空間デザイナーとはどんな仕事?詳しい仕事内容やなり方を解説

デザインの仕事に興味がある人なら、空間デザイナーという職業を耳にした経験があるのではないでしょうか。どのようなことをする仕事なのか分かれば、転職先選びの参考になるでしょう。空間デザイナーの仕事内容や、未経験者が目指す方法を解説します。

空間デザイナーとは

空間デザインの打ち合わせをする女性

(出典) pixta.jp

さまざまな「空間」をデザインする空間デザイナーは、アイデアを形にする仕事に携わりたい人におすすめの仕事です。成果が多くの人の目に触れるため、やりがいも感じやすいでしょう。空間デザイナーとはどのような職業なのか、まずは概要を紹介します。

空間そのものをデザインする仕事

空間デザイナーとは、あらゆる空間をその目的に沿ってデザインする仕事です。個人宅や店舗の一室から、商業施設・イベントスペースといった大規模な空間まで、屋内外や規模を問わずさまざまな空間のデザインに携わります。

新しい空間をデザインする場合は、建物の内外装や照明・インテリアの設計から関わるケースもあります。既存の空間をイメージ通りに演出するのも、空間デザイナーの仕事です。

単に人の目を引く空間を作り上げることだけが、空間デザイナーの役割ではありません。利用者の使いやすさや過ごしやすさが向上する空間づくりも、空間デザイナーに求められる役割です。

デザイナーの定義

空間デザイナー以外にも、ファッションデザイナー・グラフィックデザイナー・Webデザイナーなど、デザイナーの仕事は分野ごとにさまざまな種類があります。

いずれのデザイナーも、基本的にはクライアントの求めに応じてデザインをする仕事です。案件ごとに特定の目的があり、デザイナーは最適なデザインの考案を求められます。

ただし、求められる知識やスキルは何をデザインするかによってさまざまです。具体的な仕事内容も、デザイナーの種類ごとに異なります。

空間デザイナーの仕事内容は?

部屋の様子をチェックする男性

(出典) pixta.jp

クライアントがイメージするデザインコンセプトを形にするのが、空間デザイナーの仕事です。具体的に行う内容や業務の流れについて解説します。

具体的な仕事内容

空間デザイナーは、クライアントの要望を満たすデザインを考えなければなりません。丁寧にヒアリングを行った上で、依頼内容をデザインに落とし込んでいきます。

アイデアを提案するのも、空間デザイナーの仕事です。デザインセンスや経験に基づいた意見も伝え、よりよい空間を作るサポートを行います。

空間デザイナーはデザインの考案だけでなく、実際の施工にも関わります。空間に設置するものを決めたり、現場で業者に指示を出したりしながら、完成品の引き渡しまで責任を持たなければなりません。

着手から完了までの流れ

クライアントから依頼を受けた空間デザイナーは、イメージ・予算・納期についてクライアントと打ち合わせを行います。クライアントのイメージが固まっていない場合は、適切な助言が必要です。

聞き取りを終えたらラフスケッチや模型でイメージを具現化し、クライアントのOKが出るまで修正を重ねます。実際に施工できるかどうか、予算や納期も考慮して実現可能なデザインを考案しなければなりません。

施工業者の選定や施工の発注も空間デザイナーの仕事です。施工期間中は現場に足を運び、状況の確認や指示出しも適宜行います。完成した空間をクライアントに引き渡せば仕事は完了です。

未経験から空間デザイナーになるには?

勉強する女性

(出典) pixta.jp

未経験者が空間デザイナーを目指すなら、まずはデザインの勉強から始める必要があります。知識やスキルを習得したら、中途採用枠に応募しましょう。

独学で学ぶ

空間デザイナーに必須の資格はないため、未経験からでも空間デザイナーになることは可能です。ただし、デザインの知識は学んでおく必要があります。

空間デザインの基礎や業務に必須のツールに関しては、独学でも勉強することが可能です。空間ディスプレイデザイナーや建築士など、持っておくと有利な資格を独学で目指すのもよいでしょう。

独学のデメリットは、実践的なスキルを習得しにくい点です。独学だと不明点について誰にも質問できないため、分からない項目を放置したままになってしまうリスクにも注意する必要があります。

働きながらスクールを利用

空間デザインの勉強が独学では難しいと感じるなら、専門スクールの利用を検討しましょう。働きながら利用できる夜間の専門スクールを選ぶのがおすすめです。

スクールなら、空間デザイナーに必要な知識を体系立てて学べます。分からない項目を講師に質問できる点や、同級生と切磋琢磨してやる気を維持できる点もメリットです。

スクールで学べば、実践的なスキルも習得しやすくなります。空間デザイナーを目指して効率的に学習を進めたい場合は、夜間の専門スクールを利用しましょう。

中途採用枠に応募

未経験から空間デザイナーに転職するためには、中途採用枠に応募しなければなりません。ただし、いきなり即戦力として採用される可能性はほとんどないでしょう。

研修制度がしっかりしている会社や、アシスタントから始められる会社なら、未経験でも実績を積んでいけます。経験がない人でも安心して働ける職場を選ぶのがポイントです。

空間デザイナーの仕事を探すなら、国内最大級の求人検索エンジン「スタンバイ」を利用するのがおすすめです。全国の求人が豊富に掲載されているため、未経験から空間デザイナーとして働ける会社を見つけやすいでしょう。

