履歴書をPDFで作成する必要があるなら、複数の方法を覚えておくと便利です。メールで送付する際のマナーも知っておけば、失礼な印象を与えずに済むでしょう。履歴書をPDF化する方法や注意点、メール送付時のマナーについて詳しく解説します。
履歴書をPDFで作成する方法は?
ビジネスシーンのデジタル化に伴い、採用現場でも資料を電子化して扱うケースが増えています。応募企業からPDFの履歴書を求められたときの対処法を、見ていきましょう。
手書きの履歴書をスキャンする
すでに手書きの履歴書がある場合は、スキャナーを利用してPDF化できます。自宅に複合プリンターがあるなら、スキャン機能でPDF化した履歴書をPCに取り込むことが可能です。
プリンターを持っていない人は、コンビニにあるマルチコピー機のスキャン機能でPDF化を行いましょう。処理後のデータは、USBメモリ・スマホに保存できます。
スキャン時の適切な解像度は「400dpi」が目安です。解像度を上げると文字・写真はより鮮明になりますが、ファイル容量が大きくなってしまいます。
手書きの履歴書をスキャンする方法は、自分で書いた履歴書を応募企業に送りたい人におすすめです。手書きの文章を見てもらえば、筆跡からにじみ出る人柄をアピールできます。
PCで作成した履歴書をPDF化する
PCでExcel・Word形式の履歴書を作成すれば、保存時にPDF化できます。Excel・Wordで作成した履歴書をPDF化する手順は、以下の通りです。
- 左上の「ファイル」をクリック
- 「名前を付けて保存」を選択
- ファイルの種類をPDFにし、ファイル名を入力して保存
Excel・Word形式の履歴書テンプレートは、インターネットで検索すれば無料で入手できます。JIS規格・転職用など、履歴書にはさまざまな種類があるため、目的に合わせて選びましょう。
Excel・Wordで作った履歴書をPDF化すれば、PCだけでPDFの履歴書を作成できます。キーボードの扱いに慣れている人は、手書きより早く完成するでしょう。
スマホアプリを使う
履歴書をPDFで作成する方法の1つに、無料スマホアプリを使う方法もあります。PCがなくても履歴書を作れるため、スマホで手軽にPDFの履歴書を用意したい人におすすめです。
履歴書作成に特化したスマホアプリなら、履歴書の種類も豊富にそろっています。スマホで撮影した顔写真を、そのまま貼り付けられる点も魅力です。中には、職務経歴書・送付状などを作れるアプリもあります。
アプリで作成した書類を印刷したい場合は、コンビニのマルチコピー機にデータを転送して印刷することも可能です。
PDFの履歴書に直接入力する
Excel・Wordで作成しPDF化した履歴書を修正したい場合、Excel・Wordのファイルを修正して再度PDF化する必要があります。
しかし、PDF形式のファイルを直接編集できるソフトを使えば、Excel・Wordのファイルまで戻る手間を省けます。
PDF編集が可能な代表ソフトが「Adobe Acrobat Pro」と「Wondershare PDFエレメント」です。これらのソフトがあれば、未入力のPDF履歴書にも情報を直接書き込めます。
上記2ソフトのいずれも、有料であることがデメリットです。無料で使えるPDF編集ソフトもありますが、透かしが入ってしまうことも多いため、提出用の履歴書で使う際には注意が必要です。
Adobe Acrobat Proをダウンロード | Adobe Acrobat
[公式]PDF編集はこれ1本でOK!| Wondershare PDFelement (PDFエレメント)
履歴書をPDF化するメリットは?
