面接での退職理由の答え方。ポイントや例文、注意点を紹介

面接で退職理由を聞かれたとき、どう答えるのがよいのでしょうか?答え方のポイントや例文を事前にチェックしておけば、いざという時にも困りません。回答するときの注意点や、面接官が何をチェックしているのかも覚えておきましょう。

面接での退職理由の答え方

面接を受ける女性

(出典) pixta.jp

面接では、退職理由を聞かれるシーンがよくあります。退職理由を聞いて、応募者の人間性や採用後の定着を予想できるためです。回答時のポイントを確認しましょう。

辞めた理由と目的に一貫性を持たせる

退職理由を聞かれたとき、「マネジメントを経験したいと思い、より大きな組織で働きたいと思いました」など、今後の目的と共に退職理由を説明できれば、面接官の印象もよくなります。

反対に、辞めた理由が「作業内容が合わない」にもかかわらず、前職と同じ職種に応募している場合、主張に一貫性がありません。

退職理由を考えるときは、次の職場でどうありたいか、どう貢献したいかをセットで考えましょう。

前向きな姿勢をアピールする

退職理由は仕事を辞めようと思った理由を説明するため、ネガティブになりがちです。後ろ向きな気持ちが見えると、入社後に活躍するイメージが想像できません。

そもそも面接官や企業側は、すぐに辞めてしまいそうな人材の採用は避けたいものです。何らかの原因があって辞めたことは分かっていても、前向きな気持ちがある応募者を評価します。

退職理由は、スキルアップや新しい業界へのチャレンジ、今後のキャリアプランを描くなど展望を示しましょう。

前の職場に問題があったとしても、前職の悪口に聞こえるような言い方は避けるのが基本です。

うそをつかず正直に

退職理由が言いづらいものであっても、うそをつくのはNGです。理由だけを隠そうとしても、ほかの部分で矛盾が出てきます。回答に一貫性がないと、面接官も何が本当なのか悩んでしまうでしょう。

うそをつく人だと思われると、採用にも影響します。履歴書の記載内容やスキルも信用できないと面接官が判断した場合、採用の見送りも考えられるでしょう。

特に人間関係や企業秘密に関わるトラブルをありのまま話すと、入社後に同様の問題が起きる可能性を考慮され、印象が悪くなります。なぜ退職に至ったのかだけにこだわらず、今後の希望を伝える方向にシフトしましょう。

面接での退職理由の回答例

退職届を書く

(出典) pixta.jp

面接で退職理由を答えるとき、どう答えるのがよいのでしょうか?ケース別の回答例と、方向性を解説します。

人間関係がうまくいかなかった場合

人間関係のトラブルは、よくある退職理由です。しかし、伝え方によってはコミュニケーションに問題があると捉えられてしまうかもしれません。

理由を伝えるときは、主観的にならないよう注意しましょう。客観的に見て正当な理由があるときは、具体的な内容を簡潔に伝えるか転職後の希望を前向きに話すのがポイントです。例文を見てみましょう。

【回答例】「殺伐とした職場で、苦手な同僚・上司がいるケース」

前職は営業職ということもあり、個人の成績のみが重視される傾向でした。社員も個人主義になりがちで、コミュニケーションを取るのが難しいと感じ退職を決めました。

職種や環境を変え、周囲と支え合いながら成長できる仕事をしたいと考え御社の○○職に応募しております。

給与に満足できなかった場合

給与が仕事内容に見合わない場合は、多くの場合退職理由になり得るでしょう。しかし自分の働き方に原因があった可能性もゼロではないため、給与が低いことだけを挙げるのはよくありません。

入社後に給与が見合わないと感じたとき、すぐ辞めてしまうのではないかと面接官は考えます。営業職のようにインセンティブ割合が高い職種であれば、給与・能力面に触れるのは問題ないでしょう。例文を紹介します。

【回答例】「営業職で給与が低いケース」

前職では、営業職の給与が部署全体の成績によって決められていました。個人の能力が正確に反映されないこともあり、転職を決意しています。

御社では、個人成績によって給与を決定するシステムと伺いました。前職でも○○の表彰経験や売上に貢献した自負がありますので、入社後も即戦力として働けるのではないかと思っています。

仕事や会社が合わなかった場合

仕事内容や会社の雰囲気が自分の性質に合わないことも、退職理由として考えられます。業務が合わないと直接的に伝えるのではなく、言い換えを検討しましょう。

あまりストレートな言い方だと、仕事への熱意を疑われる可能性もあります。

【回答例】「事務仕事が合わず辞めたケース」

以前より御社のメイン事業である○○に興味があり、働く機会があればと考えておりました。前職では事務として働いてきましたが、今後のキャリアを考えて転職がベストな選択と判断しています。

前職の入社前に○○の資格取得や勉強をしており、今回応募した○○職では自分の力を生かし貢献できるのではないかと思っています。

労働環境が理由の場合

残業や勤務日数の多さは、退職の原因になります。しかし、労働環境の不満をそのまま口にすると、前職の悪口のように聞こえてしまうかもしれません。

どの程度の残業や休暇なら問題ないのかも判断しづらく、採用をためらわれる可能性もあります。できるだけ、ポジティブな方向で話をしましょう。事情がある場合は伝える方が、お互いにすり合わせができます。

