士資格を持っていると、保育園以外の児童福祉施設も転職先の候補になります。

児童養護施設や乳児院には、事情によって親と暮らせない子どもたちがいます。子どもたちと触れ合う機会が多く、保育士資格を生かせる仕事です。

学童保育や放課後等デイサービスでは、小学生の子どもたちを預かります。保育園とは年齢層が少し異なりますが、保育士資格を持っていれば有利になるケースが多いようです。

障害児を預かる施設や、家庭支援センターでも保育士資格を生かせるでしょう。

企業職員の保育施設での仕事

一般企業内の保育所や病院内の保育所も、保育士資格が役立つ職場です。企業や病院内の保育所では、その施設で働く職員の子どもを預かります。

企業や病院が運営し、職員の中でも幼い子どもがいる人しか利用しないため、多くの場合が小規模です。

保育園にはない特徴もあります。特に病院では夜勤や残業が多く、子どもを預ける時間はさまざまです。24時間稼動の保育所では、シフト制で働くことになるでしょう。

一般企業では営業時間に合わせた稼動が一般的ですが、業務内容や残業の有無によっても、勤務時間帯は変わります。

職員のために保育所を設けている企業や病院は大手が多く、雇用が安定しやすいでしょう。

個人宅で保育をする仕事

保育士の資格があれば、個人宅で子どもを預かる仕事にも生かせます。依頼者の自宅で子どもの面倒を見るベビーシッターや、自宅で子どもを預かる保育ママが主な選択肢です。

ベビーシッターや保育ママは個人での活動もしやすく、ライフスタイルに合わせて働けるのが特徴です。子どもを預かる事業を営む場合は、住んでいる地域の取り決めに従い、届出や認定が必要になります。

ベビーシッターは依頼によって、乳児から小学生程度まで、幅広い年齢層の子どもと接します。

保育ママは、0歳から2歳程度までの乳幼児を預かる仕事です。地域の家庭的保育事業によって募集され、保育士や乳幼児を育てた経験がある人を中心に構成されています。

自宅で乳児を預かるには、自分や家族の健康状態・年齢・保育スペースの確保などの条件を満たさなければなりません。

参考:家庭的保育者(いわゆる「保育ママ」)Q&A 東京都福祉保健局

メーカーや商業施設の仕事

保育士の資格があれば、子ども向けの商品を扱う会社で働きやすくなります。子ども服やおもちゃなどを開発・販売するメーカーで働く道もあるでしょう。

保育士は子どもと触れ合う機会が多く、子どもの考え方や好きなものについて知見を得られる仕事です。これまでの経験から、子どもが喜ぶ商品を提案・開発できます。

また、商業施設やアミューズメントパークには、子どもを預かる施設があります。一時預かりや迷子センターでの勤務にも、保育士資格が役立つでしょう。

子どもの教育に役立つスキルを持っていれば、幼児教室も転職先の候補になります。

保育園からの転職前にしておきたい準備

履歴書に記入する手元

(出典) photo-ac.com

保育園から別の業界への転職を考えているなら、事前の準備も必要です。保育士資格を生かした仕事に転職するとしても、辞める理由を明確にしておいた方がよいでしょう。転職を決意する前にやっておきたい準備と行動を紹介します。

転職したい理由を明確にする

今の職場を辞める理由は、次の転職先を決めるためにも重要です。まずは、なぜ転職したいのかを深掘りしてみましょう。

保育士の仕事自体が向いていないと感じるのであれば、まず今の仕事の何に不満を感じているのか突き止めるのが大切です。その不満を解消できる職業が見つかれば、保育士資格を生かしつつ、今より充実した働き方ができます。

職場環境や労働条件の問題であれば、別の保育園に転職することで問題が解決する可能性が高いでしょう。

周りに相談してみる

転職を決める前に、他の人に相談することも大切です。周囲の意見を聞き、さまざまな考えを取り入れることで、自分の気持ちを見つめ直すきっかけにもなるでしょう。

信頼できる家族や友人・上司に相談すると、問題が解決する可能性もあります。愚痴を聞いてもらって気分が晴れるだけでなく、上司への相談なら人事異動を含めた対応にも期待できるでしょう。

相談の結果、転職が必要なくなるケースもあります。今の職場でやっていけそうであれば、キャリアアップを目指すのもおすすめです。

退職の意思は早めに伝える

転職の意思が固まった後は、なるべく早く予定を伝えましょう。自分の気持ちが定まっていれば、職場に遠慮して連絡をためらう必要はありません。

退職の意思を早めに伝えることで、スムーズに準備ができます。周囲の仕事仲間も退職を受け入れやすく、勤務を続ける間も雰囲気よく仕事ができるはずです。

急な退職は、引き継ぎや人材確保の問題から周囲に迷惑をかける恐れもあります。事情がある場合は自分の都合を優先しても問題ありませんが、円満退職を目指すなら、早めに報告しましょう。

転職先を決めるときのポイント

パソコンを見ている女性

(出典) photo-ac.com

保育園以外の仕事に転身する場合も、別の保育園に転職する場合も、満足のいく転職には押さえておきたいポイントがあります。どのような行動が成功につながるのでしょうか?

自己分析で転職の軸を定める

求人活動の前に自己分析をして、何がしたいのか・目指す方向はどこかを明確にしましょう。転職で成功するには、軸を定めることが大切です。

まずは自分がやりたい仕事や、興味のある求人の傾向を絞り込みます。仕事内容や方向性が決まったら、転職によって実現したい目的を定めるステップです。

給料を上げたい、ワーク・ライフ・バランスを整えたいなど優先事項をピックアップしましょう。また不満がたまって転職する事態を避けるためにも、自己分析に基づいた希望条件の洗い出しが重要です。

求人サイトをこまめにチェックする

転職先を探すにあたっては、求人サイトを頻繁に確認した方が希望に合う求人に出会いやすいでしょう。

スタンバイのような求人サイトを使えば、多くの求人から希望に合うものを見つけられます。エリアや条件での検索も可能です。保育園以外にも保育士資格を生かせる仕事を広く探すなら、「保育士資格」とフリーワード検索をしてみるのも1つの方法です。

しかし求人サイトでは、日々求人数が増減します。毎日新しい求人が現れ、人気の求人はすぐに採用が決まるためです。貴重なチャンスを逃さないためにも、こまめな確認を意識しましょう。

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保育士の資格は保育園以外でも活用できる

赤ちゃんと話す保育士の女性

(出典) photo-ac.com

保育士は専門性を証明する国家資格であり、保育園に限らず幅広く生かせる資格です。子どもを預かる場所は保育園以外にも多数あり、児童福祉施設や保育所でも役立ちます。

個人宅で子どもを預かる仕事や商業施設など、保育士が重宝される仕事も選択肢となるでしょう。

保育園での勤務が合わないと感じる場合は、環境を変えてみるのがおすすめです。転職したい理由を整理した上で求人サイトも活用しつつ、自分に合いそうな職場を見つけましょう。