PDFファイルは、Excel・Wordファイルと比較した場合にメリットがあります。書類の形式に指定がない場合は、PDFで提出するのがおすすめです。
採用担当者が読みやすい
Word・Googleドキュメントで作成した文章には、部分的に下線・波線が付くことがあります。文章が読みにくくなってしまうことがデメリットです。
一方、PDF化した文章には下線・波線が付かないため、ストレスなく読み進められます。採用担当者が読みやすい形で、履歴書を提出することが可能です。
またWordで作成した文章は、PCの環境が変わると正しく表示されないこともあります。しかし、PDFファイルにすると文章を固定化できるため、PCの環境の違いで読めなくなることはありません。
編集されるリスクを防げる
Excel・Word・Googleドキュメントで作成したファイルは、送付後も編集可能な状態のままです。内容が意図的に改ざんされるリスクも、ゼロではありません。
また、採用担当者が文書を確認している間に、誤操作で内容が変わってしまう恐れもあります。応募者にとって不利になるような変更がなされてしまった場合も、応募者はそのことを知りようがありません。
このようなリスクを防げることも、応募書類をPDF化するメリットの1つです。PDFなら基本的に内容が変わることはないため、応募者にとっても安心して履歴書を送付できます。
履歴書をPDF化する際の注意点
PDFの履歴書を作成する際は、印刷サイズに注意する必要があります。採用担当者の印象を悪くしないように、誤字脱字・写真の画質にも気を配りましょう。
サイズはA3にする
履歴書をPDF化する際の印刷サイズは、見開きのA3にしましょう。見開きのA3サイズは、ビジネス上の書類を扱う上で最も適したサイズだからです。
多くの企業は、紙の書類をA4サイズで管理しています。A3サイズの用紙を2つに折るとA4サイズになり、企業が履歴書を印刷した後に管理しやすくなるでしょう。
A4用紙2枚に印刷する形式で作成する方法もありますが、印刷後はバラバラにならないように管理しなければならないため、企業側にひと手間かけさせることになります。
ベストなサイズは「見開きのA3」であることを覚えておきましょう。
誤字脱字がないか確認する
PDFの履歴書が完成したら、送付前に誤字脱字をチェックしましょう。履歴書に誤字脱字があるだけで落とされるわけではありませんが、印象を悪くしてしまう恐れがあります。
業界・職種によっては、誤字脱字が大きなマイナス評価になるケースもあります。正確さ・慎重さが求められる職種では、1つのミスが企業・取引先に悪影響を及ぼすこともあるためです。
手書きをPDF化した履歴書に誤字脱字がある場合は、最初から作り直しましょう。PCで作っていればExcel・Wordで簡単に書き直せるため、修正が楽です。
高画質の顔写真を貼る
PDFの履歴書に貼る顔写真は、画質を確認する必要があります。顔写真の画質が粗いと見にくくなり、採用担当者に悪い印象を与えかねません。
PDF履歴書に用いる写真のサイズは、「560px×420px以上」ならぼやけて見えることはないでしょう。560px×420pxよりサイズが小さくなると、画質が粗くなる恐れがあります。
また、画像サイズがあまりにも大きいと、サイズオーバーでメール送付ができなくなることもあるため、適切なサイズへの加工が必要です。
履歴書のメール送付におけるポイント
履歴書をメールで送付する際は、マナーを守ることが大切です。応募企業が、メール・ファイルを管理しやすくなるような送付の仕方を意識しましょう。
分かりやすい件名にする
企業にPDF履歴書をメールで送る際は、分かりやすい件名にしましょう。採用担当者は毎日数多くのメールを受け取っているため、内容がひと目で分かる件名にするのがおすすめです。
送付者と内容を件名に書けば、その他のメールに埋もれてしまうのを防げます。件名の書き方例は、以下の通りです。
- 営業職応募の件【送付者フルネーム】
- 履歴書ご送付の件/送付者フルネーム
送付者と内容は、簡潔に書くのがポイントです。「よろしくお願いします」などの文言を件名に書く必要はありません。
ファイル名に名前を入れる
企業に送付するPDF履歴書のファイル名には、自分の名前・日付を入れましょう。ファイルの内容をひと目で把握できるため、採用担当者のファイル管理に配慮できます。
ファイル名に日付を入れておけば、過去に提出した書類を確認したいときなど、自分で履歴書を管理する際にも役立ちます。
なお、履歴書内の日付欄に書く日付は、履歴書を企業に送る日です。メールで送る場合は「メール送信日」、郵送で送る場合は「ポスト投函日」を書きましょう。
メールの本文に署名を書く
PDF履歴書を添付したメールの本文には、最後に署名を入れるのがマナーです。応募書類の送付メールだけでなく、ビジネス上のメールに共通したマナーとなっています。
メールの署名に書く情報は、氏名・郵便番号・住所・電話番号・メールアドレスです。在職中に転職活動をしている場合も、電話番号・メールアドレスは個人用のものを書きましょう。
漢字だけでは氏名が読みにくい場合は、採用担当者が電話をかける際に困らないよう、ふりがなを書いておくと親切です。
パスワードを設定する
メールで個人情報を送る際は、パスワードを設定するのがビジネスマナーです。履歴書を企業に送付する際も、添付ファイルにパスワードを設定しましょう。Windowsでzipファイルを送る場合の、パスワード設定方法を解説します。
- ファイルにカーソルを合わせて右クリック
- 「圧縮」→「.zip(pass)」を選択
- パスワードを設定
設定したパスワードは、履歴書を添付したメールとは「別のメール」で送らなければなりません。パスワード通知メールも丁寧に本文を書き、署名を入れましょう。
正しい方法で履歴書のPDF化を!
履歴書をPDF化したい場合は、スキャナーを使えば手書きの履歴書をPDF化できます。PCで最初からPDF履歴書を作成したり、スマホアプリで作ったりすることも可能です。
履歴書をメールで送付する際は、ビジネスマナーを守ることも大切です。PDF履歴書の適切な作成・送付方法を理解し、採用担当者に良い印象を与えましょう。
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