【回答例】

働き方や勤務時間の見直しを図りたいと思い、退職に至りました。前職では○○部の部長として部署を管理してきましたが、人数の多さやデジタル化が進んでいない環境もあり勤務時間が長引き、ワーク・ライフ・バランスが崩れていたと感じています。

御社には週休3日制や多様な勤務形態があり、休日にスキルアップのための勉強も考えているところです。もちろん、無駄なく時間を使い、生産性は落とさないよう気を引き締めていきます。

面接官が退職理由を聞く理由

横並びの面接官

(出典) photo-ac.com

面接官が退職理由を聞く理由は、複数あります。入社後のイメージが決まる重要な質問です。答える内容はしっかり考えましょう。

すぐに退職しないか見極めるため

面接官が退職理由を聞く主な理由は、入社後に長く働いてくれる人なのか見極めるためです。前職の勤務期間や退職理由によっては、何かあったときにすぐ辞めてしまうリスクもあります。

費用をかけて採用し、人材を育てていく上では長く働いてくれる人かどうかが重要です。せっかく採用しても同じ理由ですぐ辞めてしまうなら、時間をかけて採用活動をした意味がありません。

面接官に好印象を持ってもらうためにも、面接では退職理由の伝え方を考えるのが大切です。

自社とのマッチング度をチェックするため

退職の理由は、応募者の考え方を知る目的でも質問されます。自社の社風・業務内容に合うかどうか、退職に至るまでの考えである程度予想が可能です。

例えば一時的に残業が多くなる時期がある場合、残業時間の多さが原因で退職に至った人は労働環境が合わない可能性があります。

反対に、前職では合わなかった性質でも、転職先で生かせるかもしれません。マッチングの程度を図るために、退職理由を確認するのは一般的です。

退職理由で面接官がチェックするポイント

バインダーに記入する男性社員

(出典) photo-ac.com

面接官は、退職理由を聞いて何をチェックしているのでしょうか?面接官がどこを見ているのか、話し方や方向性に気を配るべき理由を解説します。

仕事に対する取り組み方

退職理由は、転職に至った理由でもあります。転職後のビジョンや仕事への熱意は、転職の原因となった退職理由から推察が可能です。

退職の原因を会社に求めるのではなく、応募者自身が前向きに捉えられているかをチェックしています。

入社後に何をしたいと考えて転職を決めたのか、面接官に伝わるようポジティブな発言を心掛けましょう。採用後に就きたいポジションや、新しい環境で成し遂げたいことをアピールするのが効果的です。

答えにくい質問への対応

退職の理由は、多くの場合ネガティブかつプライベートな問題です。面接で質問されても答えにくく、応募者にとってはなるべく避けたい内容でしょう。

面接官があえて退職理由に踏み込むのは、答えにくい質問にどう対応するかをチェックする目的でもあります。慌てず正直に答えるのがポイントです。

退職理由を質問されるケースは多いため、あらかじめ対策が考えられます。答えを丸暗記するのではなく面接官の質問方法に応じて、柔軟に回答しましょう。

面接の退職理由の注意点

注意のイメージ

(出典) photo-ac.com

退職理由を伝えるときは、いくつかの点に注意が必要です。話す内容によっては、ネガティブな印象を与えます。避けた方がよい伝え方と、注意するポイントを見ていきましょう。

人のせいにしない

会社・同僚・上司が退職の原因だったとしても、人のせいにするのは印象が悪くなります。面接官は退職前の状況を知らず、誰に非があるのか判断できません。

伝え方によっては悪口をいう人という印象になる場合もあります。できる限り前職の人間関係は前向きに話すよう心掛けたり、「相手にも落ち度があったけれども、自分にも落ち度があった」のように自責で振り返れるようにすることが大切です。

何らかのトラブルがあったときは、問題を解決する努力をしたかも同時に伝えます。問題解決に向けて動いた努力があれば、人のせいにしているような印象は和らぐでしょう。

不満や愚痴ばかりを言わない

面接は、入社に向けて意欲や熱意をアピールする場です。前職への不満や愚痴ばかりだと、ネガティブな人というイメージがつきます。

仕事中に後ろ向きな気持ちばかりを表現すると、周囲の人間関係にもマイナスです。入社後のコミュニケーションに不安を感じさせる原因にもなり、面接の受け答えとしてはよくありません。

苛立ちはプライベートの場で発散し、面接では気持ちを新たにしましょう。面接官の質問に答えるには話すしかないケースでも、客観性を意識するのがポイントです。

退職理由で上手に自己アピール

面接で話す男性

(出典) photo-ac.com

面接で退職理由を質問されたときは、答え方によって魅力的なアピールにつながります。ネガティブになりがちな質問ですが、今後頑張っていく気持ちをうまく盛り込んで、前向きさを伝えるようにしましょう。

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