英語を使う仕事14選。必要な英語レベルや未経験者がすべきことは?

英語を使う仕事にはさまざまなものがありますが、求められる英語力は異なります。英語を使う仕事をしたいと考えるなら、自分のレベルに合った仕事を選ぶことが必要です。レベル別の英語を使う仕事や、未経験から英語を使う仕事に就くコツを紹介します。

【初級レベル】日常会話程度の英語を使う仕事

英語を教える

(出典) pixta.jp

「日常会話程度」「中学英語までならOK」という人は、簡単な英語を使う業務がおすすめです。初級レベルの人にぴったりな英語を使う仕事を紹介します。

児童英会話講師

児童英会話講師は、幼児から小学生までの子どもに英語を教える仕事です。英会話スクールで働く・児童教室で働く・個人で教室を開くといった働き方があります。

児童英会話講師の仕事に求められる英語レベルはさまざまで、会社によっては日常会話レベルでも十分です。

児童英会話では、「英語の楽しさを教える」「子どもを英語に慣れさせる」ことを主眼とするケースが少なくありません。コミュニケーションスキルや、子どもを飽きさせずに指導できるスキルの方が重視される可能性が高いでしょう。

厚生労働省の「job tag」によると、児童英会話講師を含む英会話教師の年収は418万4,000円です(職業分類「個人教師」の統計情報)。

「令和3年分民間給与実態統計調査」における給与所得者の平均年収443万円と比較すると、やや低めといえるでしょう。

参考:
英会話教師 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁

通関士

通関士は、貨物の輸出入で必要となる通関手続きの代行や書類の審査・作成を行うのが仕事です。書類は英語で書かれているため、日常的に英語に触れることになります。就職先としては通関業者や貿易会社・流通業者などが挙げられるでしょう。

通関士に求められる英語レベルは、そこまで高くはありません。実務で使用する語彙は限られており、日常会話レベルの英語力があれば対応できます。ただし、就業するためには、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。

「job tag」によると、通関士の平均年収は584万4,000円です。

参考:通関士 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

【中級~上級レベル】空港で働ける英語を使う仕事

空港で働く女性

(出典) pixta.jp

中級とは、ビジネス英語を問題なく使えるレベルです。一方で上級には、ネイティブスピーカーと遜色ない英語力が求められます。中級から上級レベルの人は、海外との玄関口となる空港での仕事を探してみましょう。

一定レベル以上の英語力を持つ人におすすめの、空港での仕事を紹介します。

空港グランドスタッフ

空港グランドスタッフは、旅客機に搭乗する人の搭乗手続きを行ったり搭乗案内をしたりするのが仕事です。就業すれば、空港カウンターや空港ゲートが勤務場所となります。

空港グランドスタッフが英語を使うのは、外国からの乗客に対応する際です。乗客のニーズを正しく理解し、適切なサポートを行わなければなりません。

空港グランドスタッフになる場合、航空会社に就職する・グランドスタッフ業務を受託している航空関連会社に就職するといった方法があります。採用条件に高い英語力を挙げる企業も多いため、難易度の高い英語資格やTOEICの高スコアがあると有利です。

「job tag」によると、空港グランドスタッフの平均年収は453万6,000円とされています(職業分類「旅客・貨物係事務員」の統計情報)。

参考:空港グランドスタッフ - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

客室乗務員

客室乗務員は、乗客が安全かつ快適に空の旅を楽しめるようサポートする仕事です。旅客機内でさまざまなサービスを提供するほか、緊急時にはトラブル対応・避難誘導も行います。

客室乗務員が英語を使うのは、外国人乗客のサポートを行うときや、外国人機長やスタッフとコミュニケーションを取るときです。スムーズに業務を進めるには、日常会話に困らないレベルの英語力が求められます。

「job tag」によると、客室乗務員の平均年収は320万1,000円です(職業分類「旅館・ホテル・乗物接客員」の統計情報)。就業形態は正社員が一般的ですが、契約社員として働く人もいます。

