サービス業とはどういう仕事?代表的な職種や、やりがいなどを解説

サービス業は一般的に広い意味で使われている言葉で、人によってイメージが異なります。そもそもサービス業とは何か、代表的な職種を整理しましょう。サービス業の仕事のやりがいや向いている人の特徴、仕事を探す際のポイントなどを解説します。

サービス業とはどういう仕事?

飲食店で働く女性

(出典) pixta.jp

サービス業は商品を製造するのではなく、顧客に対して何らかの価値を提供する仕事です。まずはサービス業とはどういった仕事か、掘り下げて考えてみましょう。

顧客の要望やニーズに応える仕事

サービス業はさまざまな定義で使われるケースの多い言葉で、接客業を指すと思われがちです。しかし、顧客の要望やニーズに応える仕事ならば、基本的にサービス業の範ちゅうに含まれます。

飲食店やホテルなど、多くの人がイメージするサービスのほかにも、情報通信業や運輸業、さらに医療行為などもサービス業の一種です。

サービスの形態は多種多様で、飲食店の場合は料理を、旅館やホテルでは宿泊場所や温泉施設などを提供しています。

さらに、エンターテインメントを提供する放送業や、医療を提供する病院、金融商品の紹介・取引をする金融業も、顧客にサービスを提供しているといえるでしょう。

有形・無形にかかわらず、対価と引き換えに顧客が価値を感じる役務を提供する仕事は、すべてサービス業と考えることが可能です。

代表的なサービス業の種類

宅配業者

(出典) pixta.jp

サービス業は以下の業界に分類できます。多くの人がサービス業としてイメージする飲食業・宿泊業をはじめ、放送や情報通信、さらに運輸・郵便、医療から不動産業界まで、さまざまな仕事があります。

飲食・宿泊

飲食業はレストランや居酒屋、カフェなどで飲食物を提供する仕事であり、宿泊業はホテルや旅館など、顧客に宿泊施設を提供する仕事です。1,000室を超える大規模なホテルから、地方の民宿、ロッジやキャンプ場の運営なども宿泊業の一種といえます。

いずれもサービス業の代表例であり、多くの人がサービス業としてイメージする仕事でしょう。店舗や宿泊施設を運営している企業の正規社員として働いている人も多いですが、それ以上にアルバイトやパートとして働いている人が多い業界です。

娯楽・生活

顧客に娯楽を提供したり、日常生活を送る上で必要なサービスを提供したりする仕事です。娯楽の代表例としては、遊園地や映画館、劇場などの運営があります。

一方、生活に関するサービスとしては、理髪店や美容室、エステサロンなどが挙げられるでしょう。消費者の日常生活を支えるという意味では、家事代行サービスやクリーニング、害虫駆除なども生活関連サービスの一種です。

放送・情報通信

放送業はテレビやラジオ、衛星放送などを担っており、エンターテインメント業界の代表格であるとともに、消費者にさまざまな情報を提供する役割を担っています。

コンテンツを提供している企業に加えて、番組を制作している企業も、人々に情報を提供するサービス業の一種と考えられるでしょう。

また、情報通信業は一般的に通信サービスを提供している業界で、携帯電話のキャリアや、各種インターネットサービスを提供する企業です。いわゆる「IT業界」と呼ばれており、市場全体の規模は右肩上がりに伸び続けています。

運輸・郵便

運輸業は車や電車、船舶や航空機などを利用して、人や物を目的地まで届けるのが仕事です。

運輸サービスや運送サービスと呼ばれ、宅配便を運営する業者や、トラックで物品を店舗まで届ける業者などが代表例といえます。国全体の物流を支えている、極めて重要な仕事といえるでしょう。

一方、郵便事業も生活に欠かせない事業で、手紙や小型の荷物を配送しています。郵便局をはじめ、民間企業の中にも小包を届ける事業を運営しているケースも少なくありません。運輸業・郵便業は、他のサービス業の運営を支える業界でもあります。

医療・福祉

専門知識を生かして人々の病気やけがを治す医師や看護師をはじめとした医療従事者や、保健衛生に関わる職種は、数あるサービス業の中でも担っている役割は特に重要です。

病院だけでなく、個人のクリニックや歯科医院、整体・マッサージなどを提供する事業所など、医療関連のサービスは数多くあります。

また、高齢者の世話や介護を専門的に担ったり、障害者のケアをしたりなど、福祉関連のサービス業も多種多様です。高齢化社会が加速している日本において、今後さらに重要な役割を果たす業界といえるでしょう。

不動産・物品賃貸

不動産の売買や仲介、賃貸・管理などの仕事も、サービス業の一種です。一般住宅はもちろん、事業用のテナントやオフィスビル、駐車場などの売買や賃貸にも関わります。

多くの人が不動産業界のサービスを利用した経験があるでしょう。アパートやマンションなどの管理会社も、不動産業の一種です。

物品の賃貸(レンタル)業としては、レンタカー業者や事務用品のレンタル業者、産業用機械のリース業者などが挙げられます。一般消費者向けの業者も多いですが、事業者向けにさまざまな物品を貸し出している業者も多いでしょう。

