初めてのバイト応募で企業とメールのやりとりを行う場合は、マナーを守ることが重要です。正しい書き方を理解し、丁寧な対応で採用担当者に好印象を与えましょう。バイトの返信メールを適切に書く方法やシーン別の例文を紹介します。
バイトの返信メール「基本マナー」
バイトだからといって返信メールをおろそかにすると、採用されるチャンスを逃してしまいかねません。バイトの応募先からメールを受け取ったら、ビジネスマナーに沿った対応を意識する必要があります。
メールを確認したら即返信
ビジネスにおいては、受け取ったメールを確認したら、すぐに返信するのが基本的なマナーです。バイトの応募先とのやりとりでも、メール受信後はできるだけ早めに返信しましょう。
外出中ですぐには返信できない場合も、遅くとも24時間以内には返信する意識を持つ必要があります。メール受信から12時間以上経過している場合は「ご連絡が遅くなり申し訳ございませんでした」と、ひと言添えて返信しましょう。
返信できるのにもかかわらず後回しにしてしまうと、返信するのを忘れてしまいかねません。メールの返信が遅くなると、印象が悪くなるほか、他の応募者に採用が決まってしまう恐れもあります。
基本は営業時間内が望ましい
メール受信に気付いた時間が、深夜や早朝の場合は、応募先の営業時間内に返信しましょう。深夜や早朝にメールを送ると、非常識な人だと見なされる恐れがあります。
ただし、営業時間内に返信できない場合や、すぐに返信した方がよさそうな場合は、気付いた時点で返信しても構いません。そのときの状況に応じて臨機応変に対応しましょう。
メールアドレスによっては、送信予約設定ができるものもあるため、返信を忘れないよう設定しておくのもおすすめです。応募先の営業開始時刻に合わせて送るとよいでしょう。
元のメール内容と件名の「Re:」は消さない
受信メールに対して返信する場合は、元のメール内容が本文に残っています。どのような件についてのメールだったかがすぐに分かるよう、相手側のメール内容は消さないのがマナーです。
返信メールの件名に付く「Re:」や、その後に続く文言も、消さずにそのまま送信しましょう。メールのやりとりが続く場合、件名のRe:のみ増えていく形で構いません。
元のメール内容と件名のRe:は、きちんと消した方が丁寧だと思われがちです。しかし、いずれも消さずにやりとりを進めていくのがマナーであることを覚えておきましょう。
メールの末尾には名前・連絡先を入れる
ビジネスメールでは、本文の最後に署名を入れるのがマナーです。署名には、氏名・住所・電話番号・メールアドレスを記載します。
それぞれの情報は箇条書きで構いません。学生の場合は、学校・学部・学科・学年も書いておきましょう。
署名を書く際は、華美にならない程度に記号などを使い、本文と区切って入れるのが一般的です。ひと目で署名と分かるような見た目を決めておき、使い回せるようにテンプレート化して保存しておくとよいでしょう。
バイト面接に関する返信メールの書き方
バイト面接についてメールをやりとりする場合は、さまざまな状況での返信が想定されます。よくあるシーンごとに適切なメールの書き方を紹介します。
日程調整の段階
応募先から日程を提示された際の返信メールは、次のように書きましょう。
<例文>
お世話になっております。鈴木です。
面接日時についてご連絡いただき、誠にありがとうございます。
3月6日(月)10:00にお伺いいたします。
当日は、なにとぞよろしくお願いいたします。
提示された日程のいずれも都合が悪い場合は、返信メールで都合のよい日時を提示するのがおすすめです。
<例文>
面接日時をご提案いただきましたが、いずれも予定が入っており難しい状況です。
つきましては、誠に勝手ながら明日以降の平日14:00~17:00で調整していただけないでしょうか。
上記の時間帯が難しい場合は、改めて候補の日時をご連絡いただけますと幸いです。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
決まった日程を変更したい場合
既に確定している面接の日程を変更したい場合、返信メールは以下のように書きましょう。
<例文>
10月20日(水)11:00に面接のお約束をいただいておりましたが、祖母が急に入院することになり、私が付き添いに行くこととなったため、お約束の日時にお伺いできなくなってしまいました。
お忙しい中日程を調整していただいたのに、誠に申し訳ございません。
大変恐縮ではございますが、来週平日10:00~14:00の時間帯で再調整をご検討いただけますと幸いです。
なにとぞよろしくお願いいたします。
日程変更を余儀なくされた場合は、すぐに連絡を入れましょう。「家庭の都合」や「諸事情」など、都合が悪くなった理由をあいまいに書くのは避けた方が無難です。
面接を辞退したい場合
バイト応募の面接を辞退する場合、面接の3日以上前ならメールで連絡しても構わないでしょう。例文は次の通りです。
<例文>
8月11日(金)14:00に面接でお伺いすることになっておりましたが、他社で採用が決まったため、この度の面接を辞退したくご連絡を差し上げた次第です。
