人の役に立つ仕事がしたいと考えているなら、どのような仕事があるのかを知っておくのがおすすめです。さまざまな仕事の存在を把握すれば、転職先探しの参考になるでしょう。資格不要な仕事から専門職まで、人の役に立つ仕事をジャンル別に紹介します。
人の役に立つ仕事とは
仕事を通して人の役に立ちたいと思う場合、まずはどのような仕事が人の役に立てるのかを理解することが大切です。資格が必須とは限らない点も確認しておきましょう。
誰かの助けになる仕事
人の役に立つ仕事がしたい場合は、誰かの助けになれる仕事に就くとよいでしょう。弱っている人や困っている人を助けたり守ったりする仕事なら、人の役に立っている実感を得やすくなります。
ただし、直接的に人を助けているようには見えない仕事でも、間接的には誰かの役に立っているものです。すべての仕事は何らかの形で誰かの助けになっており、それぞれが支え合って世の中が成り立っているという点は忘れてはいけません。
例えば、職場においてよりよい状況を作ってあげることも、人の役に立っているといえます。あらゆる仕事が、考え方次第で誰かの助けになっているのです。
資格のありなしだけでは決まらない
人の役に立つ仕事は専門性の高いものが多く、資格が必須の仕事もあります。しかし、すべての仕事で資格が必要なわけではありません。
人の役に立つ仕事の中には、資格がなくても就けるものも数多くあります。資格を取得しなくても、仕事で誰かを助けることは十分に可能なのです。
まずは自分がなりたい仕事を選び、その仕事で資格が必要なら取得するかどうか検討するとよいでしょう。どのような仕事が自分に合っているのか、きちんと見極めることが大切です。
人の役に立つ仕事①「医療系」
人の役に立つ仕事の代表格が医療系の仕事です。医師や薬剤師のように、就くための難易度が高い仕事ではなく、転職でも目指しやすい仕事を紹介します。
患者に寄り添う「看護師」
看護師は医師のサポートや患者のケア、入退院の手続きなどを行う仕事です。患者との距離が近いため、人の役に立っている実感を得やすいでしょう。
元気になった患者から直接感謝されれば、モチベーションも上がります。責任が重い一方で、大きなやりがいも感じやすい仕事です。
看護師になるためには、国家資格の取得が必須です。所定の学校や養成所を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。独学で看護師免許を取るのは不可能です。
看護学科の卒業後は、看護師のほかに保健師や助産師の資格取得も狙えます。いずれも人の役に立つ仕事のため、学校に通いながら進路の幅が広がる点もメリットです。
日常への回復を助ける「理学療法士」
事故や病気などで日常動作が難しくなった患者に、リハビリを施す仕事が理学療法士です。体・関節を動かす訓練や、マッサージ・物理療法などを行います。
理学療法士は国家資格の取得が必要な職業です。所定の大学・短大・専門学校を卒業すれば、受験資格を得られます。実務経験を積みながら高度な技術を学べば、認定理学療法士や専門理学療法士といったスペシャリストを目指すことも可能です。
理学療法士が働く場所としては、病院・クリニック・診療所などの医療機関が挙げられます。そのほかにも、福祉施設・教育現場・行政機関に加え、一般企業に所属する選択肢もあるでしょう。
歯科医師のアシスタント「歯科衛生士」
歯科衛生士は、歯科医師の治療補助や虫歯の予防指導などを行う職業です。歯の治療を苦手に感じる人は多いため、安心して治療を受けられるようにすることも仕事の1つといえます。
大学・短大・専門学校の歯科衛生士科を卒業し、国家試験に合格すれば、歯科衛生士として働くことが可能です。ほとんどの歯科衛生士は歯科医院に勤務しています。
歯科衛生士の数は不足しているため、資格さえ取得できれば就職しやすいでしょう。復職しやすい仕事としても知られており、多くの人が結婚・出産後も歯科衛生士として働いています。
縁の下の力持ち「医療事務」
事務職の一種である医療事務は、一般の事務仕事以外に、患者とのやりとりや院内の案内業務も行います。裏方として医師や看護師の仕事をサポートする職業です。
医療事務は患者と接する機会が多く、患者やその家族から感謝の言葉を直接もらう場合もあります。医師や看護師からも感謝されることがあり、多くの人の役に立っている実感が湧きやすいでしょう。
医療事務の仕事に資格は必須ではありません。ただし、医療事務系の資格を所持していると転職で有利になるほか、医療事務の仕事で最も重要なレセプトの知識も身に付けられます。
人の役に立つ仕事②「福祉系」
介護をはじめとした福祉系の職業も、人の役に立つ仕事です。転職先候補としておすすめしたい、代表的な仕事を紹介します。
介護の現場で働く「介護士」