参考:客室乗務員 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

【中級~上級 レベル】英語を使う観光業の仕事

ホテルの受付

(出典) pixta.jp

英語に不自由しない中級から上級レベルの人は、観光関連の仕事で英語力を生かしましょう。英語を使う仕事を探す人におすすめの、観光業の仕事を紹介します。

通訳ガイド

通訳ガイドは、外国人観光客に対し、英語で通訳案内・観光ガイドをする仕事です。業務には、旅程の管理や宿泊先の案内・日本文化の紹介なども含まれます。

通訳ガイドとして働くなら、おもてなしの心やスケジュール管理スキル、日本文化への深い理解などが必要です。

通訳ガイドは無資格でも働けます。ただし「全国通訳案内士」として働く場合は、「全国通訳案内士試験」の国家試験の合格と自治体への登録が必須です。

就業形態はフリーランスが多く、関係団体や旅行業者に登録して顧客を紹介してもらう流れになります。

「job tag」によると、通訳ガイドの平均年収は386万1,000円です(職業分類「添乗員、観光案内人」の統計情報)。

参考:通訳ガイド - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

ホテルスタッフ

ホテルスタッフの中でも、高い英語力が求められるのはフロント業務です。外国人が宿泊する場合は、受付や宿泊代の精算などを英語で行わなければなりません。

ホテルスタッフとして働く場合、日系よりも外資系ホテルの方が高い英語力が求められる傾向にあります。

外資系ホテルは外国からの宿泊客が多い上、スタッフも外国人というケースが少なくありません。スムーズに仕事を進めるには、日常会話レベル以上が必要です。

「job tag」によると、ホテルや旅館などのスタッフの平均年収は320万1,000円です(職業分類「旅館・ホテル・乗物接客員」の統計情報)。就業形態は正社員のほか、パートやアルバイトも多く含まれています。

参考:フロント(ホテル・旅館) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

観光バスガイド

観光バスガイドは、旅の案内・乗客のサポート・車両誘導などを行う仕事です。会社によっては、バスガイドが現地での観光まで担当するケースもあります。英語をフルに活用したいのであれば、外国人旅行者を対象とする観光バス会社を選択しましょう。

観光バスガイドになるために必要な資格は、特にありません。ただし「乗り物酔いしない体質」「一定以上の体力」「コミュニケーションスキル」などは重視されます。

「job tag」によると、観光バスガイドの平均年収は518万2,000円です(職業分類「車掌」の統計情報)。観光バスガイドとして実績を積めば、フリーランスで働く道も開けるでしょう。

参考:観光バスガイド - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

【中級~上級レベル】デスクワークメインの英語を使う仕事

デスクワークをする女性

(出典) pixta.jp

英語での読み書きに不自由しないなら、デスクワークも選択肢に入ります。中級から上級レベルの人におすすめの、事務系の仕事を確認しましょう。

貿易事務

貿易事務とは、海外との輸出入に関わる事務処理を行う仕事です。輸出入には国際法や相手国の法律・日本の法律が絡むため、それぞれの法律に準拠した処理が求められます。

高い英語力が求められる傾向にあり、入社後も定期的に語学力の維持や向上に向けた研修が必要です。

貿易事務の仕事の勤務先としては、貿易関連企業や海外との取引がある商社・メーカーなどが挙げられます。このほかに通関業者や海運会社・国際物流業者なども選択肢に入るでしょう。

「job tag」によると、貿易事務の平均年収は464万4,000円です(職業分類「営業・販売事務員」の統計情報)。ただし、中途採用は実務経験が重視される傾向にあるため、未経験からの就業は難しいかもしれません。

参考:貿易事務 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

留学コーディネーター

留学コーディネーターとは、留学希望者をフルサポートする仕事です。留学希望者に対し、本人の希望を聞き取って留学先や留学プランを提案します。留学が決まれば航空券や滞在先の手配、入学手続きの代行も留学コーディネーターの仕事です。

書類は英語で作成するほか、現地との綿密なやり取りも必要となります。英語の読み書きはもちろん、英語でのコミュニケーションに不安がないことが重要です。

留学コーディネーターの仕事は、留学あっせん業者や海外留学を取り扱う旅行会社・交流団体などで見つかります。留学の経験があった方が有利ですが、必須ではありません。

【上級レベル】外国人と一緒に働ける英語を使う仕事

外国人としゃべる男性

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ネイティブレベルで英語を話せる人は、外国人とのコミュニケーションもスムーズです。外国人と一緒に働ける職場を探してみましょう。

大使館職員

外国の在日大使館で、日本人スタッフとして働きます。英語を公用語としている国の大使館なら、職場での会話もほぼすべて英語でしょう。

大使館職員が担う仕事は、主に事務や通訳・広報活動などです。どの業務がメインになるかは、採用されるポジションやそのときのニーズによって異なります。

注意点は、大使館職員の募集は不定期である点です。また給与形態や待遇・条件は、国によって異なります。応募前に必ず詳細を確認しましょう。

外資系企業

外資系企業は本社とのやり取りを英語で行ったり、外国人の同僚・上司とコミュニケーションを取ったりする必要が日常的にあります。英語を使う機会はかなり多いため、英語スキルは必須です。

外資系企業には、金融系・IT系・メーカー系・コンサルティング系など多様な業種があります。いずれもスキルや実務経験が重視される傾向にあり、英語スキルだけで採用を勝ち取るのは困難です。

外資系企業で働いた場合、年収は日本企業よりも高額になる傾向があります。バリバリ働いて結果を出せば、年収1,000万円以上も夢ではないでしょう。ただし基本的に成果報酬型のため、福利厚生や退職金がないケースがほとんどです。