お忙しい中、時間を確保していただいたのにもかかわらず、辞退することになってしまい、誠に申し訳ございません。
恐れ入りますが、なにとぞご理解いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
面接日が近い場合は、メールで連絡すると、確認が遅れて迷惑をかける恐れがあるため、電話で断りを入れましょう。
バイトの返信メールで使用NGな言葉
応募先とメールでやりとりする際は、言葉遣いにも注意が必要です。バイトの返信メールで使ってはいけない言葉について解説します。
「ら」抜き言葉
メールの文章では「ら」抜き言葉を使わないようにしましょう。「ら」抜き言葉はくだけた表現であり、ビジネスシーンで使うと、正しい日本語を理解していないと判断されてしまいます。主な「ら」抜き言葉と、正しい言葉の関係を確認しましょう。
- 出れる:出られる
- 見れる:見られる
- 来れる:来られる
- 食べれる:食べられる
「ら」抜き言葉は、文字入力中でもスムーズに変換されることがあるため、正しいのではないかと勘違いしがちです。メールの文章だけでなく、電話や面接などの会話中も、「ら」抜き言葉を使うのは避けましょう。
「了解です」は敬語ではない
バイトの返信メールでは、敬語の使い方にも注意が必要です。例えば、メールのやりとりでよく見かける「了解です」は、敬語ではありません。
了解は、一般的に目上から部下などに対して使う言葉です。語尾に「です」「ます」を付けるだけで敬語になるわけではありません。「了解です」といいたい場面では「承知いたしました」を使うのがベストです。
返信メールで間違った敬語として使いがちなものとしては、ほかにも「行きます」や「見ました」が挙げられます。それぞれの正しい敬語は「伺います」「拝見しました」です。
リマインドメールに返信は必要?
企業によっては、バイトの応募者にリマインドメールを送信するケースがあります。応募先と丁寧なやりとりを徹底できるよう、リマインドメールに関する基本マナーを押さえておきましょう。
リマインドメールにも返信は必須
リマインドメールとは、重要な予定を確認してもらうために送信されるメールのことです。例えば、バイト面接の日時が迫ってきたときに、企業から応募者にリマインドメールを送る場合があります。
バイトの応募先から面接のリマインドメールを受け取ったら、きちんと文章を打って返信するのがマナーです。リマインドメールに返信することで、企業は無断キャンセルや、辞退がないことを確認できます。
リマインドメールへの返信メールは、Re:や元のメール内容を残したままで構いません。ただし、明らかに機械的な自動返信メールが送られてきた場合、基本的には返信不要です。
リマインドメールへの返信内容
リマインドメールへの返信メールの書き方を、以下の例文で確認しましょう。
<例文>
○○株式会社 採用ご担当者様
お世話になっております。佐藤です。
面接についてご連絡いただき、誠にありがとうございます。
明日は予定通り13:00にお伺いいたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
メールの内容を確認したことや、当日は予定通りに行くことを、簡潔に述べます。通常の返信メールと同様に、相手の会社名や役職名を記載し、最後に署名も入れましょう。
バイトの返信メールに関する注意点
応募先とのやりとりで使うメールアドレスは、カジュアルになりすぎないように注意する必要があります。メール本文の見た目や、読みやすさに関するポイントも確認しましょう。
カジュアルすぎるアドレスに注意
バイトの返信メールで用いるメールアドレスは、基本的には何を使用しても構いません。ただし、カジュアルすぎるメールアドレスを使う場合は注意が必要です。
バイトといえども仕事である以上、趣味や娯楽色が強いメールアドレスは避けた方が無難です。「@」より前の部分は、カジュアルな意味に捉えられないような文字を並べましょう。
趣味や娯楽色が強いメールアドレスしか持っていない場合は、新しく作るのがおすすめです。バイトの連絡用として、プライベートと分けてメールアドレスを作っておきましょう。
メール本文に装飾は必要ない
バイトの応募先に送るメールの本文に、装飾の必要はなく、重要な部分を分かりやすくするためであっても、色を付けたり太字にしたりするのは適していません。
顔文字や記号も使わないように注意しましょう。親しい友人に送るような文面にすると、採用担当者になれなれしい印象を与えてしまいます。
基本的に記号の使用が許されるのは、本文と区別するために署名で使う記号のみです。返信メールの本文は、見た目のシンプルさを意識しましょう。
簡潔・適度に改行を入れて読みやすく
ビジネスメールの基本は、簡潔で分かりやすい文章です。要点のみをシンプルに伝え、必要ない話題を長々と挟まないように注意しなければなりません。
1文が長くなる場合は、適度に改行を入れると読みやすい文章になります。20~30文字を目安に読点で改行すれば、不自然な見た目にもなりにくいでしょう。