その他のサービス業

上記の業界・業種以外にも、学術関連や教育関連のサービスや、会計や経営戦略に関するコンサルティングサービスなどもサービス業に含まれます。

各業界の企業に有益な情報を提供する研究所やシンクタンク、経営分析や経営戦略の提案を行うコンサルティングファームも、BtoBにおけるサービス業の一種です。会計事務所や税理士事務所なども該当します。

このように、顧客に対して何らかの価値を提供する仕事は、基本的にサービス業といえるでしょう。民間企業はもちろん、各地方自治体や政府の関連団体が提供する公共サービスも含まれます。

サービス業のやりがいとは?

カフェで働く女性

(出典) pixta.jp

サービス業は他の仕事に比べて、顧客と顔を合わせてサービスを提供するケースがほとんどです。そのため以下のように、顧客とのコミュニケーションを通じて、多くのやりがいを感じられます。

顧客の反応を直接確認できる

顧客と直接やり取りする業種が多いので、相手の反応をダイレクトに確認できます。直接クレームを受けるといった厳しい面もありますが、感謝の言葉を伝えられる機会も多く、やりがいにつながるでしょう。

他者とコミュニケーションを取るのが好きな人にとっては、サービス業は適職といえます。自分の提供するサービスが顧客満足度の向上に直結するので、組織に貢献しているという実感を得やすい仕事です。

仕事に工夫の余地が大きい

工場での仕事や経理業務など、定型業務を淡々と続ける仕事が少ないのも、サービス業の特徴です。逆に、毎日のように異なる顧客に接するなど、変化の大きい仕事で工夫の余地も大きいので、自分なりに試行錯誤を重ねて成果を上げたい人に向いています。

また、スキルアップが成果に直結しやすい面もあるので、自分の成長を目に見える形で確認できるのも、サービス業の魅力といえるでしょう。

サービス業に向いている人の特徴

窓口の女性

(出典) pixta.jp

サービス業に向いている人の特徴としては、他者とのコミュニケーションが得意で、さまざまな状況に柔軟に対応できることが挙げられます。経験を積めばある程度できる仕事であっても、継続的に成果を上げ続けるには、これらの特徴が欠かせません。

人とのコミュニケーションが得意

サービス業では、日々さまざまなタイプの顧客と接するので、基本的に人と接するのが好きなのに加えて、コミュニケーション能力がある人が向いています。

周囲が気付かないような、ちょっとした気配りができる人は、顧客から信頼されやすく、継続的な利用や受注につながりやすいので有利です。

現時点でコミュニケーション能力が高くなくても、人と接してさまざまな事柄を学ぶ姿勢があれば、経験を積むことで成果を出せるようになります。逆に、人と関わるのに苦痛を感じてしまう人は、長くサービス業に従事するのは難しいでしょう。

さまざまな状況に柔軟に対応できる

顧客のニーズや環境の変化に柔軟に対応できる人も、サービス業に向いているでしょう。求められる役割や業務が日々変化する可能性があり、複数の作業を同時並行で進めなければならないケースも多く、素早い判断力と臨機応変な対応が求められます。

また、顧客のニーズを的確に把握し、うまく満たすことに喜びを感じられる人であれば、企業や店舗にとっても売上に直結する貴重な人材とみなされるでしょう。その結果、業界で長く活躍できるはずです。

サービス業界に転職するには?

手帳と履歴書

(出典) photo-ac.com

サービス業界に転職するには、具体的に何から始めればよいのでしょうか?未経験でも応募可能なアルバイトも多いので、まずは期間限定で働いてみるのも有効です。

しかし本格的に転職を考えているのであれば、しっかりと自己分析を重ねた上で、自分に合った職種を選択する必要があります。

求人・転職サイトを活用する

数あるサービス業の中で、自分に合ったものを見つけるには、徹底した自己分析に加えて、求人サイトや転職サイトを活用するのがおすすめです。

求人サイトにはさまざまな業種の案件が掲載されており、仕事内容や給料、福利厚生などに関する情報はもちろん、キャリアアップの道筋に関する情報なども確認できます。

まずは求人サイトに登録し、自分の得意な仕事や興味のある仕事の案件を検索してみましょう。

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サービス業に対する理解を深めよう

テーブルを拭く女性

(出典) pixta.jp

サービス業は接客業と混同されがちですが、店舗で接客をする仕事以外にも、さまざまな職種が含まれます。

有形・無形にかかわらず、顧客に対して何らかの価値を提供する仕事は、ほぼサービス業に分類して差し支えありません。情報通信業や運輸業、不動産業など、さまざまな仕事があります。

サービス業は顧客と直接顔を合わせて接する機会が多いため、人と関わるのが好きで、コミュニケーション能力の高い人が向いています。また、顧客のニーズに柔軟に対応できる能力も必要です。

興味のある人は、どういった仕事があるのか求人サイトで探してみましょう。