既卒とは何を意味する?新卒や中途との違いや就職活動のポイント

既卒は一般的に、就職活動において不利なイメージがあります。しかし積極的に活動すれば、自分に合った求人が見つかるはずです。既卒者が就職活動を成功させるために活用すべき就職支援サイトや求人情報サイト、面接時のコツを紹介します。

既卒の意味とは

卒業証書

(出典) pixta.jp

学校を卒業後、正規職員としての社会人経験がないまま就職活動をする場合、既卒として扱われます。既卒の具体的な意味と、よく一緒に使われる「新卒」「第二新卒」との違いについて把握しておきましょう。

卒業後、社会人経験がない人のこと

就職活動における既卒とは、高校や大学、専門学校を卒業し、3年以内に正規職員として働いたことのない人を指します。就職活動を行ったものの内定が取れず、卒業後に就職活動を続けている人も、既卒に含まれます。

しかし既卒について、明確な定義がなされているわけではありません。多くの場合は25歳くらいまでですが、厚生労働省が実施している「3年以内既卒者トライアル雇用奨励金」では、40歳未満とされています。

参考:3年以内既卒者トライアル雇用奨励金|厚生労働省

フリーターは既卒?

卒業後にアルバイトやパートで働いているフリーターも、既卒に含まれます。正規職員としての社会人経験のない人を、既卒と呼んでいるためです。そのため、卒業後3年以内でアルバイトやパートとして働いている人は、既卒でり、フリーターでもある、ということになります。

ちなみに厚生労働省は、アルバイトやパートなどで働く15~34歳の人をフリーターと定義しています。

参考:未就職卒業者数の推移|厚生労働省

新卒や第二新卒との違い

既卒と似ている言葉に、「新卒」と「第二新卒」があります。就職活動をする際、言葉を混同しないように、意味を正しく把握しておきましょう。

新卒とは、学歴を問わず、学校をその年度中に卒業する人のことです。つまり就職活動を行っている在学中の学生を指します。

第二新卒とは、新卒で正社員として就職したものの、3年以内に退職した人です。短期間ながら正規職員としての社会人経験があるため、既卒には該当しません。

既卒の就職活動は難しい?

就職活動

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既卒は新卒や第二新卒に比べて、就職活動において不利なイメージがあります。しかし厚生労働省による企業への呼びかけや、企業が持つ第二新卒に対するイメージなどの影響で、既卒が大きなマイナスにはならないケースが増えている状況です。

新卒採用枠として採用する企業もある

厚生労働省は事業主に対して、既卒者を新卒枠で受け付けるよう呼びかけています。これは「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づいた指針で、企業の新卒採用枠を拡大させることが目的です。

また海外の学校は秋に卒業するケースが主流なので、優秀な留学生や海外の学生の採用を増やすために、卒業後3年以内を条件にしている企業も増えています。

参考:卒業後3年以内の既卒者は、「新卒枠」での応募受付を!|厚生労働省

中途採用枠での応募も可能

新卒採用枠に既卒が含められていない企業も数多くあります。そういった場合には、既卒者は中途採用枠への応募が可能です。

中途採用枠には、社会人経験や業務に対するスキルを求める企業が多い傾向にあります。電話応対や名刺交換など、ビジネスマナーの基礎ができていないと、教育する手間がかかるためです。

しかし第二新卒よりもまっさらな既卒の方がよいと考える企業や、第二新卒はすぐに離職しないか心配だと考える企業も存在します。面接で自分の適性や長所をアピールすれば、既卒であることは大きなマイナスにならないでしょう。

既卒が就職活動を成功させるには

面接を受ける就活生

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既卒が面接官に好印象を与えて、就職活動を成功させるためには、コツを押さえ、迅速に行動する必要があります。既卒の強みの見つけ方や、迅速に行動すべき理由を確認しましょう。

自分のアピールポイントを考える

新卒はこれから社会に出るフレッシュさを、第二新卒は就労経験を、企業に対してアピールできます。

しかし既卒は卒業してから時間が経っている上に、正社員としての経験がないので、企業にアピールできるるポイントがないのはハンデです。既卒者が就職活動を成功させるためには、既卒なりのアピールポイントを考えましょう。