介護士とは、介護施設の現場で働くスタッフの総称です。介護職員と呼ぶ場合もあります。特別養護老人ホームやデイサービスなどの利用者に対し、食事・入浴・排せつの介助や日常生活のサポートを行うのが、介護士の主な仕事内容です。
介護士になるために資格は必要ありません。介護の現場で働いていれば介護士を名乗ることが可能です。ただし、専門性の高い仕事をする上では、資格が必要になるケースもあります。
介護士は利用者との直接的な接触が多いため、人の役に立っていることを実感する機会が多いでしょう。介護分野は人手不足に陥っているため、転職の難易度が低いのも特徴です。
家族のサポートも「介護福祉士」
介護のスペシャリストとして活躍できる仕事が介護福祉士です。介護施設内の利用者の世話だけでなく、利用者の家族のサポートや現場で働くスタッフの管理なども行います。
介護福祉士は介護分野で唯一の国家資格であり、国家試験の合格や養成施設の卒業が必須です。一定期間の実務経験があれば国家試験を受けられるため、介護士から介護福祉士を目指すルートも選択できます。
介護福祉士は介護が必要な人を含めた、さまざまな人から感謝される職業です。老人ホーム・デイサービス・医療機関など、介護福祉士の職場は多岐にわたります。
相談がメインの仕事「生活相談員」
生活相談員とは、介護施設の利用者やその家族の相談に乗る職業です。利用者や家族の生活の改善に向けて、介護サービスの窓口としてさまざまな役割を担います。
相談対応以外にも、施設スタッフのサポート業務や地域との連携業務、利用者の各種手続きなどがその仕事内容です。職場によっては介護士を兼務する場合もあるでしょう。
生活相談員は原則として「社会福祉士」「精神社会福祉士」「社会福祉主事任用資格」の資格取得が必要ですが、自治体が定める資格要件を満たせば従事できます。
子どもの成長を見守る「保育士」
保育士の主な仕事は、就学前の子どもを預かって保育することです。保育園・乳児院・児童養護施設・知的障害児通園施設など、保育士が働ける場は多岐にわたります。
保育士になるためには国家資格の取得が必須です。学校や養成施設を経由するルートや、一定の実務経験を経て試験を受けるルートがあります。保育士資格を持っていなくても、保育園で働くこと自体は可能です。
保育現場の人材不足は社会問題になっており、資格さえあれば職探しには困らないでしょう。一度現場から離れた後に再就職しやすいのも強みです。
人の役に立つ仕事③「サービス系」
サービスの提供を通して誰かの助けになれれば、役に立っている実感を得られます。生活や人生のサポートにつながるサービス系の仕事をチェックしましょう。
人生の記念日を演出「ウエディングプランナー」
結婚式のプランニングや当日までの準備・管理を行う職業がウエディングプランナーです。人材や備品の手配にも携わり、結婚式をトータルでサポートします。
ウエディングプランナーに資格は不要ですが、ヘアメイク・ファッション・花に関する資格を持っていると役立つでしょう。ヒアリング能力や提案力といった能力をアピールできれば、転職で有利です。
結婚式という人生の一大イベントを支援するウエディングプランナーは、大きなやりがいを感じられる仕事です。人の幸せな様子を見るのが好きな人にも向いています。
資産形成を助ける「ファイナンシャルプランナー」
ファイナンシャルプランナーとは、個人や企業のお金に関する相談に乗る仕事です。さまざまな観点からお金の状況を分析し、顧客の資産形成をサポートします。
資格がなくてもファイナンシャルプランナーになれますが、金融商品や税金などに関する幅広い専門知識が必須です。ファイナンシャルプランナー系の民間資格も、転職やスキルアップに役立つでしょう。
ファイナンシャルプランナーの主な勤務先は、金融機関・不動産会社・保険会社などです。実務経験を積んだ後に独立するケースも少なくありません。
おもてなしのプロ「ホテルコンシェルジュ」
ホテルコンシェルジュは、ホテルの利用者に対してさまざまな業務を行う職業です。航空券・レストランの予約や、顧客のスケジュールがスムーズに進むためのサポートなどを行います。
ホテルコンシェルジュに必要な資格は特にありません。ホテルスタッフとしての豊富な知識や経験を求められるため、ホテルでの実務経験があると転職しやすいでしょう。
海外からの宿泊客を積極的に受け入れているホテルで働くなら、語学力は必須です。柔軟な対応力やホスピタリティ能力、国際マナーの知識も習得しておく必要があります。
人の役に立つ仕事④「行政関係」
警察官や消防士といった職業は、公務員の立場で人の役に立てる仕事です。転職に必要な条件や仕事内容を紹介します。
犯罪を取り締まる「警察官」
警察官は犯罪を取り締まり治安を守る、社会貢献度の高い仕事です。日々のパトロールや交通取り締まりなどの業務も行っています。
一般的な警察官は都道府県警察に所属する地方公務員です。警察庁で働く警察官や天皇家の警備を行う皇宮護衛官は、国家公務員に該当します。