【上級レベル】専門性を生かせる英語を使う仕事

通訳をする女性

(出典) pixta.jp

「英語そのもので勝負したい」「替えのきかない仕事をしたい」という人は、専門性を生かせる仕事がおすすめです。専門性が高くやりがいの大きい、英語を使う仕事を紹介します。

通訳

英語の通訳は、英語と日本語の通訳を行って、日本語話者と英語話者の適切な意思疎通を実現するのが仕事です。必要な資格はありませんが、分野によっては専門知識が必要とされます。

通訳の就業形態は、フリーランスが大半です。企業に雇用される社内通訳も存在しますが、数は多くありません。まずは派遣会社などに登録し、会議やイベントなどで実績を積み上げていくのがおすすめです。

「job tag」によると、通訳の年収は584万4,000円です(職業分類「他に分類されない専門的職業」の統計情報)。フリーランスの場合は日給制の報酬形態になるでしょう。

参考:通訳者 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

セキュリティエキスパート

セキュリティエキスパートは、デジタル犯罪の調査・分析を行うのが仕事です。「デジタルフォレンジック」と呼ばれる技術を使い、デジタルデバイスや各種記録媒体に残された電子記録を収集・分析します。

業務そのものに英語が必須というわけではありませんが、セキュリティ関連の最新情報の多くは海外から発信されるのが一般的です。セキュリティエキスパートとして活躍するには、英語力が欠かせません。

就業先は、デジタルフォレンジックに携わるIT企業のほか、警察や会計事務所などが挙げられます。「job tag」によると、セキュリティエキスパートの年収は558万8,000円です(職業分類「その他の情報処理・通信技術者」の統計情報)。

社会のデジタル化に伴い、仕事のニーズはますます高まっていくと考えられています。

参考:セキュリティエキスパート(デジタルフォレンジック) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

翻訳者

翻訳者は、英語から日本語へ、または日本語から英語へ文献を翻訳するのが主な仕事です。一般図書を翻訳する出版翻訳と、契約書やマニュアルなどを翻訳する産業翻訳に分けられます。

いずれの翻訳においても、高度な英語スキルや、分かりやすい日本語を選択するスキルが必要です。

翻訳者として働く場合は、翻訳会社や出版社の社員になる・フリーランスとして働くといった選択肢があります。ただし近年はAIによる翻訳技術が向上しており、専門性の高い翻訳者が求められる傾向です。

「job tag」によると、翻訳者の平均年収は695万5,000円となっています(職業分類「著述家」の統計情報)。

参考:翻訳者 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

未経験から英語を使う仕事に就くには

マークシートと鉛筆

(出典) pixta.jp

未経験から英語を使う仕事に就くためには、「英語スキルを証明すること」「英語以外のスキルを持つこと」が重要です。英語を使って働きたい人がまずすべきポイントを紹介します。

TOEICで高スコアを目指す

TOEICとは、英語レベルをスコアで表示する英語能力テストです。ビジネスシーンでは特に重視される傾向があり、高スコアなら十分なアピール力があります。履歴書や面接で「英語ができます」と伝えるにあたり、信頼性が高まるはずです。

注意点は、低いスコアだと英語スキルがないと自己申告しているようなものなので、低いスコアについては表明しないという点です。求められるスコアは企業や業種にもよりますが、英語ができるとアピールできるのは600点以上と考えましょう。

外資系や専門性の高い仕事では、より高度な英語力が求められます。一般企業で750点、外資系なら800点以上を目指すのがおすすめです。

「英語を使って何ができるか」を明確にする

ひと口に英語を使う仕事といっても、内容や求められるスキルは多様です。事務職ならパソコンスキルや事務スキル、サービス業ならコミュニケーションスキルなどが求められます。

英語ができる点のみを強みとするのでなく、英語以外のスキルも身に付けることが重要です。

また職業によっては、特定の資格が必要なもの・資格を持っていた方が有利なケースがあります。必要があれば、英語だけでなく資格取得の勉強も始めましょう。

グローバル化が進む昨今では、英語が話せる人はさほど珍しくありません。英語を使う仕事に就きたいと考えるなら、英語力そのものよりも「英語を使って何ができるか」をアピールした方が有益です。

英語を使う仕事に就くにはプラスαが必要

英語の勉強をする

(出典) pixta.jp

英語を使う仕事といっても、初級レベルから上級レベルまでさまざまなものがあります。

「まずは英語を使う仕事を探してみよう」と考える人は、日本最大級の仕事・求人探しサイト「スタンバイ」をチェックするのがおすすめです。「英語」をキーワードに検索すれば、全国各地の英語を使う仕事を閲覧できます。

就きたい仕事が見つかったら、どのような資格やスキルが必要なのかチェックしましょう。英語プラスαを持っていれば、英語を使う仕事に就ける確率は格段に高くなるはずです。

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