社会人経験のない既卒者に対して、企業はビジネスマナーを基礎から教えなければなりません。そのため「素直で育てやすい」「柔軟で社風になじみやすい」といった点をアピールするといいでしょう。

企業について綿密に下調べして入社意欲の高さを見せたり、学生時代や卒業後に取り組んだ事柄についてアピールしたりするのもおすすめです。

既卒になった理由をきちんと説明する

面接では、なぜ既卒になったのか高い確率で尋ねられます。新卒で就職しなかったことについて、面接官は責めたり粗探しをしたりするつもりはありません。既卒になって考えたことや、就職するためにどのような考えを持っているのかを知りたがっています。

就職活動がうまくいかなかった、働くことに抵抗があったなど、既卒になった理由は人それぞれです。しかし面接官にマイナスの印象を与える可能性があるとしても、自分が就職しなかった理由を正直に説明しましょう。

ポイントは、既卒になった理由について、現在はどう考えているかという点まで説明することです。過去の失敗や考え方に向き合い、反省した点や改善点などを伝えることで、失敗から学びを得られる誠実な人物という印象を与えられるでしょう。

既卒の場合は早めの行動が大切

既卒は多くの場合は25歳くらいまで、厚生労働省の「3年以内既卒者トライアル雇用奨励金」では40歳未満とされています。しかし既卒者は、できるだけ早めの就職活動が大切です。

1つは、企業によって既卒を新卒扱いする年数に差があるためです。年数が経つにつれて、応募できる企業の数が減ってしまいます。

2つ目の理由は、ライバルが増えることです。応募できる新卒採用枠が減っていくと、中途採用枠に応募することになります。中途採用枠には、社会人経験があり即戦力になる人が多く応募するので、既卒は不利になってしまうのです。

既卒が就職活動をする方法

就職活動

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既卒が応募できる求人は限られます。しかし就職支援サイトやハローワーク、求人サイトを上手に活用すれば、自分に合った求人を見つけられるでしょう。

就職支援サイトを利用する

就職活動をするにあたって、就職支援サイトに登録している人も多いでしょう。就職支援サイトには、新卒向けや中途採用向けだけでなく既卒向けの案件もあります。

既卒向けのカウンセリングや面接対策講座なども設けられているので、積極的に利用しましょう。

厚生労働省が管轄するハローワークで中途採用の求人を探したり、全国25カ所にある「わかものハローワーク」を利用したりするのも一案です。

個別支援や職業訓練に関する情報提供など、地域のハローワークと連携したサービスが受けられるので、検討してみるといいでしょう。

参考:既卒・第二新卒向けの就職支援サービス|東京しごとセンター

参考:「新卒応援ハローワーク」と「わかものハローワーク」があなたの就職活動を応援します。 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

参考:わかものハローワーク|厚生労働省

既卒向けの求人に応募する

民間企業が運営する就職エージェントで既卒向けの求人を探すのも、有効な就職活動です。就職エージェントによって、扱っている求人の特徴が異なるので、さまざまなエージェントをチェックしましょう。

また求人情報サイトで、社会人経験がない既卒に向いたものを探して応募するのも、既卒の就職活動方法の1つです。既卒に向いている求人とは、「未経験OK」や「学歴不問」のように、職務経歴や学歴を問わないものです。

国内最大級の求人数を誇る「スタンバイ」なら、給与も含めたさまざまな希望条件を設定できるため、既卒が応募できる企業が見つかるでしょう。

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既卒から内定を勝ち取ろう

履歴書をチェックする女性

(出典) pixta.jp

正社員で働いたことがある第二新卒と違い、既卒には正規職員としての社会人経験がないというハンデがあります。また卒業してから時間が経っているため、新卒と扱いが異なるでしょう。

就職活動において不利な面もありますが、自分のアピールポイントを考え、既卒になった理由をきちんと説明すれば、面接官にポジティブな印象を与えられるはずです。

就職支援サイトやハローワーク、「スタンバイ」などを活用し、既卒から内定を勝ち取りましょう。