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デザインセンスを磨く方法

デザインをする女性

(出典) pixta.jp

空間デザイナーに必須のデザインセンスは、努力で磨くことが可能な技術です。デザインセンスの鍛え方や、センス以外に求められる能力を確認しましょう。

デザインをたくさん見る

デザインセンスを磨く第一歩は、とにかくたくさんのデザインを見ることです。ネット・雑誌・フリーペーパーなど、まずは気軽に触れられる媒体から始めてみましょう。

空間デザイナーを目指すなら、空間のデザイン例を豊富に見ておくことも重要です。ネットで検索すれば、著名なデザイナーが手掛けたさまざまなデザインをチェックできます。

世間で評価されているデザインに触れる場合は、なぜ評価されているのかについても調べましょう。自分の感性に頼るだけでなく、既存のデザインを勉強して評価の根拠を知ることも大切です。

気になった空間に行ってみる

空間デザイナーはデザインを通して、空間の使いやすさや過ごしやすさも追求しなければなりません。その空間で人々が心地よさを体感できるデザインが求められるのです。

そのため、デザインセンスを磨くためには、気になった空間に行ってみるのも有効でしょう。平面的なデザインでは分かり得ないことも、実際に足を運べば自分の体で実感できるはずです。

現在は世の中のあらゆる場所で、空間デザインの技術が反映されています。普段なにげなく立ち寄っている場所でも、見方を変えればさまざまな気付きを得ることが可能です。

気になったデザインの分析

目で見たり体で感じたりして心地よいと思ったデザインについては、なぜそう思ったのかを分析しましょう。理由を蓄積していく中で、デザインセンスが磨かれていきます。

空間デザインに対してどう感じるかは人それぞれの感覚によるものの、大多数の人が評価するデザインがあることも事実です。多くの人に支持されるデザイン感覚を身に付けることで、空間デザイナーとしてのスキル向上につながります。

よいと思ったデザインだけでなく、マイナスのイメージを抱いたデザインについて分析することも大切です。回避すべきデザインを豊富に知っておけば、仕事で手掛けるデザインのクオリティーも高まるでしょう。

センス以外に求められる能力

空間デザイナーはクライアントや施工業者など、さまざまな人と接します。あらゆる場面でスムーズな意思疎通を図るためには、高いコミュニケーション能力が必須です。

実際に空間を作り上げていくフェーズでは、空間デザイナーが全体をまとめる必要があるため、スケジュール管理能力やマネジメント能力も求められます。

空間デザイナーには体力も必要です。関係者にプレゼンを行う際は資料集めに奔走しなければならないほか、施工現場では少なからず力仕事も発生するでしょう。デスクでデザイン画を描くだけが空間デザイナーの仕事ではないのです。

空間デザイナーと似た仕事は?

建築デザインの打ち合わせ

(出典) pixta.jp

空間デザイナーについて理解できたら、似た仕事であるアロマ空間デザイナーについて知っておくのもおすすめです。空間デザインと建築デザインの違いも確認しておきましょう。

アロマ空間デザイナーって何?

アロマ空間デザイナーとは、アロマテラピーの知識や技術を利用して、空間を香りで演出する仕事です。視覚や聴覚ではなく、嗅覚に訴えられるデザインを考案します。

人の心に働きかける影響度で人間の五感を比較すると、嗅覚は視覚の次に重要な感覚であるとされています。そのため、イメージアップに香りを活用する企業が増えているのです。

アロマ空間デザイナーのメインとなる仕事は、特定の空間に適した香りの提案です。オリジナルの香りを作り出すこともあるため、エッセンシャルオイルの基礎知識だけでなく、調合の技術も求められます。

空間デザインと建築デザインの違い

空間デザインと混同しやすい言葉に建築デザインがあります。空間デザインが建物の内側や外側の空間をデザインするのに対し、建築デザインは建物自体をデザインすることを意味します。

建築デザインに従い建物が完成した後に、空間デザイナーが建物内外の空間をデザインするイメージです。建物の内装はインテリアデザイナーが手掛けるケースもあります。

建築デザインと空間デザインの両方と深く関係するデザインが環境デザインです。環境デザインでは、建物の形・素材・色や外側の空間をまとめてコーディネートし、特定の環境一帯を総合的にデザインします。

空間デザイナーへの転身に挑戦しよう

空間デザイン

(出典) pixta.jp

空間デザイナーは、場所や規模を問わずさまざまな空間をデザインする仕事です。デザインの考案だけでなく、現場での施工にも関わります。

自分のアイデアが形になることや、手掛けた空間が多くの人に利用されることが、大きなやりがいにつながります。知識の習得やセンスの向上に励み、空間デザイナーへの転身に挑戦してみましょう。