伝えたい情報が多く、長文になってしまうなら、箇条書きにするのもおすすめです。装飾ができない代わりに、改行や箇条書きで読みやすい本文になるように意識するとよいでしょう。
バイトの面接前後の問い合わせメールについて
面接前の質問や、面接後の合否確認をメールで行う場合も、分かりやすさやマナーに気を付けなければなりません。押さえておくべきポイントを見ていきましょう。
「面接前」質問がある場合
面接前に聞きたいことが生じたら、まずは質問するのにふさわしい内容かどうかを確認しましょう。
面接の場所や当日の持ち物、担当者の名前が分からない場合は、求人票や過去のメールに記載されている場合があるので、まずは確認をします。一度伝えられたことを調べもせずに質問するのは失礼にも当たります。
面接時のマナーなど、一般常識に関する質問も、応募先に聞くことではありません。質問が複数ある場合は箇条書きにし、分かりやすくまとめることも重要です。
「面接後」合否の連絡がない場合
合否結果の連絡時期を伝えられているなら、連絡時期を過ぎてもメールが来ない場合のみ質問しましょう。早く結果を知りたいからといって、期限を待たずに質問するのはマナー違反です。
合否の連絡が遅いときは、迷惑メールフォルダーに連絡が来ていないか確認する必要があります。そもそもメールでしか連絡が来ないのか、過去のやりとりを見返すことも大切です。
バイトの合否結果の連絡時期は、面接後3日~1週間程度が目安です。連絡時期を伝えられていない場合、1週間程度は連絡を待ちましょう。
バイトの返信メールに関するQ&A
バイトの応募先へ送るメールについて、疑問に感じやすいことをまとめました。分からないことは今のうちに解消し、スムーズなやりとりを行いましょう。
メールに気付くのが遅れたら?
応募先からメールが来ていることに後から気付いた場合は、気付いた時点ですぐに返信しましょう。受信から数日経過しているケースでも、放置すると失礼に当たります。
メールに気付くのが遅れた場合の返信メールの例文を確認しておきましょう。
<例文>
お世話になっております。斉藤です。
返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございませんでした。
面接日時のご提案をいただきありがとうございます。
私は、どの日程でも可能ですので、まだ間に合うようでしたら調整していただければと存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
CC・BCCって何?
応募先から受信したメールの宛先欄に「CC」と表示されている場合があります。メインの送信者以外にも、同じ内容のメールを送りたいときに用いるのがCCです。
例えば、採用担当者が応募者に送ったメールを上司にも見てもらいたいときには、上司宛にCCが使われます。バイトの返信メールでは、基本的にCCを気にする必要はありません。通常通り返信すれば問題ありません。
なお、メールの内容を共有したい相手のアドレスを他の受信者が見えないようにするためには、CCではなく「BCC」を使います。
返信はどこまでするべき?
受信メールの内容によっては、返信しなくてもよいケースがあります。「返信不要」と記載があるメールや「今後のご活躍を祈念いたします」といった表現で締められているメールには、基本的に返信は不要です。
ただし、返信すべきかどうかは、最終的には本文の内容で判断する必要があります。迷う場合はとりあえず返信しておきましょう。
自分からやりとりを終わらせるのもおすすめです。以下に挙げるフレーズを本文の最後に記載すれば、相手からの返信はないでしょう。
- お忙しい中ご確認いただきありがとうございます
- お力添えのほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます
- 以上です。引き続きよろしくお願いいたします
面接後のお礼メールは必要?
面接前にメールでやりとりをしていたのなら、面接後もお礼メールを送れば自然な流れでやりとりできます。自分以外の応募者が多い場合も、お礼メールで差別化を図れます。
以下に紹介する例文を自分なりにアレンジし、お礼メールで採用担当者に好印象を与えましょう。
<例文>
本日はご多忙な中、面接の時間を作っていただき誠にありがとうございました。
面接のお礼を申し上げたく、メールを差し上げた次第です。
接客に対する貴社の考え方をお伺いし、貴社の一員として働きたい気持ちがますます強くなりました。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
バイトの返信メールの基本マナーを覚えよう
バイトの応募先とメールでやりとりする場合は、マナーを守って対応することが重要です。本文の書き方や返信のタイミングなど、意識したいポイントは数多くあります。
受け取ったメールに対しては、丁寧な返信メールを作成し、採用担当者に好印象を与え、採用を目指しましょう。