警察官になるためには、公務員試験に合格しなければなりません。受験資格は国籍要件と年齢要件のみであるケースがほとんどであり、年齢要件は多くの試験種で30~35歳程度までに設定されています。
災害現場で人を守る「消防士」
行政関係の仕事で人の役に立つイメージが強いものとしては、消防士も挙げられます。災害・事故現場で消火活動に当たるのが、消防士の主な仕事です。
消防士は、災害発生時の人命救助や現場の負傷者・急病人の搬送も行います。危険と隣り合わせの仕事ですが、火災現場で逃げ遅れた人を無事に救助できたときには、大きな達成感を覚えるでしょう。
消防士は原則として消防本部(市町村が単独、または広域で連合して設置する組織)に勤務する地方公務員です。採用試験では、筆記試験と面接のほかに体力検査も実施されます。
人々の生活をバックアップ「地方公務員」
市町村役場や県庁で働く地方公務員は、営利を目的としない職業です。住民・地域・社会のために、生活や福祉の向上に関わる仕事に従事します。
税金や年金など暮らしに関わる手続き業務のほか、困ったときの相談窓口としても機能します。地味な仕事ではあるものの、人の役に立っていることを実感しやすい仕事です。
地方公務員にはさまざまな種類があり、難易度や応募資格も職種により大きく異なります。まずは自分が応募できる種類を絞った上で、仕事内容を比較するとよいでしょう。
人の役に立つ仕事⑤「IT系」
IT系の仕事は人助けのイメージが弱い職業ですが、間接的に多くの人の役に立っています。ITエンジニアとホワイトハッカーを、人助けの観点から見てみましょう。
技術で人を助ける「ITエンジニア」
ユーザーやクライアントが求めるものを、ITの専門知識を活用して提供する仕事がITエンジニアです。プログラマー・システムエンジニア・Webエンジニアなど、さまざまな職種に分かれています。
今や生活に欠かせないITの技術を多くの人に届けられることが、ITエンジニアの魅力です。自分が関わったサービスが人の役に立っていることを実感できるため、やりがいも大きいでしょう。
ITエンジニアになるために資格は不要ですが、各分野の資格を取得しておけば転職で有利です。未経験者がITエンジニアを目指すなら、専門的な知識やスキルも身に付けておく必要があります。
悪意から守る「ホワイトハッカー」
ホワイトハッカーとは、悪意を持ったブラックハッカーなどから情報を守る職業です。近年は企業や行政機関がサイバー攻撃を受けるケースも多く、ホワイトハッカーが注目を集めています。
ホワイトハッカーの主な仕事内容は、セキュリティシステムの開発・運用や不正アクセスの調査などです。資格は必要ありませんが、認定ホワイトハッカーという資格を持っていれば、知識や技術力を証明できます。
ホワイトハッカーはIT企業や民間企業・行政機関で働きます。感謝を直接伝えられる機会は少ないものの、多くの人の生活を守っている実感は得やすいでしょう。
人の役に立つ仕事のメリットと注意点
人の役に立つ仕事に従事すると、やりがいを感じやすくなります。一方、責任が重い仕事が多い点には注意が必要です。
やりがいを感じられる
人の役に立つ仕事のメリットは、仕事にやりがいを感じられる点です。自分の仕事が人を喜ばせられると感じることは、大きなやりがいにつながるでしょう。
業務に対してきつさや退屈さを感じてきた場合も、自分が働くことで誰かを助けていると思えれば、モチベーションを維持しやすくなります。
人に感謝されることが多い点も、人の役に立つ仕事の魅力です。誰かを助けたり守ったりした後に感謝の言葉をもらえると、「この仕事を続けてきてよかった」と感じられるでしょう。
責任が重い仕事も多い
人の役に立つ職業は責任が重い仕事も多く、重圧から精神的なストレスをためてしまう恐れがあります。適度なリフレッシュでストレスを軽減させる必要があるでしょう。
悩みを聞いたり誰かを助けたりして人に寄り添う仕事は、特に注意が必要です。相手に共感しやすい人は、相手と一緒にストレスがたまる場合があるため、仕事に入れ込みすぎないことも重要です。
人の役に立つ仕事は体力的に疲れやすい仕事も多く、体調を崩さないように気を付ける必要があります。特に慣れないうちは、業務をハードに感じやすくなるでしょう。
どんな仕事でも人のためを思って従事しよう
医療系・福祉系・サービス系・行政関係など、人の役に立つ仕事は各ジャンルに数多く存在します。人と直接接する機会が多い仕事なら、相手の反応が分かりやすいため、やりがいも感じられるでしょう。
世の中のすべての仕事は、直接的ではなくても人の役に立っています。どのような仕事をするにしても、人のためを思って従事することが大切です。
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